『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック(ハヤカワ文庫1977年発行 2003年46刷)
■ 今日(07.01)の朝カフェ読書で『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読み終えた。このSFを読むのは今回が3回目だと思う(過去ログ)。
人間とは何か? という根源的な問いかけ。作者は火星から逃亡してきたアンドロイドを見つけて処分し、懸賞金を手にするという主人公を設定してこのテーマをSF小説に仕立て上げた。これは要するに「人間であるために何をなすべきか」という読者への問いかけであろう。なんとも難しい問いかけだ。
アンドロイドと人間はいったい何が違うのか、違いはあるのか・・・。
**感情移入はどうやら人間社会だけに存在するものらしい。**(41頁)**感情移入度測定検査**(41頁) 感情移入というキーワードが早々に出てくる。
「ブレードランナー」はこの小説が原作の映画だが、ラストで主人公のデッカードはレイチェル(アンドロイド)を連れてアパートを出る。この場面に原作のテーマ、人間であるためになすべきことに対する応答である感情移入、すなわち相手に対する共感が描かれていると私はみた。