透明タペストリー

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森林がCO2の排出源になる

2022-07-19 | D 新聞を読んで

 信濃毎日新聞朝刊1面のコラム「斜面」、7月13日の**地球温暖化は森林をCO2(二酸化炭素)の排出源に変えてしまう―。**という内容には驚いた。

植物は呼吸で酸素を取り入れてCO2を排出している。その一方で光合成をして、CO2を吸収し、酸素を排出している。植物は気温が一定の値を超えると光合成の能力が下がり、呼吸は高温になるほど活発になるのだそうだ。ということは、ある気温になるとCO2の排出量が吸収量を上回ることになる・・・。この気温は植物の種類によって異なるそうだが、このまま気温上昇が続けば今世紀末には地球上の植物の半分がCO2の排出源になるとコラムに書かれている。アマゾンの熱帯雨林でもCO2の排出源になっている地帯が既にあるという。

植物がCO2の排出量を増加させ、そのことで地球温暖化を促進することになってしまう・・・。

(同紙7月17日付朝刊の記事の見出し)

地球温暖化は農作物にも影響して、既に長野県でもコメやレタス、リンゴなど18品目に影響がみられるそうだ。そのうち長野県は信州リンゴではなく信州ミカンの産地として知られるようになるかも、などと冗談を言ってはいけない。まじめに、まじめに。

植物がすべてCO2の排出源となって、宇宙船地球号が酸素不足になる?!などと言う事態は信じたくない、SFの世界に留めておかなければならない。

(同紙7月19日付朝刊の記事の見出し)

地球温暖化はこのところ毎年のように甚大な被害をもたらす集中豪雨とも大いに関係しているのだろうし、欧米各地で、いや、日本でも最高気温が40度を超えるような日があることにも関係しているのだろう。

もしかしたらコロナ禍だって地球温暖化と無関係ではないのかもしれない。このことは「風が吹けば桶屋が儲かる」ということを説明するよりも長くて複雑な理路によって説明することになるのかもしれないけれど・・・(*1)。


*1 コロナ禍によって人の移動が制限されたために、短期的ではあるがCO2の排出が抑制されたとも言われている。