■ 川端康成の『雪国』を初めて読んだのは高校生の時だったと思う。以来何回か読んでいるが、また読み始めた。以前手元に3冊あった文庫本は古書店に引き取ってもらったので、昨日(1日)買い求めた。奥付を見る。昭和22年(1947年)発行、戦後の混乱期。令和2年(2020年)157刷となっている。すごい。名作は再読に耐える。
最近の文庫のカバーデザインは派手過ぎて好きではないが、これは好い。ただし文字が大きすぎると思う。上の写真を見ると分かるが、デザインが変わるたびに文字が大きくなっている。もっと控えめに、控えめに。こうして目立つようにしないと、名作と言えども手に取ってもらえないという事情があるのだろう。
**国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。** この書き出しとよく似ていると思うのが、「津軽海峡冬景色」の**上野発の夜行列車おりた時から 青森駅は雪の中**という歌い出し。どちらも一気に雪景色にズームインしている。