透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

消えゆく火の見櫓

2022-07-03 | A 火の見櫓っておもしろい




撮影日2022.07.03

 長野県朝日村には火の見櫓が17基あった(と過去形で書かなければならない・・・)。旧役場庁舎の敷地内に立っていた火の見櫓が昨年度末に旧庁舎と共に解体された。そして、数日前にもう1基、西洗馬という地区の消防団の詰所の横に立っていた火の見櫓が詰所と共に解体撤去された。この火の見櫓は1955年(昭和30年)の7、8月に建設された。建設費は13万円だった。



人には忘れたくない、いつまでも覚えていたい記憶があるものだが、風景も同じことで、いつまでも残しておきたい風景があるものだ。そんな風景が消えてしまうと、すごく寂しい。忘れてしまった記憶は何かの拍子にふっとよみがえることがある。でも、消えてしまった風景がよみがえるなどということはない・・・。


 


塩尻市片丘の火の見櫓

2022-07-03 | A 火の見櫓っておもしろい

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(再)塩尻市片丘 3脚66型 撮影日2022.07.02

 この火の見櫓は2012年1月に既に観察している。それから早10年、昨日(2日)再び観察した。


横架材が2段の櫓、見張り台の高さは6mくらいか。外付け梯子を掛けてある。


反りの付いた6角錐(平面形が6角形)の屋根、急勾配。てっぺんの避雷針にも、軒先にも飾りが無くてシンプル。6角形の見張り台は山形鋼の手すりに丸鋼の手すり子、飾りは無し。半鐘は表面に突起(乳)などが付いた古いタイプ。木槌を吊り下げてある。木槌があると現役感(今も使っているような感じ)がある。小さいソーラーパネルは何のためだろう。電線が無いから夜間照明用か? 他には浮かばない。反対側を見れば分かったかもしれない・・・。


交叉ブレースのリング。丸鋼をリングの外側に溶接している。垂直構面の補強にはなるからこれでも可か。建て方の時、櫓は修正が必要なほど変形しなかったとも聞くから、ターンバックルは不要なのかな・・・。よく分からん。リングの無い単なる交叉ブレースだったら味気ない。やはりリングは飾りとしても欠かせない。


脚部を観る。柱材と2本の部材を横向きに入れた短材で繋ぎ、脚部を構成している。短材の設置の仕方がこれでよいのかどうか、これで補強効果があるのかどうか。効果はあるとは思うけれど、やはり3角形をつくってトラス脚にするのが正解だと思う。


脚元の花がきれいだった。 この写真が撮りたくて、車を停めた次第。ちなみに2012年に観た時は冬だったので下のような状態だった。火の見櫓は季節や時間帯、天候によっても印象が変わる。

 
撮影日2012.01.23