透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ガッツリ貫通 原村の火の見櫓

2022-11-09 | A 火の見櫓っておもしろい


1399 諏訪郡原村大久保(大久保公民館)4脚44型貫通脚 2022.11.08

 道路山水的構図ではないけれど、スケッチしたいような風景。でも、まとめるのは難しそう。


真正面から撮ると火の見櫓の立体的な姿・形は分からないけれど、櫓の逓減の様子は把握しやすい。この櫓は上方へなだらかなカーブを描きながら逓減している。屋根と見張り台の大きさのバランスも両者の離れ方も好い。サイレンやスピーカーが設置されていないのも好ましい。




屋根の軒先四隅の飾りは蕨手ではない。寺社建築の同部位に付けられている隅角(すみづの)と同形であることから、火の見櫓の屋根のこの飾りも隅角と呼ぶことにしたい。屋根上部のキューブ状の蓋にも名前が付いていると思うが、分からない。調べなければ。これが団子のような丸い形の場合には灯台では冠蓋と呼ばれている。火の見櫓もそれに倣っている。

 
脚が倉庫の屋根の軒を貫通していて外壁の外側に見えているような場合は「プチ貫通」と呼ぶ。このようなネーミングのセンスはない。やぐらくらぶのひのみちゃんによる命名。

この写真のように屋根を貫通して脚が倉庫内にある場合、「ガッツリ貫通」と呼びたい。それにしてもなぜ貫通させたのだろう? 地上からの外付け梯子も破風を貫通している。こうなると、とにかく「貫通させる」という製作者の意思すら感じる。


 


原村の火の見梯子

2022-11-09 | A 火の見櫓っておもしろい


1398 諏訪郡原村大久保 火の見梯子控え柱付き 2022.11.08

 諏訪地方、中でも茅野市は火の見櫓が多いが(*1)、このような簡易な火の見梯子も多い、という印象だ。しばらく前、インスタに原村の貫通やぐらが載っていた。是非見たいと思って昨日(8日)出かけてきた。目指す貫通やぐらは大久保公民館の隣に立っている。その手前でこの火の見梯子と出合った。集落内の生活道路沿いに立っていて隣には消火ホース格納箱も設置されている(この組み合わせは多い)。梯子の後ろには控え柱(つっかい棒)がある。簡易な基礎だとこのような控え柱を設置することが望ましい。


別方向から見る。


細い鋼管で構成されている梯子。小屋根付きの腕木に半鐘を吊り下げてある。木槌もある。木槌が掛けてあるのを見るとうれしくなる。半鐘に木槌は欠かせない。


*1 堀川雅敏さん作成の「長野県市町村別火の見櫓分布図」(『松本の本 第2号』2020年度版(想雲堂発行)による)