■ 凡そ世の中のもので趣味の対象になっていないものはない。自然のものであれ、人工のものであれ、趣味の対象にしている人が必ずいるものだ。中でも鉄道が趣味という人は多く、その数100万人とも200万人とも言われている。これだけ多いと鉄番組も成り立つということだろう。NHKのラジオ第1で毎週土曜日の午前10時5分から「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」という番組が放送されている。19日、車で移動中にこの番組を聞いた。 鉄道好きな出演者の会話に鉄言葉が出てくる。思い出すままに記すと「鉄教育」「親子鉄」「鉄音」「鉄グッズ」・・・。
100万人、200万人もいる鉄道好き、鉄ちゃんに対して火の見櫓好きな人、火の見ヤグラーはどのくらいいるのだろう・・・。仮に各県100人とすれば、全国でざっと5,000人。こんなに多いかなぁ、と思ってしまう。根拠はないけれど、この6割として3,000人くらいか。このくらいの人数だと火の見言葉が一般化することなどないと思う。火の見言葉を使うのは極々少数の人に限られるだろう。が、一応ここに挙げておきたい。尚、火の見言葉には私の他に、火の見櫓好きな人たちが考えたものもいくつかある。
言うまでもないが言葉は文化だ。日常交わされる言葉に方言があるように、火の見言葉にも人によって違いがあってよいと思う。その違いを楽しみたい。
信濃毎日新聞2014年4月18日付朝刊29面に掲載された火の見言葉
火の見ヤグラー 火の見櫓好きな人 マヨラーとかアムラー、サウナーなどと同じ発想の言葉。ヤグラーと略すこともある。
やぐら女子(今の世の中、ことさら女子と強調することもないだろうから、あまり使う機会はないと思う。)
やぐる 火の見櫓を観察するという意味の動詞 使用例:山梨までやぐりに行く予定だ。
ひのみる 火の見櫓を観察するという意味の動詞 やぐると同義 使用例:今日は一日中ひのみっていた。
道路またぎ 道路(公道・私道、敷地内通路)を跨いで立っている火の見櫓
水路またぎ 水路を跨いで立っている火の見櫓(実例は多くないと思われる)
倉庫またぎ 消防倉庫を跨いで立っている火の見櫓。倉庫と干渉していない状態
ガッチリホールド 火の見櫓の脚部が消防倉庫を抱え込むようになっている状態(倉庫またぎの形態のひとつ、倉庫と多少干渉状態にあるものも含む)
貫通やぐら 脚が消防倉庫に貫通している火の見櫓(貫通状態を次のふたつの言葉で表現する)
ガッツリ貫通 脚が消防倉庫の屋根を貫通して倉庫内に出ている火の見櫓
ぷち貫通 脚が消防倉庫の軒を貫通している火の見櫓(プチ貫通とも表記する)
高さかせぎ 消防団詰所の屋上や道路より高いところに建てて高さをかせいでいる火の見櫓
カンガルーポケット 櫓の1構面からバルコニーのように張り出している踊り場
ひのみくらぶ #ひのみくらぶ をつけてSNSに投稿する火の見好きな人たちの会(加入条件は特にありません)
とりあえず本稿はこれで終わりにしたい。次稿でこれらの火の見言葉の具体的な例を写真で紹介したい。
#ひのみくらぶ