透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ヒメボタル観察会

2023-07-18 | A あれこれ

 鄙里に暮らす私は子どものころ、家の近くの田んぼの上を飛び交うホタルをよく見た。それは夏の夜の日常的な光景だった。でももう長年、ホタルを見ていない・・・。家の近くではホタルの生息環境が失われてしまった、ということだろうか。

ヒメボタルの観察会が行われると聞き、参加した。朝日村最奥の集落・御馬越(おんまご)の先にあるキャンプ場に昨夜(17日)の夜7時過ぎに集合、友人で環境カウンセラーの佐々木辰弘さんの案内で観察した。

ホタルと言えばゲンジボタルとヘイケボタルしか知らなかった。どちらも水生昆虫だから、ヒメボタルもそうだろうと思っていた。ホタルは水生、という思い込み。現地で佐々木さんの説明を聞き、ヒメボタルは陸生だと知った。陸生のホタルがいるのか・・・。説明では水生より陸生のホタルの方が多いとのことだが、知らなかった。

森の中にひっそり棲むヒメボタル

佐々木さんの先導で林道を歩く。「光った!」小さな子どもが声を上げる。森の中に明滅するごく小さな点、点、点。林道を歩く間に見た光の点は、100,200くらいだろうか。何年か前、佐々木さんは500くらいの数を確認したという。キャンプ場の光を避けるように、ヒメボタルは次第に生息域を森の奥へ移動しているとのこと。

ヒメボタルは日本の固有種でゲンジボタルの半分くらいの大きさ、雄も雌も体長は1cmに満たない。雌は翅が退化して飛べないそうだ。雄はごく短い間隔で光を放ちながら飛び、ごくわずかな光しか発しない雌を探す・・・。パートナー探しのために与えられた日数はわずか5日。なんともはかない命だ。雌の方が数が少なく、相手を見つけることができないまま一生を終える雄も多いとのこと。

そうか、森の中にはこんな生もあるんだな・・・。