■ しばらく前に谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を取り上げた。その際、谷崎作品は他には残していないと書いたが『春琴抄』(新潮文庫1968年27刷)が見つかった。1968年! まだ生まれていな~いという閲覧者も居られよう。
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『春琴抄』は短編で、この文庫本では解説文も含めて86頁。若い人たちに読んで欲しいと思うが、読みずらい文体だからどうだろう・・・。
帯の紹介文を載せる。**音曲に憑かれた盲目の娘琴と、彼女の熾烈なむちに耐えつつ、自虐的なまでの愛を確かめてゆく手代佐助を描いた谷崎文学の絶品。**
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昔の文庫には、パラフィン紙のカバーがついていた、新潮だけでなく岩波も角川も。デザインの基本的なところはよく似ていた。3社が意図的に合わせていたのかもしれない。水色のテープが貼ってあるのは10代、20代に読んだ本。