鼎談で、こんな箇所がありました。
田村秀男】 馬鹿にしてはいけないのは、日本のバンカーや
日銀、財務省の役人と比べて、アメリカのエリート大学を卒業した
中国人の人民銀行の首脳、財務官僚、党の官僚の上層部は、
高い能力を持っています。
コミュニケーション能力にかけては、人民銀行総裁の
周小川が高いと評判です。私も一度、国際会議で議論しましたが、
この人は開けっぴろげでズバリ本音を言うこともあれば、
平気で嘘を言い、相手には本当のことだと信じさせるタイプです。
実に堂々としていますね。・・・・
国際会議、たとえばIMF・世界銀行年次総会など、
ああいう場では、周小川の周りにたくさんの人が集まっています。
それくらいコミュニケーション能力があり、しかも評価されている。
やっていることはインチキですけれども(笑)。
宮崎正弘】 しかし、その周小川は15年8月の人民元切り下げ以来、
16年2月のG20まで一度も記者会見をしなかった。
ダボス会議にも出席しませんでした。
中国人というのは、個々を見たらとにかく優秀なんです。
でも昔から『三人寄れば豚になる』と言われているように、
団体行動がとれないでしょう。チームワークもない。
どんなに能力が突出した人が銀行業務をリードしていこうが、
結局はバックに共産党がいて、これが最終決定権を持っている
ということで、その能力は相殺されるんですよね。
以上は、
「中国経済はどこまで死んだか」(産経新聞出版・p60~61)
に見かけました。
『三人寄れば』といえば、そういえば外山滋比古著
「乱談のセレンディピティ』(扶桑社・p70~71)に
「ひとりではダメ、二人でもうまくいかないが、
知的発見は三人ならずっとうまく行くということを
昔の人も知っていた。『三人寄れば文殊の知恵』
ということわざがある。読書信仰の強い日本である。
このことわざの意味が半ばわからなくなっている。
辞書に当たってみる。
『平凡な学者でも、三人が集まって相談すれば、
よい知恵が浮ぶものだという意味』(岩波ことわざ辞典)
本当は、そんなことを言っているのではない。
学者が三人集まるのではなく、人が三人集まって、
話し合っていると、文殊のような知恵が飛び出してくる
ことがある、といっているのである。
三人が学者である必要などまったくない。・・・・
三人の話し合いは、新しい力が生まれる。
相手が二人いる。
それぞれが、反応するからことばが重層的になる。
混乱するが、エネルギーをはらんだ混乱で、
めいめいに強い印象を与える。
おもしろい談話が生まれる。
そのおもしろさは、本を読んで得られる満足感、
気持ちのよい対話をしたあとの爽快感と違った
生産的エネルギーを内蔵する。
うまく引き出せば文殊の知恵である。」
この外山氏の本のはじめの方には(p18)
「読書と知識から生まれた発見は、ほんものではない。
本当に新しいことは、談論風発の風に乗って飛来する。
それをとらえるのが英知である。
いくら本をたくさん読んでも、その英知を身につける
ことが難しいことを文化の歴史は示しているように
思われる。」
田村秀男】 馬鹿にしてはいけないのは、日本のバンカーや
日銀、財務省の役人と比べて、アメリカのエリート大学を卒業した
中国人の人民銀行の首脳、財務官僚、党の官僚の上層部は、
高い能力を持っています。
コミュニケーション能力にかけては、人民銀行総裁の
周小川が高いと評判です。私も一度、国際会議で議論しましたが、
この人は開けっぴろげでズバリ本音を言うこともあれば、
平気で嘘を言い、相手には本当のことだと信じさせるタイプです。
実に堂々としていますね。・・・・
国際会議、たとえばIMF・世界銀行年次総会など、
ああいう場では、周小川の周りにたくさんの人が集まっています。
それくらいコミュニケーション能力があり、しかも評価されている。
やっていることはインチキですけれども(笑)。
宮崎正弘】 しかし、その周小川は15年8月の人民元切り下げ以来、
16年2月のG20まで一度も記者会見をしなかった。
ダボス会議にも出席しませんでした。
中国人というのは、個々を見たらとにかく優秀なんです。
でも昔から『三人寄れば豚になる』と言われているように、
団体行動がとれないでしょう。チームワークもない。
どんなに能力が突出した人が銀行業務をリードしていこうが、
結局はバックに共産党がいて、これが最終決定権を持っている
ということで、その能力は相殺されるんですよね。
以上は、
「中国経済はどこまで死んだか」(産経新聞出版・p60~61)
に見かけました。
『三人寄れば』といえば、そういえば外山滋比古著
「乱談のセレンディピティ』(扶桑社・p70~71)に
「ひとりではダメ、二人でもうまくいかないが、
知的発見は三人ならずっとうまく行くということを
昔の人も知っていた。『三人寄れば文殊の知恵』
ということわざがある。読書信仰の強い日本である。
このことわざの意味が半ばわからなくなっている。
辞書に当たってみる。
『平凡な学者でも、三人が集まって相談すれば、
よい知恵が浮ぶものだという意味』(岩波ことわざ辞典)
本当は、そんなことを言っているのではない。
学者が三人集まるのではなく、人が三人集まって、
話し合っていると、文殊のような知恵が飛び出してくる
ことがある、といっているのである。
三人が学者である必要などまったくない。・・・・
三人の話し合いは、新しい力が生まれる。
相手が二人いる。
それぞれが、反応するからことばが重層的になる。
混乱するが、エネルギーをはらんだ混乱で、
めいめいに強い印象を与える。
おもしろい談話が生まれる。
そのおもしろさは、本を読んで得られる満足感、
気持ちのよい対話をしたあとの爽快感と違った
生産的エネルギーを内蔵する。
うまく引き出せば文殊の知恵である。」
この外山氏の本のはじめの方には(p18)
「読書と知識から生まれた発見は、ほんものではない。
本当に新しいことは、談論風発の風に乗って飛来する。
それをとらえるのが英知である。
いくら本をたくさん読んでも、その英知を身につける
ことが難しいことを文化の歴史は示しているように
思われる。」