宮本常一著「絵巻物に見る日本庶民生活誌」は
中公新書の一冊なのだそうですが、
私が古本で購入したのは非売品でした。
「本書は、中央公論社の御厚意により、
中公新書『絵巻物に見る日本庶民生活誌』の
装幀を改めたものです。(昭和56年)1月30日
死去致しました故宮本常一への御厚誼に対する
ささやなか謝意のしるしとしてお受けとり下さい。」
と最後のページにあり、
新書版のハードカバーで函入りでした。
その新書の最後には
「宮本常一著作目録」が掲載されておりました。
「共・編著類」「編集・監修類」も並びます。
その目録の最後には注があり、注の5番目に
「『風土記日本』『日本残酷物語』
『絵巻物による日本常民生活絵引』などは
単独の著作と同様か、それ以上に精力を使い、
執筆枚数も多く、主著のひとつと考えてよい
ほどのものである。」
うん。私はというと、気になるので
『絵巻物による日本常民生活絵引』を注文(笑)。
総索引を入れて全6巻。
第一巻のはじめに
昭和29年に記した澁澤敬三氏の文がありました。
題して「絵引は作れぬものか」。
文のはじまりは
「字引とやや似かよった意味で、
絵引が作れぬものかと考えたのも、
もう十何年か前からのことであった。
古代絵巻、例えば『信貴山縁起』『餓鬼草紙』
『絵師草紙』『石山寺縁起』『北野天神縁起』
等の複製を見ているうちに、画家が苦心して
描いている主題目に沿って当時の民俗的事象が
極めて自然の裡にかなりの量と種目を以て
偶然記録されていることに気が付いた。
柴垣や生垣の数々、屋台店の外観や内部、
室内の様子、いろりの切りよう、群衆のうなじの
髪の伸びよう、子供の所作のいくつか、
跼(うずくま)り方、跣足(はだし)と履物、
貫頭衣、飼猫が異る絵巻に二つ描かれているが、
いずれも現代の犬のように頸に紐があって
どこかに繋がれている様子、蒸し風呂の有様、
お産の状況・・・・」
絵が描かれ、そこに名前をあてはめていく
絵巻のなかの絵引の世界。
うん。字引ももちろんよいのですが、
絵引の世界へ惹かれてゆきます。
中公新書の一冊なのだそうですが、
私が古本で購入したのは非売品でした。
「本書は、中央公論社の御厚意により、
中公新書『絵巻物に見る日本庶民生活誌』の
装幀を改めたものです。(昭和56年)1月30日
死去致しました故宮本常一への御厚誼に対する
ささやなか謝意のしるしとしてお受けとり下さい。」
と最後のページにあり、
新書版のハードカバーで函入りでした。
その新書の最後には
「宮本常一著作目録」が掲載されておりました。
「共・編著類」「編集・監修類」も並びます。
その目録の最後には注があり、注の5番目に
「『風土記日本』『日本残酷物語』
『絵巻物による日本常民生活絵引』などは
単独の著作と同様か、それ以上に精力を使い、
執筆枚数も多く、主著のひとつと考えてよい
ほどのものである。」
うん。私はというと、気になるので
『絵巻物による日本常民生活絵引』を注文(笑)。
総索引を入れて全6巻。
第一巻のはじめに
昭和29年に記した澁澤敬三氏の文がありました。
題して「絵引は作れぬものか」。
文のはじまりは
「字引とやや似かよった意味で、
絵引が作れぬものかと考えたのも、
もう十何年か前からのことであった。
古代絵巻、例えば『信貴山縁起』『餓鬼草紙』
『絵師草紙』『石山寺縁起』『北野天神縁起』
等の複製を見ているうちに、画家が苦心して
描いている主題目に沿って当時の民俗的事象が
極めて自然の裡にかなりの量と種目を以て
偶然記録されていることに気が付いた。
柴垣や生垣の数々、屋台店の外観や内部、
室内の様子、いろりの切りよう、群衆のうなじの
髪の伸びよう、子供の所作のいくつか、
跼(うずくま)り方、跣足(はだし)と履物、
貫頭衣、飼猫が異る絵巻に二つ描かれているが、
いずれも現代の犬のように頸に紐があって
どこかに繋がれている様子、蒸し風呂の有様、
お産の状況・・・・」
絵が描かれ、そこに名前をあてはめていく
絵巻のなかの絵引の世界。
うん。字引ももちろんよいのですが、
絵引の世界へ惹かれてゆきます。