先週注文してあった2冊が、昨日届いておりました。
三谷一馬著「彩色江戸物売図絵」(中公文庫)
大村はま「新編教えるということ」(ちくま学芸文庫)
うん。ここは「彩色江戸物売図絵」を紹介。
見開きの左に彩色された物売りの絵。右ページにその解説。
カラーだと何とも花やか。
まるでファッションショーの会場へと紛れこんだよう。
あとがきも入れて312ページあり、開くのが勿体ない。
はい。男の物売りが多いのですが、色が鮮やかで姿態が粋で。
まるで、歌舞伎の花道を、次から次へ
物売りだけが通ってゆくような圧巻さ。
ここは、ひとつだけ解説を引用しましょう。
『樽買い』(p202)。
「樽買いのしている頬かぶりはすっとこかぶりで、
どうけた三枚目のかぶり方です。
『天秤の先へ縄を結びしは樽を買ひし時の準備なり。
たるはご在、樽やでご在、空樽はご在、
と醤油の空樽を買あるくなり。
江戸の頃は醤油は樽の古きをよしとすれば、
醤油樽にかぎり古樽を買歩きて生計の営みとなりしなり。
されば随分多くありたる商人なりし』
( 江戸府内絵本風俗往来』 )
という解説の次のページに天秤の片方の樽を縄で結んでいる容姿。
はい。これが彩色されているので、もう参ってしまいます。
歌舞伎なら『ヨッ、○○や』とでも、掛け声を掛けたくなる。
まあ、こんな調子でページをめくってゆけます。
江戸時代の時代劇で、町人が行きかう何気ない一場面が好きだ。
という方には、ぜひにとお勧めいたします。
はい。もう一冊は、この次に。