林望著「ついこの間あった昔」(弘文堂・平成19年)に、
ある写真のおばあさんを語っている文章があります。
「この写真のおばあさんなんかは、胸を出してるのは、
腕を出してるのと別に意識上の違いは無く、
要するに暑いから出しているというだけのことである。
このたらんと垂れた乳房こそは、『垂乳根(たらちね)の母』
としての女の、いわば勲章のようなもので、別にこそこそと
隠し立てする理由も必要もなかったのだ。」(p177)
はい。これを引用してから、おもむろに
「いじわるばあさん」第二巻をとりだす。
そこに垂乳根の母。垂乳根のばあさんが
登場しておりました(p4)。
①長男『かあさん そんなカッコウで家の中を
ブラつかんで下さい!』
ばあさんは、上半身裸で、首に手ぬぐいをかけ
左手でうちわを振っています。
②奥さん『主人も部長という地位もあることですし』
居間に正座して、右に、長男とその奥さん。
左に、ばあさん『ほんに そうでした』
③日傘をさして買い物袋を提げて帰ってくるばあさん。
『からだに あうのをみつけるのに ホネをおった』
④長男は、びっくりして声もない。
ばあさんは、ビキニの水着上下で居間を通りすぎる。
右手には団扇をもってる。
コメントありがとうございます。
この林望の本と『いじわるばあさん』と、
2冊とも、時代の合い性がよさそうです。
この林望の『ついこの間あった昔』を
前触れ役として、『いじわるばあさん』
の昭和40年代へとタイムスリップする。
その楽しみを、ちょっと続けてみます。
林望さん・・・懐かしい名前です。 結構楽しんで読みました~~