和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

カードシステムの入り口。

2023-06-18 | 思いつき
梅棹忠夫著「知的生産の技術」では、
はじめて読んだ際に、カードシステムが印象に残りました。

清水幾太郎著「論文の書き方」(岩波新書・1959年)をひらくと、
そのカードシステムへと、たどり着くまでの準備段階が、
分かりやすく語られているような、そんな気がしました。

そう思える箇所を引用しておくことに。

「・・この最初のイメージや方向は大切にしなければいけない。
 是非、これは紙にハッキリ書きとめておくことにしよう。
 
 書きとめること自身、そう楽な仕事ではない。
 しかし、書きとめるという小さな作業によって、
 曖昧なものが明確になることが多いのだ。   」(p19)

「・・ここで肝要なことは、
 こういう観念や思いつきを大切にするということである。

 真面目に文章の修業をしようというのなら、
 観念や思いつきをトコトンまで大切にしなければいけない。

 直ぐ紙に書きとめておかねばいけない。
 書きとめるとなると、これもなかなか容易ではないが、
 何としても、ハッキリと文字にしなければいけない。

 これを大切にしないで・・・・・嘆くのは無意味である。 」(p20)


うん。その次も、この機会に引用しちゃいます。

「観念や思いつきを大切にするというのは、
 それを深く考えること、書物などでよく調べることである。

 ・・・短文として最後的な仕上げをする必要はない。
 
 ・・・独立の短文として完成してしまわぬ方がよいであろう。

 ・・・それが進行する過程で、二つの新しい事実が生まれてくる・・
 
 一つは、今まで考えもしなかった観念や思いつきが心に浮かんで来る。
 これも大切にしなければいけない。考えて、調べて、部分品に作り
 上げねばいけない。

 もう一つは、このような部分品が出揃って来ると、
 最初のイメージ自体が変化して来る。
 曖昧だったイメージが明確になって来るし、
 貧しかったイメージが豊かなものになって来る。

 ところが、イメージが明確な豊かなものになって来ると、
 それにつれて、新しい部分品が必要になって来る。 
 また新しい思いつきが何処からともなく現われて来る。

 逆に、今まで大いに役に立つだろうと思って、一生懸命に
 仕上げて来た部分品が不要になって来ることもある。・・・  」(p21)


ふう。私はここまでで満腹。ここまでにします。
これは第一章「短文から始めよう」からの引用です。
本文はここから、つながってすすんでゆくのでした。

何かを書かなくちゃいけなくなった時、あらためて、
またの機会に、つづきを読みすすめられますように。



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