もう11月28日となりました。何とか今月中に
「日本わらべ歌全集」(柳原書店)を読み終える予定は中断。
私の興味の賞味期限は、まあ、ここいらあたりとなります。
全集をひらくのはここまでにして、またふたたび、興味の潮が
満ちることを期待しながら、本棚へともどすことにします。
ところで、収穫がありました。
岩波文庫『 わらべうた 日本の伝承童謡 』
文庫の最後にある、浅野建二「解題」がわらべ歌の姿を
歴史の中へと辿ってゆく魅力を感じました。
ということで、「解題」を、ちょっと触れておくことに。
どのような具体例がでてくるかを列挙してゆきます。
まずは、
〇 「日本書紀」巻24 皇極天皇の2年の条・・
岩(いは)の上に 子猿米焼く
米だにも 食(た)げて通らせ
山羊(かましし)の老翁(をぢ)
〇 宣長「古事記伝」
〇 藤原通憲「本朝世紀」に
天慶8年7月九州より上洛した志多良(しだら)神を
諸人が歌い囃したという神事歌謡(童謡)6首
月は笠着る、八幡は種蒔く、いざ我等は荒田開かむ。
しだら打てと、神は宣ふ、打つ我等が命千歳。
しだら米早買はば酒盛れ、其の酒富の始めぞ。
の如く、当時の老若男女を狂信的ならしめた歌舞で、
『 しだら打つ 』 (手を叩く義)という歌遊の事象は、
更に『建久3年皇太神宮年中行事』の鳥名子の舞歌にまで
伝承された。即ち、同書に
しだら打てと、父が宣へば、打ち侍べり、習ひ侍べり
袙(あこめ)の袖、破れて侍べり、帯にやせむ、
襷(たすき)にやせむ、いざせむ、いざせむ、鷹の緒にせむ。
はい。これが解説のはじまりの方にあります。
最後には、この岩波文庫の本文から、これからの時期のわらべ歌を
大寒小寒 ( 寒気 ) 東京 P130
大寒(おおさむ) 小寒(こさむ)
山から小僧が泣いて来た
なんといって泣いて来た
寒いといって泣いて来た
霰やコンコン 秋田 P140
霰(あられ)や コンコン 豆 コンコン
鰯(いわし)コ とれだら 籠背負って来い
霰や コンコン 豆 コンコン
鰰(はだはだ) とれだら 樽持って 来い
雪コンコン 宮城 p142
雪 コンコン 雨 コンコン
お寺の屋根さ 雪一杯た~まった
小僧 小僧 ほろげ(揺すぶっておろす意)
和尚さんほろがねがら おらや~んだ
雨コンコン 福島 P143
雨コンコン 雪コンコン
おら家の前さ たんと降れ
お寺の前さ ちっと降れ
雪やコンコン 京都 p144
雪やコーンコン
霰やコーンコン
お寺の柿の木に
一ぱいつ~もれ
コーンコン
じいじいの 石川 p146
じいじいの ばァばいの
綿帽子雪が降るわいの
おおと(玄関・表口)の蔀(しとみ)も立てさっせ
背戸の烏も啼くわいの
摺鉢(すりばち)かぶって走らっせ
堅雪かんこ 青森 p148
堅雪か~んこ 白雪かっこ
しんこの寺さ 小豆パッとはねた
は~ねた小豆コ すみとって
豆コ ころころ 豆コ ころころ
はい。このへんで引用をおわります。
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