和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

房州館山の子守歌。

2024-12-01 | 安房
北原白秋著「日本童謡ものがたり」(河出書房新社・2003年)をひらく。
ちなみに、最後にこうあります。
「本書は、北原白秋『日本童謡物語』(アルス、55年7月、日本児童文庫42)
 を底本とし、同書のアルス、30年11月版も参照しました。」

そのp34に、『 とと買い 』という子守歌が載っていました。


         とと(さかな)買い   ( 安房=千葉県の一部 )

      ねんねのおもりは どこへいた。
      南条長田(なんじょうながた)に とと買いに。
      そのとと買(こ)うてきて、なにするだ。
      ねんねにあげよと 買うてきた。


そういえば、君塚文雄氏の文に、
奈良・平安時代の昔の房州・館山への言及があり、
わらべ歌の紹介があって、南条長田が出ています。


「 南方の南条や長田集落の全面はもちろん海であって、
  房州の古い古い子守歌に
 『 ねんねがお守りはどこへいった、南条長田に魚(とと)買いに云々 』
  とあるのは故(ゆえ)なしとしない。
  また館山の西方の柏崎辺は、現在の国司神社の辺まで海であって、
  平安時代の末、国司源金吾親元が任満ちて京に帰る時、
  そこから船出したといおう口碑がうなづけるのである。

  時代がくだって源頼朝の頃となると、陸地の上昇が段々と著しくなり、
  次の第三の砂丘列即ち神明町・北町・仲町・南町が陸地化し、
  高井・上野原の砂丘列との間に低湿地を広く残していたと思われる
  ・・・・・・・・・・  」
 ( p118∼119 君塚文雄編
 「ふるさとの思い出写真集・明治大正昭和 館山」国書刊行会・昭和56年 )

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