和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

信楽焼とわらべ歌

2024-11-23 | 詩歌
「日本わらべ歌全集14下」(柳原書店)は、「滋賀のわらべ歌」でした。
全国同じようなわらべ歌があっても、各巻を開く楽しみは異なります。

この巻からは、『 雨のショボショボ 』を紹介するのですが、
まずは、その解説から引用。

「 狸が徳利さげたユーモラスな『 酒買い狸 』の土焼き人形は
  本県(滋賀県)の特産品。甲賀郡信楽町の信楽焼で
  全国的に知られており、飲み屋の店頭に置かれるほか、
  個人宅の庭や玄関にも飾られている。

  この人形は藤原銕造(てつぞう:初代、明治9~昭和41年)が
  明治末期に創作し、少しずつ姿勢を変えて大正期に現在のものに
  近いスタイルにまとめた、といわれている。  」( p118 )


      雨のショボショボ   ( 雨 )

     雨のショボショボ   降る晩に
     マメドが徳利持って  酒買いに  
                   ( 長浜市元浜町 )

「 雨が降り出したときや、いつまでも降り続いて
  外出できない退屈時に口ずさまれた歌で、
  
  同系のものが県下各地でうたわれた。
  ただし、大津市をはじめ湖南地方では
  『 マメダ 』と略称する豆狸(まめだぬき:小狸)が、
  湖北の長浜などでは『 マメド 』となる。  」(p118)

「 『 雨のショボショボ 』の歌は、
  滋賀県をふくむ関西各地でひろくうたわれているが、
  明治・大正期の民謡文献には見当たらず、
  比較的新しいものと観察される。

  恐らくは、人形がかなり出回るに至った大正期に、
  それを見た子供たちがうたい出したのだろう。

  雨と結びついたのは、人形がバッチョ笠をかぶっているだけでなく、
  『 マメダ 』と『 雨だ 』の押韻連想があった、と思われる。 」
                        ( p119 )  
   

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