「日本わらべ歌全集14下」(柳原書店)は、「滋賀のわらべ歌」でした。
全国同じようなわらべ歌があっても、各巻を開く楽しみは異なります。
この巻からは、『 雨のショボショボ 』を紹介するのですが、
まずは、その解説から引用。
「 狸が徳利さげたユーモラスな『 酒買い狸 』の土焼き人形は
本県(滋賀県)の特産品。甲賀郡信楽町の信楽焼で
全国的に知られており、飲み屋の店頭に置かれるほか、
個人宅の庭や玄関にも飾られている。
この人形は藤原銕造(てつぞう:初代、明治9~昭和41年)が
明治末期に創作し、少しずつ姿勢を変えて大正期に現在のものに
近いスタイルにまとめた、といわれている。 」( p118 )
雨のショボショボ ( 雨 )
雨のショボショボ 降る晩に
マメドが徳利持って 酒買いに
( 長浜市元浜町 )
「 雨が降り出したときや、いつまでも降り続いて
外出できない退屈時に口ずさまれた歌で、
同系のものが県下各地でうたわれた。
ただし、大津市をはじめ湖南地方では
『 マメダ 』と略称する豆狸(まめだぬき:小狸)が、
湖北の長浜などでは『 マメド 』となる。 」(p118)
「 『 雨のショボショボ 』の歌は、
滋賀県をふくむ関西各地でひろくうたわれているが、
明治・大正期の民謡文献には見当たらず、
比較的新しいものと観察される。
恐らくは、人形がかなり出回るに至った大正期に、
それを見た子供たちがうたい出したのだろう。
雨と結びついたのは、人形がバッチョ笠をかぶっているだけでなく、
『 マメダ 』と『 雨だ 』の押韻連想があった、と思われる。 」
( p119 )
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