映画とライフデザイン

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憎いあンちくしょう  石原裕次郎&浅丘ルリコ

2009-08-14 21:46:09 | 映画(日本 昭和35年~49年)

「憎いあンちくしょう」は石原裕次郎日活全盛時代の浅丘ルリコとの昭和37年の共演。映画自体は粗く、脚本も不自然。ロードムービーの色彩があり、当時の日本の風景がカラーで楽しめる。

 人気タレントに扮する石原裕次郎は、毎日浅丘ルリコ扮するマネジャーの管理するスケジュールに朝から深夜まで追われている。この二人は恋人同士だが、真実の愛を見出すまでは関係を持たない約束をしている。付き合い始めて2年になる。タレント生活に飽きてきた裕次郎が、ある記事に着目する。東京に住む芦川いずみが九州にすむ小池朝雄と純愛を重ねていて、今は東京にあるジープを無償で九州に運んでほしいという記事である。裕次郎は引き受けて、東京から九州までぼろジープに乗って走り始める。スケジュールを管理しているマネジャーのルリコは懸命に阻止するが、裕次郎は振り払い、ルリコは車で後を追う。

人気タレント裕次郎の実態に近づけようとした映画である。映画全体では不自然な設定が目立つ。しかし当時としては最先端のスポーツカーを乗り回す裕次郎はかっこいい。それにも増して、この映画では浅丘ルリコの美しさが際立つ。当時22歳である。演技も頑張っている。この10年後にはかなりの厚化粧となるが、ここでは素材のよさが十分わかるメイクである。下着姿を大胆に見せる。この露出度で当時は大騒ぎだったのか?清純派芦川いずみもここでは影が薄い。

書店に行くと、昭和20年代から40年代にかけての昔の風景を映していた写真集が売られている。暇なときによく見る。非常に面白い。それ以上にリアルな映画画像の方がもっと面白い。裕次郎が東京をドライブする時の風景は、若干自分の記憶のある風景である。車もずいぶんと古くなる。新幹線も東名名神高速もなかったころに東京を出て、小田原、静岡、京都、大阪、岡山、広島と走っていく。。博多では山笠祭りを映す。カラーで映しているだけに実に貴重な映像だ。さぞかし人気絶頂の裕次郎のロケにはたくさんの野次馬が集まったことであろう。 大阪駅前のロケが特に傑作だ。

(参考作品)
憎いあンちくしょう
東京から九州まで車で駆け抜ける日本初のロードムービー、浅丘ルリコが若い
コメント (2)
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