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台風12号が去ったのに、初日から雨模様で冴えない。しかも、勢力の強い台風11号が来ているらしい。
心配だったが、雨雲は遠ざかった。
今治に向かい、瀬戸内海を目指す。
山道の国道をずっと走っていく。信号がないので、軽快に走る。一番燃費が安くなるパターンだ。
確かに今回の旅行で、ガソリン代は予想よりも安く済んだ。
途中、娘がトイレに行きたいという。高速じゃないからしばらくないというと、我慢するという。
それでもやばくなる。
横にそれる道を見て、そこを曲がって外でしたらと妻が言うが、少し行けば集落につきそうなので無理やり我慢させる。
そうすると、カフェテラスがあった。でもやっていない。ヤバイ!
すると食堂らしきものがある。まだやっていなそうだ。
娘を連れて店に入り、平身低頭お願いすると、優しそうな店主がいいですよ。ホッとした。
愛媛はいい人が多い。
今治につく。
よくある地方都市の風情だ。今治駅のすぐそばに廃墟のような旧商店があるのはイメージダウン
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大学の同じクラスに今治西高校出身の奴がいた。
すっかりご無沙汰になった。温厚な男だったが、今はどうなっているのであろうか?急に思いだしてきた。
大学野球で早稲田と全勝同士の決戦になった時、今治西高校出身の三谷という1年生ピッチャーに完全に抑えられた。試合前練習から、阪神に行った主砲岡田がスタンドに応援に来ていた加山雄三氏の横へポンポン打っていたのが懐かしい。
四国本土から瀬戸内海を眺める場所へ行く。
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しまなみ海道へ入って大島へ行く。
道の駅に行くが、夜もあるから魚介類のバーベキューは食べたくないという。
けっこういい値段するなあ。観光客たくさん来るものね。ぼったくりだなあ。
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本屋大賞で知名度が高まった村上水軍の記念館には妻は関心を示さずそのまま戻る。
来島海峡のサービスエリアに入ったら、安く鯛てんぷらそばを提供していた。これはいい。
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松山市中心部に戻る。
三越、全日空ホテルと立ち並ぶ風景に市電が走っているので広島を思い出す。
大きな商店街も市電のある熊本や広島と似たような光景だ。
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カフェで休憩する。
サラリーマンらしき人間が見当たらない。東京とちがう。
ほとんどが学生で、中には参考書広げて勉強している人間もいる。
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大学の1年後輩に愛媛の名門愛光学園出身の男がいた。自分の実家のすぐ近くに下宿していて、麻雀好きでよく打ったものだ。自分の母も何かというと、彼をかわいがっていた。若干うっとうしい部分もあり、軽いイジメというか、からかいを受けていたが、みんな彼のことが好きだった。長らく大手製薬会社に勤めていたが、ここ数年連絡がとれなくなった。2年前同期で集まった時に彼の行方を探しだそうと努力した。でも見つからない。
カフェで勉強する学生を見ながら彼を思った。
萬翠荘という旧松山藩主の流れをくむ久松家がつくった立派な建物を見た。
たとりつく前にあるのが「坂の上の雲ミュージアム」だ。
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これは安藤忠雄氏の設計になるものだ。コンクリートよりもガラスの方が目立つのは彼にしては珍しい。
でも「坂の上の雲」にまったく関心がないので目の前をスル―
大正11年に建てられたこの洋館は凄い迫力だ。
国の重要文化財で、昭和天皇は摂政時代からこの建物がお気に入りだったそうだ。
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設計者は日本人設計者木子七郎で、今の通貨に換算すると19億円ほどの総工費がかかったらしい。
大きなステンドグラスがメイン階段の前に飾られている。
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天井高が高い。壁は漆喰だ。水晶でできたシャンデリアのデザインもすばらしい。
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親切なボランティアさんに懇切丁寧に説明してもらった。
松山城を含め、このようなすばらしい建築物が戦災を受けた際、よく焼けなかったものだ。
これは奇跡と言うべきだろう。
街中を歩いて、途中道後公園に寄りながら宿に戻った。
記憶にとどめるべく、風呂に何回も入った。
最後の夜はサザエの唐揚げを食べた。これは絶品だ。
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道後温泉は最高だった。夜は酒が進んでしまった。
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最終日は雨が降った。台風が近づいても意外に松山は大丈夫らしい。
飛行機は揺れたが、無事に東京に戻れてよかった。
また来たい。