映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「怪しい彼女」

2015-01-25 08:54:31 | 映画(韓国映画)
映画「怪しい彼女」は2014年の韓国版ラブコメディ映画だ。


70才のおばあさんが突然若返り20才の娘時代に変身してしまう話である。
昨年公開されておもしろそうなので行こうとしたが、やっている映画館が少ない。しかも早めに上映終了でアウト。DVD化され早速みた。過去にタイムスリップする映画は多いが、他の映画にありそうでない既視感のない展開である。20才に戻っても、普通のドラマがそのまま続いていく。韓国らしさをプンプンさせるところもいい。なかなか楽しめた作品だ。

主人公マルスン(ナ・ムニ)は大学教授の息子ヒョンチョル(ソン・ドンイル)夫婦と姉と弟の孫と暮らす70歳のおばあさんだ。


口うるさいので嫁からは嫌がられている。ある日、のけ者にされたと1人町を歩いたマルスンが青春写真館という奇妙な写真館を見つける。若い頃を振り返りながら写真を撮ってもらったマルスンが、外に出て自分の姿にみると、20歳の頃にもどっていた。
マルスンは驚き、家に戻れなくなった。頭はチリチリのばあさんパーマだったので金を下ろして大好きだったオードリーヘップバーンを意識した髪型に変えてもらい、ブティックで若い娘が着るような服を買いまくる。


昔からの腐れ縁であるパクさん(パク・イナン)のところへ行って、下宿させてくれと頼む。当然名前は名乗れないのでオ・ドゥリ(シム・ウンギョン)と名乗ることにした。
若返ったにもかかわらず、よくいっていた老人用の集会所へ行き、今までのようにカラオケで歌を歌ったら大喝采。その時偶然2人の若い男がそれを聞いていた。1人は孫のジハ(ジニョン)でもう一人は番組プロデューサーのスンウ(イ・ジヌク)だった。当然祖母であることを隠して孫と話したら、ジハにボーカルをやってくれないかと頼まれる。そのままバンドでボーカルを務めることになったオ・ドゥリは、いつのまにか人気者になってしまうのであるが。。。


松竹の人情物を唐辛子漬けにしたような肌合いをもつが、基本はアメリカ流ラブコメかなという印象だ。韓国映画界の映画人はアメリカ映画の影響を受けていることが多い気がする。

主人公マルスンはいろんな恋をする。腐れ縁のおじさんに惚れられているばかりでなく、番組プロデューサーと今までしたことのない恋に浸っている。祖母と知らない孫からも狙いを定められている。こんな思いをするのも楽しいよな。それだけでなく、葛藤もある。嫁との対立だけでなく、腐れ縁のパクを慕うおばさんがライバル心を抱いている。まあ忙しいこと。1人二役はよくある話だけど、同時に老若の同一人物の話は少ないかもしれない。

1.変身願望
韓国が整形大国であることはあまりにも有名だが、変身願望もあるのかもしれない。孫のジハが自分の家にオ・ドゥリを連れてきたときに、ジハの姉が「どこで整形してきたの?」とすぐさま言うセリフがあること自体韓国らしい。でもこの映画っておばあさんたちにも受けるだろうなあ。韓国の70歳くらいの人たちって旧日本占領下に生まれ、朝鮮戦争を経験し、少なくとも1960年代後半くらいまでは貧しい人が多かったろうから、楽しい青春を過ごした人ってかなり限られているんじゃないだろうか?それだけにこんな青春時代を送りたかったという思いは日本の同じ世代よりは多い気がする。


2.オ・ドゥリのキャラ
この映画のおもしろいのは、変身してもマルスンのキャラが変わらないことだ。老人だったマルスンのままに変身したオ・ドゥリがしゃべりまくる。電車の中で大声を出して、隣に座っている妊婦にちょっかいを出す場面には笑える。自分より若い女の子にいちいち乳児の扱いやおっぱいの飲ませ方を言われても妊婦もやってられないよね。韓国語はいかにも喧嘩っぽい喋り方に聞こえるが、オ・ドゥリのノリがいかにもオバサン韓国女性だ。


3.遊園地
映画を見ていて、夏の設定なので「サマーランド」のような遊園地に行く場面がある。このシーンにはかなりビックリした。大波を起こしたプールもそうだけど、ウォーターライダー系の刺激的な乗りものが満載だ。妙に慎重な日本では絶対!!あり得ないようなちょっと危険そうに見えるものが多い。調べたらビバルディーパークというらしいがこれは凄い。

外国映画のコメディ系は日本ではあまりヒットしない。韓国映画も「猟奇的彼女」を除いてはたぶんそうだろう。もう少し宣伝うまくやれば、とてつもなくヒットした気がするけど、むずかしいのかなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする