映画とライフデザイン

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映画「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日間」

2013-01-31 20:03:22 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ライフオブパイ トラと漂流した227日間」を劇場で見てきました。

200日以上も虎と一緒の船で漂流するという話自体がおもしろそうで行って来ました。
見てみると映像の美しさは天下一品、さすがアンリー監督とうなった作品でした。

カナダ人ジャーナリストが1人のインド人からネタを得るためにインタビューに行く。
その昔すごい体験をしたらしいという彼から昔話を聞きだした。

舞台はインドのポンディシェリだ。
帝国主義の時代、列強がアジアに進出した。その時代にはフランスがインドの拠点港としていた。
主人公パイの家はそこで動物園を経営していた。少年時代彼がいじめを受けていた話からスタートする。
もともと名前はピシンという。これはフランス語では「プール」の意味だけど、インド語で「立ちションベン」のことだ。何かというと同級生たちからバカにされる。それで彼は自分の名前のPiは「パイ」と呼ぶといいだす。数学のπだと。
そして円周率の値を小数点以下限りなく覚えだす。見直される主人公だ。
主人公は舞踊学校で打楽器を奏でる。そこで1人の少女と知り合う。
生活に張りが出てきて幸せな主人公であった。

ところが、両親はポンディシェリで動物園ができなくなる。土地が没収されてしまうのだ。
恋人と別れ、兄とともに家族でカナダに向かう日が来た。貨物船で出発した家族は動物園の動物たちと一緒に旅立った。動物たちを手離さないでよかったのだ。
太平洋を航海して、船がマリアナ海溝に差し掛かったときに強い嵐に見舞われる。
はじめは強風と大雨に見舞われた甲板ではしゃいでいた主人公であるが、船の客室が水浸しになっていることに気づく。
両親は客室にいるのだ。懸命に家族を探す主人公だが、船は沈みそうだ。脱出用の救命ボートが出される。
船員は乗り込めというが、主人公は家族が心配。それでも意を決してボートへ乗り込む。
同時に動物も乗り込んだ。ボートにシマウマが横たわる。オラウンターンがいた。
日が明けて嵐が静かになる。二匹のほかにボートの下からハイエナが出てきて大暴れする。
動物たちの暴れぶりに困惑する主人公だ。
だが、もっとすごい動物が隠れていた。虎だ。
動物園で飼っている凶暴なベンガル虎が隠れていた。下手すると食べられてしまう。
これから主人公の長い旅が始まるが。。。


世界史ではポンディシェリはインドでフランスが開港した港として学んだ。マラッカ、ボンベイなどど比べると単語の長さで覚えにくかった記憶がある。今回映像で見るのは初めてだ。コロニアル文化の匂いがするいい街のようだ。
イントロで動物園が映し出される。動物たちが動く姿は何てきれいな映像なんだろう!!
さすがアンリー監督と最初からうなってしまう。

アンリー監督といえば、台湾の出身だ。「恋人たちの食卓」をはじめとした父親三部作で名を売った。
「恋人たちの食卓」で映す中華料理はよだれが出そうなくらい食欲をそそった。
そのあと「グリーンデスティニー」を撮る。これはアクション映画史上に残る傑作だと思う。
色彩設計は美しく、チャンツィイー、ミシェル・ヨーの優雅に格闘する姿はこれまでの武侠映画と何か違うものを感じさせた。伝統的なワイアーアクションを使った立ち回りも空間を縦横無尽に使い切っている。
そして「ブローバックマウンテン」で故ヒースレジャーと男色映画を撮った。
そのあとは過激な表現で中国では珍しい男女の絡みを撮った「ラスト・コーション」だ。これも良かった。
世界に名だたる大監督といっていいアンリー監督が今回おもしろいテーマを選択した。
時間をかけてつくったようだ。

虎が出てきたが、あまりにリアルなので驚いた。
本物の虎が暴れているかのごとくだ。CGと聞いて本当?と思った。他の動物たちも同様だ。

海に浮かぶシーンでも、トビウオのシーン、蛍光のくらげのシーン、大きなクジラが飛び上がるシーンなどはあまりの美しさに感嘆した。


言葉でこの美しさを説明するのはなかなか難しい。
ファンタジックなストーリーと映像のハイセンスさに感動した作品でした。

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