映画「1秒先の彼」を映画館で観てきました。
映画「1秒先の彼」は2021年の台湾映画「1秒先の彼女(記事)」のリメイクである。オリジナルの「1秒先の彼女」はファンタジー的要素が含まれていて、コメディ的要素もありよくできたラブコメディだった。宮藤官九郎脚本で山下敦弘監督の起用と期待できるスタッフを使って、男女の立場を逆転させるという発想のもとに岡田将生と清原果耶のW主演で日本版をつくった。これは楽しみだ。この作品は途中からファンタジーの世界にはいるネタバレが厳禁の映画だ。必要最小限だけストーリーを紹介する。
京都洛中の郵便局に勤務するハジメ(岡田将生)は何をするにも1秒早い。写真はいつも目をつぶったまま。容姿はいいのでファンもいるが、彼女には恵まれていない。鴨川沿いでストリートライブをしている桜子にアプローチをしたら好感触で実家のある宇治の花火大会に一緒に行こうと意気込んでいた。
ところが、気がつくと1日飛んでいて日曜日のつもりが月曜日だ。街を歩くと、写真館に日焼けした自分の写真がある。アルバイトに来ていたレイカ(清原果耶)が写したとわかる。毎日のように郵便局に切手を買いにくる女の子だ。一体どうなっているのか?
よくできたリメイクだ。
リメイクしようと考えたのは監督の山下敦弘のようだけど、脚本に宮藤官九郎を起用したのが大正解だ。原作のもつコミカルなムードを増長させる。京都を舞台にしたのも正解だ。原作には空白の1日に海辺に向かうシーンがある。天橋立という格好の場所を選んで京都とセットにしたのも成功している。ネタバレ気味の話であるが、この映画では一斉に時間が止まってしまう。そのシーンを観光客が戻ってきた京都で撮ったというのもすごい。よく撮れたなあと感心する。
岡田将生の身動きがいつもよりコミカルだ。台湾版「1秒先の彼女」では慶應義塾の中室牧子教授にそっくりなリー・ペイユーのコミカルな女性主人公が笑いを誘った。ここでも、男前の岡田将生がモテそうでモテない三枚目的動きをするのがいい。ラジオの人生相談にハマっていて、DJの笑福亭笑瓶と掛け合うシーンにコテコテ関西といった感じの母親役羽野晶紀をからませるのはおもしろみがある。
清原果耶は次から次へと主演級で登場するけど、自分には成田凌と組んだ『まともじゃないのは君も一緒』で積極的な女子高生を演じたのが印象に残る。今回は真逆で何をやるにもワンテンポ遅い設定で、自分の考えをはっきり言い出せないタイプだ。途中までは存在自体が地味なのに、ある場面を転機に清原果耶がクローズアップされる。ここではバスの運転手荒川良々を清原に絡める。山下敦弘と宮藤官九郎作品の常連だ。
清原果耶はいろんな性格の人物を演じることで演技の幅がひろがっているなという印象を受ける。
以前阿部サダヲと「舞妓Haaan」の映画を撮っているので、宮藤官九郎も京都はよく知っている場所だろう。洛中でないと京都ではないなんて語って京都そのものを脚本にうまく活用しているし、「なぜにあなたは京都に行くの」なんて久々に聞いた京都っぽい歌も奏でられる。大学でロケをしたり、学生の協力も得ているようだ。
それなのに京都の街に学生が多いのを皮肉ったり、郵便局でせこい大学教授が悪態をつくシーンがあるのは宮藤官九郎に京都の大学にいいイメージがないからなのかな?
映画「1秒先の彼」は2021年の台湾映画「1秒先の彼女(記事)」のリメイクである。オリジナルの「1秒先の彼女」はファンタジー的要素が含まれていて、コメディ的要素もありよくできたラブコメディだった。宮藤官九郎脚本で山下敦弘監督の起用と期待できるスタッフを使って、男女の立場を逆転させるという発想のもとに岡田将生と清原果耶のW主演で日本版をつくった。これは楽しみだ。この作品は途中からファンタジーの世界にはいるネタバレが厳禁の映画だ。必要最小限だけストーリーを紹介する。
京都洛中の郵便局に勤務するハジメ(岡田将生)は何をするにも1秒早い。写真はいつも目をつぶったまま。容姿はいいのでファンもいるが、彼女には恵まれていない。鴨川沿いでストリートライブをしている桜子にアプローチをしたら好感触で実家のある宇治の花火大会に一緒に行こうと意気込んでいた。
ところが、気がつくと1日飛んでいて日曜日のつもりが月曜日だ。街を歩くと、写真館に日焼けした自分の写真がある。アルバイトに来ていたレイカ(清原果耶)が写したとわかる。毎日のように郵便局に切手を買いにくる女の子だ。一体どうなっているのか?
よくできたリメイクだ。
リメイクしようと考えたのは監督の山下敦弘のようだけど、脚本に宮藤官九郎を起用したのが大正解だ。原作のもつコミカルなムードを増長させる。京都を舞台にしたのも正解だ。原作には空白の1日に海辺に向かうシーンがある。天橋立という格好の場所を選んで京都とセットにしたのも成功している。ネタバレ気味の話であるが、この映画では一斉に時間が止まってしまう。そのシーンを観光客が戻ってきた京都で撮ったというのもすごい。よく撮れたなあと感心する。
岡田将生の身動きがいつもよりコミカルだ。台湾版「1秒先の彼女」では慶應義塾の中室牧子教授にそっくりなリー・ペイユーのコミカルな女性主人公が笑いを誘った。ここでも、男前の岡田将生がモテそうでモテない三枚目的動きをするのがいい。ラジオの人生相談にハマっていて、DJの笑福亭笑瓶と掛け合うシーンにコテコテ関西といった感じの母親役羽野晶紀をからませるのはおもしろみがある。
清原果耶は次から次へと主演級で登場するけど、自分には成田凌と組んだ『まともじゃないのは君も一緒』で積極的な女子高生を演じたのが印象に残る。今回は真逆で何をやるにもワンテンポ遅い設定で、自分の考えをはっきり言い出せないタイプだ。途中までは存在自体が地味なのに、ある場面を転機に清原果耶がクローズアップされる。ここではバスの運転手荒川良々を清原に絡める。山下敦弘と宮藤官九郎作品の常連だ。
清原果耶はいろんな性格の人物を演じることで演技の幅がひろがっているなという印象を受ける。
以前阿部サダヲと「舞妓Haaan」の映画を撮っているので、宮藤官九郎も京都はよく知っている場所だろう。洛中でないと京都ではないなんて語って京都そのものを脚本にうまく活用しているし、「なぜにあなたは京都に行くの」なんて久々に聞いた京都っぽい歌も奏でられる。大学でロケをしたり、学生の協力も得ているようだ。
それなのに京都の街に学生が多いのを皮肉ったり、郵便局でせこい大学教授が悪態をつくシーンがあるのは宮藤官九郎に京都の大学にいいイメージがないからなのかな?