映画とライフデザイン

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映画「アウト・レイジ最終章」 ビートたけし

2017-10-15 19:18:50 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「アウト・レイジ最終章」を映画館で観てきました。

「アウト・レイジ」シリーズもついにこれで終わりだ。前二作の痛快さは日本映画界を代表する傑作である深作欣二監督「仁義なき戦い」にも劣らない。騙し騙されというひっくり返しがテンポよく最後まで続く。暴対法ができて、町から暴力団排除の声が出て久しいが、映画界でのやくざ映画の人気が衰えないのはどういうことなのか?

アウトレイジシリーズでは、ふだんは善人の役をやっている人がもっともらしいやくざの役をやっている。「仁義なき戦い」では一度死んだやくざが続編で別の役をやるなんてことがある。さすがにここでは三浦友和も加瀬亮も椎名桔平もでてこない。やくざに密着する警察官小日向文世もでてこない。でも、たっぷりと埋め合わせる役者はそろっているし、西田敏行、塩見三省の2人も最後までどすを利かす。これもうまい。韓国系フィクサーの金田時男がいかにも政財界にも顔の利く超大物という設定どおりの風格がでている。


日本の二大勢力だった関東山王会と関西花菱会の巨大抗争後、韓国に渡った元大友組組長・大友(ビートたけし)は、日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下で市川(大森南朋)ら手下を従え、済州島の歓楽街を裏で仕切っている。ある日、買った女が気に入らないと日本のヤクザからクレームが入る。クレームの主は花菱会直参幹部・花田(ピエール瀧)だったが、女を殴ったことで逆に大友から脅されて大金を請求される。花田は側近たちに後始末を任せ、ひとり日本に帰国する。後始末を任された側近が張会長の若い衆を殺害してしまい、激怒した大友は日本に戻ろうとするが、張会長に制止される。


山王会を実質支配下に収める花菱会の新会長の座には、前会長の娘婿で元証券マンの野村(大杉漣)が就いていた。金さえ稼げれば何でもありという野村のやり方に、古参幹部の若頭・西野(西田敏行)は敵意を燃やしていた。西野を厄介払いしたい野村は、若頭補佐・中田(塩見三省)に若頭の跡目を取らせようと手を回すが、本心は二人を揉めさせ、いずれまとめて捨ててしまう算段だった。


一方、花田が張会長率いる巨大グループを敵に回したことを知った西野は、花菱会の会長代理として、花田を連れて張会長に詫びを入れに行くことにするが、その裏には大金を稼ぐ花田の金をむしり取ろうという魂胆があった。野村は自分の地位を守るため、この西野の行動を利用しようとするが、野村の思惑に勘づいた西野も奇策を講じる。花菱会と張グループの揉め事の裏で、野村と西野の覇権争いが始まり、事態は張会長襲撃にまで発展する。張会長の身に危険が及んだことを知った大友は、張会長への恩義に報いるため、また殺害された若い衆と、過去の抗争で殺された兄弟分・木村の仇を取るため、日本に戻る決意をする。(作品情報より)

あえてそういう名前にしたであろう野村という名の会長になった大杉漣が最後に受けるお仕置きが、映画「北陸代理戦争」で西村晃がくらうのと同じで、土の中に首だけ出して埋められて受けるのをみて笑った。


ただ、いかんせんネタ切れの感はあるかもしれない。東映映画「仁義なき戦い」の場合は役者の数が足りないから、一度は死んだ俳優をもう一度生き返した。そういう映画会社のしがらみはないとはいえ日本の役者には限りがある。「アウトレイジ」も死んだ人を生き返すようなことをやらざるを得なくなる。いい感じの潮時なのかもしれない。北野たけしの次の構想に期待したい。

アウトレイジ ビヨンド
裏切りがはびこる第二作


アウトレイジ 最終章 [DVD]
ついに終わりだ

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