山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ビロードスゲ探索 北杜市 令和6年5月21日

2024年05月25日 | スゲの仲間
 昨年偶然に発見したビロードスゲであるが、おそらく発見場所の周辺を探索してみればもっとたくさん生育しているのではないかと思う。午前中韮崎市に出張があったので、終わってから北杜市まで足を延ばしてみる。

    川沿いの田んぼのあぜ道を歩いてみると、あっさりとビロードスゲが見つかった。

    ほぼ熟して果胞が付いている。

    雄小穂の果胞

    トリーミングしてみてみると果胞の表面に細かい毛が密生している。ビロードスゲで間違いないであろう。

    他の場所にも結構茂っていた。

    これほどたくさん生育しているとは想定外だった。

    奥のほうにある広場はすっかり草が刈られて綺麗になっていた。

    ひょっとしたらと思ったが、橋のところにあった昨年発見したビロードスゲは刈られてしまっていた。

    ハンショウヅル

    もうすぐ咲きそうである。

    期待していたサイハイランはまだ蕾だった。

    あと数日で咲きそうである。

    奥のほうにある株は少しほころび始めていた。

    勉強不足でまだ全くダメなイネ科植物。これはイヌムギか??

    たくさん群生しているがヒメノガリヤス??全くダメだ。

 今回探索した河川の周辺にはおそらく広範囲にビロードスゲが生育しているのではないかと思う。下流域はまだ探索しておらず、機会を見て探しに行ってみたいと思う。周辺の他の河川にも生育しているのではないだろうか?


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河口湖のカヤツリグサ科植物を探索  令和4年5月20日

2022年05月24日 | スゲの仲間
 午前中に笛吹市御坂の出張があったが11時半ごろに仕事は終わった。夕方から植物保護関係の会合が入っているがだいぶ時間がある。そこで河口湖に移動し、何ヶ所か湖周辺のカヤツリグサ科の植物を中心に探索してみる。


    湖周辺の土手に生えていたこれはイネ科の植物


    これはクサヨシだと思う。


    これは湖の近くに群生していたイネ科の植物。


    カラスムギに似ているが小穂が細くて長い。これはキツネガヤだと思う。


    湖畔に普通に生えているやや大き目のスゲ。小穂の根元のほうに茶色い雄しべが出ている。これはアゼナルコであろう。


    草むらを探してみると、やっとお目当てのスゲが見つかった。


    ジョウロウスゲ。この場所は数が少なかった。


    スジヌマハリイとアゼスゲが群生している。


    アゼスゲ。群れを成してあちらこちらに群生している。


    スジヌマハリイは山梨県の絶滅危惧種に入っているが、河口湖や山中湖では普通に見ることが出来る。


    小さな白い花が咲いている。


    近付いて良く見てみれば、これは小型のカワヂシャ。大きく成長してくれるのを期待したい。


    場所を移動して通い慣れている大石公園に行ってみる。ネモフィラが満開。


    赤いツメクサの仲間


    湖のほとりで普通に見かけるこのスゲ


    たぶんミコシガヤだと思う。


    毎度分からないのがこのタイプのスゲ


    鱗片の芒が短く、メアオスゲではないかと思うが全く自信無し。


    ジョウロウスゲはだいぶ大株になっていたが、この株以外は発見出来なかった。


    再三探してやっと見つかったカヤツリスゲ。


    まだ出始めで下部が小さい。


    オオカワヂシャが生えている。


    その近くにはまだ咲き始めたばかりのカワヂシャ。オオカワヂシャに占拠されてしまわないか心配である。


    湖畔に生えているヤナギの木


    葉が細長く、カワヤナギと思われる。


    もう1ヶ所立ち寄ってみる。探しているジョウロウスゲやカヤツリスゲは葦の切れ間や草地との境目を好んで生育しているようである。


    この場所には小型ではあるが10株くらいカヤツリスゲが生育していた。

 青空では無かったが富士山が姿を見せてくれ、カヤツリグサの仲間もそろそろ結実して観察し易い時期になってきた。見て回ったのは広い河口湖のほんの一部だけである。時間がとれる日があれば、さらに別の場所も探索してみたい。


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ハシナガカンスゲは探索失敗  令和4年4月1日

2022年04月06日 | スゲの仲間
 昨年も探索に出かけているが未だ見つかっていない(区別が出来ない)ハシナガカンスゲというスゲがある。カンスゲの仲間なので冬でも葉が残っているはずで、今年1月に下見に行き、葉ざわりが少し違うカンスゲの仲間を発見している。果たしてそれが探しているハシナガカンスゲなのかどうか?そろそろ花穂が出て小穂に花が咲いている頃だと思う。訪問してみる。


    これは渓谷沿いの岩壁に普通に生えているカンスゲ。大型である。


    カンスゲの小穂。先端部の雄小穂は大き目で下に付く雌小穂は細めである。


    こちらは林床の土の上を好んで生えるスゲ。昨年調べたところでは、ミヤマカンスゲと思われる。カンスゲよりやや小型で葉が柔らかい。


    先端部に雄小穂、下に雌小穂がつく。いずれもカンスゲよりは小型である。


    そしてこれが今年1月に見つけたカンスゲの仲間。葉の辺縁にザラつきがあり、葉の色が濃い緑色である。


    それなりの数があるのだが、ほとんどが鹿の食害を受けていて穂が出ていない。


    数少ないまともに穂が出た株。


    小穂を拡大して見ると、頂小穂と側小穂の形と大きさはほぼ同じくらい。いずれにも雄しべ、雌しべが出ている雄雌小穂である。

 ハシナガカンスゲではないかと期待していたスゲは雄小穂と雌小穂が分かれておらず、調べてみるとこれはコカンスゲのようである。残念ながらハシナガカンスゲでは無いことは確実である。時期を変えて、再探索に訪問したいと思う。

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乙女高原のスゲ探索 令和3年7月10日

2021年07月14日 | スゲの仲間
 もう少し早い時期に訪問したかったのだが天候が悪かったりなかなか時間がとれなかったりと、この時期になってしまった。雄しべと雌しべを出していたスゲの正体がずっと気になっていたのだが、もう少し遅くて果胞が落花してしまっているかも知れない。午後からは雨が降る予報なので少し早めに訪問するはずだったのだが、別件の資料を作成したりしていたら時刻はあっという間に10時になってしまった。到着したのはお昼近くである。


    青々としたヤチボウズになっているタニガワスゲ。穂はほとんど落ちてしまっている。


    残っていたタニガワスゲの小穂。雌鱗片は細長く両側が赤紫色。果胞も嘴が細長い。


    気になっていたのがこのスゲ。やはり少し訪問時期が遅く、大部分の穂が倒れて落ちてしまっている。


    残っていた小穂


    雌小穂の鱗片はタニガワスゲに比べて短く両脇の赤紫色の部分が狭い。果胞の嘴は短い。


    別の湿地に生えたいたもの。


    これもおそらく同じもの。オタルスゲで間違い無いように思う。


    エナシヒゴクサと思われる。


    アカンスゲは長い柄を伸ばしたようだが、もう倒れて小穂は落下していた。


    別のスゲの仲間が生えていた。


    やや大型の初めて見るスゲである。


    図鑑で調べてみると、オオカワズスゲというスゲのようである。


    オシダのジャングル


    イボタノキだろう。


    青々と草の茂った草原


    アヤメはもうそろそろ終盤である。今年は櫛形山のアヤメを訪問出来ずに終わってしまいそうである。


    まだ蕾のキンバイソウ


    少しだけ咲き始めていた。


    ミツモトソウとヒメキマダラセセリ

 確認しておきたかったスゲはやはり少し時期が遅くなってしまったが、残っていた小穂を観察する限りではオタルスゲで間違いないと思う。新たにオオカワズスゲというスゲにも出会うことが出来た。

 もうひとつ探し物があったのだが、個体数が少ないうえに持っている情報も少なく、怪しき場所を何ヶ所か散策してみたが発見出来なかった。


    クモキリソウの群生


    これとは違うクモキリソウがあるらしいという噂を聞いたのだが、発見出来ず。

 またの機会に探してみたいと思う。

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これがアカンスゲ 乙女高原 令和3年6月6日

2021年06月09日 | スゲの仲間
 アカンスゲは北海道のほかに本州では岩手県、栃木県、長野県、そして山梨県に隔離的に分布する貴重なスゲである。何度か訪問している乙女高原であるが果期にならないと区別が難しいため、まだ確認が出来ていない。特徴的な雌花の形なので結実していれば見分けるのはさほど難しく無いはずである。天候がいまひとつで時折小雨が降るが、時期を逃すと実が落下して見られなくなってしまうため、小雨の中を傘を持ちながら見に行ってみる。


    当初はこの島状になった大きな葉のものがアカンスゲだと思っていた。


    ようやく穂が出始めたものを見てみると、どうやらこれでは無いようだ。これはイネ科の植物らしい。


    本物のアカンスゲは細い葉のほうのようである。前回5月下旬の訪問時に雄しべと雌しべを出していたものがアカンスゲだった。


    これがアカンスゲだ。


    アカンスゲの小穂


    マクロ撮影。まだ結実したばかりの穂。


    こちらはしっかり結実している穂。特徴的な形をしている。


    湿地の辺縁には比較的多数生育していることが分かった。


    やっと確認出来たアカンスゲ。ほっと一安心である。


    別のスゲが花を咲かせていた。タニガワスゲだと思っていたがどうも違うようである。


    雌鱗片が茶色く無くて緑色をしている。


    こちらは同じものなのか、別物なのか?


    雌鱗片は辺縁が茶色い。

 別の場所に立ち寄ってみる。こちらに生えているのも当初はタニガワスゲだと思っていたのだが、結実したものを見るとそうでは無いようである。


    別の場所に生えていたスゲ。


    さて、これは何?雄小穂を伸ばした頃に見た時はタニガワスゲだと思っていたが違うようである。


    雌小穂の拡大。鱗片は辺縁が茶色で先端部は尖り、小さな芒がある。


    ヤチボウズのようになっているものがあった。


    これもおそらくは同じもの。画像を拡大して見てみると、先端部の鱗片は辺縁が茶色だが根元のほうは緑色をしている。辺縁茶色も緑も同じものではないかと思う。

 さて、このスゲは何者であろうか?勝山輝男先生の著書「日本のスゲ」を見てみると、オタルスゲという山梨市で採取されたスゲの果胞と果実の写真が掲載されていた。その図鑑の画像を見てみると今回見たスゲはこのオタルスゲにきわめて良く似ている。花の咲いていたものもおそらく同じものと思われ、これらはオタルスゲではないかと推測される。そのような目で見直してみると、先日八ケ岳美ヶ森で見てきたテキリスゲと思わしきスゲもこのオタルスゲではないのかと思えてくる。とにかくまだカヤツリグサ科は分からないことだらけで課題が増えて行くばかりである。しつこくまた訪問してみたいと思う。


    小さなハリスゲの仲間があった。


    これはコハリスゲなのか、それともサトヤマハリスゲなのか?やっぱり分からない。

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甘利山近傍の高層池に生育するスゲを確認に行く 令和3年6月5日

2021年06月09日 | スゲの仲間
 カヤツリグサ科の植物は花を咲かせた時と結実した時期で全く違う姿を見せるため、花の時期に見ても何だか分からないことがほとんどであることは何度も訪問してみて身をもって感じている。山中湖で見たスゲで花の時期にカサスゲであろうと思っていたものは結実した頃に再訪してみるとだいぶ様子が変わっていて、オニナルコスゲであった。では、甘利山近傍の高層池で見たカサスゲは本当にカサスゲなのか?という疑問が湧いてくる。椹池に生えるスゲもアゼスゲか、ヌマアゼスゲか結論は出ていない。甘利山まで来たことだし、時間もあったので確認のため立ち寄ってみる。


    まずは椹池の湖畔に生えているこのスゲ。


    結実して判別するには良い時期になっていた。


    さて、鱗片と果胞を見てみる。鱗片は果胞と同じくらい長く、先端部は尖っている。どうやらこれはアゼスゲのようである。


    別の池に立ち寄る。水量が増えてきた。


    湿地にたくさん生えているこのスゲは本当にカサスゲなのか?


    穂はだいぶ痛んでいて頂部の雄小穂はほとんど残っていない。


    辺縁が茶色くて先が尖っている鱗片と波打っている果胞。カサスゲで間違い無さそうである。


    別のスゲが混じっていた。


    雌小穂の辺縁が茶色い鱗片と先端部の芒、全体的に円柱形の雌小穂の形から、これはゴウソと思われる。


    ヒゴクサに似ているが少し感じが違う。


    雌小穂にほとんど柄が無い。これはエナシヒゴクサと思われる。


    良く分からないのがこのたくさん茂っているスゲ。アオスゲの仲間(ヌカスゲ節)であろうことは想像がつく。


    鱗片は先細りだが芒は短い。図鑑で見比べるとイトアオスゲが最も近そうだが、果胞にあまり毛が生えていない。クサスゲなのか?

 椹池のスゲはアゼスゲ、高層池のスゲはカサスゲであろうということは分かってきた。しかし、そのほかにもまだ結論が出せないものが多数生育している。何度か通っていれば、そのうち答えが出てくるのではないかと思う。焦らずにじっくりと取り組んで行きたい。

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遂に発見、ヒラギシスゲ 令和3年6月2日

2021年06月04日 | スゲの仲間
 今期4度目になるだろうか。八ヶ岳の川俣川を5月初旬に訪問した際に見つけた真っ黒な鱗片のスゲがずっと気になっていた。川の中瀬のようなところに生えていたので雨が降った後は増水して渡れないか、水量が多いと水没しているかも知れずなかなか訪問する機会が訪れなかった。この日もひょっとしたら渡れないのではないかという不安もあったのだが、時期を逃すと果胞が見られなくなってしまうかも知れず訪問してみることにする。幸いにしてさほど水量は多く無く、少し靴を濡らす程度で苦労せずに目的地に到着出来た。


    懲りずにまたまたこの滝の周辺を探索する。


    湿地にはすっかり別の草が生い茂るようになり、たくさん生えていたハリスゲの仲間は見つけにくくなってしまった。


    草むらの端で発見したハリスゲの仲間。


    付いている果胞が少なく、サトヤマハリスゲだと思うのだが・・・


    中にはたくさん果胞を付けているものもある。未だ判別が出来ない。


    こちらはシロイトスゲと思われる。


    花穂は大部分倒れて痛んでいる。


    前回訪問時に見つけたカラフトミヤマシダ


    すっかり葉を展開して青々としているが、ソーラスはまだ付いていなかった。


    良く分からないシダ。ベニシダのようだが少し様子が違う。


    鱗片が典型的ではないが、これはミヤマベニシダではないかと思う。


    渡渉して川の中瀬に到着。まず見つかったのはヒゴクサと思わしきスゲ。


    先日の山中湖で見たものと同じである。普通にあるようだ。


    増水した時に水流で押し倒されたようである。


    雌鱗片の芒があまり目立たない。これはテキリスゲのようだ。


    川岸に生えているナルコスゲはもう痛み始めていた。


    ナルコスゲは川俣川沿いにはたくさん生育している。


    先端部の雄小穂とその下の雌小穂。雌小穂の果胞は細長い。


    これが気になっていた鱗片が真っ黒だったスゲ。増水時に倒れてしまったようである。


    別株を発見。こちらも倒れているが小穂はしっかりと残っている。


    小穂


    先端部が雄小穂、その下に数個の雌小穂が付いている。


    雌小穂。黒い鱗片は黒紫褐色で先端が尖り、果胞よりも短い。図鑑の画像と見比べてみて、ヒラギシスゲで間違い無さそうである。


    川岸にはもう少ししっかりしたものが生えていた。


    ようやく出会えた、ヒラギシスゲ。


    もう終盤のミヤマハコベ


    ミミナグサが咲いていた。

 川俣川沿いには生育していると聞いていたヒラギシスゲであるが、聞いていた場所とはだいぶ離れた場所でようやく発見できた。見つかったのは3株のみであったがそれでも大収穫である。川俣川の流域にはおそらく点在しているのではないかと推定される。しかし、今回見たものはおそらくは流れ着いて生着したもので、上流域にはもっとたくさん生育している本体があるのではないだろうか?地獄谷か、もっと上流部を探せば群生があるかも知れない。技術と気力と体力があれば、探索してみたいものである。

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山中湖のスゲを再訪してみる 令和3年6月1日

2021年06月04日 | スゲの仲間
 昨年の秋ごろから準備を始めて今年の春になってから見歩くようになったカヤツリグサ科の植物であるが、分からないことだらけである。普通の花ならば花の咲いている頃に訪問すれば大抵は何の花だか分かるのだが、カヤツリグサ科の植物は花を見ても分からず結実した実を調べないと正体が分からず、時期を逃すと種が落ちてしまい判別が出来なくなってしまう。刻々と姿を変えて行くこの科の植物は何度も見に行かないと判別が難しく、初心者の私には見ても分からないものが多数あり、間違っているものも多いであろう。先日訪問した際に見たアゼスゲかヌマアゼスゲか判定保留になっているスゲも見ておきたいが、スジヌマハリイも今一つ確証が持てず、オオハリイらしきものもまだ花が付いていなかった。さて、どうなっているだろうか?


    湿地に群生しているスジヌマハリイと思わしき植物。


    茎を触ってみると硬い稜があり、スジヌマハリイで間違いないと思うのだが・・・。


    こんなにたくさん生えるものなのか?いまひとつ確証が持てない。結実してから実を良く調べてみたいと思っている。


    葉に埋もれて見えにくくなってしまったこのスゲはもうそろそろ終盤である。


    これはアゼスゲなのか、それともヌマアゼスゲなのか?この段階になれば雌小穂の鱗片と果胞の形を見れば分かるはずだ。


    雌小穂。鱗片の先端が尖っており果胞とほぼ同じ長さか少し長い。果胞の嘴がしっかり見える。これはアゼスゲとすべきであろう。


    前回訪問時はまだ花が付いていなかったフトイと思わしき植物。


    茎の中間に花を付けた。どうやらホタルイのようである。


    花は付けていないがおそらくサンカクイ


    カサスゲだと思ったスゲもそうでは無かったようだ。


    雌小穂の鱗片が細くて尖っている。オニナルコスゲと思われる。


    遠目にジョウロウスゲかと思ったが違った。


    ヒゴクサのようである。


    アブラシバ


    これはアブラガヤか、それともウキヤガラ?もう少し大きくなれば分かると思う。

 何度訪問しても典型的な形をしているもの以外は自信を持って判別出来るものは少ない。もっと数を見て経験値を増やさなければならない。

 さて、今回の目的はカヤツリグサ科だけではなくもうひとつ探し物があった。湿地の周辺にあるのではないかと探してみたが、見つかったのは探し物では無くて良く見かけるキツネノボタンのようである。


    湿地の中で見つけた黄色い花。


    これは良く見ているキツネノボタンではないだろうか?いかに普段しっかり観察していないかが分かる。


    蒴果は丸い星型をしている。


    別の場所を散策してみると雰囲気の違うものが咲いていた。


    葉が細く茎には毛が目立つ。


    これが探していたコキツネノボタンではないだろうか?


    決定的に違うのがこの蒴果。細長で突起が短い。コキツネノボタンで間違い無さそうである。

 山中湖周辺の湿地に咲いているであろうと思っていたコキツネノボタンは別の場所で発見することが出来た。この花も今年見たいと思っていた花のひとつで、さほど難無く見つけることが出来た。先日のヒメシャガといい、カワヂシャ、ミゾコウジュといい、今年の花探しは順調過ぎる気がする。

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ヤチボウズはどうなったのか? 乙女高原 令和3年5月24日

2021年05月28日 | スゲの仲間
 乙女高原のヤチボウズは山梨市の天然記念物に指定されており、正体はタニガワスゲというカヤツリグサ科の植物であることが分かっている。このタニガワスゲは椹池近傍や八ヶ岳でも目撃しており、それほど珍しいスゲではないということも分かってきた。そろそろ結実している頃だと思う。


    山梨市指定の天然記念物谷地坊主。正体はタニガワスゲ。


    結実して果胞が出来ている。


    クリンソウが咲き出していた。


    雌小穂。果胞の嘴が長い。


    乙女高原の湿地には他の場所にも多数タニガワスゲが生育している。


    タニガワスゲ


    オシダ群落


    胞子葉を出したヤマドリゼンマイ


    葉の幅が広いこのスゲ?はまだ穂が出ていない。


    もう1種類やや小型のスゲが穂を伸ばしていた。


    ハリスゲの仲間かと思ったが少し違うようである。


    まばらに小穂を付け、ひとつの小穂は先端のほうが雌花で根本側が雄花の構造である。結実しないと正体が分からないが、これがアカンスゲかも知れない。


    草原の中はサクラスミレがたくさん咲いている。


    サクラスミレ


    白花のサクラスミレにも出会うことが出来た。


    カラフトミヤマシダの生育する場所にも立ち寄ってみた。まだ葉を展開し始めたばかりだった。

 乙女高原はミヤマスミレが終わりサクラスミレが満開になっていた。ようやく春らしくなってきたという感じである。アカンスゲはまだ確定に至らず、また訪問してみたいと思う。

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河口湖のほとりを探索 令和3年5月23日

2021年05月26日 | スゲの仲間
 朝から天気が良く、気温が上がりそうである。富士山ライブカメラを見ると少し雲が巻いているものの綺麗な富士山が姿を現している。何度か訪れている河口湖の湖畔であるが、そろそろスゲの仲間が成長している頃で、この天気ならば富士山と一緒に写真が撮れるかも知れない。


    新緑のラベンダーと富士山


    初めて見るスゲが生えていた。


    別の場所ではこれでもかというくらいにたくさん生育していた。


    先端部に小穂が多数集まってひとつの穂になっている。小穂の先端部に小さな雄小穂がある。これはミコシガヤであろう。


    他にもたくさん生えていたのがこれ。カヤツリグサ科なのか、別の科なのか?


    ネットで調べてみるとクサイというイグサ科の植物のようである。


    これも普通に生えていた。アゼナルコというスゲであろう。


    いちばん上にあるのは先端部が雌部分で根元側が雄部分の雌雄小穂になっている。その下にあるのは全て雌小穂。


    スジヌマハリイと富士山


    たくさん生えていた場所は残念ながら踏まれて大部分が倒れてしまっていた。


    スジヌマハリイ。茎に触ると稜があるが、画像ではうまく見えない。


    アゼスゲか、それともヌマアゼスゲ?これも群生していた場所は踏まれて大部分倒れてしまっていた。


    鱗片はあまり尖っていないが果胞の先端部の嘴が突出しており、アゼスゲと思われる。


    ふと見ると変なのが生えていた。


    これは探していたジョウロウスゲではないか!


    山中湖にはあると思っていたが、ここで出会えるとは思っていなかった。


    別の場所にあった大株


    モシャモシャの特徴的な雌小穂と先端部の雄小穂


    見ておきたかった成長したカヤツリスゲ


    個体数は少ない。


    長い鱗片があってホウキ状の独特な花序を形成する。


    驚いたことにこんな植物が生えていた。


    花が小さくて白っぽい。花柄は斜め上に向かって伸びている。これは探していたカワヂシャではないか。


    小さな白い花、中央に薄紫色の筋が入る。花の感じはイヌノフグリに似ている。


    葉には明らかに鋸歯がある。カワヂシャで間違い無さそうだ。

 ジョウロウスゲ、さらにカワヂシャとなかなかお目にかかれない植物2種類に出会うことが出来た。富士山も姿を見せてくれて申し分無し。これで本日の運は使い果たしてしまった感がある。1時間ほどの散策を予定していたが、驚きの花に出会うことが出来て3時間も湖のほとりを散策することになってしまった。

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高層池のスゲ探索 令和3年5月10日

2021年05月14日 | スゲの仲間
 梅雨入り前のこの季節はまだ高層池は貯水量が少なく、うまくすれば池の中まで歩いて入ることが出来るはずだ。おそらく貯水量が増えると近付き難くなる池の中のスゲが観察できるはずである。


    思った通り貯水量は少ない。貯水量が多くなると水の中に浸ってしまう左奥の草が茂っている場所に入れそうである。


    池のほとりにはレンゲツツジがほころんでいた。


    池のふちに生えていたハリスゲの仲間


    コハリスゲか?


    貯水量が少なく倒木の上に乗って少し先まで入れる。しかし一歩足を踏み外すと脛のあたりまで泥沼にはまってしまう。


    池の中に飛び出しているこのスゲは何だろう?


    ヌマアゼスゲのようだが鱗片と果胞を確認したくても近付けない。


    草むらのようになってたくさん茂っているこのスゲは何だろうか?


    先端部の雄小穂は茶色で傷み易いようである。


    雌小穂。おそらくこれはこの池にあるのではないかと目星をつけていたカサスゲではないだろうか。


    先端部の雄小穂は千切れて無くなっているものが多い。


    雄小穂がまともなもの。


    雌しべの出ている雌小穂


    結実しかけた雌小穂。鱗片は鋭頭で辺縁が茶紫色。カサスゲで間違い無さそうである。


    青々としたスゲがたくさん生えている。


    先端部が雄で下が雌の雄雌小穂。おそらくシラコスゲであろう。


    おそらくカワラスゲ。水辺の近くで比較的良く目にする。


    胞子葉をたくさん出しているゼンマイ


    もうひとつ高層池を訪問してみる。


    見たかったのは池の底に生えているこの藻。


    イトモではないかと思うのだが、未だ正体は不明。花が咲いて水面に浮かんでいるのではないかと期待したがまだのようである。

 今回の一番の目的はカサスゲを探すことだった。甘利山の椹池にもあるのかも知れないが1週間ほど前に観察に行った時には探し出せなかった。こちらの池では群生していることが分かった。昨年の夏から秋にかけて再三見ているのだが、その時は背が高い葦か何かのように見えて何だか分からなかったが、今回は確認が出来た。イトモらしき藻はまだ花が咲いておらず、また見に来てみたいと思う。

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湖畔に生育するスゲを観察 河口湖 令和3年5月5日

2021年05月09日 | スゲの仲間
 三ツ峠の探索は雨を予想して早めに下山した。空には暗雲が立ち込めているが幸運にも雨には降られずに下山してきた。天候が心配ではあるが以外に持っており、日没まではまだ時間がある。以前に下見に出かけている河口湖の湖畔に立ち寄ってみる。


    前回はまだ小さかったアゼスゲと思わしきスゲがだいぶ成長していた。たくさん生えていることも分かった。


    この株は結実している。さて、これは本当にアゼスゲなのかどうか?ひょっとしてヌマアゼスゲ?


    果胞を良く見てみると、先端部に乳頭状の突起がある。ヌマアゼスゲはほとんど突起が無いはずなので、これはアゼスゲで良さそうである。


    前回は生えていなかったスゲが生えていた。これは探していたスジヌマハリイか?


    思っていたよりも小型である。まだ出たばかりでこれから大きくなりそうである。


    画像では分かり難いが、茎を触ってみると明瞭な稜があり、スジヌマハリイで間違い無さそうである。


    さらにもう1種類発見。


    たぶんこれはカヤツリスゲだろう。


    まだ花が咲き切っておらず、果胞にならないと確定は出来ないが、小穂の独特な付き方からおそらく間違いないであろう。


    思っていたよりもたくさん生えていたスゲの仲間を数種類観察することが出来た。

 探していたスゲの仲間に出会うことが出来て、薄暗くなるまで湖畔で撮影に熱中していた。生育している場所を確認出来たので、実を付けた頃に再訪して確認してみたいと思う。

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川俣川上流部のスゲ探索 令和3年4月24日

2021年04月25日 | スゲの仲間
 前日に続いて渓谷沿いの探索である。今回は支脈上流部の流れが細くなるあたりを探索してみる。


    サクラソウが咲き始めていた。


    ヒメイチゲだろうが、ピンク色の筋が入っている。


    まだ小穂が出たばかりの小さなスゲ。ハリスゲの仲間だろう。


    先端が雄、下に雌がある。


    どんな実を付けるのか?楽しみである。


    前日も見かけたアゼスゲと思わしきもの。


    痩果を見ないと確定できないが、おそらくアゼスゲで間違いないと思う。


    何だか分からない花。


    カヤツリグサ科であろうが、スゲの仲間では無さそうだ。宿題。


    たぶんクサスゲ。


    痩果になりつつある。


    ヒメカンスゲかと思ったが雌小穂がこげ茶色で違うようである。


    さて、これは何?


    先端部の雄小穂


    下にある雌小穂。いずれも鱗片の幅が広く、ツクバスゲが近いのではないかと思う。


    ヤチボウズはまだ若葉が出始めたばかり。


    別株を近づいてよく見てみると・・・


    あっと驚きの小穂が出始めていた。大きくなってからでないと分からないが、探しているヒラギシスゲかも知れない。

 渓谷はまだ春が訪れたばかりである。スゲの仲間はこれから成長して実を付けて行くものがほとんどで、まだ同定できないものがほとんどである。山梨県ではほとんど見かけることが無いヒラギシスゲが八ヶ岳に生育しているのではないかという情報が舞い込んできて探索しており、やっとそれらしきものに遭遇した。別物の可能性が高いのだが、5月になったら再訪してみたい。

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