昨年の秋ごろから準備を始めて今年の春になってから見歩くようになったカヤツリグサ科の植物であるが、分からないことだらけである。普通の花ならば花の咲いている頃に訪問すれば大抵は何の花だか分かるのだが、カヤツリグサ科の植物は花を見ても分からず結実した実を調べないと正体が分からず、時期を逃すと種が落ちてしまい判別が出来なくなってしまう。刻々と姿を変えて行くこの科の植物は何度も見に行かないと判別が難しく、初心者の私には見ても分からないものが多数あり、間違っているものも多いであろう。先日訪問した際に見たアゼスゲかヌマアゼスゲか判定保留になっているスゲも見ておきたいが、スジヌマハリイも今一つ確証が持てず、オオハリイらしきものもまだ花が付いていなかった。さて、どうなっているだろうか?

湿地に群生しているスジヌマハリイと思わしき植物。

茎を触ってみると硬い稜があり、スジヌマハリイで間違いないと思うのだが・・・。

こんなにたくさん生えるものなのか?いまひとつ確証が持てない。結実してから実を良く調べてみたいと思っている。

葉に埋もれて見えにくくなってしまったこのスゲはもうそろそろ終盤である。

これはアゼスゲなのか、それともヌマアゼスゲなのか?この段階になれば雌小穂の鱗片と果胞の形を見れば分かるはずだ。

雌小穂。鱗片の先端が尖っており果胞とほぼ同じ長さか少し長い。果胞の嘴がしっかり見える。これはアゼスゲとすべきであろう。

前回訪問時はまだ花が付いていなかったフトイと思わしき植物。

茎の中間に花を付けた。どうやらホタルイのようである。

花は付けていないがおそらくサンカクイ

カサスゲだと思ったスゲもそうでは無かったようだ。

雌小穂の鱗片が細くて尖っている。オニナルコスゲと思われる。

遠目にジョウロウスゲかと思ったが違った。

ヒゴクサのようである。

アブラシバ

これはアブラガヤか、それともウキヤガラ?もう少し大きくなれば分かると思う。
何度訪問しても典型的な形をしているもの以外は自信を持って判別出来るものは少ない。もっと数を見て経験値を増やさなければならない。
さて、今回の目的はカヤツリグサ科だけではなくもうひとつ探し物があった。湿地の周辺にあるのではないかと探してみたが、見つかったのは探し物では無くて良く見かけるキツネノボタンのようである。

湿地の中で見つけた黄色い花。

これは良く見ているキツネノボタンではないだろうか?いかに普段しっかり観察していないかが分かる。

蒴果は丸い星型をしている。

別の場所を散策してみると雰囲気の違うものが咲いていた。

葉が細く茎には毛が目立つ。

これが探していたコキツネノボタンではないだろうか?

決定的に違うのがこの蒴果。細長で突起が短い。コキツネノボタンで間違い無さそうである。
山中湖周辺の湿地に咲いているであろうと思っていたコキツネノボタンは別の場所で発見することが出来た。この花も今年見たいと思っていた花のひとつで、さほど難無く見つけることが出来た。先日のヒメシャガといい、カワヂシャ、ミゾコウジュといい、今年の花探しは順調過ぎる気がする。