山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

プチ登攀トレーニング、金ヶ岳裏ルート、観音峠からの道を登る

2011年11月30日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年11月23日

 すっきりとした秋空とはならなかったこの日、夕方からは雨が降るかもしれない。職場の近くにある朝日町商店街ではえびす溝祭りが行われており、当院でも出展していたため、そちらにちょっとだけ顔を出してから山に向かう。観音峠から金ヶ岳のルートは昭文社地図では点線で書かれたルートで、鎖場や岩場が続くルートである。ここを歩くのは4年ぶりとなるが、前回訪れた時は午後から登り、金ヶ岳で夕暮れを迎えてから暗い中を下りてきた。確かに茅ヶ岳からのルートに比べると難しいが、道は一応整備されている。

    観音峠の登山口


    10分ほどで電波塔の脇を通過する。ここで既に息があがる。

 さて、観音峠到着は11時半になってしまい、準備して出発。以前に比べると笹原が刈られていたり、道標が新たに付けられたりと整備されていた。しばらくまともに歩いていないこともあってか、10分ほど歩いて電波塔のあるところまで着いたところで、既に息が上がってしまう。しかし、トレーニングを兼ねているのでここは休まずに登り、船首岩という展望の良い岩場の下まで行くと、2人の登山客が下山途中で船首岩の上で眺望を楽しんでいた。この岩の直下の登りは少しばかり登りにくく、補助鎖やロープもついていない。

    最初の鎖場  鎖無しでも登れるが、下りは無いと降りにくい。


    鎖場その2


    船首岩直下の登り。ここはちょっとだけ難しい。


    船首岩  この岩の上は、富士山、八ヶ岳、金峰山などの眺望が抜群。向こうに見える山は曲岳。


    岩壁の横を通過


    鎖場その3


    さらにその上まで鎖が続く

 休憩しようかとも思ったのだがここも休まずに登り、1時間少々登った金ヶ岳の手前ピークを巻いたところで休憩した。巻いたところとは、以前はピークを越えて登ったのだが、新たに「谷ルート」と称したピークを越えない道ができていた。道は細いがテープがついていて、木も切り払われている。さらにその道からは、かつての林業軌道跡と思われる北側の林道に下りられそうな尾根道が延びていた。ほとんど踏み跡はなくテープも無いが明らかに道。機会があったら下りてみたいと思う。

    金ヶ岳北峰への最後の登り。道がややわかりにくいところがあります。


    金ヶ岳北峰から見る茅ヶ岳。残念ながら富士山は雲隠れ。

 さらに先に進んで金ヶ岳北峰への急登りを登り付くと、展望が開けて北峰に到着、さらに南峰まで行くと、そこには20人ほどの団体客が休憩中だった。時間は午後2時、途中のルート探索で時間を費やしてきた割には早く着いた。山頂は休憩スペースがなく、直下の草むらに入って休憩。昼食は軽食で済ませた。団体客がいなくなったところで今度は金ヶ岳から西側に向かう尾根のルートを探る。こちらは地図には載っていないのだが、茅ヶ岳の番人、末木さんからルートがあると聞いていた。山頂周辺こそテープは無いが、さらに進んで行くと明らかな道となり、テープがついている。確かに歩けるルートだが、果たしてどこに出るのか?こちらも地図を十分に検討していずれ歩いてみたいと思う。

    南峰の草地から見る茅ヶ岳  富士山は茅ヶ岳のほぼ真上に見えるのだが、この日は姿を現さず。

 さて、下山。この程度では疲れない・・・と思っていたが甘かったようで、ちょっと山歩きをさぼっただけで相当体が鈍ったようだ。何となく膝がガクガク、下りのピッチが上がらない。しかも、ちょうど中間点あたりで小雨が降り出してしまった。本降りにはならず、なんとか雨具を着ないで観音峠までたどり着いた。時間はちょうど午後4時だった。

    下りながら見つけたマツムシソウの咲き残り


    下りながら船首岩付近から見る観音峠の電波塔と金峰山の山波

 初心者にはあまり勧められないルートだが、中級くらいの方が行くと、なかなか楽しめるルートだと思う。もちろんザイルはいらないし、さほど迷うような場所もない。かつ、距離が短くて金ヶ岳に早く到着できるのも魅力だろう。なんとなく山を歩いたという達成感のある面白いルートである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真澄あらばしりヌーボーの会2011

2011年11月28日 | 番外編
 今回の写真展のきっかけは、この会に写真の出展を依頼されたことから始まります。日本酒「真澄」を製造している宮坂醸造は長野県の会社ですが、甲府駅前の焼き鳥池田店長がこの会社とお付き合いがあり、甲府駅前東横イン1階にある元麻布ギャラリーで会を開催することになりました。焼き鳥池田には私の写真を飾っていただいており、また、アルバムも数冊置いてあります。そんなおつきあいから、今回の出展となったわけです。写真展が主体ではなく、他のイベントもあってギャラリーを開ける時間が不確定なため、今回ブログで公表するかどうか迷ったので、告知が遅くなってしまいました。ちなみに、宣伝しなかったこともあってか、来場者はエルクで行った写真展よりも少なかったです。しかし、真澄の会、およびその後に行われた神部冬馬コンサートに来場されたお客様たちからは高い評価をいただきました。展示させて戴けて良かったです。

    写真展示の様子。全25点ほど展示しました。


    スライドの横にあるのは韮崎市市長室に飾って頂いている甘利山から撮影した甲府盆地の夜明けの風景。コニカミノルタで開発した和紙にプリントする技術で印刷された特大の特殊プリント、額は都留市の職人さんが山梨県の木材を使って作った特製額、全て山梨県にこだわって作成された作品です。


    料理の目玉はこれ。名前は「甲斐サーモン」ですが、実際は丹精込めて清流の養殖場で育てた重さ2.5kgのニジマス。サーモンではなくてトラウトですが、味は臭みがなくてプリプリ、透明感のあるサーモンの味でした。絶品!!ただ、出しているお店が少なくなかなかお目にかかれません。


    真澄あらばしりヌーボー。今年の新米で作った最初のお酒です。濃厚な味と口当たり、なのに後に残らないあっさり感。アルコール度数18度で、ものすごく酔いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まだ雪の無い白根三山、晩秋の夜叉神峠と高谷山 

2011年11月25日 | 南アルプス
 平成23年11月16日

 いったい今年の天気はどうなっているのか?9月終わりに少し雪が降って、富士山や南アルプスが少しだけ雪化粧したかと思ったらその後は雪ではなくて雨ばかり。雪はすっかり解けてしまった。南アルプス林道バスの運行が終了する11月中旬になってもまだ雪化粧していない南アルプスなど今までに見たことがない。甲府盆地から見る農鳥岳は少し白くなっているように見えなくもないが、実際はどうなのか?夜叉神峠まで登って白根三山の様子を見に行った。

    夜叉神峠登山口の紅葉  色付きはいまひとつ。


    晩秋の夜叉神の森

 11時、夜叉神峠登山口に到着。秋晴れのすがすがしい空が広がる中を、11時半出発。しばらくぶりの山歩きですぐに息が上がるが、順当に1時間、休憩無しで峠まで登り付く。夜叉神峠から見上げる白根三山は・・・やはり雪が無い。キタダケソウはだいじょうぶなのだろうか?来年きちんと咲いてくれるのだろうか?氷河期の生き残りのその花は雪無しでは生きて行けない花だ。

    晩秋の夜叉神峠


    夜叉神峠から見る白根三山  まだ雪を纏っていない。


    夜叉神峠から見る晩秋の北岳


    晩秋の陽  向こうに見える尖った山が高谷山

 登りながら5~6人とすれ違ったが、峠に着くと平日ということもあって誰もいない。軽食を取りつつ40分ほど休憩し、今度はすぐ向こうに見える尖った山、高谷山に向かう。まだこの山には登ったことが無いのだ。夜叉神峠から見ると山頂直下が急峻に見えたが、登ってみるとさほどきつくなく、20分ほどで山頂に到着した。北岳側の林にぽっかりと穴が開いていて、北岳が良く見える。反対側はカラマツの林の隙間から櫛形山の上に立つ富士山が見えた。さほど眺望が良いとは言えないが静かで居心地の良い山頂だった。20分ほど休憩して下山、1時間ほどで登山口駐車場に到着した。

    高谷山中腹から見下ろす夜叉神峠登山口、芦安、そして甲府盆地


    高谷山山頂から見る北岳


    カラマツの林の隙間から見る櫛形山と富士山


    同上(ズーム)

 この季節になっても雪のない白根三山は異常としか言えない。高谷山の気温は5℃くらいだったので、暖かいとは言えないが、その後、20℃を越える暖かい日が1日あった。そして、11月23日の夕方から夜にかけて降った雨で、ようやく白根三山は雪化粧してくれた。このような天候が続くと、鹿の食害以上に植生に影響が出てしまうかもしれない。特にキタダケソウは、いつ絶滅するかも知れない危機的な花だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然ですが・・・Yosshi写真展開催中!

2011年11月22日 | 番外編
 甲府駅前のホテル東横イン1階に元麻布ギャラリーという立派なホールがあります。ここで11月22日(本日)「真澄ヌーボーの会」と称した新酒品評会、さらに11月25日(金)「神部冬馬ライブコンサート」が開催され、その2つの会に写真の展示を頼まれました。間の2日間、本来ならば会場費がかかるところを、ホール管理人様のご好意で貸していただけることとなり、写真展開催となりました。「美しき山梨の富士、山梨の山」と題して、実質的には23日、24日、25日午後2時ごろまでの2日半の展示となります。約25点の写真を解説付きで展示しておりますので、ご都合よろしければお立ち寄りください。入場無料、午後7時ごろまでやっています。


      樹氷の彼方に
    撮影場所:毛無山  撮影日時:平成22年2月20日 午前6時半
 数日間荒れた天候が続いた甲府盆地。標高の高いところでは雪が降ったに違いない。樹氷の情景を求めて毛無山(標高1,945m)に午後から登り、夜8時山頂に到着、テントを張って夜を明かした。深夜になってから空が晴れ、満天の星空が広がる。そして迎えた朝、朝焼けの空と雲海が広がり、その中に富士山が浮かぶ。林の中を探すと、ぽっかりと木の隙間から富士山が見える場所があり、フラッシュを焚いて撮影した。日が昇るとともに気温が上昇し、この樹氷の景色はわずか1日で終わってしまった。


      早春の薬師岳と並ぶ富士
    撮影場所:鳳凰山観音岳  撮影日時:平成20年4月6日
 甲府盆地では桜が満開の頃、鳳凰山を訪れてみた。ここは数日前に雪が降ったばかり、新雪と緩んだ雪の両方に足を取られながらの登山で、かなり体力を消耗しつつ、なんとか薬師岳手前の砂払山までたどり着きテントを張った。天候に恵まれた翌朝、暗いうちから観音岳を目指し、富士山と薬師岳が並ぶ位置を探して三脚を構え、日の出を待つ。やがて新雪の斜面をピンク色に染めて朝日が昇り始めた。


      岩場に咲く花たち
    撮影場所:八ヶ岳横岳  撮影日時:平成20年7月13日
 花の季節に初めて訪れた八ヶ岳横岳。森林限界を越えると岩と砂礫ばかりの横岳と思っていたのだが、こんな凄いお花畑が広がっているとは想像もしていなかった。言葉に言い表せない感動がそこにある。花はハクサンイチゲ(白)、ミヤマキンバイ(黄色)、オヤマノエンドウ(紫)など。平成24年山梨県山岳連盟カレンダーに採用予定の写真である。


      白峰に傾く冬の大三角形
    撮影日:平成20年12月21日 撮影場所:鳳凰山砂払山
 何度も訪れている冬の鳳凰山ですが,なかなかうまく撮れない白根三山に沈んで行く冬の大三角形.この時は月光をライティングに利用して山を浮かび上がらせつつ星を撮影するという方法を使って撮影してみました.月は下弦を1日過ぎた月,やや明るすぎる感もありましたが,空がすっきりと澄んでくれたおかげで山と星を写し込むことができました.平成20年に撮影した星空の中で最高の1枚と思っています.
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彩、夕暮れの西沢渓谷  平成23年10月27日

2011年11月01日 | 番外編
 平成23年10月27日

 紅葉を撮影するには光があったほうが彩鮮やかとなって良い。特に、この西沢渓谷は西から東に向かって川が流れるため、午前中の斜光線が撮影のベストだろう。しかし、あえて日の当たらない午後から夕方に歩くのは、ひとつは人がいなくなって存分に撮影に集中できること、もうひとつは光が少ない分、スローシャッターとなるため、渓流の流れが表現しやすくなるためだ。紅葉の彩は落ちてしまうが、それはパソコンで補正するとして、果たしてどのように写ってくれるのか、午後から西沢渓谷を訪れる。

    西沢渓谷駐車場から見るループ橋と鶏冠山


    渓谷に入って間もない場所の紅葉。このあたりはまだ少し早い。


    吊り橋から見上げる鶏冠山。かなり険しそうに見える。(が、過去に3度登った。今度は甲武信ヶ岳まで行ってみたい)

 駐車場に到着したのは午後1時半。平日なのにハイシーズンだけあって、空いているところは数台だけだった。準備して1時50分出発。帰ってくる人たちにはたくさん出会ったが、さすがにこの時間から西沢渓谷に入って行く人はいないだろうと思っていた。東沢出合の吊り橋を渡ったあたりから三脚を取り出し、担いで撮影しながら歩く。逆走してくる人たちとは何人も会った。さらに私の後ろを数十メートルの間隔を開けてついて来る女性が1人。滝見台のところで撮影していると追いついてきて、私が行くので行けるかと思って後を着いてきたという。時間は2時45分、ヘッドライトなど持っているような格好ではなく、4時半になると暗くなってくるので3時過ぎには折り返したほうが良いと告げた。その後引き返したようだ。

    滝見台から見る西沢渓谷の流れ


    人面岩  


    落葉と渓谷の流れ

 さらにその先で渓谷の流れを撮影していて、振り返ったところに大きな犬がいてびっくり。犬を連れた女性が登って来たのだ。七つ釜まで行くと言っていたが、時間が遅くなってしまい途中で引き返してきた。さらに若い男女2人、七つ釜まであと30分くらいのところまで来たが、時間が3時過ぎとなり、母胎淵のところで引き返した。もう一組の中年男女は七つ釜まで行って折り返してきた。3時半過ぎからは西沢渓谷は私の独壇場となった。

    竜神の滝


    側面から流れ込む細い滝


    七つ釜五段の滝手前にある方杖橋は新しくなっていた。(以前の細い橋は風情があったが、一人ずつしか渡れなかった。)

 相変わらず三脚を担いだままで気の向くままにシャッターを切る。最初から林道を夜歩いて帰るつもりなので、全く時間を気にせずに歩き、七つ釜五段の滝には4時10分に到着した。(予定では4時半に着くつもりだったが、若干早く着いた。)まだ光量は十分にある。紅葉はちょうど良い頃だが、ここもあまり色付かずに葉が落ちてしまっている。6年前、初めてこの渓谷を秋に訪れた時は人がいっぱいで、隙間を縫って三脚を立て撮影した記憶があるが、夕暮れ時の西沢渓谷はなんと静かなことだろう。

    七つ釜五段の滝全容


    七つ釜五段の滝上部  観光ポスターに良く出てくる場所。


    七つ釜の滝最上部を上から見る

 その先、沢に下りられる道があり、かつては登山道になっていたらしいが、今では看板に「行き止まり」と書かれている。林道に登りついたところでちょうど時間は5時、きれいなトイレが設置されているのには驚いた。ここには林業軌道のトロッコレールが走っており、先の道を探ってみたが、「通行不能」の看板が立っていた。休憩してヘッドライトを装着し、あとは広い林道を歩いて戻るだけだ。

    林道終点部には休憩所と立派なトイレがあった。(以前来た時にもあったような気もするが・・・)


    林道から夕暮れの七つ釜五段の滝を見下ろす


    同上

 少し行ったところで七つ釜五段の滝が見下ろせる場所がある。もう日が暮れて肉眼では白い滝がかろうじて確認できる程度だが、三脚で固定して20~30秒シャッター開放して撮影するとなんとか写ってくれた。ほとんど無風状態で木の葉が揺れなかったことも幸いした。

    鶏冠山の星空  左上の明るい星はこと座のベガ。天の川までは画角が足りず。


    森の上に昇った夏の天の川  頭上には夏の大三角形が輝く。


    カシオペア座  電線が写ってしまった。

 6時20分、ネトリ橋に到着。空を見上げると頭上には夏の大三角形が輝いていた。天の川も見えるが、決してすっきりと見えるわけではない。なんとなく霞んでいる。7時近くまで星空を撮影して退却し、駐車場に戻った。
 翌日パソコンで撮影した画像を開いてみると、思ったよりも良く写っていた。シャッタースピード0.3~0.5秒となり、渓谷の流れが良く表現されている。彩度や色調を調整しても青みがやや強くなってしまうのは止むを得ないが、それなりに面白い写真が撮れたと思っている。夕暮れの渓谷も捨てたものではない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする