山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

割れるダイヤモンド富士を求めて何度でも 朝霧高原

2016年02月26日 | 番外編
 平成28年2月11日に初めて朝霧高原から剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影に成功したが、これで満足したわけでは無くその後も3度朝霧高原に通っている。天候が悪くて撮影できなかった日もあったが、過去のデータを集積してカシミール3Dで太陽軌道と座標を割り出し、その座標をGPSに登録して撮影に行くことでかなりの確率で割れるダイヤの撮影が可能となってきた(と思う)。その中で富士山が撮影できた2日間の画像を公開する。


 2月17日

 朝霧高原道の駅に車を止めて三脚2本を担いでボーグ300㎜とキャノン200㎜レンズを装着してEos7Dと40Dの2台で撮影に臨んだ。この2台はタイマーリモートコントローラーをセットしてオートで撮影できるので1台にタイマーセットし、もう1台はその場所から約30m離れた場所で撮影を試みた。さらにもう1台、広角系のレンズを装着してEosM2を手持ちで撮るはずだった。ところが・・・日の出の時間を間違えたらしく、2台目をセットしてリモートコントローラーのタイマーを起動して数秒後、太陽が現れ始めてしまった。急いで1台のほうのシャッターを切りまくるがもう1台は起動するのにまだ1分半も時間が早い。こうして撮影できたのは200mmを装着した40Dのほうだけで、右に寄り過ぎてしまったがそれでも小さく割れてくれた。


    200㎜レンズ装着したEos40D試し撮り。


    タイマーをセットした途端に太陽が現われ、慌てて連写する。しかしわずかに右にずれている。


    数秒後の画像。小さく剣ヶ峰の左からも光が出ている。


    あと5~10m左だったが、とりあえずは割れるダイヤの撮影は成功。


    このレンズは光の出方は良いのだがフレアが出過ぎるのが難点。


    もう1台のEos7D+ボーグ300mm。タイマーのセット時間を間違えたため全く論外。剣ヶ峰の左側の突起で割れてその周辺の岩で多重分裂するはずだった。


    Eos40Dのほうの座標から再計算した太陽軌道。これよりももう少し左寄り。


 2月26日

 週末は毛無山で割れるダイヤを撮ろうとしたが失敗し、天候が回復したこの日に再び朝霧高原に行く。前回よりもやや左に軌道を修正してカメラをセットし、今度は太陽出現時間の約1分前からシャッターを切り始めるようにセットする。今回は場所がいまひとつで、両側に木のある間から垣間見る富士山を狙った。もう1台はそこから30m左のポジション、剣ヶ峰左から現れる多重分割ダイヤ(ティアラ)を狙う。2台目をセットして最初にセットしたカメラのほうを見ると・・・なんと、セットしたカメラの前にある建物から朝の炊事のためか、水蒸気がモクモクと上がり始めた。もはや場所を移動する時間は無し、そのまま撮影に臨む。


    Eos7D+ボーグ300㎜。山頂が輝きもうすぐダイヤが始まる。


    右から光が現われた。が、左の谷からも光が漏れている。


    割れるダイヤモンド富士。あと5mほど左で良かったがその位置は木があって撮影不能。


    トリーミング。


    その後は雲では無くて炊事の水蒸気が視界を阻む。


    この場所のGPS座標から再計算した太陽軌道。

 そしてもう1台のEos40D画像もほぼ狙った位置から太陽が現れたが、この日は富士山の山上に現われた霞の反射が強く、上向きに現われるはずだった光は霞の中に消えてしまった。


    これはもう始まっているはず。多重分割しているように見えるが、山上に現われた霞の光が強過ぎる。


    山上の光が弱ければ、おそらくいくつにも割れたダイヤになっていると思われる。


    トリーミング画像。下方向には4つか5つ光が出ているように見える。


    条件が良ければもう少しクリアに撮れたと思うのだが・・・いまいち。


    もう終わり。その間約5秒。
    

    撮影地点から再計算した太陽軌道。

 これにて一件落着とまでは行かないが、カメラ2台をセットすれば確率的に7割程度で割れる富士山を撮影できるレベルまで到達出来たかと思う。この7割という確率がこの割れるダイヤモンド富士を撮影するにあたっての当初の目標だった。確率7割ならば2回行けばまず撮影できるレベル、3人で2本ずつ三脚をセットすればほぼ確実に誰かが撮影できるレベルに到達できたと思っている。富士山までの距離や撮影する角度でまた状況は変わって来ると思うが、今期撮影出来なかった竜ヶ岳から毛無山山塊での割れるダイヤモンド富士撮影には大きく前進したと思う。 
    
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田貫湖のパール富士  平成28年2月21日

2016年02月23日 | 番外編
 ダブルパール富士を撮影する機会はあまり無く、今回は都合良く日曜日の夕方にその機会がやって来た。しかも場所を選べばほぼ富士山の真ん中から現れるパールを撮影することができる。ただ問題なのは日没の15分から20分前くらいに月が現われてしまうため残照の赤く染まった富士山とパールを撮るにはこの場所は適さず、もう少し富士山に近付いて人穴あたりが適地となる。しかし、朝霧高原から撮るパールはこれからも毎月のように機会が訪れるわけで、ダブルパールの撮影機会はそう頻回に訪れるわけでは無い。月の出の時間は悪いがここは田貫湖を選択する。パール富士の撮影に興味を持っていたのぞむ先生と星見隊メンバーにも声をかけたが、来られるのはのぞむ先生だけのようだ。

 毛無山から下山後、朝霧高原道の駅で食事を済ませた後、田貫湖に向かう。予定通り午後3時に田貫湖に到着したが既に駐車場はいっぱいで路上にたくさんの車が止められている。運良く手前にある神社の駐車場に空きがあったのでそこに駐車してまずはのぞむ先生に電話する。既に場所取りしてスタンバイOKのようだ。ほとりの撮影予定地に向かって行くとのぞむ先生が手を振っている。場所取りしてあったポイントは私が狙っていた場所とほぼ同じ場所。真ん中から月が現われるのはもう少し先だが、残照に染まった頃の月を撮るには少し白山岳寄りの場所から月を出したほうが有利と考え、少し左寄りに構えるつもりだった。のぞむ先生のすぐ近くにかめら2台を並べてセットする。


    田貫湖に到着した頃は雲が巻いていてこれはダメだろうと諦めていたが、やがて雲は飛んでくれた。湖面が揺れるのでダブルパールは止めてこんな構図でと思っていたが。


    ボーグ300㎜天体望遠レンズ試し撮り。ピント合わせが難しいがようやく使い慣れて来た。


    こちらはCanon200㎜試し撮り。脱着でピントのダイヤルがずれないようにセロテープでダイヤルを固定しておいて撮影に備える。

 風が強く湖面が揺れていたのでダブルパールは無理だと思っていたのだが、夕暮れが近付くと風が穏やかになり、なんとか湖面に富士山が映るようになってきた。そこで1台のカメラを移動してのぞむ先生の三脚の真横にセットさせてもらった。ここならば湖面に映る富士山を入れながらパール富士が撮影できる。離れた場所で2台のカメラのシャッタを押すことは困難なので、こちらのカメラはタイマーリモートコントローラーで時間をセットして1秒間のインターバル撮影をお任せで行うようにする。そしてほぼ予定時刻の5時14分、月が富士山山頂に現われた。


    月が現われた。ボーグ300㎜レンズ。


    現われたのは少し左寄りだったが、ちょうど真ん中で月が全景を現しそうだ。


    田貫湖のパール富士


    ダブルパール富士。情景は良いが月が小さくて地味な感じに写ってしまう。やはりこういう情景は自分の目で見たほうが素晴らしい。


    富士山が少し染まって来たが月はどんどん昇ってしまう。


    1秒間のインターバル撮影で撮っていた画像を良く見直してみると・・・


    月の中を飛行機が飛んでいだ(トリーミング画像)。


    200㎜レンズに換える。


    残照に染まって来た頃にはもう200㎜レンズでは追い切れない。


    夕陽に染まった頃のダブルパール富士。

 撮影の前に偶然同じ場所に居合わせたお二人は私たちと同じGooのブログ仲間で、お一人はのぞむ先生が読者登録をされているクリスタルさん(ブログ:初心者の写真+)、もう一人は私も何度か訪れたことのあるsaiya24さん(ブログ:デジイチLife)だった。saiya24さんのブログは箱根の大観山に彗星の撮影に行こうと計画した時に参考にさせていただいた記憶がある。

 残照が消える頃にはもう月は高く昇ってしまっていた。本日ここまで。毛無山は失敗だったが田貫湖はまずまずの景色が楽しめた。
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ダイヤモンド富士撮影ならず 毛無山  平成28年2月21日

2016年02月23日 | 山梨百名山
 予定では前日午後から登って山頂にテント泊だったのだがあいにく前日の天気は雨。結構な雨が降ってこれでは登れない。深夜12時を過ぎた頃から天候が回復してくるとの予報で、雲画像、気圧配置を見ても朝には富士山が姿を現してくれそうだ。深夜1時半に目覚ましをかけて起き、朝霧高原の毛無山登山口駐車場に向かう。甲府では雨が上がっていたが朝霧高原に行くとまだ小雨が降っていた。3時に登山口駐車場から出発できたのだが、まだ小雨が降っておりこれで急登の毛無山に登るには気が引けた。一旦あきらめて車で戻りかけたのだが、しかし・・・朝霧高原からダイヤを狙ったとしても、きっと毛無山に行かなかったことに後悔が残るに違いない。もはや時間が遅く山頂から7時ごろ昇るダイヤモンド富士には間に合わないだろう。しかし9合目下の展望台ならばギリギリ間に合うかも知れない。意を決して駐車場に戻り、3時30分に出発する。荷物を軽くすれば良かったのだが、既にザックの中にカメラ3台とレンズ3本を詰め込み、三脚2本を積んでおり今更詰め直す時間も惜しいのでそのまま担いで入山する。私としては急ぎ足で登ったつもりだったのだが・・・迷ってロスした30分は大きかった。

 4合目上のレスキューポイントから富士山が見え始め、朝霧高原は雲海の中に沈んでいた。荷物が重いのでここで水を500mlと食料を少しデポして行く。7合目あたりで夜が明けてもうヘッドライトは不要になった。目指す展望台は9合目の下、次第に山頂が輝き始めた富士山を振り返って見ながら必死で展望台を目指す。ふくらはぎが攣りそうになりつつ、ようやく展望台に着いた時には・・・3分及ばず、既に太陽は剣ヶ峰を超えて昇ってしまっていた。しかし富士山の後ろに薄雲が出ており、間に合ったとしてもおそらくはキラリと光るダイヤモンド富士にはならなかったであろう。展望台で撮影しながらここで30分ほど休憩し、あとは足に負担をかけないようにゆっくりと山頂に登った。午前8時、毛無山山頂に到着。


    毛無山9合目下の展望台から見る朝日。ダイヤの時間にはわずかに及ばず。


    富士山の後ろにある薄雲のため間に合ったとしてもおそらくはキラリと輝くダイヤにはならなかっただろう。それと、位置も剣ヶ峰から右にずれたはず。


    数分後には富士山裏側の雲は晴れた。朝霧高原を覆っていた雲海はほとんど消えてしまったが、駿河湾はまだ雲に覆われている。


    長者ヶ岳・天子ヶ岳に至る山並と雲海。そろそろのぞむ先生が田貫湖から登り始めた頃だろうか。


    地蔵峠ルートとの合流点。この季節に雪が無いのは初めて見た。


    毛無山山頂に到着。

 山頂に到着してまたまた休憩した後、富士山展望地の座標を記録するため三脚とカメラとGPSだけ持って大見岳に向かう。山頂から大見岳の間は草地が多く、富士山の眺望には事欠かないが狙っているのは剣ヶ峰か白山岳で割れるダイヤモンドなので正確な撮影場所の座標が必要になる。前日からテント泊していたならば、今回は白山岳で割れるダイヤを撮影する予定だった。撮影ポイントをGPSに登録してあったのだが残念無念撮影予定地までたどり着けなかった。


    山頂下の展望地から見る富士山


    大見岳側の大きな岩の上から見る富士山


    雲が流れて来たので彩雲を期待してしばらく眺めていたが、雲の出た位置が悪いらしく彩雲にはならず。


    白山岳で割れるダイヤモンドを狙うはずだったポイントから見る富士山。眺望はバッチリだったが到着できなかったことは本当に残念。


    毛無山最高点、大見岳山頂。
    
 大見岳から先は樹林帯になっていてぐっと下りになっていたため、そこまでで折り返して山頂に戻る。そろそろミスター毛無山さんが山頂に到着する時間だろうと見ていたのだが、珍しくこの日は姿が見えない。9時半に下山を開始し、9合目下の展望台でまた三脚とカメラをセットして撮影しながら30分ほど休憩する。


    毛無山山頂からの富士山。冬のダイヤモンドはまたおあずけ。雲海の上のダイヤもなかなか撮らせてくれない。


    9合目下の展望台からの富士山。やはり毛無山から見る富士山はこの界隈の山域でいちばん大きく見える。

 6合目付近でやはりあの方が登って来た。ミスター毛無山さんだ。一旦7合目まで登ったが所用で一度下りてまた登り返してきたそうだ。新たに7合目に展望台を造り、そこからの眺望がたいへん評判が良いと聞いた。知っていればそちらでダイヤモンドを狙ったのに残念。もう登り返して展望台を見に行く元気も無く、そのまま下山した。この日は下山後にもう1ヶ所撮影が控えている。


    4合目上のレスキューポイントから見る富士山。未明には朝霧高原が雲海に覆われていた。


    不動の滝。ここにも秋になると黄色い花が咲くらしいが、ルートが発見できず。


    1合目のスギ林の中でじっと私を見つめる黒い影、二ホンカモシカに遭遇。おいでおいでと手を差し出したが逃げて行ってしまった。シカたない。

 午後1時駐車場に到着。やはり毛無山の山塊は登るのに手強い。ふくらはぎに加えて膝も若干痛くなったが、意外と重い荷物を担いでも登れる自分に少しだけ自信を取り戻した。休日でこの山塊でダイヤモンドを撮影できる最後のチャンスだっただけに残念ではあるが、また秋に撮影の機会がやって来る。確実に撮影するにはやはり荷物は重くても山上テント泊が良さそうだ。


 この後朝霧高原道の駅で食事した後、田貫湖に向かう。のぞむ先生と合流だ。
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撮影地探索と夕暮れのダイヤモンド富士を狙うが失敗 切通峠から高指山へ  平成28年2月17日

2016年02月17日 | 番外編
 1月に星見隊メンバーが偵察に歩いてくれたルートだが、座標から4月の月の位置を計算すると富士山の山頂から外れてしまう。他に無いのかどうか、林の中からの切れ目は無いのかどうか、探索と、もう一つ、石割山界隈で夕暮れの割れるダイヤモンド富士を狙ったが失敗に終わっているので、その目的もあって切通峠界隈を歩いてみることにした。

 時間的余裕があれば鉄砲木の頭から縦走したかったのだが天候の回復が遅く、山中湖に到着したのは12時半になってしまう。向かう途中で小雨に降られたが、この日は天候が回復して午後から晴れる予報、かつ気圧配置が冬型となり、空気が冷えて強い北風が吹いてくるはずだ。昼にはまだ大きな雲におおわれていた富士山だが、夕方にはきっと雲が飛んで富士山が姿を現すだろうと読んでいた。出発時間は午後1時になり、縦走するには時間が足りず、高指山直下から登るには時間が早すぎる。そこで時間調整を兼ねて山中湖のほとりのきららに車を止めて車道を歩いてみることにした。三国山・パノラマ台ハイキングコースの様子も見ておきたい。普通にハイキングコースの看板通りに歩けばよいものを、あっちの林道はどこにかに抜け出られるのだろうか?と興味本位で行ってみるとお決まりの途中で道は消失。しかしGPSで見ると斜面をひと登りすればすぐにパノラマ台に至る車道に抜け出られるはず。ということで雪の少し積もる藪を抜けて車道に抜け出る。


    三国山・パノラマ台ハイキングコースに入るが、看板を無視して別の道を進む。


    ひと藪抜けて車道に出る。この喫茶店の裏庭と思われる場所に抜け出てしまった。ごめんなさい、通らせてもらいました。

 アスファルトの車道歩きは思ったより長く感じた。30分ほど歩いて切通峠の登り口に到着。途中で軽く昼食をとって2時40分に切通峠に到着した。予想していた通り、ここは樹林帯の中で展望は無い。


    切通峠はもう目の前。テニスコートやサッカー場があって、駐車場もある。


    切通峠分岐点。右が切通峠、左は高指山のコルに出る。


    切通峠。向こう側に抜ける明瞭な道があるのを知った。


    なんとか富士山が見えるものの、木が邪魔でまともな眺望は得られず。

 まずは右方向(鉄砲木の頭側)の小ピークまで登って展望地を探すが、富士山は見えるものの木が邪魔してまともな展望は得られない。戻って今度は高指山側を道を外れて藪の中をうろうろしてみたが、かろうじて富士山山頂が見える隙間はあるものの、これではまともな撮影は出来そうもない。


    切通峠から鉄砲木の頭側に登った小ピーク。


    残念ながら展望は得られず。


    今度は高指山側の藪の中。かろうじて山頂は見えるが・・・


    この程度ではまともなパール富士の撮影は出来そうもない。木の上に昇れば・・・って、そんな猿真似は出来ません。


    やっと眺望が得られたのは高指山のコルあたり。ここだと月が山頂から外れてしまう。


    東海自然歩道分岐と案内板。帰りはこちらのルートを使う。

 残念ながら星見隊で探索していただいた展望地以外は良さそうな場所は見つからなかった。

 ちょうどダイヤモンド撮影に良い時間に目的地到着したが、予想が外れて富士山の上にかかった雲が晴れてくれなかった。それどころか、日没の時間が近付くとますます雲が広がってきた。昼間の気温が上がり過ぎて夕方までに冷え切らなかったようだ。これではダイヤモンド富士は無理だ。いちおう高指山山頂まで行って数カットとってダイヤモンド富士撮影地に戻るが、これは絶望的。


    白山岳に夕陽が沈むはずの撮影地に到着。しかし雲が晴れてくれない。


    ダイヤの前にちょっと高指山山頂に立ち寄り。この雲ではほぼ絶望的。


    撮影地に戻ってボーグ300㎜天体望遠レンズ装着したが、全く無理。


    もうすぐダイヤの時間。


    もう沈んでしまった。残念、心も沈んだ・・・?

 夕暮れの割れるダイヤモンド富士はまたしても不発。なかなか思った通りに撮らせてくれないが、それでも年が明けてからはかなり良い写真が撮れたほうだろう。撮れないことが多いほうが普通だ。

 東海自然歩道を下山してあとはアスファルトの道をテクテクと歩いて山中湖湖畔に到着した。裏の細い道を歩いてみたところ、綺麗な宿がたくさんあることに驚いた。暗くなって誰もいない湖畔の浜辺をヘッドライト点灯してブラブラと歩く。風が強く湖面はさざ波が立っていたが、砂で囲まれた小さな水辺ではなんとなくダブル富士が撮れそうなところがあったりして、なんとなく撮影イメージを湧かせながら歩いてきた。午後6時半、きららの駐車場に到着。


    なんとなくダブル富士山。深夜にオリオン座と冬の大三角形が富士山山頂あたりで輝いているので、ダブルで撮れると良いのだが・・・


 ということで、4月のパール富士は切通峠界隈からでは不可ということがわかった。そこで作戦を変更し、日の出の時間と月の沈む時間がズレてしまううえに、激混雑が予想されるが、山中湖の湖畔から狙うことにしたい。4月なので雲が増えて撮影の条件は悪いのだが、チャンスは土曜日と日曜日の2回ある。
    
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懲りずにまたまたまたティアラ撮影に朝霧高原へ  平成28年2月11日

2016年02月11日 | 番外編
 そろそろこのネタは皆さん飽きていることかと思うが、このしつこさが私の売りなのでお付き合いいただきたい。

 現在3連敗中の朝霧高原ティアラ、竜ヶ岳と石割山、さらに先日の雨ヶ岳を入れると7連敗である。朝霧高原のティアラにこだわるのは、ひとつの大きな疑問を持っているからで、それは富士山と太陽の大きさのマッチングである。富士山から距離が離れるほど剣ヶ峰や白山岳の尖りに対して太陽が大きくなるわけで、割れやすくなるのはわかる。そして富士山に近付くと、ちょうど剣ヶ峰の凹凸と山頂に立つ建物の湾曲に太陽が入り込んでティアラと呼ばれるいくつもに割れた光芒が出るのもわかる。それではその中間に当たる国道139号線富士宮道路ではどうなのだろうか?撮影してきた太陽の大きさから計算して理論的には撮れるはずなのだが本当に撮れるのかどうか?ここで撮れなければ1列後ろにある竜ヶ岳や毛無山塊でも撮れないのではないか?という疑問をずっと抱いていた。だから、朝霧高原139号線沿いからのティアラ、あるいは割れるダイヤモンド富士はなんとしても撮影してみたいのだ。

 今までの反省からカシミール3Dの太陽軌道を少しずつ変えながら、この日も朝霧高原に行く。空は雲ひとつない青空、ティアラ撮影には持って来いの条件だ。いつもはカメラ2本並べて望遠と中望遠の2種類で撮影するのだが、今回は剣ヶ峰頂点を通る軌道とやや左側から現れる軌道、距離にして約30m離れた位置でセットして、片方をタイマーコントローラ-セットして連続撮影、もう片方を自分でシャッターを押して撮ることにした。名付けて「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」作戦。


    EosM2に200㎜望遠レンズ装着して自分でシャッターを押して撮った画像。こちらが剣ヶ峰の中央を通る軌道のはずだ。


    出た!しかしわずかに右。


    トリーミングしてみると一応2つか3つに分かれているように見える。


    次のカット。しかしこれでは・・・。


    やはり失敗。

 GPSに記録しておいた場所の通りにカメラをセットし、この場所がいちばん割れる可能性が高いと思っていたのだが残念ながらまたまたまた失敗。

 もう1台のEos7Dのほうは最速秒速10コマ撮影可能なカメラなのだが、タイマーリモートコントローラーを使うと連写に設定しても秒速1枚強しか撮れなくなってしまう。しかも最大99枚までだ。それを承知で太陽が現れる予想時間の15秒前からシャッターを切り始めるように設定してあとはお任せ撮影にした。EosM2は右に寄ったのでこちらのカメラに期待がかかる。


    Eos7Dにボーグ300㎜天体望遠レンズを装着してタイマーリモートコントローラーお任せ撮影。


    こちらのレンズはピントが合うとかなりの解像度が出る。山頂の空気がよどんで辺縁がゆらめいているのが見える。


    始まった、しかしわずかに左。


    トリーミング画像。あと5mほど右だったか、と思ったがこれだけでは終わらなかった。 


    数カット後、剣ヶ峰の右からも光が現われた。


    トリーミング画像。割れている。


    次のカット。やっと撮れた、割れるダイヤモンド。


    トリーミング画像


    その次のカット。


    数カット後。もう終わっている。 

 ティアラと呼ばれる多数に割れるダイヤには程遠いが、課題であった割れるダイヤモンド富士の撮影にはなんとか成功した。ここで撮れるということはこの後ろの竜ヶ岳から毛無山の山塊でも確実に撮れるということだ。本日の撮影地からの軌道を良く見直して、今シーズンは無理としても次のシーズンには確実に山の上からの割れるダイヤモンド富士を撮影してみたいと思う。

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富士山に沈む月齢2の月 籠坂峠  平成28年2月10日

2016年02月11日 | 星空
 前日の月齢1の月は太陽に近過ぎてどう計算しても甲府界隈で撮影するのは難しかった。そして今回狙ったのは月齢2の細月。日没後40分前後が地球照の月の撮影に一番適した時間で、あれこれとカシミール3Dで場所を探していると籠坂峠界隈で夕方6時ごろ富士山の左隅に沈んでくれそうだ。雪の積もる籠坂峠の駐車場に車を止めてカメラ2台を持って撮影地に向かう。


    55㎜レンズで撮影した月齢2の地球照の月。


    こちらは200㎜レンズ。


    200㎜レンズだとシャッタースピードを5秒にすると月が少し流れてしまう。3秒以内で切る必要がありそうだ。


    こちらは300㎜天体望遠レンズ。


    シャッタースピード1.3秒


    5秒で切るとかなり流れて月が不鮮明に見えてしまう。こちらは2秒以内で切る必要がありそうだ。


    富士山に傾く月齢2の地球照の月

 富士山に沈む地球照の月をできるだけ大きく撮ってやろうという目論見で、ここでボーグ300㎜天体望遠レンズにキャノン製2倍エクステンダーを装着してみた。これはピント合わせがかなり難しくて手こずっている間に月はもう富士山の近くまで来てしまっていた。シャッターを切るとパシャッというシャッター音が響いたがしかし・・・カメラのモニターに接続不良のエラーメッセージが出ている。レンズ接続部を拭きなおし再度シャッターを切るがまたしてもエラー。これは使えないのではないか??エクステンダーを取り外して撮影した時にはもう月は富士山に沈み始めていた。しかも露出が合わず。


    エクステンダーが使えず取り外して撮影した時にはもう月は富士山に沈み始めていた。


    パソコンで明るさを調整した画像。こういう撮影法もありかもしれない。

 職場に戻ってエクステンダーの接続部をきれいに拭きなおして再写してみたがやはりボーグレンズとキャノン製のエクステンダーはこのままでは使えないようだ。いろいろと細工を施して、何とか使えるように調整することは出来たが、焦点距離が伸びるほどブレ易くなり、シャッタースピードも速く切らなければならなくなるため、星空の撮影には追尾装置が必須になってくるのであろう。これからやろうとしている富士山とオリオン座大星雲やアンドロメダ大星雲の同時撮影はそう簡単には行かなそうだ。


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ダイヤモンド富士と樹氷ダイヤモンド 雨ヶ岳(2日目後編)  平成28年2月6日ー7日

2016年02月10日 | 御坂・毛無・天子山系
 朝の富士山頂に昇った細い月は素晴らしい輝きだった。苦労して登ってきた甲斐があったが、撮影がいまひとつだったのが心残りだ。

 既に朝食は摂ったので、ダイヤモンド富士の撮影にカメラ2台と三脚だけ持ってタカデッキ側に移動する。時間は6時半、ダイヤモンド富士になる時間は7時20分ごろのはずなのでタカデッキまで移動するには時間が足りない。おおよその位置をカシミール3Dで見てきており、座標も手帳にメモしてきた。GPSを片手にその座標の場所を探すが、全くその座標にたどり着けず、タカデッキ側の遥か彼方を差している。どうやら計算を間違えたか、日にちを間違えたようだ。樹林帯の中であまり展望の得られる場所は無いので、木の隙間で富士山が見えるところを適当に探して三脚を構える。


    こちらがピントがきっちり合った本来のボーグ天体望遠レンズの解像度。


    白山岳の辺りが輝き出した。少し右寄りか?


    来た!と思ったがやはり右寄り。白山岳を狙っていたのだが座標の間違いと良い場所が無くこれも仕方なし。


    もう1台のカメラで撮影したダイヤモンド富士。これはこれでまずまずの画像と思う。


    同上。


    ダイヤモンド富士。絞り込んであるのだが、絞りがいくつになっているのかは全く不明。ファインダーを覗き込んだ時の明るさで適当に絞っている。


    樹氷とダイヤモンド富士

 あっさりし過ぎていた感があるが、とりあえずは毛無山塊のダイヤモンド富士の撮影に成功した。テントに戻って休む。あまり腹が減っているわけでは無いのだが、荷物を減らしたいので持って来たパンを食べる。


    雨ヶ岳山頂とテント。


    見上げる青空と樹氷が眩しい。


    もうだいぶ日の位置は高くなった。


    木で朝日を隠して撮影。

 テント撤収して10時に下山開始する。青空が広がり富士山がすっきりと姿を現したこの日は、昨日のキラキラ輝く樹氷を前景に撮影するには好条件だ。しかし・・・荷物はまだ重く、昨日の登りで足に疲れがたまり、全くピッチが上がらない。


    良い景色を見させていただきました。山にお礼を言って下山。いつかこの構図でダイヤモンド富士を。


    山頂直下の笹原と富士山。


    前日オリオン座と冬の大三角形を撮影した場所。この先が樹林帯の急下り。足に力が入らず、踏ん張れない。


    端足峠近くになると樹氷が残っていた。


    木にダイヤモンドが成ったようにキラキラ輝いているのだが、写真では表現できない。


    凄い樹氷。この輝きは是非自分の目で見ていただきたい。


    木に成ったダイヤモンド。


    端足峠に到着した頃には富士山は雲隠れ。

 A沢貯水池まで下りたところで時間は午後1時を過ぎ、駐車場まであと15分ほどだがここでラーメンを作って昼食をとり、大休憩する。あ~、疲れた。しかし、収穫の多い山行だった。駐車場には午後2時帰還。

 毛無山塊でティアラ、ないしは割れるダイヤモンド富士を撮影するならば2月いっぱいが勝負ということになる。しかしこの急登の毛無山塊、またテント担いで登るにはかなりの覚悟がいる。なにせ次は隣の毛無山になるわけで、雨ヶ岳よりもさらに標高差200m登らなければならない。登る時は次の毛無山は「絶対無理!」と思っていたが下山するとこの苦労を忘れてしまう。装備を考えてまた行くかどうか・・・深く考え中。

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月と星の輝く山へ 雨ヶ岳(2日目前編)  平成28年2月6日‐7日

2016年02月09日 | 星空
 氷点下10℃を下回る山上泊ではいつもならばシュラフ2枚を持って行くのだが、今回は荷物が多くてザックに入りそうもない。そこで今回はホカホカホッカイロ作戦。シュラフの中にホッカイロ6枚を貼り付け、さらに冷える肩の周りの衣服に2枚、足に2枚、計10枚のホッカイロを貼り付けて寝ることにした。これで寒ければテントの中でバーナーを焚いて温めるしかない。予想通り、-10℃まで測定できる時計の温度計は振り切っており、おそらく-12~13℃くらいまで冷え込んだのではないだろうか。しかしこのホカホカホッカイロ作戦はなかなか効果を発揮してくれて、3シーズンシュラフにシュラフカバーをかけた装備で比較的快適に寝ることができた。

 11時ごろに寝て目覚ましは4時20分にかけたので、5時間寝るはずだったのだが3時半ごろに目が覚めてしまう。テントの外を見ると雲が広がり星空は少し見えるだけだ。特に肝心の富士山は大きな雲が巻いて全く姿が見えない。朝まではまだ時間がある、きっと晴れる、と願いながら早目の朝食をとる。未明4時半にテントの外に出ると、富士山にかかっていた雲は少しずつ小さくなってきており、だいぶ星空が見えるようになってきた。5時、そろそろ富士山の上に天の川が現われている頃だ。カメラを持ち出して撮影してみると、うっすらだが富士山の雲の上に天の川が写っている。しかし肝心の富士山山頂はまだ見えてこない。


    未明5時、富士山にかかった雲の上にうっすらと天の川が現われた。


    駿河湾の灯りの上にはさそり座が尻尾を雲に隠しながら昇っている。


    そして遂に、富士山の山頂が雲の上に姿を現した。


    雲巻く富士山と天の川

 未明5時半、遂に富士山頂が雲の上に姿を現した。天の川も綺麗に写る。簡易赤道儀スカイメモはこの天の川を撮影するのが最大の目的で担ぎ上げたもので、急いでテントからスカイメモを持ってきてセットしようとしたその時、富士山の雲の中から明るい金星が姿を現した。ということは、月が姿を現すまではもうほとんど時間が無いということだ。スカイメモのセットを止めてボーグ天体望遠レンズを組み立てる。(このレンズは部品をつなぎ合わせて自分で組み立てるように設計されている。)まだ使い慣れていないしフラットナーの調整も済んでいないのでピント合わせに疑問が残る。しかも暗い中でファインダーを覗き込んでもピントが合っているのかどうかかなり疑わしい。セットしているうちに、あっという間に月が山頂に姿を現してしまう。


    薄明の富士に輝く金星と天の川


    薄明の富士山と金星


    薄明のさそり座と明の明星金星


    月が現われた、しかし使い慣れていないレンズはピントが合わない!!少しばかり焦る。


    月の輝いている部分でライブビューを使ってピントを合わせる。


    富士山頂に昇る月齢28の地球照の月


    ブログ上ではきっちり撮れているように見えるのだが、パソコンに取り込んで拡大するとまだ甘かった。


    山頂に出た薄雲のおかげでさらに雰囲気は良くなったが、大部分の写真はブレてしまっている。カメラの固定にも一工夫必要なようだ。

 素晴らしい地球照の月が富士山頂に姿を現した。今まで何度も地球照の月の撮影を行ってきたが今回の月が一番美しく、山頂に出た薄雲のおかげで雰囲気も抜群だった。しかし・・・まだ使い慣れていないボーグ天体望遠レンズはピントがいまひとつ合っておらず、しかも長尺レンズなので三脚の固定が悪く、わずかな風で画像がブレてしまっていた。折角の景色だったのに撮影は決して満足できるものではなかった。レンズに習熟することと、固定にもう一工夫必要なようだ。場所を変えてこの美しい月と接近した金星、水星をさらに追いかける。


    富士山頂に輝く月齢28の月と金星・水星。細い枝の間で明るく輝くのが金星、少し太い枝の突起の下で小さく輝いているのが水星。


    細月と金星。水星は枝の中に隠れてしまっている。


    月と金星・水星。水星は月と金星を結んだ線の中央部下に小さく輝いている。1等級の明るさがある水星も金星に比べるとこのくらいの輝きしか無い。


    アップするとなんとなく水星も見える。


    夜明けの光の中に月と金星、水星の輝きは消えて行く。

 苦労して担ぎ上げたスカイメモの出番は無かったが、苦労して登って余りある素晴らしい天体ショーを楽しむことができた。心残りなのは前述の如くボーグ天体望遠レンズがうまく使えなかったことだ。機会があれば、また山上からの撮影に挑みたい。

 雨ヶ岳山頂でのダイヤモンド富士はもう終わってしまっており、この日はタカデッキあたりで丁度真ん中あたりからのダイヤになるはずだ。しかし今から移動してもとても時間的に間に合わない。されど、白山岳あたりからのダイヤならば樹林帯の中で展望が得られれば撮影可能なはずである。朝食はもう摂ったことだし、カメラと三脚とGPSを持ってダイヤモンド富士の撮影に出かける。(2日目後編に続く。)





           
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月と星の輝く山へ 雨ヶ岳(1日目)  平成28年2月6日‐7日

2016年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 先週は雨ヶ岳山頂でダイヤモンド富士になるため狙っていたのだが、天候不良だったうえに用事が入ってしまい行けずに終わってしまった。しかし本命はそれではなく、2月7日朝富士山頂に昇って来る月齢28の月だ。先週登っていればそのまま山頂にテントを置いて行く予定だったのだが今回はテントの他に新調したボーグ天体望遠鏡(フラットナーという装備を付けてさらに重くなった)、スカイメモ簡易赤道儀等を詰め込み、65リットルのザックでは入りきらないほどの荷物になってしまう。しかも今回挑むのはあの毛無山塊、途中からは見上げるような急登が続く。カメラは2台持って行くが三脚2本は持てなそうなので、今回は1本だけにするが、それでも何度も山頂泊している毛無山塊にあって今回が最も荷物が重い。果たして登れるのか?

 朝霧高原でティアラ富士撮影後にそのまま登り始めるはずだったのだが、先日ようやく車が修理から戻ってきたばかりで登山靴を積んでくるのを忘れてしまった。止む無し、一旦自宅に戻り態勢を整えて再出発。今回は静岡側の根原から端足峠経由で山頂に至るいちばん楽そうなルートを選択した。歩き始めたのは午後1時半ごろになってしまう。5時間を予定して6時半ごろに山頂到着の予定だ。


    A沢貯水池付近から見る富士山。空は霞んでいるが富士山は見えている。明日の天気予報では午前6時ごろから晴れ。


    端足峠から見る富士山。ここまでは予定通りの2時間。


    端足峠の樹氷。曇り空なのが残念。


    端足峠付近の樹氷。積もった雪が解けてまた凍り付いたのか、キラキラと輝く樹氷が出来上がっていた。


    凄い樹氷。八ヶ岳の樹氷とはまた違う。

 端足峠まではほぼ順調に歩いて2時間で到着した。しかし、ここまでで重い荷物に足はだいぶ疲れてきた。重いザックを下して小休止した後、この界隈の撮影場所をチェックするため一旦竜ヶ岳側に偵察に行く。樹林帯の中ではあるが、切れ間から富士山の見える場所が何ヶ所かあり、今後のダイヤモンド富士撮影の際に使えるかもしれない。

 端足峠の界隈は竜ヶ岳と雨ヶ岳の間にあり雪や風が吹き付ける気象条件の厳しい場所なのだろうか、この界隈には見事な樹氷が残っていた。特に雨ヶ岳側の樹林帯の中はまるで樹氷のトンネルのようになっていた。そのトンネルをくぐり抜けると、いよいよ雨ヶ岳への急登が始まる。


    始まった。雨ヶ岳の急登。トレースがあるのは良かったが緩い雪はアイゼンが効きにくく、踏ん張ってもずり落ちてしまい悪戦苦闘。


    急登の途中から見る富士山。


    もうすぐ中腹の平坦地だが、そこにたどり着く前に日が暮れてしまう。南アルプスの上に綺麗な夕焼け空が広がった。

 雪の積もった雨ヶ岳の急登はかなり厳しかった。荷物が軽ければさほど苦労しない登りなのかもしれないが、雪の締りが悪く軽アイゼン装着して踏ん張ってもずり落ちてしまう。体力を消耗して標高差100~150mを登るのがやっと、30~40分おきに休憩をとりながら必死に斜面を登る。体力に見合わない荷物を担いできただけに何度も「もう無理!」とつぶやいたが、明日の朝の景色を思い描いて「絶対に登る!」という気持ちを抱きつつ山頂を目指す。中腹の平坦地を超えてようやく富士山の眺望が得られる山頂直下の笹原に抜け出たのはもう午後の7時だった。もうオリオン座と冬の大三角形が富士山の山頂を超えて高く昇っている。雲の流れゆく空だったが星の輝きは美しい。山頂に到着した頃にはきっとオリオン座と冬の大三角形は富士山と一緒に撮影できない位置まで昇ってしまっているだろうから、ここで三脚とカメラをセットして撮影しておくことにする。


    富士山頂に昇ったオリオン座と冬の大三角形。時間は午後7時、雲が流れて行くが空は晴れてきた。


    冬の大三角形と駿河湾の灯り。横位置にすると10㎜広角レンズでもオリオン座が一部切れてしまう。

 午後8時、やっと雨ヶ岳山頂に到着した。ヘトヘトだし腹も減ったがテント設営の前にまずは撮影だ。富士山の裾野に雲が湧いており、いつ暴れ出して富士山を隠してしまうかわからない。見えるうちにまずは30分ほど撮影してテント設営し、ようやく夕食となる。


    やっと山頂に到着、午後8時。


    ダケカンバの空に輝く星々。右側の木の枝の間に輝くのがおおいぬ座シリウス、左の町灯りをおおった雲の上に昇って来たのが木星。


    食事を終えて10時ごろテントの外に出てみると雲が湧き、富士山は隠れてしまっていた。明るい星は木星。


    木星が富士山の上まで昇ったところでこの構図で撮りたかったのだが、残念ながら富士山は見えず。

 11時ごろまで待ってみたが空はますます雲が広がり星は見えなくなってしまった。オリオン座の大星雲でも追尾撮影しながらボーグ天体望遠レンズに新たに装着したフラットナーという装備の焦点微調整を行っておきたかったのだが出来ずに終わってしまった。明朝は4時半ごろに富士山の上に天の川が昇って来るはず、そして本命の月齢28の細月は朝6時ごろに富士山頂に現われる。明日の景色を夢で描きながら、目覚ましを4時20分に合わせて寝る。






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富士山に昇る月齢28の細月 雨ヶ岳(予告) 画像が多いので今回は3部構成です。

2016年02月07日 | 御坂・毛無・天子山系
 1月は竜ヶ岳から狙ったが満足な画像が得られなかった翌日に新月となる細い月。今回は雨ヶ岳から撮影するとちょうど富士山頂に現われ、しかも1月よりも時間的な条件が良いので1泊2日で撮影に出かけてきました。撮影したハイライト画像を掲載した予告編です。


    オリオン座と冬の大三角形。雨ヶ岳山頂下の展望地から。この時間になってもまだ山頂に到着できず。急登の連続で既にヘロヘロ。


    ダケカンバの空に輝く星たち。午後8時、やっと山頂。


    姿を現した富士山と天の川。


    金星輝く


    月齢28の地球照の月昇る富士山


    金星、水星、月が接近
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なんとなくティアラ?? 懲りずにまたまた朝霧高原へ  平成28年2月6日

2016年02月07日 | 番外編
 現在5連敗(もっとか?)中のティアラ撮影にまたまた朝霧高原に出かける。

 この日は未明5時ごろに細い月と金星、水星が接近して昇って来る日だったので、前日11時に寝て3時20分起で朝霧高原に出かけるはずだった。ところが、かけたはずの目覚まし時計が鳴らなかったようで(最近この目覚まし時計はしばしばストライキを起こしている!)、目が覚めれば外が明るい。時計を見ればなんと6時を回っている。止む無し、ティアラの撮影だけでもと朝霧高原に出かける。GPSに記録しておいた場所に到着するとティアラ狙いらしき若者が一人、構えているレンズはタカハシ製の天体望遠鏡だ。その場所が剣ヶ峰の真上に太陽が昇る場所だそうだが、私はそこから10数メートル左に寄って剣ヶ峰の少し左から出る太陽を狙う。空には薄雲がかかって条件はいまいちだ。


    ボーグ300㎜レンズに今回はフラットナーという辺縁収差を改善させる装置を装着。ピントが合うか心配だったが大丈夫そうだ。

 レンズ越しに覗き込んでその時を待っていると、狙った通りの場所、剣ヶ峰の左手の平らな部分に太陽の上部が現われているのが見えた。チカッと光るはずだったのだが、薄雲が邪魔したせいか、円い太陽が見えた。即座にシャッタ-を連写するが撮れた画像は・・・???


    狙い通りの場所から太陽が出たがティアラには程遠い。


    そのまま連写していると剣ヶ峰の右側からも光が現われたが、割れている様子は全く無い。


    多分もう剣ヶ峰の上に太陽が昇ってしまっている。


    絞り込んでみると太陽軌道の中心は剣ヶ峰を通っていると思う。

 またしても失敗。帰り際に若者に様子を聞いてみると、彼はティアラのことはあまり知らないようで、単に剣ヶ峰から現れる太陽を狙っていたようだ。狙い通りの場所から現れても割れない太陽、もう少し右に寄れば剣ヶ峰山頂の建物で割れるかもしれないが、もう少し左に寄れば平らな部分の左側にある突起で割れそうにも見える。そもそも太陽の大きさが剣ヶ峰の湾曲に合っていないようで、もっと富士山に近付いたほうが良いのではないかとも思える。前途多難なティアラ撮影、もっと簡単に撮れると思っていたのだがそうは行かない。    

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