山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

キレハマネキグサ (シソ科) Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino var. laciniatus H.Hara

2024年01月14日 | 絶滅危惧種
  神奈川県以西に分布し、やや湿り気のある林床や林縁などに生育する多年草である。草丈は 40 ~ 70㎝。葉は対生し有柄、葉身は長さ3 ~ 7㎝の三角状広卵形から円形、切れ込みは浅裂から深裂する。花は葉腋に1 ~ 3 個つき、花冠は長さ18 ~ 20㎜で暗紅紫色。 葉の切れ込みが特に深いものをキレハマネキグサ、浅いものをマネキグサという。しかし、同じ場所に両方の葉が混在しているようにも見え、明確にキレハマネキグサとマネキグサを分けるのは難しいと思われる。花期は 8 ~ 9 月。鹿の食害を受けており減少傾向にある。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅰ B 類(EN)  2017年環境省カテゴリー:なし

    キレハマネキグサと思わしき個体  2023年8月 南アルプスで撮影


    花はマネキグサと変わらないが葉の切れ込みが深く先端部が尖っている。


    これもキレハマネキグサと思わしき個体

    葉の切れ込みがやや深く先端が尖っている。しかし、下に付いている葉や左側に見える葉の先端部は尖っていない。

    こちらも同様に上部の葉の先端は尖っているが下部は尖っていない。

    同じ場所に生えていた別株。こちらはマネキグサと変わらないように見える。

 明瞭な線引きが難しく、同じ場所でも葉の切れ込みが深いものと浅いもの、葉の先端部が尖るものと尖らないものがある。分ける必要があるのかどうか疑問である。





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ドクゼリ(セリ科)Cicuta virosa L

2023年10月10日 | 絶滅危惧種
  湿原や湿地に生育する多年草である。地下茎が太く、節間部が中空で竹の根に似る。茎は枝を分け高さ1m になる。葉は 2 ~ 3 回羽状複葉で、小葉は長楕円状披針形。花は白色で複散形花序(ふくさんけいかじょ)、3mm程度の小さい花が同じ長さの花茎の先に放射線状にたくさん咲く 。花期は 6 ~ 7 月。地下茎・ 根にシクトクシンという毒成分を含む。山梨県では北杜市に稀に生育しており、個体数は非常に少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)   2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅰ A 類(CR)  2017年環境省カテゴリー:なし

    ドクゼリ 2023年9月 北杜市で撮影

    別株。花は終わり既に結実している。

    花は複散形花序で、小さな花が花茎の先に放射状にたくさん付く。

    葉は 2 ~ 3 回羽状複葉で、小葉は長楕円状披針形、辺縁に鋸歯がある。

    根元近くの葉。セリに比べて葉の幅が細い。

 発見した時には既に花期を過ぎて結実していたため、花の咲く季節に再訪してみたいと思っている。




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クモマスズメノヒエ(イグサ科) Luzula arcuata (Wahlenb.) Sw. subsp. unalaschkensis (Buchenau) Hultén

2023年08月27日 | 絶滅危惧種
  高山帯の草地生育する多年草。高さ15~25㎝。葉身の先は尖る。花序は頂生し、枝は細く先は垂れ下がる。 花は 1〜 3 個頭状に集まる。花被片は濃赤色。蒴果は花被と同長で濃赤褐色 。花期は7~8月。北岳には比較的多く生育している。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)   2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)


    クモマスズメノヒエ  2022年7月 北岳で撮影


    岩場に生えたクモマスズメノヒエ


    花序は頂生する。


    花柄は細くて先端部が垂れ下がるのが特徴。


    森林限界を超えたあたりの北岳の草地には多く生育している。





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ゴマノハグサ (ゴマノハグサ科) Scrophularia buergeriana Miq.

2023年08月26日 | 絶滅危惧種
  やや湿った草原に生える多年草。根の一部は紡錘形に肥大する。茎は直立し、角ばった稜が4つあって四角形をしており、 90 ~150㎝の高さになる。葉は対生し、長さ1 ~ 2㎝の柄があり葉身はやや厚く卵形、縁にやや尖った鋸歯がある。茎の先に長さ20 ~ 40㎝の細長い総状花序をつくり、やや密に多くの花をつける。花冠は黄緑色でふくらんだ壺形をしており、先は唇形になって5裂し、上唇は2裂、下唇は3裂する。 花期は7~8月。生育地での個体数はあまり多く無い。

  2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧ⅠB 類(EN)   2005年山梨県カテゴリー :なし   2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

    ゴマノハグサ  2023年7月 東部富士五湖方面で撮影


    富士山をバックに良い位置で咲てくれていた。


    高さ90㎝~150㎝になる背の高い植物である。


    ゴマノハグサの花序。花冠はつぼ型で5裂し、形はオニノヤガラに似ている。

    葉は対生する。


    葉は短い柄があり、辺縁には細かい鋸歯がある。




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ホソバハナウド (セリ科) Heracleum lanatum Michx. subsp. akasimontanum (Koidz.) Kitam.

2023年08月17日 | 絶滅危惧種
  亜高山帯の渓流沿いに生育する大型の多年草。高さ150 ~ 200㎝。葉は大きく、3 出羽状複葉で小葉は3深裂し、細長く先が尖る。夏期に大型の複散形花序をつける。花序の周辺の花は他よりも大きく、また外側の 1 弁が大きく2 裂する。 葉の形については母種のオオハナウドとの中間型がある。南アルプス特産種で、山梨県では北岳を中心とした沢沿いに生育するが個体数は極めて少ない。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2005年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅰ A 類(CR)   2017年環境省カテゴリー: 絶滅危惧ⅠA 類(CR)


    ホソバハナウド  2023年7月 北岳で撮影


    花と葉


    花序の周辺の花は他よりも大きく、外側の 1 弁が大きく2 裂する。



    小葉は3深裂し、幅が細く先端部が尖る。


    この1株しか発見出来なかった。





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キバナウツギ (スイカズラ科) Weigela maximowiczii (S.Moore) Rehder

2022年07月31日 | 絶滅危惧種
 山地帯の林縁を好んで生育する落葉低木で、高さ3m 程になる。葉は対生し、楕円形~長楕円形で先は急に細くのびて鋭く尖る。両面とも有毛で特に裏面の主脈上には開出毛が多い。葉腋からわずかに緑色を帯びた淡黄色の花を付け、2個ずつペアで付けることが多い。花冠は漏斗形で花筒の中央部から急速に太くなり、先端部は5裂する。下側の裂片には濃黄色の網目状紋が付く。花期は 4 ~ 5 月。山梨県では各地の山域に点々と生育しており、個体数は比較的多い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    キバナウツギ 2022年5月 三ツ峠で撮影


    下から見上げるキバナウツギの花


    別株。こちらは緑色が強い個体


    花弁の先端は5裂し、下側花弁の内側には濃い黄色の網目状紋が入る。


    側面から見る花冠。花筒の中央部から急速に膨大する。


    木の幹。縦向きに筋が入り剥がれる。


    2022年6月 乙女高原で撮影


    同上 林道沿いの岩壁にまとまって生育していた。

 ➡山梨県の絶滅危惧のスイカズラ科植物一覧

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物

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ミゾコウジュ(シソ科)

2021年06月05日 | 絶滅危惧種
 湿った草地、溜池畔、畦、河川敷などの日当たりのよい湿った場所に生育する越年草(2年草)。茎は高さ30 ~ 70㎝、四角形で直立し、まばらに分枝して下向きの細毛がある。茎葉は短い柄があり、長さ3 ~ 6㎝、幅 1 ~ 2㎝、縁は鈍い鋸歯があり、脈は凹んで葉面は細かいしわがあり、細毛が生える。花穂ははじめ短いが、後に長く伸びて 8 ~ 10㎝となる。花冠は淡紫色で長さ4 ~ 5㎜、下唇は大きく、紫色の斑点がある。雄蕊 4 個のうち下側の葯は不稔である。

 2018年山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017環境省準絶滅危惧(NT)


    ミゾコウジュ 令和3年5月 甲府市積翠寺町で撮影


    同上


    茎には毛があり、輪散花序をつける。


    田畑の湿地に生育していたミゾコウジュ

⇒山梨県の絶滅危惧のシソ科植物一覧

➡山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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カギガタアオイ(ウマノスズクサ科)

2021年03月05日 | 絶滅危惧種
  山梨県県南部と静岡県中西部の山地の林下に生える冬緑性の多年草である。花期は9~10月だが、年を越して2月ごろにも花は残っている。花径は短く地を這い、暗紫色の花を付ける。。葉は長い柄があり卵状楕円形、基部は深い心形で、表面にしばしば白い斑紋が入る。山梨県ではカンアオイと分布域が重なっているが、カギガタアオイのほうがやや南寄りに分布している。葉や花の形で見分けるのは難しく、花の中にある雌しべの形態を見ないと区別は難しい。カギガタアオイの雌しべは外向きに強く湾曲し、先端部は2裂しない。

  2018年山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省絶滅危惧ⅠB類(EN)


    カギガタアオイ 令和3年2月 南部町で撮影


    同上 カンアオイの花に比べて花の辺縁がやや波打っているように見える。


    花の内部。湾曲した雌しべの一部が見えている。


    令和3年2月 身延町で撮影


    葉茎の根元に地に埋もれるように付いていた花


    湾曲した雌しべの一部が見える。

 リングライト搭載した接写型マクロレンズを駆使しても花の内部の構造を細かく見るのは難しそうである。花には申し訳ないが、いずれは萼片の一枚を取り除かせてもらって内部構造を見てみたいと思っている。

 ⇒その他の山梨県の絶滅危惧の植物

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カンアオイ(カントウカンアオイ)(ウマノスズクサ科)

2021年03月05日 | 絶滅危惧種
 山地の林下に生える冬緑性の多年草である。花期は9~10月だが、年を越して2月ごろにも花は残っている。花径は短く地を這い、暗紫色で節が多い。花は葉柄の基部に地に埋もれるように1個付く。葉は長い柄があり卵状楕円形、基部は深い心形で、表面にしばしば白い斑紋が入る。山梨県では主に県南部に生育しており、個体数はそこそこにある。カギガタアオイと分布域が重なっているが、葉や花の形で見分けるのは難しく、花の中にある雌しべの形態を見ないと区別は難しい。カギガタアオイの雌しべは外向きに強く湾曲するのに対してこのカンアオイは真直ぐに伸びて先端部が2裂する。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN) 2017年環境省(-)


    カンアオイ 令和3年2月 南部町で撮影


    同上 カンアオイの花の中。6本の雌しべが並び、先端部が2裂している様子が見える。


    同じ花の萼片を1枚除去した画像。雌しべは真直ぐに伸びて先端が2裂する。その下にザラザラした場所がある。


    同じ場所で撮影した別の個体。


    花の内部の2裂した雌しべ先端部が見える。


    令和3年2月 南部町の別の場所で撮影


    同上 カンアオイの花


    花の内部。ザラザラした部分と内側を向いている雌しべの先端部が見える。

 花の中を覗き込むのはかなり難しいが、リングライト付き接写型マクロレンズを駆使するとある程度は内部の構造が見えてくる。もう少し工夫が必要で、現在新兵器を検討中である。

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コマクサ(ケシ科)

2021年02月25日 | 絶滅危惧種
 北海道と本州中部地方以北の高山帯の砂礫地に生育する小型の多年草である。花期は7~8月。葉は根生し、3出様に細かく裂け粉白を帯びる。花茎は高さ5~15㎝になり淡紅色の花を2~7個付ける。時として白花や濃い紅色の花を咲かせるものがある。花弁は4個で外側と内側に2個ずつ付き、外側の花弁は下部が大きく膨らみ先が反り返る。内側の花弁はやや小さく、中央がくびれる。蕾を横から見ると馬の横顔のように見えることから駒草の名がある。山梨県では八ケ岳キレットのツルネ付近に生育しているが、昭和45年の環境省調査ではその場所に確認されておらず、自然植生では無く誰かが種子を播種した可能性が否定できないため、情報不足として取り扱われている。


    コマクサ 令和2年8月 八ケ岳ツルネで撮影


    同上 それなりの個体数があるが、元々はこの場所には生育していなかったらしく、人による播種の可能性が否定できない。

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ナガミノツルキケマン(ケシ科)

2021年02月25日 | 絶滅危惧種
 本州、九州の草原や林縁、河畔、畔、人家脇などに生える2年草である。花期は8~9月。茎には稜がありやや太く、よく分枝する。葉は軟かく2〜3回3出複葉、小葉は深く3裂し、ほぼ倒卵形である。鮮黄色の花が花序に5~20個つき、花弁に紫色が入る。苞葉は細く幅2〜5mmと小さい。さく果は線状倒披針形で幅2〜2.5mm、多数ぶら下がってつき、中の種子は1列に並ぶ。山梨県2005年カテゴリーでは出現メッシュ数2で絶滅危惧ⅠA類(CR)だったが、2018年調査では確認出来ず情報不足(DD)となった。南アルプスで生育が確認されたが生育地が限局的で個体数が少ないうえに著しい鹿の食害に遭っており今後が心配である。瑞牆山と八ケ岳でも生育の情報があるが、まだ確認できていない。

 2005年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2018年山梨県情報不足(DD) 2017年環境省準絶滅危惧種(NT)


    ナガミノツルキケマン 令和1年9月 南アルプスで撮影


    同上


    鮮黄色のナガミノツルキケマンの花


    同上 背丈が低く、鹿の食害を受けている。


    令和2年9月 同じ場所で撮影


    前年にも増して酷い食害を受けている。危険な状態である。

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オサバグサ(ケシ科)

2021年02月25日 | 絶滅危惧種
 本州の中部地方以北の亜高山帯の針葉樹林下に生育する多年草である。花期は6~8月。葉は根生し、長さ7~20㎝の倒披針形で羽状に深裂し、裂片の先端部は円い。花茎は長さ7~20㎝になり、上方に花柄のある白い花を下向きにまばらに咲かせる。花弁は4枚で長さ4~6㎜の狭長楕円形、萼片は2個だが開花すると脱落する。2005年山梨県レッドデータカテゴリーでは絶滅危惧Ⅱ類(UV)だったが、2018年の調査では確認出来ず情報不足(DD)となっている。南アルプスの鳳凰山や甲斐駒ケ岳ではそれなりの個体数が確認されており、次回の書き換え時にはⅠB類ないしはⅡ類で復活すると予想される。

 2018年山梨県情報不足(DD) 2017年環境省-


    オサバグサ 平成29年7月 鳳凰山で撮影


    同上 深く切れ込んだ葉が特徴的である。


    オサバグサの花


    鳳凰山ではそれなりの個体数が確認されている。


    平成30年7月 甲斐駒ケ岳黒戸尾根で撮影。こちらもそこそこの個体数がある。

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ヒメイズイ(クサスギカズラ科)

2021年02月17日 | 絶滅危惧種
 山地帯の草原に生育する小型の多年草である。花期は6~7月。茎は直立し、高さ15~30㎝で稜角がある。葉は楕円形ないし長楕円状披針形で表面は淡緑色、脈上に乳頭状の小突起がある。葉の脇から長さ1.5㎝ほどの白緑色の筒状花を下向きに付ける。山梨県では富士山周辺に生育しているが大菩薩連邦でも生育が確認されている。

 2018年山梨県準絶滅危惧種(NT) 2017年環境省-


    ヒメイズイ 令和2年6月 高座山で撮影


    同上


    同上 固まって生えていたヒメイズイ


    令和1年6月 大菩薩連邦で撮影


    ヒメイズイの花。筒状花で先端は緑色で6裂する。

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シロバナイナモリソウ(アカネ科)

2021年02月16日 | 絶滅危惧種
 関東地方南西部~近畿地方の太平洋側に分布し、山地の木陰の林床を好んで生育する多年草である。花期は6~7月。葉は互生し柄があり、葉身は卵形~三角状卵形で、長さ2~6㎝、幅1~2.5㎝、先は短く尖り、裏面脈上に軟毛がある。花は上部の葉腋に1~3個の集散花序をつくる。花冠は約1㎝の白花、鐘形で先は5裂し、雄しべと雌しべは花冠から長く突き出る。山梨県では櫛形山近傍、富士山周辺、県南部に生育しているが鹿の食害を受けて個体数は減少している。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN) 2017年環境省-


    シロバナイナモリソウ 平成27年7月 櫛形山で撮影。数年後に再訪してみたが見当たらなくなった。


    令和2年7月 櫛形山の別の場所で撮影。


    個体数は少なく、残念ながらまだほとんどが蕾だった。

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トガスグリ(スグリ科)

2021年02月16日 | 絶滅危惧種
 山地帯~亜高山帯の陰地のやや湿った場所を好んで生育する落葉小低木である。花期は5~6月。幹の下部は地面を這い、若枝は短い軟毛がやや密に生える。葉は腎円形で掌状に3~5中裂し、さらに縁は鋸歯状となる。長い葉柄があり、軟毛や腺毛がある。花は総状花序にまばらにつける。辺縁に赤みを帯びた黄緑色の花で、花序や花柄、子房には腺毛と軟毛が密生する。熟すと毛の生えた赤い実が成る。山梨県では富士山周辺と南アルプスに生育しており、群生するが生育場所はあまり多く無い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN) 2017年環境省-


    赤い実を付けたトガスグリ 令和2年7月 富士山麓で撮影


    同上 群生するトガスグリ


    トガスグリの実


    同上 実には棘状の毛が生える。

 花はまだ見ておらず、花期に再訪してみたいと思う。

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