山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

昇仙峡仙娥滝と周辺のシダたち 令和7年1月28日

2025年01月31日 | シダの仲間
 寒い日が続いていてひょっとしたら昇仙峡の仙娥滝が凍っているかも知れない。シダを見ながら仙娥滝を訪れてみる。

    昇仙峡仙娥滝。

    少しは凍っているかと思ったのだが全く凍っていなかった。

    岩壁にぶら下がるように生えているオサシダ

    これはオオイタチシダであろう。

    トウゴクシダは緑色が鮮やか。

    アカハナワラビ

    これは紅葉していないアカハナワラビであろうが、一見オオハナワラビのように見える。

    探していたのはこの小さなシダ

    オオクボシダ。毛が生えている。

    冬期は乾燥から身を守るために葉を丸めるようである。

    もう1ヶ所確認しておきたかったのが覚円峰の眺望と角度

    このV字の谷がほぼ北側になる。星を撮影すると回る星空が撮影できるはずである。

 今年は暖冬のようで滝は全く凍っていなかった。覚円峰の上で廻る星空は月の位置を考えながらそのうち撮影に来てみたいと思っている。


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稲子川上流のシダ 令和7年1月13日

2025年01月20日 | シダの仲間
 芝川を経由して石神峠に行く際に稲子川上流の脇を通過する。そこには山梨県ではあまり見られないオオバノハチジョウシダが群生している。石神峠のパール富士の前に、ちょっと立ち寄ってシダを観察してみた。

    林道脇に生えているオオバノハチジョウシダ

    群生しているが少し減った気がする。

    先端部の小羽片はあまり長く無く、オオバノアマクサシダに比べるとかなり短い。

    胞子葉が枯れてしまっているがこれはタチシノブであろう。

    ジュウモンジシダ

    ハカタシダはちらほらと見かける程度

    リョウメンシダはたくさんあるが、この時期は葉が傷んだものばかりである。

    光沢のあるホソバヤブソテツ

    光沢の無いヤブソテツと混在している。

    ホソバヤブソテツは葉の光沢が強いことと鋸歯が明瞭であることが特徴であろう。

 山梨県ではオオバノアマクサシダの増殖が目立ち、オオバノハチジョウシダはほとんど見かけない。両者の中間型のようなものもあり、判別に苦慮するものが存在する。


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大きなイチョウの木に着生したマツバラン 令和6年12月15日

2024年12月20日 | シダの仲間
 本日の夕方は12月の満月コールドムーンが昇って来る日である。天気は良好で、パール富士の撮影のため南部町まで移動してきた。前夜のふたご座流星群は期待したほど流れなかったが、あまり眠らずに撮影していたため寝不足で強烈に眠い。南部町道の駅までたどり着いたところで3時間ほど仮眠するが、やはりぐっすりは眠れない。元気があればアオネカズラやタキミシダなどを見て回りたかったがとてもそんな元気は出ず、車で容易に行けるマツバランを観察してからパール富士撮影予定地に移動することにする。

    公園の脇に生えている大イチョウ

    大イチョウの幹に着生しているマツバラン。他にも着生していると思うのだがこの1株しか見当たらない。

    胞子嚢は脱落してしまっている。

    先端部が枯れ気味であまり元気が無い。

 乾燥した寒い日が続いておりマツバランはあまり元気が無さそうである。しかし枯れそうな様子は無く、一安心である。南部町ではもう2ヶ所マツバランが生育している場所があり、機会を見て見に行ってみたいと思う。


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渓谷のシダを探索 令和6年11月24日

2024年11月29日 | シダの仲間
 何度か訪れている沢であるが、今回訪れるのは3年ぶりくらいである。青々とした苔の生したこの沢には珍しいシダが何種類か生育している。

    青々とした苔の生す美しい沢

    椹の大木が何本も生えている。

    下から見上げる椹の大木。妖木の様相を呈している。

    渓谷の苔の中に生えるフジシダ

    少し減ったように見えなくもないが結構ある。

    葉の生えた無性芽を付けたフジシダ

    これはミヤマクマワラビであろう。おそらく冬季には枯れる。

    大きな木にはオシャクジデンダがたくさん着生している。

    まだ葉を巻いておらず、胞子嚢をたくさん付けている。

    これはナガオノキシノブであろう。


    見たかったのはこのシダ。


    スギラン。以前よりもやや小さくなっており、右側にあった株は脱落してしまったようである。

    生き残っていてくれて少し安心。

    貝殻状の胞子嚢は破れて胞子はもう放出された後のようである。

 以前と変わらず青々とした美しい沢はそのままの状態で残っていた。沢の脇に生育していたフジシダは少し減ったように見えるが、少し奥に入ってみると変わらずたくさん生育していた。着生シダのスギランは落下して消失してしまうことを心配していたが、2株あったうちの1株は脱落してしまったようである。この界隈を探せばおそらくまだあるのだろうが、高い位置に生育しているこのシダを探すのは容易ではない。


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富士川沿いの静岡県境道路を散策 令和6年7月17日

2024年07月20日 | シダの仲間
 富士川沿いの急斜面に付けられた県境の道は側面から小さな川が流れ込んで斜面が湿っており、たくさんのシダが生育している。山梨県ではあまり見られないシダも生育しているはずである。

    道路脇のスペースに車を止めて散策に出かける。暑くて汗だくになる。

    カタヒバがたくさん着生している。上にあるのはイワギボウシの葉。
    群生しているカタヒバ

    イワタバコが咲いていたがもう終盤である。

    結構たくさん生えていた。

    ゲジゲジシダの群落

    これはミゾシダであろう。裏側に細長い線状ソーラスが付着していた。

    大型のフモトシダ

    葉がまだ若いヒメカナワラビ

    見たかったのは水際を好んで生えるこのイブキシダ

    下のほうに付く羽片が小さくなるが、この株は典型的ではなくもっと極小になる。

    ヨコグラノキの幹はこんな感じだと思ったが・・・

    赤い実が付いておらず青くてやや大きな実が付いている。探したがヨコグラノキは見つからなかった。

    ヤブミョウガの花が咲いていた。背が高く葉に光沢がある。

    こちらはハナミョウガであろう。背が高くならず葉の光沢は渋い。

    ヤブレガサであろう。探しているオオモミジガサは見つかる気がしない。

    大汗をかいてヘロヘロだが、もう1ヶ所見に行ってみる。

    この石垣にはイタビカズラが生えている。

    実を期待したのだがここでも見つからず。

 他にも探索したい場所があったのだが、暑過ぎてとても歩く気にはなれず、これにて本日は撤退する。


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胞子葉を展開したオオキジノオとタカサゴキジノオ 南部町 令和6年6月25日

2024年06月29日 | シダの仲間
 そろそろキジノオシダの仲間が胞子葉を伸ばしている頃ではないかと思う。昨年の12月に訪問した際には胞子葉がもう枯れていたオオキジノオとタカサゴキジノオを見に行ってみる。

    道路脇の土手に生えていたコモチシダとウラジロ

    コシダも生えていた。

    コンテリクラマゴケが群生して絨毯のようになっている。

    やや青色がかった緑色をしているコンテリクラマゴケ

    胞子葉を展開しているオオキジノオ

    元気に胞子葉をたくさん展開している。

    オオキジノオの胞子葉

    こちらはタカサゴキジノオ

    タカサゴキジノオも胞子葉をたくさん展開させていた。

    タカサゴキジノオの胞子葉

    タカサゴキジノオは頂羽片がはっきりと分かれないのが特徴である。

    ちょうど良い時期に訪問出来たと思う。

    こちらはハナミョウガ。花を見たかったがもう時期が遅かった。

    花は終わって結実しかけている。

    結実しかけたハナミョウガ

    花がほとんど見当たらないのはやはり食害を受けているからであろう。小さな株しか見当たらない。

 胞子葉を展開したオオキジノオとタカサゴキジノオの元気な姿を見ることが出来た。探していたハナミョウガの花はもう終わっていたが、なかなか花が見られないのは食害によるものと思われる。花の撮影は来年に持ち越しである。


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初見の草デンジソウ 甲府市 令和6年6月24日

2024年06月25日 | シダの仲間
 山梨県のデンジソウはきわめて個体数が少なく、本来の生育地は区画整備のため消滅の危機に瀕したため数ヶ所に移植が行われたと聞いている。今回はその移植されたデンジソウを見に行ってみた。雨で増水したため、デンジソウは元気に葉を展開しているはずである。

    スイレンが満開になっていた。
    たくさん花を咲かせているスイレン

    スイレンの花

    草の茂る小さな池

    この池に移植されたデンジソウが生育している。

    池のほとりにたくさん生えている。

    デンジソウ

    デンジソウ、カエル付き。

    葉が4枚で『田』の字に形が似ることからデンジソウの名がついている。

    まだ小さなものが多いが、それなりに個体数はあった。

    池の中には他の水草も生えている。

    大きいほうの葉はスイレンではないかと思う。

    小さいほうは水中葉に長い柄が付いており、ヒルムシロと思われる。

    空は曇り空だったが展望地からは富士山が見えていた。

 四つ葉のクローバーのような形をしたデンジソウであるがこの草は花が咲かず、秋になると根元近くに胞子嚢の塊を付けるシダの仲間である。予想していた以上にたくさん生育しているのに少し驚いた。胞子嚢が付く頃にまた見に来てみたいと思う。


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愛宕山こどもの国界隈のシダ散策  令和6年2月24日

2024年03月01日 | シダの仲間
 愛宕山界隈を散策した目的は南アルプスの眺望のある場所を探しに行っただけではない。以前にトキワトラノオと思わしきシダを見たのだが、あまりにもたくさん生えていたのでこれはコバノヒノキシダなのではないかと思ったのだがまだ結論が出ていなかった。昨年もシュンランが咲く頃に見に来たのだが、その際はまだこどもの国が工事中で入れなかった。今日は決着を着けたい。

    シダがたくさん茂る石垣

    たくさん生えている。一見するとコバノヒノキシダのようだが・・・

    さて、どうだろうか?

    根元近くの羽片を見てみると扇形をしている。かつ、裂片の幅が狭い。

    別株

    同じく根元近くの羽片は扇形をしている。これはトキワトラノオであろう。私が知る中では一番の群生地。

    これは普通のオオイタチシダだと思う。

    鱗片は痛んでだいぶ脱落してしまっているが、こげ茶色で細めで袋がある。

    良く分からないのがこの光沢のあるシダ。光沢型のオオイタチシダだと思うのだが、いちばん根元側の下向き第一小羽片があまり大きく無い。

    鱗片は普通のオオイタチシダと変わらないように見える。光沢型オオイタチシダとしておこう。

    2年くらい前から見に来ているこの光沢がある大型のシダ

    先ほどの光沢型オオイタチシダに似ているがこれはいちばん根元側の下向き第一羽片が小さく、イタチシダの仲間では無い。

    鱗片を見ると赤茶色のやや幅広い鱗片がびっしりと付いている。

    別株。

    ソーラスは裂片の中軸と辺縁の中間に付着し、ベニシダに良く似ている。

    これはサイゴクベニシダであろう。この場所でしか見たことが無い。

 スッキリしていなかったシダはトキワトラノオということで決着が着いた。サイゴクベニシダはおそらく山梨県では珍しいシダの仲間に入るであろう。狭い範囲に生育し、個体数も少なく、引き続き見守って行きたいと思う。


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身延町シダ探索~オニイノデ?それともオオキヨズミシダ?~  令和6年1月26日

2024年01月28日 | シダの仲間
 初めてこの場所でオニイノデを見た時からずっと疑問に思っているのがオニイノデとオオキヨズミシダの違いである。いちばんの目安になるのが小羽片の根元の部分が軸に流れているかいないかであろう。もうひとつは鱗片の幅ではないかと思っている。ソーラスが先のほうから付くか、根元側から付くかも目安になるらしい。この場所に生育しているオニイノデと思わしきシダの画像を見直してみると、そのほとんどが小羽片の付け根がが軸に流れているように見える。ではこれはオオキヨズミシダとすべきなのかどうか?おそらく自力で調べても結論は出ないのではないかと思う。

    オニイノデだと思っていた谷沿いに生えるシダ

    羽片を調べてみると下部のほうの小羽片は柄があって軸に流れていないが、上部のほうは軸に流れてくっついているように見える。

    鱗片を見てみると幅が細い。これはオオキヨズミシダとするべきなのだろうか?

    その近くにあったオニイノデらしきシダ

    こちらは先端のほうまで柄があって軸には流れていない。

    別の羽片を見てみる。先端部は羽片が軸に流れているがほとんどは柄が付いている。これはオニイノデで良いのか?

    ところが、鱗片を見てみると幅は狭いものが多く、オオキヨズミシダの鱗片に近い。

    林道の法面に生えていたオニイノデと思わしきシダ

    これはどうだろうか?

    羽片を見てみると先端のほうまで小羽片には柄が付いていて軸に流れていない。葉質が硬く、これはオニイノデで良いと思う。

    近くにあった別株

    こちらの小羽片は羽片の根元近い部分から柄が無くて軸に流れている。ではこれはオオキヨズミシダになるのか?

    しかし鱗片を見てみると幅広い鱗片がたくさん付いており、これはオニイノデのようである。

    法面に付いていた大株

    羽片の先端部のほうの小羽片は軸に流れているように見える。

    鱗片を見てみると幅の広い鱗片がたくさん付着している。これはオニイノデで良いのではないかと思う。

    林道の渓谷側の崖に生えていたシダ

    羽片を見てみると小羽片はほとんどが軸に流れている。これはオオキヨズミシダとして良いのではないかと思う。

    谷沿いの岩壁に付いていたシダ。まだ若いものだが、小羽片はほとんどが軸に流れていてオオキヨズミシダで良いのではないかと思う。

    こちらは谷の向こう側に生えていたシダ

    全体的に細長く、これはヒメカナワラビと思われる。

    法面に生えていた大株のヒメカナワラビ

    オニカナワラビに比べて全体的に細長くて繊細な感じがする。

    小羽片には柄があり、上向きの最下小羽片は大きいことが多い。

    鱗片は細くて黒っぽく、時に周辺が茶色で真ん中が黒い帯状の鱗片を付けている。

 たくさん見てたくさん写真を撮ったが、やはりこれがオニイノデでこれがオオキヨズミシダという確信は持てない。オオキヨズミシダはオニイノデとヒメカナワラビの交雑種と思われており、ここに生育するこの2種類のシダは何度も交雑を繰り返してどちらとして良いのか区別が出来ないものが多く生育しているのではないかとも思える。では、純粋なオニイノデはどんな形をしているのだろうか?ヒメカナワラビが生育していない場所のオニイノデが生育する場所の情報をいただいたので、機会を見て見に行ってみたいと思っている。


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身延町シダ探索  令和6年1月26日

2024年01月27日 | シダの仲間
 しばらく訪問していない身延町の谷沿いに生育するシダであるが、斜面が崩落していて生育が危うくなっている珍しいシダが気になっており、また、まだ良く見分けられないイノデの仲間も確認に行きたい。午前中は南アルプス市に出張があったのだが、想定していたよりもだいぶ早く仕事が終わった。身延町まで足を延ばしてシダを見に行ってみる。

    この谷には絶滅危惧のシダ類が多数生育している。これはヒトツバが着生している岩壁。

    岩壁に着生したヒトツバ

    群生しているヒトツバ

    風で揺れるのでたくさん撮影した。

    谷の岩壁にたくさんのシダが着生している。

    これはカタヒバのようである。

    ハカタシダも生えていた。

    林道脇の法面に生えていたサジラン

    冬期の乾燥から身を守るために少し葉が丸まっている。

    谷の川沿いに生育していたクリハラン

    結構たくさんあるが、ここに下りるのは結構難しい。

    林道の法面にもクリハランが生えていた。

    斜面の崩落がまた少し進んだように見える。

    稀少なシダが生育している岩壁。簡単に見つかったはずの目的のシダが見当たらない。

    良く探してみると小さなものが生き残っていた。

    まだ小型のコタニワタリ

    生き残ってはいるがだいぶ減ってしまったように見受けられる。

    木の根元に生えていたやや大型のコタニワタリ

    本日一番の大株だが、以前にはもっと大きなものを見かけている。

    線形のソーラスがしっかりと付いていた。

    谷間の岩に生えていた小型のイワヘゴ

    斜面が崩れて危うくなっているイワヘゴ

    冬なので少し元気が無い。

    真っ黒な鱗片がたくさん付着するのが特徴である。

 谷沿いに生育する植物は近年の台風や大雨で地形が変形するために打撃を受けているものが多く、この谷に生育するコタニワタリやイワヘゴも例外ではない。地球温暖化を防ぐために自分たちが出来ることを少しでも行って行くことが、環境保全と植物の保護に繋がって行くのではないかと思う。


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キジノオシダの仲間を中心にシダ探索 南部町  令和5年12月30日

2023年12月31日 | シダの仲間
 花仲間から貴重なシダの情報をいくつかいただいた。その中でタカサゴキジノオの情報をいただき、画像を見せてもらったところ間違い無さそうである。タカサゴキジノオは南方系のシダで数年前に山梨県でも発見されたと聞いてはいたのだが、私が発見したものはどうやら全て普通のキジノオシダのようである。判別にいまひとつ自信が無くずっと気になっていたのだが、今回のシダ探索で決着が着きそうである。もっと早く出発の予定だったのだが自宅を出るのが12時近くになってしまい、歩き始めたのは1時半になった。

    道路脇の斜面に生えていたコシダ(下側)とウラジロ(上側)。南部町らしい南方系のシダが生えている。

    ヒカゲノカズラが土手にたくさん生えている。

    ホラシノブ。南部町では良く見かけるがその他の場所ではあまり見かけない。

    紅葉しているホラシノブ

    コモチシダも生えていた。

    これはコハシゴシダであろう。

    最下羽片の第一上向き小羽片が大きく、隣の小羽片と融合しない。

    森の中を通る林道に入ってみる。コンテリクラマゴケが群生していた。

    コンテリクラマゴケ。もともとは観賞用に輸入された外来種。

    奥に進むとキジノオシダの仲間がたくさん生えていた。

    これはオオキジノオであろう。

    羽片の根元が葉軸と融合せず、短い柄がある。

    大群生していたオオキジノオ。

    奥に進むとオオキジノオに混じって別のキジノオシダの仲間が生えていた。

    これが見たかったタカサゴキジノオであろう。

    頂羽片があまりはっきりと分かれていない。

    羽片は葉軸の上下に流れて付着している。

    まだ胞子穂が残っていたタカサゴキジノオ。

    タカサゴキジノオも驚くほどに群生していた。

    これはハカタシダであろう。この場所では数は少ない。

    これはおそらくナガバノイタチシダであろう。

    オニトウゲシバの群生

    林道の先の藪を抜け出ると別の林道が通っていた。

    こちらにはまた別のキジノオシダの仲間が生育していた。

    頂羽片がはっきりしている。これはキジノオシダであろう。

    頂羽片ははっきりと分かれている。

    羽片は葉軸に融合するが特に上側が大きく融合する。

    キジノオシダも群生していた。

    林道の先に進むと道が無くなってしまったが、沢に下りられそうである。

    沢に下り立つ。もう源流の近くである。

    キヨスミヒメワラビ

    これはオニカナワラビであろう。葉を触ると固い。反転しているのが胞子葉である。

    胞子葉。ソーラスは小羽片の中間部に付く。

    倒木だらけの沢。源頭まで行けそうだったが、時刻が3時を過ぎてしまったので斜面を登って戻ることにする。

 気になっていたタカサゴキジノオの本物に出会うことが出来た。3種類のキジノオシダが生育しており、しかもいずれも群生している貴重な場所を巡り歩くことが出来て、たいへん勉強になった。いつも貴重な情報を提供してくれる花仲間に感謝である。


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南部町シダ探索 令和5年11月28日

2023年12月01日 | シダの仲間
 久しぶりに南部町万沢のシダを見に行ってみる。確実なミドリカナワラビがまだ見つかっておらず、過去にミドリカナワラビだと思って観察してきたシダの多くはオニカナワラビではないかと思えてきた。どちらかはっきりと区別できないものがあって、今回はそれを確認に行こうと思ったのだが・・・。荒れた林道を車で進んで行くと倒木があってそこから先には進めなかった。車を回すだけのスペースが無く、長い距離をバックして戻ったためにかなりの時間と労力を費やしてしまった。やっと抜け出て来たのは午後3時を過ぎていた。4時半には暗くなってしまうので散策できるのはあと1時間くらいである。舗装された林道脇に車を止めて急ぎ足でシダ探索に出かける。

    相変わらず元気に生えているクリハラン

    用水路脇に群生しているクリハラン

    別の用水路にはメヤブソテツが生えている。

    ヤブソテツの仲間ではひときわ格好良くて美しいメヤブソテツ

    葉に突起があることと辺縁に細かい棘状の突起がある。

    渓谷沿いに生えていたメヤブソテツ

    これはイワガネソウであろう。

    葉脈は網目をつくる。葉脈の端は辺縁までは届かない。

    これはキジノオシダであろう。

    頂羽片がはっきりとしている。

    良く似たタカサゴキジノオは頂羽片がはっきりしないのだが、いまひとつ確信は持てない。

    長い胞子穂を伸ばしている。

    長い葉柄を持っているシダ

    ミヤマイタチシダに良く似ているがこれはナガバノイタチシダであろう。

    これはオニカナワラビであろう。右側の黄緑色鮮やかな葉が栄養葉、左上の深緑色の葉が胞子葉である。

    オニカナワラビの胞子葉。裏側のソーラスの形が透けて見える。

    このあたりにたくさん生えているのはヤブミョウガだと思っていたのだが・・・

    赤い実が付いているものを発見。ヤブミョウガの種は青紫色で花穂が長いがこちらは花穂が短い。これはハナミョウガであろう

 短時間ではあったが何度も訪れている場所だったので効率良く観察することが出来た。風が強く撮影には少し苦労した。同じ日に同じ場所を花仲間たちが巡っていたのを後に知って驚いた。考えていることは同じようである。


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朝の思親山  令和5年9月13日

2023年09月17日 | シダの仲間
 佐野峠で車中泊し、細月が昇る富士山の景色を堪能した。金星とともに素晴らしい細月が現れたのだが撮影はあまり満足していない。思親山山頂での日の出には微妙に間に合わない時間になってしまったが、折角なので登ってみる。

    月と金星の輝きがまだ見えるうちに佐野峠を出発する。

    それなりに急いだつもりだが、山頂手前の富士山展望地で朝日が昇ってしまった。

    朝日が射す思親山山頂

    思親山から見る朝の富士山

    見たかったのはこのシダ、ホソバショリマ。

    紅葉して赤く色付いていた。

    紅葉したホソバショリマ

    根元近くの羽片が次第に小さくなり、全体的には流線型をしている。

    ソーラスを確認する。

    裂片の辺縁寄りに円形のソーラスが付着している。

    雲の流れる富士山を眺めて撤退する。

 ホソバショリマはまだソーラスを見たことが無かったので確認しておきたかった。北岳にたくさん生育しているオオバショリマは秋になると黄色く黄葉しているが、こちらのホソバショリマも紅葉することが分かった。

 この日は午後1時半から韮崎市での仕事が入っている。9時に車に戻って1時間ほど仮眠し、さらに出張先の駐車場で30分ほど仮眠した。しかし、仕事を終えた後はどっと疲れが出てきた。歳をとったと思う。


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乙女高原界隈を散策 ~シダ編~  令和5年6月17日

2023年06月24日 | シダの仲間
 乙女高原界隈は保護柵内の植物だけでなく、その周辺の山や湿地の中にも多くの珍しい植物が生育している。シダの仲間も豊富で、珍しいシダが多数生育している。


    初めて探索する沢沿い


    シラネワラビの群生


    やや大型のこのシダはイッポンワラビであろう。


    円形ソーラスが付着している。


    似ているが別物。


    三日月型ソーラスが付着している。これはミヤマシダと思われる。


    湿地に群生していたこのシダ。ヒメシダに似ているが背が高い。


    全体的に流線型で根元部分の羽片が次第に小さくなっている。


    ニッコウシダではないかと思うのだが、ソーラスはまだ付いておらず全く自信無し。


    場所を移動してフジシダの群落を見に行ってみる。


    新鮮な葉を多数出しているフジシダ。元気に茂っていた。


    さらに場所を移動してヒメハナワラビを見に行ってみる。もう痛んでいるものが多かった。


    かなりの個体数があることが分かった。たぶん、山梨県では最大クラスの自生地になるのではないだろうか。


    確認したかったこのシダ。見間違わないように先日北杜市で確認してきた。


    この形と大きさ、ヤマヒメワラビで間違い無さそうである。


    球形ソーラスが付いているのが確認出来た。これはヤマヒメワラビで確定である。

 午後からの探索だったが、カヤツリグサ科とシダ類はかなり効率良く見て回れたのではないかと思う。シダもまだ判別できないものが多数ある。特にハリガネワラビ、ニッコウシダ、メニッコウシダの類、イノデの類、フモトシダの類は難しく、一人では判別できそうもない。

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再び湿地に生えるシダ探索、今度こそは・・・  令和5年6月9日

2023年06月12日 | シダの仲間
笛吹市の湿地で珍しいシダが見つかったという情報をいただき、数日前に探しに行ってみたものの道を間違えて生育場所にたどり着けなかった。この日は都合良く現地まで15分ほどで到着出来る場所に出張があった。仕事が終わったのは4時半を過ぎたが、まだ1時間以上は探索が出来る。今度こそは場所を間違えないように、かつ、最短ルートで現地に行ってみる。

    今度はまともな道、大丈夫・・・のはずだ。

    タツナミソウのようだが・・・

    色が薄くてピンク色に見える。おそらくヤマタツナミソウであろう。

    見慣れない植物の大群落

    ハネミギクという北アメリカ原産の植物で、1960年代の初めに養蜂用の蜜源植物として全国の養蜂業者に配布され、野生化したらしい。

    見慣れないカヤツリグサ科の植物が生えていた。

    これはミコシガヤのようである。

    湿地の縁に生えていた。これはおそらくアケボノソウであろう。

    ヤマドリゼンマイの群生

    今度はコウヤワラビの群生

    湿地の中をさまよっていたら見慣れないシダの群生に出会った。これが探していたシダだろう。

    根元から株立ちしていて一見するとミヤマクマワラビやオシダに似ている。

    全体的に細長い流線型をしていて羽片どおしの隙間が広い。これはタニヘゴというシダらしい。

    羽片は鋸歯が著しくノコギリシダに似ている。基部の裂片が最も大きい。

    裏側を見ると幸運なことにソーラスが付いていた。

    ソーラスは羽片の中軸寄りに付き、やや大きい。

    鱗片は茶色で薄く幅が広い。

    存分に堪能させてもらった。

 タニヘゴはおそらく山梨県で発見されたのは初めてではないかと思う。夏緑性のシダで、ソーラスを付けたばかりのこの季節が最も生き生きとした姿が見られるのではないだろうか。今度こそ、タニヘゴという初めて出会う良いシダを見ることが出来た。情報を提供してくれた花仲間に感謝したい。

コメント
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