山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士川沿いの静岡県境道路を散策 令和6年7月17日

2024年07月20日 | シダの仲間
 富士川沿いの急斜面に付けられた県境の道は側面から小さな川が流れ込んで斜面が湿っており、たくさんのシダが生育している。山梨県ではあまり見られないシダも生育しているはずである。

    道路脇のスペースに車を止めて散策に出かける。暑くて汗だくになる。

    カタヒバがたくさん着生している。上にあるのはイワギボウシの葉。
    群生しているカタヒバ

    イワタバコが咲いていたがもう終盤である。

    結構たくさん生えていた。

    ゲジゲジシダの群落

    これはミゾシダであろう。裏側に細長い線状ソーラスが付着していた。

    大型のフモトシダ

    葉がまだ若いヒメカナワラビ

    見たかったのは水際を好んで生えるこのイブキシダ

    下のほうに付く羽片が小さくなるが、この株は典型的ではなくもっと極小になる。

    ヨコグラノキの幹はこんな感じだと思ったが・・・

    赤い実が付いておらず青くてやや大きな実が付いている。探したがヨコグラノキは見つからなかった。

    ヤブミョウガの花が咲いていた。背が高く葉に光沢がある。

    こちらはハナミョウガであろう。背が高くならず葉の光沢は渋い。

    ヤブレガサであろう。探しているオオモミジガサは見つかる気がしない。

    大汗をかいてヘロヘロだが、もう1ヶ所見に行ってみる。

    この石垣にはイタビカズラが生えている。

    実を期待したのだがここでも見つからず。

 他にも探索したい場所があったのだが、暑過ぎてとても歩く気にはなれず、これにて本日は撤退する。


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胞子葉を展開したオオキジノオとタカサゴキジノオ 南部町 令和6年6月25日

2024年06月29日 | シダの仲間
 そろそろキジノオシダの仲間が胞子葉を伸ばしている頃ではないかと思う。昨年の12月に訪問した際には胞子葉がもう枯れていたオオキジノオとタカサゴキジノオを見に行ってみる。

    道路脇の土手に生えていたコモチシダとウラジロ

    コシダも生えていた。

    コンテリクラマゴケが群生して絨毯のようになっている。

    やや青色がかった緑色をしているコンテリクラマゴケ

    胞子葉を展開しているオオキジノオ

    元気に胞子葉をたくさん展開している。

    オオキジノオの胞子葉

    こちらはタカサゴキジノオ

    タカサゴキジノオも胞子葉をたくさん展開させていた。

    タカサゴキジノオの胞子葉

    タカサゴキジノオは頂羽片がはっきりと分かれないのが特徴である。

    ちょうど良い時期に訪問出来たと思う。

    こちらはハナミョウガ。花を見たかったがもう時期が遅かった。

    花は終わって結実しかけている。

    結実しかけたハナミョウガ

    花がほとんど見当たらないのはやはり食害を受けているからであろう。小さな株しか見当たらない。

 胞子葉を展開したオオキジノオとタカサゴキジノオの元気な姿を見ることが出来た。探していたハナミョウガの花はもう終わっていたが、なかなか花が見られないのは食害によるものと思われる。花の撮影は来年に持ち越しである。


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初見の草デンジソウ 甲府市 令和6年6月24日

2024年06月25日 | シダの仲間
 山梨県のデンジソウはきわめて個体数が少なく、本来の生育地は区画整備のため消滅の危機に瀕したため数ヶ所に移植が行われたと聞いている。今回はその移植されたデンジソウを見に行ってみた。雨で増水したため、デンジソウは元気に葉を展開しているはずである。

    スイレンが満開になっていた。
    たくさん花を咲かせているスイレン

    スイレンの花

    草の茂る小さな池

    この池に移植されたデンジソウが生育している。

    池のほとりにたくさん生えている。

    デンジソウ

    デンジソウ、カエル付き。

    葉が4枚で『田』の字に形が似ることからデンジソウの名がついている。

    まだ小さなものが多いが、それなりに個体数はあった。

    池の中には他の水草も生えている。

    大きいほうの葉はスイレンではないかと思う。

    小さいほうは水中葉に長い柄が付いており、ヒルムシロと思われる。

    空は曇り空だったが展望地からは富士山が見えていた。

 四つ葉のクローバーのような形をしたデンジソウであるがこの草は花が咲かず、秋になると根元近くに胞子嚢の塊を付けるシダの仲間である。予想していた以上にたくさん生育しているのに少し驚いた。胞子嚢が付く頃にまた見に来てみたいと思う。


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愛宕山こどもの国界隈のシダ散策  令和6年2月24日

2024年03月01日 | シダの仲間
 愛宕山界隈を散策した目的は南アルプスの眺望のある場所を探しに行っただけではない。以前にトキワトラノオと思わしきシダを見たのだが、あまりにもたくさん生えていたのでこれはコバノヒノキシダなのではないかと思ったのだがまだ結論が出ていなかった。昨年もシュンランが咲く頃に見に来たのだが、その際はまだこどもの国が工事中で入れなかった。今日は決着を着けたい。

    シダがたくさん茂る石垣

    たくさん生えている。一見するとコバノヒノキシダのようだが・・・

    さて、どうだろうか?

    根元近くの羽片を見てみると扇形をしている。かつ、裂片の幅が狭い。

    別株

    同じく根元近くの羽片は扇形をしている。これはトキワトラノオであろう。私が知る中では一番の群生地。

    これは普通のオオイタチシダだと思う。

    鱗片は痛んでだいぶ脱落してしまっているが、こげ茶色で細めで袋がある。

    良く分からないのがこの光沢のあるシダ。光沢型のオオイタチシダだと思うのだが、いちばん根元側の下向き第一小羽片があまり大きく無い。

    鱗片は普通のオオイタチシダと変わらないように見える。光沢型オオイタチシダとしておこう。

    2年くらい前から見に来ているこの光沢がある大型のシダ

    先ほどの光沢型オオイタチシダに似ているがこれはいちばん根元側の下向き第一羽片が小さく、イタチシダの仲間では無い。

    鱗片を見ると赤茶色のやや幅広い鱗片がびっしりと付いている。

    別株。

    ソーラスは裂片の中軸と辺縁の中間に付着し、ベニシダに良く似ている。

    これはサイゴクベニシダであろう。この場所でしか見たことが無い。

 スッキリしていなかったシダはトキワトラノオということで決着が着いた。サイゴクベニシダはおそらく山梨県では珍しいシダの仲間に入るであろう。狭い範囲に生育し、個体数も少なく、引き続き見守って行きたいと思う。


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身延町シダ探索~オニイノデ?それともオオキヨズミシダ?~  令和6年1月26日

2024年01月28日 | シダの仲間
 初めてこの場所でオニイノデを見た時からずっと疑問に思っているのがオニイノデとオオキヨズミシダの違いである。いちばんの目安になるのが小羽片の根元の部分が軸に流れているかいないかであろう。もうひとつは鱗片の幅ではないかと思っている。ソーラスが先のほうから付くか、根元側から付くかも目安になるらしい。この場所に生育しているオニイノデと思わしきシダの画像を見直してみると、そのほとんどが小羽片の付け根がが軸に流れているように見える。ではこれはオオキヨズミシダとすべきなのかどうか?おそらく自力で調べても結論は出ないのではないかと思う。

    オニイノデだと思っていた谷沿いに生えるシダ

    羽片を調べてみると下部のほうの小羽片は柄があって軸に流れていないが、上部のほうは軸に流れてくっついているように見える。

    鱗片を見てみると幅が細い。これはオオキヨズミシダとするべきなのだろうか?

    その近くにあったオニイノデらしきシダ

    こちらは先端のほうまで柄があって軸には流れていない。

    別の羽片を見てみる。先端部は羽片が軸に流れているがほとんどは柄が付いている。これはオニイノデで良いのか?

    ところが、鱗片を見てみると幅は狭いものが多く、オオキヨズミシダの鱗片に近い。

    林道の法面に生えていたオニイノデと思わしきシダ

    これはどうだろうか?

    羽片を見てみると先端のほうまで小羽片には柄が付いていて軸に流れていない。葉質が硬く、これはオニイノデで良いと思う。

    近くにあった別株

    こちらの小羽片は羽片の根元近い部分から柄が無くて軸に流れている。ではこれはオオキヨズミシダになるのか?

    しかし鱗片を見てみると幅広い鱗片がたくさん付いており、これはオニイノデのようである。

    法面に付いていた大株

    羽片の先端部のほうの小羽片は軸に流れているように見える。

    鱗片を見てみると幅の広い鱗片がたくさん付着している。これはオニイノデで良いのではないかと思う。

    林道の渓谷側の崖に生えていたシダ

    羽片を見てみると小羽片はほとんどが軸に流れている。これはオオキヨズミシダとして良いのではないかと思う。

    谷沿いの岩壁に付いていたシダ。まだ若いものだが、小羽片はほとんどが軸に流れていてオオキヨズミシダで良いのではないかと思う。

    こちらは谷の向こう側に生えていたシダ

    全体的に細長く、これはヒメカナワラビと思われる。

    法面に生えていた大株のヒメカナワラビ

    オニカナワラビに比べて全体的に細長くて繊細な感じがする。

    小羽片には柄があり、上向きの最下小羽片は大きいことが多い。

    鱗片は細くて黒っぽく、時に周辺が茶色で真ん中が黒い帯状の鱗片を付けている。

 たくさん見てたくさん写真を撮ったが、やはりこれがオニイノデでこれがオオキヨズミシダという確信は持てない。オオキヨズミシダはオニイノデとヒメカナワラビの交雑種と思われており、ここに生育するこの2種類のシダは何度も交雑を繰り返してどちらとして良いのか区別が出来ないものが多く生育しているのではないかとも思える。では、純粋なオニイノデはどんな形をしているのだろうか?ヒメカナワラビが生育していない場所のオニイノデが生育する場所の情報をいただいたので、機会を見て見に行ってみたいと思っている。


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身延町シダ探索  令和6年1月26日

2024年01月27日 | シダの仲間
 しばらく訪問していない身延町の谷沿いに生育するシダであるが、斜面が崩落していて生育が危うくなっている珍しいシダが気になっており、また、まだ良く見分けられないイノデの仲間も確認に行きたい。午前中は南アルプス市に出張があったのだが、想定していたよりもだいぶ早く仕事が終わった。身延町まで足を延ばしてシダを見に行ってみる。

    この谷には絶滅危惧のシダ類が多数生育している。これはヒトツバが着生している岩壁。

    岩壁に着生したヒトツバ

    群生しているヒトツバ

    風で揺れるのでたくさん撮影した。

    谷の岩壁にたくさんのシダが着生している。

    これはカタヒバのようである。

    ハカタシダも生えていた。

    林道脇の法面に生えていたサジラン

    冬期の乾燥から身を守るために少し葉が丸まっている。

    谷の川沿いに生育していたクリハラン

    結構たくさんあるが、ここに下りるのは結構難しい。

    林道の法面にもクリハランが生えていた。

    斜面の崩落がまた少し進んだように見える。

    稀少なシダが生育している岩壁。簡単に見つかったはずの目的のシダが見当たらない。

    良く探してみると小さなものが生き残っていた。

    まだ小型のコタニワタリ

    生き残ってはいるがだいぶ減ってしまったように見受けられる。

    木の根元に生えていたやや大型のコタニワタリ

    本日一番の大株だが、以前にはもっと大きなものを見かけている。

    線形のソーラスがしっかりと付いていた。

    谷間の岩に生えていた小型のイワヘゴ

    斜面が崩れて危うくなっているイワヘゴ

    冬なので少し元気が無い。

    真っ黒な鱗片がたくさん付着するのが特徴である。

 谷沿いに生育する植物は近年の台風や大雨で地形が変形するために打撃を受けているものが多く、この谷に生育するコタニワタリやイワヘゴも例外ではない。地球温暖化を防ぐために自分たちが出来ることを少しでも行って行くことが、環境保全と植物の保護に繋がって行くのではないかと思う。


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キジノオシダの仲間を中心にシダ探索 南部町  令和5年12月30日

2023年12月31日 | シダの仲間
 花仲間から貴重なシダの情報をいくつかいただいた。その中でタカサゴキジノオの情報をいただき、画像を見せてもらったところ間違い無さそうである。タカサゴキジノオは南方系のシダで数年前に山梨県でも発見されたと聞いてはいたのだが、私が発見したものはどうやら全て普通のキジノオシダのようである。判別にいまひとつ自信が無くずっと気になっていたのだが、今回のシダ探索で決着が着きそうである。もっと早く出発の予定だったのだが自宅を出るのが12時近くになってしまい、歩き始めたのは1時半になった。

    道路脇の斜面に生えていたコシダ(下側)とウラジロ(上側)。南部町らしい南方系のシダが生えている。

    ヒカゲノカズラが土手にたくさん生えている。

    ホラシノブ。南部町では良く見かけるがその他の場所ではあまり見かけない。

    紅葉しているホラシノブ

    コモチシダも生えていた。

    これはコハシゴシダであろう。

    最下羽片の第一上向き小羽片が大きく、隣の小羽片と融合しない。

    森の中を通る林道に入ってみる。コンテリクラマゴケが群生していた。

    コンテリクラマゴケ。もともとは観賞用に輸入された外来種。

    奥に進むとキジノオシダの仲間がたくさん生えていた。

    これはオオキジノオであろう。

    羽片の根元が葉軸と融合せず、短い柄がある。

    大群生していたオオキジノオ。

    奥に進むとオオキジノオに混じって別のキジノオシダの仲間が生えていた。

    これが見たかったタカサゴキジノオであろう。

    頂羽片があまりはっきりと分かれていない。

    羽片は葉軸の上下に流れて付着している。

    まだ胞子穂が残っていたタカサゴキジノオ。

    タカサゴキジノオも驚くほどに群生していた。

    これはハカタシダであろう。この場所では数は少ない。

    これはおそらくナガバノイタチシダであろう。

    オニトウゲシバの群生

    林道の先の藪を抜け出ると別の林道が通っていた。

    こちらにはまた別のキジノオシダの仲間が生育していた。

    頂羽片がはっきりしている。これはキジノオシダであろう。

    頂羽片ははっきりと分かれている。

    羽片は葉軸に融合するが特に上側が大きく融合する。

    キジノオシダも群生していた。

    林道の先に進むと道が無くなってしまったが、沢に下りられそうである。

    沢に下り立つ。もう源流の近くである。

    キヨスミヒメワラビ

    これはオニカナワラビであろう。葉を触ると固い。反転しているのが胞子葉である。

    胞子葉。ソーラスは小羽片の中間部に付く。

    倒木だらけの沢。源頭まで行けそうだったが、時刻が3時を過ぎてしまったので斜面を登って戻ることにする。

 気になっていたタカサゴキジノオの本物に出会うことが出来た。3種類のキジノオシダが生育しており、しかもいずれも群生している貴重な場所を巡り歩くことが出来て、たいへん勉強になった。いつも貴重な情報を提供してくれる花仲間に感謝である。


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南部町シダ探索 令和5年11月28日

2023年12月01日 | シダの仲間
 久しぶりに南部町万沢のシダを見に行ってみる。確実なミドリカナワラビがまだ見つかっておらず、過去にミドリカナワラビだと思って観察してきたシダの多くはオニカナワラビではないかと思えてきた。どちらかはっきりと区別できないものがあって、今回はそれを確認に行こうと思ったのだが・・・。荒れた林道を車で進んで行くと倒木があってそこから先には進めなかった。車を回すだけのスペースが無く、長い距離をバックして戻ったためにかなりの時間と労力を費やしてしまった。やっと抜け出て来たのは午後3時を過ぎていた。4時半には暗くなってしまうので散策できるのはあと1時間くらいである。舗装された林道脇に車を止めて急ぎ足でシダ探索に出かける。

    相変わらず元気に生えているクリハラン

    用水路脇に群生しているクリハラン

    別の用水路にはメヤブソテツが生えている。

    ヤブソテツの仲間ではひときわ格好良くて美しいメヤブソテツ

    葉に突起があることと辺縁に細かい棘状の突起がある。

    渓谷沿いに生えていたメヤブソテツ

    これはイワガネソウであろう。

    葉脈は網目をつくる。葉脈の端は辺縁までは届かない。

    これはキジノオシダであろう。

    頂羽片がはっきりとしている。

    良く似たタカサゴキジノオは頂羽片がはっきりしないのだが、いまひとつ確信は持てない。

    長い胞子穂を伸ばしている。

    長い葉柄を持っているシダ

    ミヤマイタチシダに良く似ているがこれはナガバノイタチシダであろう。

    これはオニカナワラビであろう。右側の黄緑色鮮やかな葉が栄養葉、左上の深緑色の葉が胞子葉である。

    オニカナワラビの胞子葉。裏側のソーラスの形が透けて見える。

    このあたりにたくさん生えているのはヤブミョウガだと思っていたのだが・・・

    赤い実が付いているものを発見。ヤブミョウガの種は青紫色で花穂が長いがこちらは花穂が短い。これはハナミョウガであろう

 短時間ではあったが何度も訪れている場所だったので効率良く観察することが出来た。風が強く撮影には少し苦労した。同じ日に同じ場所を花仲間たちが巡っていたのを後に知って驚いた。考えていることは同じようである。


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朝の思親山  令和5年9月13日

2023年09月17日 | シダの仲間
 佐野峠で車中泊し、細月が昇る富士山の景色を堪能した。金星とともに素晴らしい細月が現れたのだが撮影はあまり満足していない。思親山山頂での日の出には微妙に間に合わない時間になってしまったが、折角なので登ってみる。

    月と金星の輝きがまだ見えるうちに佐野峠を出発する。

    それなりに急いだつもりだが、山頂手前の富士山展望地で朝日が昇ってしまった。

    朝日が射す思親山山頂

    思親山から見る朝の富士山

    見たかったのはこのシダ、ホソバショリマ。

    紅葉して赤く色付いていた。

    紅葉したホソバショリマ

    根元近くの羽片が次第に小さくなり、全体的には流線型をしている。

    ソーラスを確認する。

    裂片の辺縁寄りに円形のソーラスが付着している。

    雲の流れる富士山を眺めて撤退する。

 ホソバショリマはまだソーラスを見たことが無かったので確認しておきたかった。北岳にたくさん生育しているオオバショリマは秋になると黄色く黄葉しているが、こちらのホソバショリマも紅葉することが分かった。

 この日は午後1時半から韮崎市での仕事が入っている。9時に車に戻って1時間ほど仮眠し、さらに出張先の駐車場で30分ほど仮眠した。しかし、仕事を終えた後はどっと疲れが出てきた。歳をとったと思う。


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乙女高原界隈を散策 ~シダ編~  令和5年6月17日

2023年06月24日 | シダの仲間
 乙女高原界隈は保護柵内の植物だけでなく、その周辺の山や湿地の中にも多くの珍しい植物が生育している。シダの仲間も豊富で、珍しいシダが多数生育している。


    初めて探索する沢沿い


    シラネワラビの群生


    やや大型のこのシダはイッポンワラビであろう。


    円形ソーラスが付着している。


    似ているが別物。


    三日月型ソーラスが付着している。これはミヤマシダと思われる。


    湿地に群生していたこのシダ。ヒメシダに似ているが背が高い。


    全体的に流線型で根元部分の羽片が次第に小さくなっている。


    ニッコウシダではないかと思うのだが、ソーラスはまだ付いておらず全く自信無し。


    場所を移動してフジシダの群落を見に行ってみる。


    新鮮な葉を多数出しているフジシダ。元気に茂っていた。


    さらに場所を移動してヒメハナワラビを見に行ってみる。もう痛んでいるものが多かった。


    かなりの個体数があることが分かった。たぶん、山梨県では最大クラスの自生地になるのではないだろうか。


    確認したかったこのシダ。見間違わないように先日北杜市で確認してきた。


    この形と大きさ、ヤマヒメワラビで間違い無さそうである。


    球形ソーラスが付いているのが確認出来た。これはヤマヒメワラビで確定である。

 午後からの探索だったが、カヤツリグサ科とシダ類はかなり効率良く見て回れたのではないかと思う。シダもまだ判別できないものが多数ある。特にハリガネワラビ、ニッコウシダ、メニッコウシダの類、イノデの類、フモトシダの類は難しく、一人では判別できそうもない。

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再び湿地に生えるシダ探索、今度こそは・・・  令和5年6月9日

2023年06月12日 | シダの仲間
笛吹市の湿地で珍しいシダが見つかったという情報をいただき、数日前に探しに行ってみたものの道を間違えて生育場所にたどり着けなかった。この日は都合良く現地まで15分ほどで到着出来る場所に出張があった。仕事が終わったのは4時半を過ぎたが、まだ1時間以上は探索が出来る。今度こそは場所を間違えないように、かつ、最短ルートで現地に行ってみる。

    今度はまともな道、大丈夫・・・のはずだ。

    タツナミソウのようだが・・・

    色が薄くてピンク色に見える。おそらくヤマタツナミソウであろう。

    見慣れない植物の大群落

    ハネミギクという北アメリカ原産の植物で、1960年代の初めに養蜂用の蜜源植物として全国の養蜂業者に配布され、野生化したらしい。

    見慣れないカヤツリグサ科の植物が生えていた。

    これはミコシガヤのようである。

    湿地の縁に生えていた。これはおそらくアケボノソウであろう。

    ヤマドリゼンマイの群生

    今度はコウヤワラビの群生

    湿地の中をさまよっていたら見慣れないシダの群生に出会った。これが探していたシダだろう。

    根元から株立ちしていて一見するとミヤマクマワラビやオシダに似ている。

    全体的に細長い流線型をしていて羽片どおしの隙間が広い。これはタニヘゴというシダらしい。

    羽片は鋸歯が著しくノコギリシダに似ている。基部の裂片が最も大きい。

    裏側を見ると幸運なことにソーラスが付いていた。

    ソーラスは羽片の中軸寄りに付き、やや大きい。

    鱗片は茶色で薄く幅が広い。

    存分に堪能させてもらった。

 タニヘゴはおそらく山梨県で発見されたのは初めてではないかと思う。夏緑性のシダで、ソーラスを付けたばかりのこの季節が最も生き生きとした姿が見られるのではないだろうか。今度こそ、タニヘゴという初めて出会う良いシダを見ることが出来た。情報を提供してくれた花仲間に感謝したい。

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昇仙峡のシダ探し  令和5年3月20日

2023年03月22日 | シダの仲間
時刻は4時近くになったがまだ日没までには時間がある。昇仙峡にかつてあったらしいが最近は見つかっていないシダにひょっとしたら出会えるかと思い、立ち寄ってみる。

    まだ草が茂っていない昇仙峡は少し寒々しい。

    岩壁に生えているセッコクは葉を出しているようである。

    渓谷の中にもカイイワカガミの葉があった。咲くのかどうか?

    鱗片が細くて黒く、鱗片根元が袋状になっている。これはオオイタチシダ。

    光沢があって緑色鮮やかなシダ。鱗片は黒茶色でやや幅広い。これはトウゴクシダ。

    ミツデウラボシだが三ツ出にはなっていない。

    濃い緑色のコケシノブの仲間。全体的に丸みを帯びていて葉の辺縁はギザギザしている。これはコウヤコケシノブであろう。

    壁にぶら下がるように生えるオサシダ

    紅葉したアカハナワラビ

    ダンコウバイが満開だった。

    苔の生えた岩壁を良く観察してみると・・・小さなシダが生えている。

    遂に発見、オオクボシダ。

    何度か探しに来たが見つからなかった。

    ようやく見ることが出来た昇仙峡のオオクボシダ。小型のものばかりである。

    ほんの一画にしか生育していないが、目が慣れてくるとそれなりに個体数はあった。

    仙娥滝。まだ寒々しい。

 何度か探しに来ているが見つからなかったオオクボシダをようやく発見できた。オオクボシダは西沢渓谷と瑞牆山で見ており、これで3ヶ所目の生育地発見ということになるであろう。本日は昇仙峡に立ち寄って良かったと思う。


    昇仙峡近傍にあるハヤザキヒョウタンボク

    まだ咲き始めたばかりだった。

    咲き始めでも美しいハヤザキヒョウタンボク

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大笠山シダ探索  令和5年2月27日

2023年03月06日 | シダの仲間
昨年愛宕山から夢見山・大笠山界隈を散策している時に山梨県では珍しいサイゴクベニシダというシダを発見した。発見した時には何だか分からなかったのだが、いろいろと調べてみてサイゴクイノデで間違い無さそうである。前日の武田の杜樹木見本林あたりにもあるのではないかと思って気をつけながら歩いたのだが見つからなかった。再確認のために他のシダも見ながら大笠山へ登ってみる。

    愛宕山の科学館入り口の駐車場に車を止める。

    愛宕山の遊園地はまだ改修工事中である。

    手前の丘のようなのが夢見山、奥に聳えるのが大笠山。

    夢見山直下から見る富士山

    シュンランを多く見かけるが花芽は少ない。

    オオハナワラビは遊歩道沿いで良く見かける。

    典型的なオオハナワラビ。葉の辺縁に棘状の突起があり、葉の辺縁だけが紅葉する。

    これはオオイタチシダ。光沢があるものと無いものがあって別物のように見えたりする。

    鱗片は黒ないし茶色で細め、根元に袋があることが多い。

    こちらはオオベニシダ。

    鱗片は黒くてやや幅広い。袋は無い。

    そしてこれが目的のサイゴクベニシダ。

    大型でやや渋い光沢がある。

    ソーラスはベニシダと同じく小羽片と中軸の真ん中あたりに並んで付く。

    特徴的なのがこの赤茶色い鱗片。

    やや幅広で密に付着する。

    階段道を登って大笠山山頂に向かう。

    大笠山直下の展望地から見下ろす甲府の町並と富士山。

    大笠山山頂

 サイゴクベニシダは遊歩道沿いの1ヶ所で確認されたのみで他の場所では見つからなかった。周辺の山を探してみればあるのかも知れないが、今のところここだけである。もう少し調べてみる必要がありそうだ。

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昇仙峡のシダ散策  令和4年11月30日

2022年12月04日 | シダの仲間
 朝から武田健康の杜と八王子山の紅葉を楽しんできたが、時刻はまだ午後1時を過ぎたところである。もう1ヶ所、距離的にあまり遠く無い昇仙峡を訪れてみる。紅葉はもう終わっているのであまり人は居ないであろうが、訪問するのは仙娥滝のほうではなくてずっと下流のほうである。いちばんの目的はこの渓谷沿いに多く生育しているリョウトウイタチシダである。何度か見に来ているのだがしばらく見ていないと特徴を忘れてしまうため、記憶をアップデートしておかないといけない。他にもトキワトラノオを良く確認しておきたい。非常に良く似たコバノヒノキシダを見ることがあり、どちらなのか判断に迷うことがしばしば起きている。


    橋の上から眺める昇仙峡の渓谷。紅葉はモミジを残してもう終わっている。


    残っていたモミジの紅葉


    これはアキノノゲシか?


    これが目的のリョウトウイタチシダ


    大株も結構ある。


    一部斜面の崩落で減ってしまったところもあったが、十分な個体数がある。


    裏側から見るリョウトウイタチシダ


    ソーラスは裂片の中軸と辺縁の中間あたりに1~数個ずつ付く。中軸や葉軸には袋状の黒い鱗片が付着している。


    最も特徴的なのが葉柄の根元近くに付く真っ黒な鱗片であろう。他のイタチシダに比べて幅がやや広い。


    リョウトウイタチシダに混ざって良く似たベニシダが生えている。


    こちらの鱗片は茶色をしている。もっとも、最下第一羽片の形を見れば区別は一目瞭然である。


    これはコバノヒノキシダ。道路の法面では最も良く見かけるシダのひとつである。


    羽片に切れ込みがあるが裂片の幅は広く丸みを帯びている。中軸の中央が盛り上がっているのが特徴らしいが、トキワトラノオも同じように見える。


    こちらがトキワトラノオ。葉にやや光沢があり全体的にトゲトゲしているような感じ。


    羽片は深く切れ込み裂片は幅が狭く丸みを帯びない。根元近くの羽片が扇状になるらしいが、そうでも無いものもある。やはりコバノヒノキシダとの区別が難しい。


    オサシダであろう。シシガシラのようにロゼット状には広がらず、垂れ下がるように生える。


    茶色く枯れているのが胞子葉であろう。


    黄色く黄葉しているシダ。これはヒメワラビであろう。


    こちらも黄葉しているシダ。未だに自信を持って確定できないでいるシダのひとつ。


    最下羽片は根元に近付くにつれて小さくなっている。


    小さなソーラスが裂片の中軸と辺縁の真ん中あたりに付いている。


    鱗片は茶色であまり多くは無く、茎は黄緑色である。おそらくこれはイワハリガネワラビではないかと思う。ヤワラシダやメニッコウシダとの区別がいまひとつである。


    これはミツデウラボシであろう。


    三つ手をしているミツデウラボシは意外と見かけない。


    ホラシノブが生えていた。南部町でしか見たことが無かったが気がつかなかっただけかもしれない。


    綿毛のようになったこの花は葉の形からおそらくボタンヅルと思われる。


    晩秋の昇仙峡の流れ


    オットセイ岩


    猿岩を見上げる


    木の幹に何かぶら下がっている。


    これはカヤランであろう。


    周辺の木を探してみると他にも何株か着生しているのが確認出来た。

 紅葉には遅かったが、その分人が少なくじっくりとシダを観察することが出来た。まだまだ区別が出来ないシダが多数残っている。カヤランは甲府市にも生育していることが分かり、新たな発見である。私の花仲間が山梨市で生育しているのを発見しており、意外と広範囲に生育しているのかも知れない。


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南部町のシダ散策  令和4年10月9日

2022年10月12日 | シダの仲間
 何度も訪れている場所であるが、探し物があって訪問してみる。空模様が悪くなってきて今にも雨が降り出しそうな暗い空になってきた。カッパを着て傘を持って散策に出発する。


    ホラシノブ。普通にありそうだがあまり見かけない。


    ヘラシダ。この場所のものはいつも痛んでいる。


    ソーラスはほんの少ししか付いていない。


    少し離れた場所のヘラシダ


    トウゲシバだが、葉の幅が広くオニトウゲシバになるのではないかと思う。


    アマクサシダは普通に生えている。


    ウラジロの群生


    コハシゴシダ。あまり多くは無い。


    最下羽片のいちばん根元部分の上向き小羽片が大きく飛び出し、かつ根元まで切れ込んでいるのが特徴。


    しっかりとソーラスが付いていた。


    オオキジノオが少しだけ生えていた。


    羽片の付着部は軸に流れない。


    こちらは確認しておきたかったキジノオシダ。


    頂羽片がはっきりしており、キジノオシダではないかと思うのだが、羽片の上部が軸に流れて付着しておりタカサゴキジノオなのかも知れない。


    アリドオシ。南部町の林道脇では結構普通に見かける。今年も花と実を見ないで終わってしまった。


    竹林の中で探し物を探すのだが見つからない。これはオオハナワラビ。


    コクランの葉は良く見かける。

 このあたりの竹林で一昨年12月にヤツシロランの仲間と思わしきガラを発見しているのだがまだ開花した花を見たことが無い。咲くのは今ごろだと思って探しに行ってみたのだが残念ながら発見出来なかった。天気が悪くて竹林の中が暗いうえに目の悪い私にとっては地味な黒っぽい植物は探しにくい。あるいは夏が暑かったので開花が遅れているのかも知れない。もう少し探してみたかったが本降りの雨になってしまい撤退となった。時間がとれるようならば、再探索に来てみたいと思う。

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