山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

核心に近づく剣ヶ峰ダイヤモンド富士 朝霧高原  平成29年11月29日

2017年11月29日 | 番外編
 ここのところことごとく失敗に終わっている朝霧高原の山梨県側で撮影する剣ヶ峰ダイヤであるが、このままでは終われない。今回はGPSに撮影候補地7か所を登録してその点を繋いだ線上での撮影を試みる。できるだけ起伏の少ない平坦な場所を選ぶことにする。また、Canon70-200mm ズームレンズの前方に装着するフィルターを新しく作成してみたので、その効果も確かめてみたい。朝5時に自宅を出発しコンビニで朝食を調達して行くが、ちょっと本を立ち読みしていると・・・まずい!時間が・・・。


    GPS片手に撮影地を探す。20分前にはこの場所に到着して準備するが・・・


    600㎜望遠セット完了。直前に雪煙だけでなく雲も出てしまう。


    剣ヶ峰のいちばん左から光が2個現れる。想定していたよりは左。


    さらに突起の右からも現れる。


    さらにその右。雲と雪煙に邪魔されなければこの時点で6つか7つの光芒が出たはずだ。


    光が融合


    そして剣ヶ峰の右からも光が現れた。


    あと2mくらい右寄りで良かったかも知れないが、想定していた通り、この距離とこの角度ならば剣ヶ峰の左右から光を出すことが出来る。


    もう融合してしまっている。雲が出なければ、もっと凄い光芒が出たであろうが残念。


    ピカリと輝くダイヤにはならず。

 さて、もう1本の改造フィルターを装着して200㎜望遠で狙ったカメラのほうだが、設定の調整に手こずっている間に太陽が出てしまった。このフィルターは絞りを開放にした状態で使わないと威力を発揮しないので、その状態でカメラを設定するのだがどうにも画像が明る過ぎる。どうやらこの改造フィルターはF値にはあまり影響を与えないようだ。


    絞り開放F2.8でも八角形の光芒が出てくれるのは良いのだが・・・


    シャッタースピード最速の1/4000 にしてもこんなに明るい。奇妙な形のゴーストが出ている。


    F9にすると普通の形のゴーストになり、このフィルターの効果は現れない。

 改造フィルターは市販のクロスフィルターに近い構造をしているものであるが、マス目の大きさがだいぶ違う。F値にどのような影響を与えるのかが予想出来なかったが、どうやらあまり暗くはならないようで、今回のものでは割れるダイヤの撮影には向かないようである。しかし、明るいレンズのほうが有利な月光ティアラの撮影には威力を発揮するかも知れない。

 剣ヶ峰全体に太陽の大きさをマッチングさせる多分割ダイヤモンド富士の撮影はこのくらいの距離と角度から可能なことがわかった。今回の角度は冬至前後の竜ヶ岳山頂付近から狙う剣ヶ峰ダイヤとほぼ同じ角度である。竜ヶ岳はさらに距離が離れるので、さらにうまくマッチングしてくれるのではないかと期待される。その前に、先日調査した竜ヶ岳林道からの撮影に挑みたいと思う。位置が微妙であるが、天候に恵まれれば勝算はある。


    太陽が昇るとあっという間に霜が溶け、朝露が輝く。



    本日の太陽軌道

    
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夕暮れの石割山へ  平成29年11月26日

2017年11月29日 | ダイヤモンド富士
 石割山界隈でダイヤモンド富士の撮影が可能な季節になった。山頂で夕暮れを待って富士山山頂付近に太陽を沈めるのも良いのだが、へそ曲がりな私が狙うのは白山岳の上に太陽を沈めて2つに割るキャッツアイである。今年は山中湖の湖畔から一度チャレンジしたが失敗、昨年も何度かトライしているものの全て失敗に終わり、まだ一度も成功していない。至近距離からのキャッツアイは白山岳の左右から漏れる太陽が小さく、キャッツアイと呼べるほどの大きな目にならないことは承知しているが、それでも撮ってみたい。

 午後から天候が崩れる予報だったが、午後1時を過ぎても富士山が見えている。雲が出てしまうと太陽の光が拡散してしまい撮影は困難となってしまうが、これならば行けるかも知れない。山頂でみちほさんたちと待ち合わせすることにして、最短ルートの二十曲峠から撮影地を確認しながら石割山に登る。


    二十曲峠から見る富士山。午後には見えなくなってしまうだろうと思っていたがこれほど見えてくれているとは思いもよらなかった。


    途中の鉄塔。


    周囲の木が伐り払われて富士山の眺望が良くなった。


    その上の鉄塔。このあたりも広く木が伐り払われている。


    本日の予定地はこの鉄塔付近。電線がちょっと邪魔になるがズームをかければ問題なし。


    鉄塔脇からの眺望も良好だ。


    石割山山頂到着。まだ誰も来ていないが、これからダイヤ狙いの人たちが来るはずだ。


    まだ1時間くらい時間がある。

 山頂付近をブラブラしているとみちほさんご夫妻が登ってきた。そのほかにダイヤ狙いの人がもう一人。富士山の上には雲が出てしまい、ピカリと光るダイヤはこの時点で困難である。おそらくキャッツアイも無理だろうが、山頂に出始めたフワフワとした雲の真後ろで太陽が輝くように、当初の予定通りにキャッツアイの座標点まで降りてカメラを構えることにする。


    富士山山頂にフワフワと柔らかい雲が出た。


    ちょうど雲の真後ろで太陽が輝いている頃だ。丸い太陽を撮ろうと思ったが露出が合わず。


    本日のダイヤモンド富士は富士山山頂で丸く輝くダイヤ。


    さて、キャッツになるのか?予想通り雲で光が拡散し困難なようだ。


    たぶん、もう沈んでいる。そして、あと5mくらい右寄りだったのではないかと思う。


    日が沈んだ後の夕空が綺麗だった。

 なかなか狙い通りには行かないものである。キャッツアイはもう少し距離を離したほうが撮りやすそうだが、道志の山は撮影地がピンポイントで、平日に訪れるにはアクセスが遠く、なかなか日程が合ってくれないのが難点である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山梨・静岡県境尾根の無名峰 割石に登る  平成29年11月26日

2017年11月28日 | 山梨無名山
 朝霧高原に割石峠という峠がある。そこから竜ヶ岳に至る尾根が山梨県と静岡県の県境であるが、峠から見る限りでは道らしきものは見当たらず、また竜ヶ岳山頂のやや南側に位置するその尾根の派生場所も笹が深くてとても道があるようには見えなかった。しかし、県境なので境界見出し標があり、おそらくは道が付いているはずである。いつか歩いてみたいと思っていたのだが、前日東海自然歩道を歩いている時に側面からこの尾根に登り着くルートらしきものを発見した。ほとんど踏み跡は無いが木が刈り払われて一直線に尾根まで登り着けそうである。時間はまだ午前8時と早いことだし、割石という山まで標高差200m少々である。竜ヶ岳に至るルートがあるのかどうかの確認と展望地下見のために登ってみることにした。


    東海自然歩道から見上げる割石に至る尾根ルート。木が刈り払われている。


    踏み跡は少ないが一直線にルートが伸びている。


    途中から見る林越しの富士山。


    反対側は竜ヶ岳と昨日歩いた竜ヶ岳林道。


    割石峠からの尾根に合流する。ここからは明瞭な道があった。

 割石峠からの県境尾根まで標高差約200m、約50分で登り着いた。分岐点付近には木の隙間があってそこからは富士山山頂を眺めることが出来る。


    木の隙間から見る富士山。


    300㎜望遠。剣ヶ峰の形はまずまずだが、方向的には竜ヶ岳山頂とほぼ同じ角度なのでここから剣ヶ峰ダイヤを狙う旨みはあまり無い。


    さらに先に進むと割石の三角点に到着。

 割石は三角点があるピークなので眺望を期待していたのだが、残念ながら樹林帯の中のピークで富士山は見えなかった。ここからグッとコルに下って小ピークを越え、さらに標高差300mほどを登れば竜ヶ岳に登り着けるはずだ。上部は笹原の大藪だろうが、この割石の周辺は明瞭な道が付いている。おそらくはさほど難無く登れるのではないだろうか。


    今度は割石峠側の尾根を下る。


    途中に富士山の眺望が得られる場所があった。


    急斜面の下に防火水槽か?このあたりから道は不明瞭になる。


    割石峠到着。下りてきたのは向こう側の道無き斜面。不明瞭なのは最初の標高差100mほど、その先は尾根道がある。


    割石峠から見る富士山と富士宮道路。


    道路から見上げる割石(左の奥)。右は竜ヶ岳。

 いつになるかはわからないが、いつかこのあまり人が歩かない県界尾根を竜ヶ岳山頂まで登ってみたいと思っている。尾根の途中にはトウカイスミレと思わしき小さなスミレの葉がたくさん目についた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

前日調査した撮影地で割れるダイヤを狙うが・・・失敗  朝霧高原  平成29年11月26日

2017年11月28日 | 番外編
 前日東海自然歩道と竜ヶ岳林道を散策しておおよその様子はわかった。帰ってからさっそくカシミール3Dに軌道と展望地の座標を登録し、場所を計算して撮影に出かけてみた。現地に到着すると予定地は木に邪魔されるが少し上に斜面を登ると、抜群に良い場所とは言えないがまずまずの眺望が得られるところがあったので、そこで三脚を構える。


    本日の撮影地。下に見える歩道の上が良かったが前方の木が邪魔で富士山見えず。斜面を少し登って三脚を構える。


    テスト撮影


    もう1台

 ほぼ登録した座標点の上に構えたので今度こそはと意気込んで日の出を待つが、太陽が現れたのは・・・?何故にこんな場所??


    剣ヶ峰の左が輝いている。


    左から太陽が現れるだろうと予想していたのだが・・・


    何故にこんなところから現れるのか?想定外。


    予想していたよりもかなり右にずれた。


    それでも小さく2つには割れる。


    600㎜望遠


    剣ヶ峰左端からは光が現われず。


    5m以上ずれているように見える。


    残念。完全に失敗。


    悔しいのでホワイトバランス日蔭にして思いっきり色を変えてみました。

 撮影地のGPS座標から本日の太陽軌道を再計算してみたが、やはり軌道自体は予定していた通りだった。では何故にこのようなずれが生じたのか?それはこのあたりの地形が起伏に富んでおり、カシミール3Dの地形描出が不完全なことによるのだろう。山の上でも当然の如く軌道のずれが生じるので、これはもはや運と勘に頼るしか無いのである。


    本日の太陽軌道。前日の軌道から補正してほぼ予定通りの軌道だったが、起伏のある地形が十分に描出されていないようだ。


    本日の太陽を切り抜いて剣ヶ峰に重ねてみると・・・


    この距離だとギリギリで剣ヶ峰の左右から光が出る。しかし、左上の光が大きくもう少し距離を離したほうが良い。

 やはりそう簡単には撮らせてくれない剣ヶ峰全体で分割するダイヤモンド富士、まだまだ挑戦は続く。    
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東海自然歩道と竜ヶ岳林道の撮影地探索  平成29年11月25日

2017年11月27日 | 番外編
 今朝の多分割ダイヤモンド富士の撮影は予想通り失敗に終わった。問題点は剣ヶ峰の形と太陽の大きさとのマッチングである。富士山との距離が近いと相対的に太陽の大きさが小さくなり剣ヶ峰の湾曲よりも小さくなってしまう。富士ヶ嶺あたりでは難しいだろう。竜ヶ岳ならば距離的には良さそうだが、標高が高くなる分だけ太陽の出る位置が南側にずれて、剣ヶ峰の幅が広くなってしまい難しそうに見える。そこで狙っているのが竜ヶ岳山腹を巻いて走っている林道竜ヶ岳線である。ゲートは通年閉鎖されていて歩きでなければ入れないが、それでも竜ヶ岳山頂に行くよりは距離的にも時間的にも早い。そして何よりも、竜ヶ岳よりも北側の位置でダイヤの撮影が可能であるということである。木があってあまり良い展望地は無いと聞いているが全く無いわけではないだろう。行ってみないことにはわからない。


    本栖ハイランドの脇にある広大な敷地。向こうに見えるのが竜ヶ岳。


    山腹を巻くように林道が走っている。今回の目的地はあの林道。こちら側には林道に至る道は無いのだが、たぶん適当に登れば・・・。


    この敷地は私有地なので本来は立ち入り禁止である。


    富士山の眺望にも恵まれておりダイヤモンド富士の撮影には適地なのだが・・・あまり使うわけには行かない。


    GPS片手にススキをかき分けて東海自然歩道を目指す。ススキ野原の中には縦横無尽に道らしきものが走っている。


    こんな草原もあった。


    富士山の眺望が良い場所も点々とある。


    割石峠から延びる東海自然歩道に出た。

 撮影地を探しながらススキ野原の中を右往左往しながら東海自然歩道に出た。ススキが邪魔になる場所が多いが、富士山の見える場所は点々と散在していた。東海自然歩道を越えて森の中に入ると、上に林道が見えてきた。想定していた通り、道は無いが登れそうだ。しかし左膝にはまだ不安がある。たぶん登りは大丈夫のはずだ。下りは林道を歩くことにして登り易そうな斜面を探して林道に登り上げる。


    ススキ野原の上に林道が見える。ここも登れるが茨とススキの藪。


    脇の植林帯のほうがまだ登り易そう(?)


    林道直下にはロープが張られていた。林業作業のための補助ロープだろう。


    林道に出た。富士山が見える。


    木の向こうに富士山が見えるがあまり良い場所は無い。


    竜ヶ岳林道終点。ここからでは木の向こう側にしか富士山は見えない。


    しかし、土手を登って上の林の切れ間に立つと、素晴らしい富士山の眺望が得られた。


    200㎜望遠レンズ。剣ヶ峰は斜め台形状に見えるが、この距離ならばたぶん太陽の大きさがマッチしてくれるのではないかと思うが・・・やってみないとわからない。

 林道終点から土手を登ったところはこの林道では一番の富士山の眺望が得られた。ここで剣ヶ峰ダイヤになるのはこれからだが、残念ながら平日なので訪れることは出来ない。

 林道を起点に向かって展望地を探しながらゆっくりと歩く。ところどころ見えるところはあるのだが、木が邪魔する場所が多い。十分な展望が得られる場所は林道終点の土手の上とガードレールの切れ間の2ヶ所だった。


    ガードレールの切れ間の展望地。林道沿いの道から富士山が見える場所はここが一番良い。


    下に本栖ハイランドの竜神池が見える展望地。木の枝が結構邪魔である。


    位置的にダイヤが撮れるのはこのあたりまでであろうが、帰ってからカシミールで計算してみるとこの場所では剣ヶ峰まで太陽が来ないことがわかる。


    東海自然歩道に下りて道を戻る。


    本栖ハイランド裏側の展望地。ここもダイヤにはなるものの剣ヶ峰まで太陽は来ない。


    割石峠近くから見る富士山。

 2~3時間で回れるだろうと思って食事を持たずに歩き始めたが、4時間もかかってしまった。持っていたのはアメ玉5個だけ、そのうちの3個をなめてなんとか凌いだ。時間は12時を過ぎ、写ば写ばに立ち寄って食事をいただき帰宅となる。

 撮影地は全てGPSに登録し、データは撮れた。あとは実戦で狙っている画像が撮れるかどうか?天候と機会と運に恵まれることを願う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝霧高原山梨県側の剣ヶ峰ダイヤモンド富士  平成29年11月26日

2017年11月27日 | ダイヤモンド富士
 ダイヤモンド富士の撮影場所はいよいよ静岡県の県境を越えて山梨県側に移動してきた。そろそろ竜ヶ岳の山頂よりも南側で白山岳にかかるダイヤモンド富士の撮影が可能な季節になった。

 剣ヶ峰は南側(静岡県側)に行くほど幅が広くなりなだらかとなる。反対に北側(山梨県側)に行くほど幅が狭くなり尖ってくるという見え方の違いがある。先週の記事で述べた通り、県境付近の富士宮道路付近では多分割ダイヤモンド富士ティアラの撮影は剣ヶ峰と太陽のマッチングが悪く、困難であろうと考えている。それではもっと北側に位置を変えてみたらどうなのだろうか?建物の立つ湾曲のところでは無くて剣ヶ峰全体の湾曲に太陽の形がマッチングする場所があるのではないだろうか?おそらく、今回撮影に出かける富士ヶ嶺の界隈では距離が近くて困難であろうと予想されるが、撮ってみないとわからないこともある。


    600㎜望遠テスト撮影。斜め方向から剣ヶ峰の建物を見るようになり、剣ヶ峰全体が少し尖ってくる。


    もうすぐ太陽が現れる。


    こちらが200㎜望遠。想定していたよりも左から太陽が現れてしまう。


    あと5mくらい右寄りで良かったようだ。


    突起の右からも出現。雪煙に邪魔されてしまったが。3つか4つ光芒が出ている。


    同上、200㎜


    さらにその右からも光が出る。この時点で剣ヶ峰の右斜面から光芒が現われていれば成功だが、おそらくもう少し右に寄ったとしても難しいだろう。


    同上、200㎜。これでも十分に格好良いダイヤと思うが、狙っている画像とはかけ離れている。


    右から光芒が出た頃にはもう左側の光は融合してしまっている。


    同じく200㎜望遠。


    本日の撮影場所。

 土曜日だったのでダイヤモンド富士撮影者、ないしは同じようなティアラ愛好家が撮影にやって来るのではないかと期待していたのだが、カメラマンは誰も居らず一人での撮影となった。これは想定していた通りの結果であるが、想定していたよりも太陽軌道が左側を通ったことがちょっと気になる。GPSは衛星の状態によって2~3mくらいの位置のずれは普通に起こるのだが、今回はずれ過ぎという気がする。太陽が低い位置にある12月から1月にかけて、剣ヶ峰全体に太陽をマッチングさせて多分割ダイヤが撮影できるのかどうか、決着を着けたいと思うが、まだまだ調査とテストが必要である。


    カシミール3Dによる本日の撮影位置からの太陽軌道。予定位置よりも左に構えてしまったが、それを考慮しても太陽の軌道は左だった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富士山に昇るオリオン座 ふもとっぱら  平成29年11月19日

2017年11月22日 | 星空
 朝霧高原ダイヤモンド富士、釈迦ヶ岳、金川の森と巡り、上九の湯で汗を流して帰宅するはずだった。ところが、夕暮れが近付くと空が晴れ雲が消えて行く。富士山ライブカメラを見ると山頂を覆っていた雲がスッキリと晴れてきた。これならば・・・何度も朝霧高原まで足を運びながら撮れないでいた富士山の上に昇って来るオリオン座が撮れそうだ。上九の湯に浸かった後に朝霧高原ふもとっぱらに移動する。


    朝霧高原ふもとっぱらの池。プレアデス星団(スバル)が昇って来ている。オリオン座が富士山頂に姿を現すのは9時ごろなのでまだ2時間くらい時間がある。


    中央上にカシオペア座。空気が澄んだがカシオペア座を貫く天の川はあまり写らない。


    毛無山を流れる天の川


    中央の電灯が明る過ぎるので位置を変えて木の幹でライトを隠す。それでも他のライトが明るくて星の輝きは控えめになってしまう。


    8時過ぎ、いよいよオリオン座が姿を現した。

 以前から撮れるのかどうか疑問に思っていた写真がある。富士山の上に昇って来るオリオン座の大星雲である。赤道儀を使えば赤い大星雲を撮影するのは容易であるが、赤道儀無しでワンショットで撮影してどの程度まで描出できるものなのか?6等級の彗星が撮影可能なので2等級くらいの明るさがあるオリオン座大星雲を撮ることは容易だろうが、あの赤い雲のように広がる星雲をどこまで描出できるのか、ずっと撮ってみたかった。300㎜望遠レンズをセットして1台のカメラは準備完了、さらにもう1台に200㎜望遠レンズをセットするが、こちらはミラーレス一眼なのでピント合わせに手こずる。そうしているうちにオリオン座大星雲が昇って来てしまい、結局300㎜望遠のカメラしかセットできずに終わる。


    富士山頂に姿を現したオリオン座大星雲。Borg300mm, F5.6, Iso6400, 2秒で撮影。


    中心部の赤い部分は写るが周辺の薄い部分の描出はいまひとつ。


    いろいろ画像調整してやっとこの程度。


    レンズを70-200㎜に変える。こちらのレンズのほうが明るいので撮影はし易い。


    135㎜、F3.5、 Iso6400, 4秒でこの程度写る。

 念願だった富士山頂に昇るオリオン座大星雲を撮るには撮ったが、あまり面白い画像にはならず、ちょっと拍子抜けした感じである。今度は月明かりをライティングに利用して富士山をもう少し明るく描出してみたらどうなるのか?試してみたくなった。


    富士山頂に昇るオリオン座。飛行機が邪魔してしまった。拡散フィルター装着して試したが、ほとんどピンボケに終わった。


    ふもとっぱらの草原とオリオン座


    池に映る富士山と山頂に昇るオリオン座のこの構図が狙いだったのだが、やはり電灯の明かりが明る過ぎて星が負けてしまう。


    池に映るオリオン座も光に負けてしまっている。

 このふもとっぱらの池は構図的には良いのだが、想定外に電灯が明るくて星の撮影にはあまり向かなそうだ。しかし、朝霧高原ではオリオン座大星雲が富士山の山頂に現れるベストポジションであり、冬の大三角形が富士山をまたいで昇って来るところも良い。月明かりを使って条件を変えて撮ってみると、また違う写真になるのではないだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋の花を探して 笛吹市金川の森  平成29年11月19日

2017年11月21日 | 番外編
 インターネットの情報で御坂インターの近くにある金川の森にちょっと珍しい花があるとの情報を見かけた。細かい場所は全くわからないし、まだ見たことが無い花ではあるが、その花が咲く環境はわかっている。おそらく川沿いの遊歩道を歩けばどこかにあるはずだ。10月に見ごろを迎えているはずなのでもう花は終わってしまっているであろうが、場所を見ておくことと南アルプス、特に甲斐駒ケ岳の眺望の良い場所を探していたので、両方を兼ねて散策してみた。かなり広い公園で遊具やドッグランなどが備わっており、サイクリングロードが整備されていて自転車のレンタルもある。花探しなので川沿いを周回する約2kmのコースを歩いてみることにする。


    駐車場脇の案内図。地図に書かれている川の向こう岸にも遊歩道があって、そちらを周回して戻る予定。


    川の石を使ったこんなオブジェが置いてある。


    広葉樹の並木道


    遊歩道の脇にはこんな葉っぱが・・・


    これって、ヒロハノカワラサイコじゃないか? 県によっては絶滅危惧種になっているはず。


    川の向こうに見えるのは御坂山塊。右の大栃山と真ん中の尖っているのが先ほど登った釈迦ヶ岳。左は大木川という無名の山。

 探している花は河原の中か、堰堤のあたりにあるはずなので、堰堤の河原側を歩いてみたがそこはほとんど歩く人が居ないようで、茨や蔦の生い茂る大藪だった。何度も棘に絡まれて痛い思いをしながら進むがそれらしき花は見つからない。こんな公園の中でで藪漕ぎするとは思ってもいなかった。あきらめて遊歩道に戻ると、以外にも日当たりの良い遊歩道沿いの堰堤の石積みのところにその花が群生していた。


    こんな環境のところに咲いているとは思っていたが、探すのに苦労した割に簡単な場所にあった。


    初見の花、ツメレンゲ。花は終わってしまっている。思っていたよりも背の高い花だった。


    少しだけ咲き残りがあった。


    あの橋を渡って戻る予定。


    ところが・・・工事中で通行止め。少し遠回りしてその向こうの道路を渡る。


    こちら側の遊歩道からは南アルプスが良く見える。


    道路を通って駐車場に戻る。

 今回探していたツメレンゲは山梨県ではランクは低いが絶滅危惧種に入っている。クロツバメシジミという珍しい蝶の食草としても知られており、ひょっとしたらこの界隈でもその蝶が見られるのかも知れない。おそらく、この界隈の川沿いを探せば、もっとたくさんのツメレンゲに出会うことが出来るのだと思う。簡単に立ち寄れる公園なので花の満開の時期に訪れてみたいと思う。駐車料金は無料だが夕方5時に閉門されるので注意が必要だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テスト登山 釈迦ヶ岳へ  平成29年11月19日

2017年11月21日 | 山梨百名山
 右膝の痛みは平地を歩く分にはほぼ消失した。しかし階段を下りる時にはまだ若干の不安がある。2時間程度で登れる山ならば登るには問題無さそうだが下りがどうなのだろうか? 足の様子を確かめるため釈迦ヶ岳に登ってみることにする。この山の西側からのルートは林道歩き、雑木林の斜面、そしてロープの付いた岩場があり、短時間で登れる割には登山の面白さが凝縮されており、しかも山頂では夫婦地蔵が出迎えてくれて富士山の眺望も良い。体調をテストするには持って来いの山である。本日のテーマは山に登ることでは無くて、この膝の状態で安全に下りられるかどうかをテストすることである。



    林道脇のスペースに車を止めて出発。


    まずはコンクリートの林道歩き。


    林道終点から雑木林の登山道になる。黒戸尾根以来6週間ぶりの登山で息が上がるが休まずに尾根まで登る。


    雑木林の斜面。落ち葉が積もってスリップし易い。


    約50分で尾根道に到着。右膝の裏側に張りを感じるが痛みはほとんど無し。登るには問題無さそうだ。

 尾根まで登ったところで休憩し、膝の状態を確かめる。屈伸してみるが痛みはほとんど感じない。10分ほど休憩して山頂を目指す。ここからが岩とロープのある釈迦ヶ岳核心部だが、問題無く登れるはずだ。


    見上げる釈迦ヶ岳山頂と屏風岩


    1本目のロープ場


    2本目のロープ場


    途中の展望台から見る甲府盆地越しの南アルプスと八ヶ岳


    山頂到着。夫婦地蔵と富士山が出迎えてくれる。


    冬至が近いこの季節だとお昼時でも太陽の位置はこんなに低い。


    もう紅葉は終わり、すっかり晩秋の雰囲気だ。

 休憩時間を含めて1時間40分ほどで山頂到着した。登りは全く問題無し。軽く昼食をとって下山だ。落差のある岩場を左足でしっかりと踏ん張れるかどうか?いつもならばほとんどロープに頼らないのだが、今回はロープにしっかりつかまって下山する。やはり落差のある岩のところでは若干の痛みが走る。さらに、最大に屈曲して伸ばす時にも痛みがある。しかし、この程度の岩と距離ではどうにもならないというほどでは無い。おそらく、これから始まる竜ヶ岳界隈のダイヤモンド富士撮影ならばカメラ機材2台分の荷重をかけたとしても登れそうだ。山に登り始めた頃、どの山に登るにもおっかなびっくりで慎重に歩いていた。その初心者の頃に戻ったような気分でまた新たな登山が始まったような気がする。




コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりの朝霧高原ダイヤモンド富士  平成29年11月19日

2017年11月20日 | 番外編
 何度も計画は立てていたが、天候に恵まれなかったり日程が合わなかったり朝起きられなかったりと、なかなか行けずにいた朝霧高原の割れるダイヤモンド富士の撮影だったが、ようやく天候と日程に恵まれた日がやって来た。予定では前夜から朝霧高原道の駅に泊まり星空の撮影も行うはずだったが、空模様が悪く前日の夕方に朝霧高原まで行って引き返し、自宅に戻って寝た。朝6時に目が覚めて富士山ライブカメラを見てみると、想定外のスッキリした富士山が姿を現している。急いで出発するが、現地到着はダイヤの15分前、レンズを調整して2本の三脚を立てた頃にはもうダイヤの直前になってしまう。


    200㎜望遠レンズ。直前に雲が湧き始めてしまう。


    600㎜望遠レンズ。いずれも絞り改造ボーグ。

 なんとか間に合ったのだが、シャッターを切り始めて失敗に気付く。600㎜望遠の設定がマニュアルになっておらず、シャッタースピードが遅すぎる。急いで設定を直してシャッターを切り始めた時にはもう太陽が剣ヶ峰に姿を現してた。数秒の差で間に合わず。


    建物の左から光が出る。予定通りの位置。


    さらに右からも現れる。おそらく3分割。


    雲に邪魔されて上方への光芒が出ないが、左が融合して2分割。


    もう光が融合している。


    雲に巻かれて太陽の形が透けて見える。


    600㎜、光が現われる直前。


    設定を直してシャッターを切り始めた時にはもう太陽が現れていた。


    こちらのカメラは雲に阻まれて光芒が出ない。既に太陽は剣ヶ峰の建物の上に現れている。


    位置的には良かったと思うのだが・・・


    雲を透かして見える太陽。

 この割れるダイヤモンド富士を撮影するようになってからずっと疑問に思っていたことがある。それは、剣ヶ峰の形と太陽の形のマッチングで、ティアラの撮影に成功したのは田貫湖に近い静岡側であるが圧倒的な撮影回数があるふもとっぱらから北側の場所では一度も撮影に成功していない。おそらくこちらの方向ではティアラの撮影は不可能なのではないかと思い始めていた。今回は都合良く雲に阻まれて太陽の形が透けて見えたので、画像を加工してこの場所での剣ヶ峰とのマッチングを考えてみた。


    今回の撮影地からだと剣ヶ峰の建物が立つ場所は立方形をしており、どうやっても太陽の湾曲にはマッチしない。割れても3つか、良くて4つくらいが限界。


    左右の大きな湾曲にマッチさせることが可能だが、これだと真ん中の光が大きくなってしまう。

 この結果を見る限りでは、朝霧高原の県境付近の富士宮道路周辺からのティアラ撮影は困難という結果になる。もっと距離を近づけると可能なのかも知れないが、それを狙うならば田貫湖界隈でダイヤになる頃を狙ったほうが容易なのではないかと考える。

 それでは、もう少し距離を離して竜ヶ岳から狙うとどうなるのだろうか?


    左右2つに割ることは容易だろう。さらに左に小さく1つか2つ、うまくすれば右にも2つくらい出るかも知れない。

 竜ヶ岳だと剣ヶ峰全体の湾曲に太陽を合わせることが可能となり、理論的には3つに割ることは十分に可能である。今年の冬はこの竜ヶ岳の剣ヶ峰ダイヤ、まずは3つ割りに挑戦してみたいと思う。それまでにはきっと足も治っているだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神戸ポートタワー散策  平成29年11月12日

2017年11月20日 | 圏外編
 来年4月の専門制度資格更新のために1単位だけ足りない共通講習を受講するため、神戸に行くことになった。左膝の状態もあまり良いわけではなく、平地を歩くには問題無いが斜面や階段を下る時にはちょっとした角度で痛みが出てしまう。山は登れそうだが下りられなくなりそうだ。

 仕事を片付けて11日土曜日の昼ごろに甲府を出発。いろいろとコースを考えたが、静岡駅から新幹線を利用するのがいちばん手っ取り早そうだ。折角だから清水あたりで回転寿司にでも寄って・・・と思って新東名高速に乗らずに下道を走ったがこれが大失敗。道路工事の大渋滞が発生しており予定していた電車に乗れず、寿司屋に寄るどころの騒ぎでは無くなってしまう。さらに適度に安い駐車場が見つからず、結局予定していた電車から2本遅れて神戸到着は7時半になってしまった。さらに、三ノ宮の地下道で道迷い、どの電車に乗ってどっちに歩けば良いのかさっぱりわからない。こうなれば・・・奥の手、地上に出てGPSを取り出し、2駅ほど先のホテルまで歩くことにする。30分ほど歩いて、8時半に無事チェックインした。

 神戸牛も食べたかったのだが予定していたよりもだいぶ到着が遅くなってしまったので、神戸まで来て回転寿司で食事を済ませ、近くに見えるポートタワー界隈を散策してみた。


    宿泊したホテルは元町界隈。こちらは西安門で、散策マップとGPSを片手に町を散策する。


    ポートタワーに続く遊歩道。


    下から見上げるポートタワー。展望エレベーターは既に終了していた。


    神戸海洋博物館とホテルオークラ神戸 


    神戸メリケンパークオリエンタルホテルとチャペル


    湾の向こう岸に見える観覧車


    色が変わる


    乗ろうかとも思ったが・・・おっさん一人ではただの不審者。


    なにせ歩いているのはアベックばかり。


    対岸から見るポートタワーと海洋博物館。左はノートルダム神戸という建物らしい。


    モールの建物内は冬らしく雪のプロジェクション。

 2駅分の距離を1時間ほど散策して帰りは阪神電鉄に乗ってホテルに戻った。神戸の港は様々なイルミネーションが美しかった。

 病み上がりにしては平地ながら1日にして結構な距離を歩いたと思う。階段を登るのは良いが下る時はどうしても手すりが無いとまだ不安だ。山登りへの復帰はまだ少し先になりそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

甲斐駒ケ岳に沈む月 甲府市白山  平成29年11月5日

2017年11月05日 | 番外編
 折角の好天なのにまだ左膝周辺に張りがあって山に登るには不安がある。昨日の夕方撮影した月を追いかけて、今度は朝の甲斐駒ケ岳の撮影に出かける。韮崎インターあたりが第一候補だったのだが、少しくらいなら歩けるかと思い、甲府市千代田湖の上にある白山展望台に行ってみることにする。


    甲府盆地にはまだ町灯りが灯る。


    市街地越しの富士山。少し雲が巻いている。


    今朝狙うのはあの甲斐駒ケ岳に沈んで行く月。


    場所を移動する。この位置で甲斐駒ケ岳山頂に月が接触するはず。


    朝日にうっすらと染まった甲斐駒ケ岳。


    月が迫る。200㎜望遠レンズ。

 1台のカメラのセットが終わり、もう1台のセットにとりかかる。三脚とカメラを固定したまでは良いが、いくらやってもピントが合わない。何故??何度も設定し直しているうちに甲斐駒ケ岳山頂近くまで月が近付いてしまう。良く見れば、カメラの設定がビデオモードになっているではないか。もはや正確にピント合わせしている時間は無くなり、昨日の月を撮影したのと同じピントの位置でシャッターを切る。


    600㎜望遠はピント合わせに失敗し、微妙にピンボケ。しかも予定していた画角に月が入り切らない。


    角度を変えるが今度は上を向き過ぎ。もはや止む無し。


    あっという間に月は沈んでしまう。


    こんなこともあろうかと保険をかけておいた200㎜望遠レンズ。もう少し左寄りのポジションが良かったがその場所は林の中。


    月が沈んで行く。


    紅葉した山に朝日が射す。


    千代田湖と紅葉


    茅ヶ岳と太刀岡山、曲岳。

 昨日と一昨日はパール富士を狙ってなかなか良い画像が撮れたので少し気が緩んだかもしれない。現地の到着時間が少し遅かった。あと10分あれば焦らずに2台のカメラがセットできたであろうが、今回は失敗である。十五夜前後の月が西の高い位置に沈むこの冬の間に、きっちりと撮れればと思っている。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

撮影成功!多重分割パール富士『月光ティアラ』  平成29年11月4日

2017年11月04日 | 番外編
 多重分割ダイヤモンド富士『ティアラ』の撮影は20回以上挑戦して今年の4月にようやく撮影に成功している。そして月光ティアラも何度かトライしているが、軌道が全く合わない他に暗い中でのピント合わせが難しいこと、さらにはシャッタースピードとIso感度の調整が全くわからず、撮ることは不可能なのではないかと思い始めていた。しかも、月齢13の月では暗くなる前に昇って来るので不可、月齢16を超えると今度は月の上部が欠けてくるので不可、最大で月に2度しかチャンスが無い。たとえ撮れたとしても何年もかかる作業だろうと思っていた。

 前日も月齢14の月を狙ったが軌道が狂っていたうえに雲に阻まれて撮影は不可だった。しかし、前日の失敗は大きな成果をもたらした。それは薄雲が出たおかげで剣ヶ峰の裏側に出た月のシルエットがはっきりと見え、以前に失敗した時のデータと照らし合わせてほぼ正確な月の軌道が割り出せたからである。軌道修正してGPSに撮影場所を登録しなおし、月齢15の月を狙って再度猪之頭に向かう。月が出てくるのは6時15分だが、ピント合わせで何度も失敗しているので今回は日没前の4時半に現地到着し、しっかりとピントを合わせておく。フレアが出ないように今回はBorg36EDとBorg56FLにエクステンダー装着した2本のレンズをセット、8角形の光芒が出るように改造絞りを使用する。


    Borg56EDにエクステンダー装着した600㎜望遠レンズ。風でブレるので三脚はいちばん低く構え、ミラーアップして静音シャッターを切る。


    実際の撮影は真っ暗な闇の中なのでIso感度を6400まで上げる。シャッタースピードは1秒に調整する。


    ほとんど真っ暗な中に月が昇り、光が現われた。


    モニター確認せずにひたすらシャッターを切る。見事に6~7分割していた。


    静音シャッターを使うと連写が出来ないので次のカットがこれ。撮れていたのは1カットのみだが、それでも大収穫だ。


    もう終わり。


    シャッタースピードとIso感度を変えて月を撮る。

 もう1台のカメラはレリースが装着できないミラーレス一眼なので、シャッターを押しっぱなしにするためにゴムバンドを使って細工する。これで連写が可能である。


    しっかり影富士が出る。


    Iso感度6400、シャッタースピード1.6秒で連写。剣ヶ峰の左右から光が出現。


    見事に多重分割してくれた。


    こちらもまともに撮れているのは1カットのみ。


    もう終わり。

 太陽と違ってIso感度を6400まで上げてもシャッタースピード1秒以内で切るのは難しい。そのため月光ティアラは多くて3カットが限界である。立ち位置だけでなく、このIso感度とシャッタースピードの調整が大きな課題であったが、失敗を積み重ねたことでなんとかここまでたどり着くことが出来た。失敗データの積み重ねこそが成功への鍵を握っていると言える。撮れないのではないかと思っていた月光ティアラは撮影できることが証明された。どんなもんじゃ~!
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月光彩雲現る 猪之頭の月  平成29年11月3日

2017年11月03日 | 番外編
 左膝の痛みはだいぶ和らぎ、午前中は松葉杖歩行していたものの、午後からは杖無しで自力で歩けるまでに回復した。これならばあまり歩かない場所ならば十分に三脚を担いで撮影に行ける。十四夜のパール富士を狙って富士宮市の猪之頭まで出かけるが、ちょうど三方分山界隈を歩いていたのぞむ先生が下山していたところだったのでお誘いして2人で撮影に出かけることになった。

 本日の月は日没後40分ほど過ぎて真っ暗になった頃に富士山頂に昇って来る月なので、山頂の真ん中から出しても月の紋様が吹き飛んだ月になってしまう。狙うのは剣ヶ峰の建物をシルエットに昇る月、ないしは剣ヶ峰で割れる月光ダイヤモンド富士だ。そもそも割れる月光ダイヤモンド富士なるものが撮影可能なのかどうかにはかなり疑問があり、少しでも雲が出てしまうとまず撮ることが出来ないうえにカシミール3D軌道と月の軌道のずれがどのくらいあるのかもデータが撮れていない。現地に1時間少々前に到着したが、立ち位置とレンズの選択に散々迷った挙句、撮れるかどうかわからない割れる月光ダイヤモンド富士、願わくば月光ティアラを狙って600㎜レンズと200㎜レンズの2本を使って撮ることに決める。GPSに登録しておいた座標点に三脚を構えていざ月の出を待つ。


    こちらが剣ヶ峰を狙った600㎜レンズ。シャッタースピードが1/4秒になるようにIso感度を調整し、静音シャッターで撮影する。


    こちらが200㎜レンズ。600㎜に比べると明るいレンズで、絞りF5.6にしてシャッタースピードとIso感度をその都度調整する。


    もうすぐ月の出だが、富士山の上には雲が出てしまった。

 雲が出ないという前提で撮影場所とカメラを設定していたのだが、月の出の10分ほど前から富士山頂に雲が広がり始めてしまう。しかしその雲、暗闇の中で肉眼で見ていても何やら怪しい輝き方をしている。カメラとレンズの設定を変えて撮影してみると、何という美しい色をしていることだろうか。虹色に輝く月光彩雲になっていた。


    富士山頂に出た雲が何か怪しく輝いている。


    こんな大きなものは初めて見る月光彩雲。月明かりでも虹色に光るのか!驚きだ。


    夢中でシャッターを切る。


    月光彩雲を意識し過ぎてIso感度を上げたのは失敗で、シャッタースピードが遅くなり雲が流れて不鮮明になってしまった。


    剣ヶ峰から月が昇る。


    月が昇って来た頃には不富士山頂の雲が小さくなり、彩雲の輝きも消えて行く。


    もはやこれまで。

 もう1台のカメラは600㎜で剣ヶ峰だけ狙っていたため、彩雲こそ撮れなかったもののそれなりに面白い画像が撮れていた。


    月の出。予定では剣ヶ峰の建物の真ん中に昇って来るはずだったが、内側になってしまった。


    雲が出たのでキラリと輝く月光ダイヤモンドにはならなかった。


    きっちりと剣ヶ峰のシルエットは捉えることが出来た。


    Iso感度を上げて月の紋様に露出を合わせる。少しブレてしまった。


    直後に剣ヶ峰は雲に巻かれてしまった。

 狙っていた剣ヶ峰で割れる月光ダイヤモンド富士の撮影は叶わなかったものの、ほとんど見ることが無い月光彩雲を見ることが出来て十分に満足した撮影となった。現地に出かけてみないと、何が起こるかわからないものである。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笠富士に昇る月 朝霧高原  平成29年11月2日

2017年11月03日 | 番外編
 雨や台風が続いて3週間も歩いていなかったのに、それにもかかわらず何故か左膝に痛みが出始めたのが10月28日。湿布でもしておけば治るだろうと思っていたのだが次第に痛みが増悪し31日の午後には立ち上がるのも大変になり、遂に11月1日には何かにつかまらないと立てないほどの激痛となり、松葉杖を使うこととなってしまう。整形外科を受診したがレントゲンは異常なく、関節の痛みでは無くてどうやら腱か靭帯の炎症のようだ。とりあえずは痛み止めを飲んで安静することになった。

 11月2日は朝霧高原あるいは猪之頭林道あたりでパール富士が見られる日だった。既にシュミレーションしてGPSに座標を登録してあったが、この膝の痛みでは無理だろうと思っていた。ところが、午後になると少し痛みが和らいできて、松葉杖1本で短距離ならば歩けるようになった。道路沿いで車から下りてすぐ撮れる場所ならばなんとか行けるかも・・・知れない。3時過ぎから朝霧高原に向かう。ところが、甲府を出る時にはライブカメラで見えていた富士山が精進湖まで行くと笠雲をかぶっている。これではパールは無理だろう。笠雲を抜け出た月を狙って予定地よりも北側で車を止めて月を待つことにする。片手で松葉杖をついて片手で三脚を担ぐが、路肩の段差を越えるのに一苦労だ。なにせまだ左足が曲げられず、不安定に足を着地させると激痛が走る。(こんなので撮影に行こうというのが間違っているかも知れないが、折角の撮影チャンスを逃すのも悔しい。)


    本日の撮影地から見る富士山。あの笠雲の中に月が隠れているはずだ。


    日没が迫り、笠雲が薄赤く染まる。


    もう1台のカメラ。


    雲の隙間から一瞬だけ月が現われる。


    同上。予定ではこの残照の時間に富士山頂に現れる月を撮るはずだった。


    笠雲の上に現れた月


    同上


    雲に巻かれる月


    笠雲の上に昇った月


    同上


    雲が虹色に輝いた


    月光に照らされた笠雲が美しい。

 月が富士山の山頂を越えたところで撤収する。撮影に熱中していたら足の痛みも少し和らいだような気がする。

 帰り際に精進湖に立ち寄る。ダブル笠富士を狙うが、霞が少し増えてきて鮮明な画像は得られなかった。


    月光照らすダブル笠富士


    湖面に映る月

 パール富士にはならなかったが、これはこれで良い景色が見られたのではないかと思う。足の故障はもう少し長引くのではないかと思っていたのだが、翌朝には松葉杖無しでも自力でなんとか歩けるくらいまで回復してくれた。しかし、3連休の入山はまだ無理なので、歩かなくて済む場所で月と太陽を追いかけることになるのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする