山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲府市に現われた彩雲  平成28年10月26日

2016年10月26日 | 番外編
 この虹色に輝く美しい雲は山の上でしか見られない景色だと思っていた。しかし・・・

 夕暮れ近い午後4時過ぎ、甲府駅の界隈から空を見上げると秋空に秋らしい雲が広がっていた。その辺縁を見ると、何やら雲に色が付いている。彩雲ではないか。山上から見るほど色鮮やかでは無いが、日没近い夕陽に照らされて雲が色付いている。


    秋空に広がった秋の雲。辺縁が色付いている。


    甲府市の夕空に現われた彩雲。


    職場に戻った頃にはもうほとんど終わりかけている。


    うっすらと残っている彩雲


    もうほとんど終わり。ほんの20分ほどの出来事。


    夕暮れの甲府市街と富士山。職場の屋上から。


    昨日の冷たい雨でうっすらと冠雪した富士山。

 2週間続けての出張後で業務がぎっしり。しばらくは遠出は出来そうもない。
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ムラサキの花三昧  平成28年10月16日

2016年10月19日 | 花・花・花
 9月に訪れた時はまだ1輪しか開花を確認できなかったムラサキの花だが、花仲間のブログを見るとずいぶん綺麗に、しかもたくさん咲いているように見える。数が減っているように見えたのは単純に訪れた時期が悪かっただけなのではないか?ならば、若干時期が遅いかも知れないが自分の目で確かめに行ってみようと再訪してみた。

 前日の七面山の疲れはあまり残っていないように思ったのだが、歩いてみるとふくらはぎがパンパンで足が上がらない。急登は避けてできるだけ緩い登りを選んで歩くことにする。咲いている場所に行ってみると、やはり少し遅くて枯れ始めた花が多い。しかしちょうど見頃のものも多数あり、9月にカウントした時よりも1.5倍から2倍近い株数がある。やはり前回は時期が早すぎて株が小さくて見つけられなかったようだ。


    草むらの中に咲いていた。若干遅かった。


    見ごろの株も多数あり。


    日本的な美しさを持つ花だが、写真でその美しさを表現するのは難しい。


    やっぱり美しい花。


    大株のナギナタコウジュ


    リンドウが満開


    ヤマラッキョウも見頃。しかし富士山は雲隠れ。


    9月に訪問した時にマークしておいた群生株。圧巻だが少し遅かった。


    これはちょうど見頃。


    他にも草地の中を探すと群生しているものがいくつか見つかった。


    思ったよりたくさんある。


    大株も確認。


    昨年は見つけられなかった町を見下ろせる場所の株も発見。


    存分に楽しませていただきました。ムラサキセンブリ。

 昨年に比べるとたくさん咲いたように見受けられるムラサキの花だが、訪れる時期によってもだいぶ見え方が変わってくるのだろう。減少しつつあることには変わりはないが、今年は予想していた以上にたくさん咲いてくれたと思う。それにしても無理はしないほうが良いようで、足が上がらず山頂目前にして撤退してきた。上九の湯に立ち寄って足を良くマッサージして帰宅となる。


    
        
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金色の月昇る 七面山  平成28年10月15日

2016年10月17日 | 山梨百名山
 宇都宮に出張で来たのだから餃子を食べなければと、前々日の夜9時にお目当てのお店に行くと既に閉店しており、ならば翌日昼一番にと11時ごろに行ってみると開店は11時半から・・・ということで、餃子は高速道路のサービスエリアでいただいて辛抱することになってしまった。宇都宮まで来ると日光がすぐそこである。紅葉を楽しみながらまだ登っていない男体山を考えていたのだが、この日は七面山で十四夜の月が富士山頂あたりに昇って来るのを計算してあった。しかも日没10分前に月が現われるという好条件である。問題なのはずっと不順な天候が続いていて、夕方に富士山が出るかどうかということだ。今年の春分の日のダイヤは見事に失敗、その数か月後のパール富士も天候不良で出かけなかった。滅多に見られる景色では無い七面山のパール富士なので、富士山が出るならばそちらが優先である。

 朝5時半に目を覚まし、ホテルの窓から外を見ると、雲ひとつない快晴の空が広がっていた。これは七面山だろう。余裕を持って7時にホテルを出発したつもりだったのだが・・・。

 圏央道が東北道までつながったおかげで宇都宮から甲府までは3時間とかからずに到着できるようになった。順調に行けば11時ごろには七面山登山口の羽衣に到着できるはずだった。ところが・・・想定外の圏央道事故渋滞が10㎞もあって通過するのに1時間ほど余計に時間を費やしてしまい、そのおかげで今度は中央道の渋滞にまでつかまってしまった。どう見ても登山口到着は12時を過ぎる。標高差1,225mを登るには最低でも4時間はかかるだろう。月の出が午後5時なので、逆算すると午後1時がデッドラインである。渋滞を過ぎてひたすら七面山に向かって車を飛ばし、12時40分に羽衣に到着した。準備して歩き出したのは午後1時、コンビニに立ち寄る時間も無かったのでとりあえず持っているペットボトル2本とお菓子、前日の残りのおにぎり1個を持ち、カメラは1台のみ、交換レンズは3本に絞り込んで荷物を出来るだけ軽くして出発した。敬慎院まで50丁あるので、1時間12丁以上のペースで登らないと間に合わない計算になる。


    ほぼ中間点の二十三丁目。ここで時間は2時25分、1時間半でここまで登って来たことになる。私にしては異例のハイペース。


    四十七丁目の山門。ここまで来れば敬慎院の山門まではあと少し。時間は午後4時11分、十分に間に合いそうだ。


    4時25分敬慎院山門に到着。信者さんたちが太鼓を鳴らしてお経を唱えていた。

 いつもならば翌日に疲れが残らないようにゆっくり登るのが私の登山だが、この日ばかりは足が壊れても良いのでなんとか時間に間に合いたいと思った。3時間25分で登ったのは5度登った七面山の中でいちばん早いペースだったと思う。意外に足の疲れもさほどではなく、やれば出来るじゃないかと自画自賛した。

 カメラマンが居るかと思ったが、三脚を立てていたのは一人だけだった。あとから信者さんと思わしき人たちがちらほらと登って来る程度で、ダイヤモンド富士の時に比べると静かだった。雲をまとった夕暮れの富士山が静かにたたずみ、美しい。山門下で構図を考えながらカメラをセットしていると、計算していた通り、午後5時に富士山の左山腹から月が現われた。


    雲をまとった夕暮れの富士山。


    残照の富士山に月が現われた。


    残照の富士に昇る月


    狙っていたのがこの釣鐘を入れた構図。この場所にカメラマンはおらず、独占して撮影。


    敬慎院山門と黄金の月昇る富士山


    金色の月昇る富士山  200㎜単焦点レンズで撮影。


    金色の月昇る富士山


    釣鐘と月と富士山が縦に並ぶこの構図の時にはまだ富士山に残照があるはずだったが、西の空に雲が出たらしい。


    素晴らしい月を堪能させていただきました。

 なんとか時間に間に合うことが出来てこの素晴らしい景色を見ることが出来た。この感動的な景色は写真では現せないと思った。一緒に撮影していたカメラマンの方がおにぎりを1個分けてくれ、空腹もそのおかげで解消できた。午後6時に撤収して下山を開始したが、日没過ぎにまだ敬慎院を目指して歩いている信者さんたちが何人もいたのにはちょっと驚いた。礼拝の道なので登山道自体はたいへん整備されているが、標高差、距離とも結構あって、そう簡単に行ける場所では無いと感じた。午後8時半、無事に下山。十分に屈伸運動をして足をもみほぐし自宅に帰る。


    七面山中腹から見る甲府盆地の明かり
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夕映えの那須岳茶臼岳 姥ヶ平  平成28年10月14日

2016年10月16日 | 日本百名山
 この週も学会なるもので宇都宮に出張となった。単位取得のための講習が午前に入っており、さらにもうひとつ特別講演を拝聴して出発したのはお昼近くになってしまった。那須岳ならばロープウェイを使えばとりあえず茶臼岳山頂までは行ける。さらにこの日は十三夜の明るい月があるので、夜中に下山するのを覚悟ならば三本槍まで行けるのではないかと考えたのだが甘かった。ロープウェイ駅の遥か手前でロープウェイ待ちの交通渋滞に入ってしまう。何時にロープウェイに乗れるか全く予想がつかず、あきらめて沼原側に回り込んでみることにした。悪路と思いきや、一部が未舗装の他はきわめて良い道が沼原の駐車場まで続いていた。時間は午後1時半を過ぎており、頑張れば茶臼岳の山頂までならなんとか日没前に着けるかどうかというところだ。とりあえず行けるところまでということで出発する。


    登山道入り口のところに咲いていたハハコグサ。アキノハハコグサかと思ったが毛が少なく上部であまり枝分かれしていない。これは遅咲きのハハコグサ。


    良い道が伸びている。


    姥ヶ平を目指していたはずだが、この看板は南月山方面の道標。ここで地図とGPSを確認、どうやら違う道を来てしまったようだ。

 姥ヶ平を回って牛首に行くはずだったのだが、どうやら道を間違えたらしい。昭文社の地図ではJAふれあいの森というところから姥ヶ平方面に行く道は書かれていないが、GPSを見ると道があるらしい。ということで、この看板の裏側にある細い道をたどって草地と湿原が広がるJAふれあいの森に行ってみた。


    JAふれあいの森の草原。レンゲツツジがたくさん生えている気持ちの良い草地で、向こうには大倉山の山塊と振り返れば南月山が見える。


    水路の脇は湿原になっていた。春にはいろいろな花が咲きそうだが、鹿の糞がたくさん散乱している。

 気持ちの良い草原を進んで行くとやがて樹林帯に突入し、そこで道は消失した。GPS片手にルートを探すがそれらしきものは無く、さらに背丈以上もある笹薮に突入してしまった。枯れた沢に出くわしたのでそこを下りるが両側から笹がかぶさっている藪には変わりない。GPSで位置を確認しながら、笹の大藪をかき分け踏み付けながら最短ルートを50mほど突き進んで正規の登山道に抜け出た。服は笹の葉っぱだらけ、かなりの体力を消耗してしまった。歩いている人が居たならば、熊か何かが出てきたかとびっくりされたことだろう。まさか山梨県外の山で、しかも那須岳で藪漕ぎするとは思ってもいなかった。


    右手の笹薮を突き抜けてルートに出た。


    紅葉には早いようだが、ダケカンバは色付かずに散ってしまっている。


    三斗小屋温泉分岐の手前で那須岳の茶臼岳が見えてきた。


    ひょうたん池の分岐に到着。


    那須岳の眺望が素晴らしい。

 苦節約2時間、3時40分に姥ヶ平のひょうたん池分岐に到着した。那須岳の茶臼岳が大迫力で迫り、牛ヶ首の脇からシューシューと音を立てて噴煙が上がっているのが見える。頑張れば日没までにギリギリで茶臼岳の山頂までは行けそうだが・・・しかし、そこまで行ってしまうと一番良い日没の時間にこの素晴らしい景色が見られなくなってしまう。西の空に雲は無くこの秋晴れの空、あと1時間も待てばきっと夕焼けに染まる紅葉の斜面が見られるはず。山頂をあきらめてひょうたん池から姥ヶ平の界隈で日没を待つことにした。


    ひょうたん池から見上げる紅葉の那須岳


    ひょうたん池と紅葉の那須岳。風も無くこのうえなく素晴らしい景色、抜群の撮影条件が整った。


    茶臼岳と紅葉を映すひょうたん池


    秋晴れの抜群の風景。花見屋から写真家に戻ったような気分。


    三本槍岳方面


    ベンチがある姥ヶ平の広場


    日没が迫る茶臼岳。少し染まってきた。


    シューシューと音を立てて噴煙を上げる茶臼岳

 時間は午後4時50分を過ぎた。もうすぐ日没を迎える頃、赤い夕陽が那須岳を照らし、那須岳の岩の斜面や紅葉の木々が真っ赤に染まった。このうえない素晴らしい景色を目にすることが出来た。写真ではその美しさは表現できないように思う。


    日没間近、那須岳が真っ赤に染まった。


    夕映えの茶臼岳


    木々も赤く染まった。


    男鹿山塊に沈んで行く真っ赤な夕陽

 わずか10分ほどでこの夕焼けのショータイムは終わってしまい、日が暮れた。この時間にここに居たのは私だけだったのだが、日没後に三脚を担いだ若者がひょうたん池のほとりにやって来た。茶臼岳を越えてここまで来たそうで、撮影が終わったらまた山を越えて戻るという。凄い人がいるもんだと思ったが、同じ場所に居る私も似た者通しなのだろう。この日は十三夜の月が日没後に茶臼岳あたりに昇って来るはずだ。カシミール3Dで位置と時間を見て来なかったのだが、おそらくこのひょうたん池あたりで山頂付近に出てくるだろうと思う。冷え込んできた夕暮れ過ぎにダウンジャケットを着込んで二人で写真談義をしながら月の出を待つ。午後5時半過ぎ、牛ヶ首から立ち昇る噴煙が白く輝き出した。そして遂に月が姿を現した。


    日没過ぎの茶臼岳とひょうたん池


    牛ヶ首から立ち昇る噴煙が輝き、月が昇り始める。


    茶臼岳に現われた月。予想よりも右側から現れた。


    月と茶臼岳を映すひょうたん池。狙っていたのはこのダブルムーン。


    立ち昇る噴煙に茶臼岳の影が投影されている。

 午後6時まで粘ったところで私はこの日の撮影を止めて撤収したが、若者はまだ粘るそうでお先に失礼させてもらった。深夜まで頑張れば、今度は茶臼岳の上にオリオン座と冬の大三角形が昇って来るはずだ。その頃には月が高く昇って茶臼岳を照らし、幻想的な写真を撮ることが出来るはずだが、今日はそこまで根性が無い。月光に照らされた夜道を木の根っこにつまづいて転ばないように気を付けながらテクテクと沼原駐車場に戻った。


    三斗小屋温泉分岐の上から振り返って見る月光の茶臼山

 山頂には立てなかったが、それ以上に素晴らしい景色を眺め、写真に収めることができたと思う。花のシーズンが終わり、これからは星空を含めて写真撮影のシーズンになると思う。
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盗掘に遭ったエビネのその後 武田の杜  平成28年10月12日

2016年10月16日 | 番外編
 今年の春、開花を待たずに武田の杜遊歩道の藪の中に生えていたこの界隈でも最大級のエビネがそっくり盗掘に遭ってしまった。画像を確認してみると、ピンクのエビネが15株、白いエビネが7株花を咲かせていた。春に確認に行った時は跡形も無く消えており葉も確認できなかった。その後はいったいどうなっているのか?他のエビネも見回りながら訪れてみた。


    ヤクシソウか?


    こんな近場でシモバシラを見ることが出来るとは、新たな発見。


    ヤマハッカだと思うが、未だに区別が出来ないこの類の花。


    コウヤボウキはたくさんあるが・・・


    こっちがあるのは初めて知った。オケラ。

 藪の中に踏み込んでみると、初めて踏み込む林の中でエビネに出会うことが出来た。結構な大株もあり、種を付けている。


    初めて訪れる場所で出会ったエビネ。どんな花を咲かせるのか来年が楽しみ。


    種を付けている。あれほどたくさんの花を咲かせながらも実はそれほどたくさん付くものでは無いらしい。


    こちらは春先に見つけた株だが、小さな株はどうも実を付けないらしい。


    こちらはピンクの花を咲かせた株。小さな株もあったはずだが、実を付けているのは大株だけだ。


    こちらが問題の盗掘の被害に遭った場所。何も残っていないと思ったのだが・・・


    良く探してみると小さな葉が2枚出ていた。

 盗掘現場に行ってみると、春には発見できなかったエビネの葉が2枚出ていた。ラン科の植物であるエビネはアツモリソウと同様に共生菌と関わり合いを持ちながら成長する植物である。株が無くなると共生していたラン菌も消滅してしまい、その場所に再び生えることは困難になってしまう。しかし、このように葉が残っているということはラン菌の活性も残っているということであり、うまくすれば再生が出来るかも知れない。しかしそれも5年から10年がかりでの再生になるだろう。ひとまず少しでも葉が残っていてくれたのは不幸中の幸いである。

 夕暮れ間近、富士山を見ると雲の中に山頂付近が浮かんでいた。展望台まで行って甲府盆地の夜景とともに撮影を試みるが、残念ながらその頃には雲の中に隠れてしまった。


    甲府盆地の夜景と月。


    日没の頃は雲の中に頭だけ出していた富士山だったが、この頃にはもう雲に隠れてしまった。


    それにしても、甲府盆地の夜景は美しい・・・と思う。
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秋の四阿山へ  平成28年10月11日

2016年10月16日 | 日本百名山
 学会と10月連休を利用して北アルプスの山に星撮りに出掛ける予定を立てていたのだが、残念ながら連休の天候は思わしくなく星が出てくれそうもない。そこで予定変更して山梨に戻る途中で四阿山に立ち寄ってみることにした。10月9日、一旦は菅平牧場の駐車場まで行ったのだが、山の上は真っ黒な雲におおわれていて今にも降り出しそうな雰囲気だ。しかも時間はもう11時になる。突然の予定変更で地図も持って来ていないので、コース状況を聞くために群馬のお嬢様のところに電話すると、本日は東北遠征から帰宅して自宅休憩中との事。四阿山は根子岳周回して6時間ほどの行程らしい。順調に歩いて下山は午後5時か6時ごろになるが、この空模様では途中でどうなるかわからない。この日はあきらめて、群馬のお嬢様のところに立ち寄らせていただき、ガスト山に行くことに変更し、ご馳走してもらったうえにおみやげまでいただいて山梨に戻る事となった。

 翌日の10日も天候いまいちで1日中自宅で寝て過ごし、天候回復した11日、再び四阿山を訪れた。前日寝すぎた事もあって早朝4時に目が覚め、菅平牧場駐車場には6時半に到着した。7時に出発、牧場の草原に朝日が差し込んで気持ちが良い。


    朝7時、人気の山だけあって既に駐車場は8割埋まっている。


    朝日が昇る。


    草原に朝日が差し込み気持ち良い。


    ノコンギクがいっぱい。


    ここから入山し、まずは四阿山山頂を目指す。


    沢を渡る。


    これはクルマバソウか? 沢沿いに群生。


    イワカガミがいっぱい。この先も葉っぱだけたくさんあった。


    笹の中の道を登る。


    笹に埋もれて種になったヤナギラン。

 美しいシラカバの森を抜けると視野が開けて浅間山から湯の丸の山塊が見えるようになってきた。しかし残念ながらこの日は雲がかかってしまい、山容は見えなかった。登って行くと、ガンコウランやコケモモが生える岩の間から突然オコジョが姿を現した。カメラを構えようとした途端に岩の中に隠れてしまい撮影はならなかった。この時に私の前を歩いていた男性もこのオコジョを目撃し、その後はずっとこの方と一緒に四阿山、根子岳と行動を共にすることとなった。地元の方でこの山域にはたいへん詳しく、すっかりガイドをしていただく形となった。


    浅間山の山塊が見え出したが雲がかかってしまった。


    向こうがこれから登る四阿山(右の奥)と根子岳(左)。まだ結構遠い。


    マツムシソウ


    これはショウジョウバカマか?あるいはネバリノギランか?


    紅葉したイワカガミ。


    ガンコウランの実


    ミツバオウレン


    ほとんど咲き終えてしまっているが、この山はマツムシソウがいっぱい。


    紅葉していればきっと素晴らしい景色だっただろうが、シラカバは色付かずに散ってしまっている。


    山頂付近は木道の階段になっていた。ガスっているうえに風が強い。


    四阿山山頂。人がいっぱいで食事は少し戻った広場でとる。

 途中から案内をしてくださった地元の方はCanon Eos80Dを購入されたばかりだそうで、見せてもらうと操作性はほとんど私の持っているEos7Dと変わらない。絞りの話や星撮りの話をしていると時間の経つのも忘れてすっかり話し込んでしまった。四阿山に登るならば滝のある裏側の米子瀑布側から登ってみたいと思っていたのだが、この方はそちら側のルートにもとても詳しく、神社があってかつては硫黄の採掘を行っていたこと、診療所があったことなど教えていただいた。そちらのルートは1日で歩くには距離が長いので、もし歩くならば根子岳の避難小屋を利用させてもらうことになるだろう。沢沿いを登るルートなので、こちら側とはまた違う植生が楽しめるのではないかと思う。

 昼食をとった後に根子岳に向かうが、ここからは樹林帯の中の急下りになっていた。そしてまた登り返し、急登では無いが結構辛い。


    四阿山から見る根子岳。右手に浮かんでいるのは妙高・火打ヶ岳だと思う。


    一瞬だけ雲海に浮かんだ北アルプスの山並を見ることが出来た。


    コルから振り返って見る四阿山(左側が山頂)。


    根子岳への登り。結構辛い。


    面白い堆積岩から出来ている根子岳山頂付近の岩。


    層状になった大岩が露出している。


    岩に着いているのは枯れてしまっているが、おそらくダイモンジソウ。


    崩落地を見下ろす。


    米子瀑布の谷に雲海が広がった。遠く見える三角錐は志賀高原の笠岳。


    根子岳山頂

 根子岳山頂で休憩し、米子瀑布側のルートを確認する。霧で霞んで眺望は得られなかったが、天気が良ければ北アルプスの山並がずらりと見えるはずだ。きっと星の撮影にも抜群の場所なのだろう。


    ガンコウランがいっぱい。あっちに北アルプスが見えるはずなのだが・・・。


    ここにもヤナギランがいっぱい。


    上では枯れていたが、牧場付近ではまだ咲いていたリンドウ。


    タチフウロ?アサマフウロ?

 8時間かけてゆったりペースで四阿山・根子岳を周回した。案内していただいた地元の男性(名前を伺うのを忘れてしまいました)のおかげであまり疲れることも無く会話を楽しみながら存分にこの山を楽しむことが出来た。

 この山の界隈はニホンカモシカが生息しているそうで、そのためニホンジカが少なく食害にはあまり遭っていないように見受けられる。ニホンジカの好物のヤナギランやマツムシソウが多く見られるのはそのためであろうが、気になるのは笹がだいぶはびこってしまってきていることだ。地球温暖化とともにこれから増殖してくる植物は笹ではないかと予想している。根をはびこらせて増殖する笹は刈ってもすぐに生えてくるので今後は鹿以上に手強くなってくるのではないかと考えられる。



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今年の紅葉はいまひとつ 草津白根山  平成28年10月7日

2016年10月12日 | 日本百名山
 長野市で学会なるものが開催されて参加してきたが、折角の好天なのに学会会場に1日中居るのはとてもではないが耐えられない。午前中の講演を聴講してから短時間で登れそうな草津白根山を訪れてみた。この山は現在有毒ガス発生の危険があるため、芳ヶ平方面の入山は規制されており、ロープウェイ山頂付近にある弓池やその界隈の駐車場も駐車禁止となっている。さらに志賀高原から白根山を越えて草津に抜ける草津白根道路も交通規制があり、夕方5時以降は通行できなくなっている。従って簡単に登るには白根火山ロープウェイを使うのがいちばん手っ取り早く、1周するだけならば3時間もあれば十分である。しかし、それではちょっと物足りないので下りはロープウェイを使わずに富貴原ノ池を回って山麓駅に戻るコースをとることにした。


    白根火山ロープウェイさんろく駅。一気にこれで標高2,020mまで昇る。


    右手に見える芳ヶ原方面は入山禁止。


    現在地からコマクサ畑、中央火口を経て左回りに展望所、鏡池に至るルートを歩く。


    向こうに見えるスキー場の裏側に回り込むように進む。


    スキー場のリフト。ここを右に進む。


    あちらに見えるのは横手山方面。


    整備の行き届いた登山道の脇にはいろいろな高山植物が咲く。赤い実をつけたゴゼンタチバナ。


    紅葉し始めた葉もある。


    群生しているこの葉は?


    どうやらシラタマノキ。


    おそらくイワカガミの葉。このルートはあちらこちらに群生している。


    ひと登りすると中央火口に到着。向こうに見える岩の上が展望所。


    コマクサはこの斜面に咲くらしい。


    ツツジの紅葉と中央火口


    ミネズオウ、コケモモ、ガンコウランが一緒に生えている。


    展望所付近は整備された階段になっている。


    展望所到着。山頂ではないが、どうやらここで日本百名山を登ったことにしているらしい。


    展望所の方位版。正面に見える三角錐は鼻曲山と浅間隠山、右手の山塊は湯の丸・烏帽子岳らしい。山梨県外に出ると全く山の同定が出来ず。

 ロープウェイ山頂駅から1時間とかからずに展望所に到着したが、出発時間が遅かっただけに早目の下山しないと午後5時の通行規制時間に間に合わなくなるかもしれず、ここは休憩せずに鏡池まで進むことにする。少し進むと右下に透明度の高い鏡池が見えてきた。池のほとりで一休みする。


    鏡池が見えたきた。


    鏡池のほとり。池に映る紅葉を期待していたが、今年はあまり染まらずに散ってしまったようだ。


    透明度が高く、対岸の景色を綺麗に映す鏡池。PLフィルター使用。

 鏡池で存分に写真を撮りながら20分ほど休憩して出発する。コイワカガミの大群落を横目で見ながら道を進むと、ロープウェイ山頂駅と富貴原ノ池の分岐に出た。荒れた道かと思いきや、富貴原ノ池に至るルートは笹が刈り払われたばかりの綺麗な道になっていた。


    分岐点。ここを富貴原ノ池経由殺生方面に進む。


    富貴原ノ池が見えてきた。こちら側も紅葉はいまいちで、シラカバが色付かずに散ってしまっている。


    富貴原ノ池


    富貴原ノ池、別角度から。

 富貴原ノ池に3時に到着した。このルートは全く人がおらず、至って静かなルートだった。4時半までには楽勝で山麓駅に到着できそうなので、ここで30分ほど大休憩する。富貴原ノ池は水草が生えたとても良い雰囲気の池だが、池のほとりまで近付けないのが残念である。


    笹原とシラカバの林。下に見えるのは草津温泉。


    殺生河原が見えてきた。


    硫黄の臭いがする。この場所は立ち止まり禁止になっている。


    これにて1周。

 4時20分に山麓駅に到着した。ロープウェイ駅の情報では1週4時間の行程と聞いていたが、2つの池で三脚を出して撮影に時間を費やしたので、約4時間半の行程となった。紅葉していればおそらくあと30分は余計に時間がかかたであろうが、今年は夏の暑い時期が長かったうえに台風がいくつかやって来たために紅葉はいまひとつのようだ。あまり登った気はしないのだが、日本百名山をひとつゲットした。

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初見の花 細葉のツルリンドウ  平成28年10月5日

2016年10月06日 | 花・花・花
 台風はどこへやら? 雨の予報が変わって曇り時々晴れになった山梨県。夕方までは天候持ちそうなので、保護柵が設置されて2年目になる草原に出かけてみたがそちらの花はほぼ終わっていた。


    山梨県北東部にある草原。保護柵が設置されて2年、ボランティアを募って毎年保護活動、清掃活動が行われている。


    咲き残っていたマツムシソウ。


    リンドウが満開


    ノハラアザミ?


    最後の花を惜しむかのように活発に吸蜜しているウラナミシジミ。


    ヤマハハコの群落


    もう終わってしまっているが、タムラソウの花束になった群落。


    折角の景色なのに、あっちの鉄塔はちょっと邪魔に思える。


    ススキとノコンギク。晴れていれば向こうに富士山が見えたはず。


    この川沿いにはクリンソウが咲く。


    何だかわからないアザミが1本。セイタカトウヒレンかと思ったが葉の形がちょっと違う。


    それと茎にヒレが付いていない。これは何??

 草むらの中をブラブラ散策していると、うーさんから連絡が入る。調査をお願いした山域で目的の花を探しあてたらしい。電話で聞いてみると、想定していた場所とは全く別のところだった。車を飛ばして教えてもらった場所に移動して探してみると、さほど広く無い場所に数本固まって咲いていた。周辺を探したがあったのはこの場所だけだ。広大な敷地の中で良く見つけたものだ。


    ススキの茎に巻きついていた細葉のツルリンドウ。


    この株はもう終わってしまっている。


    日当たりの悪い場所にはまだ新鮮な株が残っていた。


    美しいとは言えないかも知れないが、味わいのある花。


    こう見えても絶滅危惧種。なかなか見つからない。


    ススキの葉に絡んだだけで倒れてしまいそうな株もある。知らなければ簡単に踏まれてしまいそうだ。

 この細葉のツルリンドウはラン科の植物と同様に、生育するには根生菌との共生が必要らしく、移植したり他の場所に種を蒔いて増やしたりするのが困難な植物である。踏まれたり刈られたりしないで、このままそっと咲き続けて欲しいと願う。

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コウシュウか、タカオか? 勉強中のヒゴタイの花  平成28年10月2日

2016年10月03日 | 花・花・花
 この2種類のヒゴタイは単に葉っぱに切れ込みがあるかどうかの違いだけなのか? まだ私には全く区別が出来ないコウシュウヒゴタイとタカオヒゴタイ。一昨年訪れた某山梨百名山の山頂付近にタカオヒゴタイらしきバイオリン型の葉をしたヒゴタイを見かけたが、花の時期とはずれていたために開花した花はまだ見ていない。果たしてそこに咲いているのはどっちなのか?確認のため、そして自分自身の勉強のために見に行ってみることにした。


    途中はヒノキの植林帯。単調でやや急な登りが続く。


    途中に生えている大きな御神木。ミズナラ?


    植林帯の林床に生えていたガンクビソウ。おそらくどこかで会っているのだろうが、改めてじっくり見るのは初めて。


    見つかったのはこの1株だけ。できれば大きなほうを見てみたい。


    こんな花も咲いている。


    秋ノハハコグサ。山梨県では絶滅危惧種DD類(情報不足)に分類されている。あまり見かけることが無い花。


    遅咲きのハハコグサもあるのだが、この花は何本にも枝分かれして花を咲かせるのが特徴。


    花期を既に過ぎており大部分が散った後だった。もうすぐ散りそうな花。


 3時間近くかかってようやく山頂に到着した。一時青空が見えた時間もあったが、山頂付近には霧が巻いていた。探し物を見に行くと、時既に遅く大部分はもう散ってしまっている。葉はかなりたくさん見られるが咲いた花は少ないようだ。なんとか散る直前の花を1本と真っ盛りの花を1本見つけることが出来た。


    時既に遅し。もうほとんどが散った後。


    こちらも散ってしまっている。


    葉っぱに注目。この葉はバイオリン型をしている。


    しかしこちらはハート形が主。


    葉の裏側は白みを帯びている。


    散る直前の花を発見。葉はバイオリン型。


    こちらはまだ新鮮な花。下の葉に深い切れ込みがあるもののバイオリン型とまでは言えない。

 さて、ではここに咲いているのはタカオヒゴタイなのか、コウシュウヒゴタイなのか?ネットで調べる限りではタカオヒゴタイの葉はバイオリン型に切れ込んでいてコウシュウのほうは切れ込みが無いように書かれている。私の持っている図鑑で調べると、コウシュウヒゴタイの葉は先端が尖っていて基部は鉾型と書かれている。そもそもこの鉾型という記載があいまいで、どの程度までが鉾型でどこからがバイオリン型なのか、そこがわからずにこの2種類の花の区別が出来ないでいる。ここの場所には切れ込んでいる葉もあれば切れ込んでいない葉もあって、同じ場所なので両方が混在しているとは考えにくい。

 さらに別の図鑑を開いてみると、かなり決定的な違いが書かれていた。それは両者の総苞(花を束ねている部分)の違いである。

 ・コウシュウヒゴタイの総苞は鐘形。総苞片は6列、革質、披針形で先は鋭くとがり、中ほどから開出する。

 ・タカオヒゴタイの総苞は鐘型で長さ1.7~1.8センチ、密にクモ毛があり、総苞片は7列、先は鋭くとがる。

 総苞片の6列か7列かの違いはどのように数えれば良いのか良くわからないが、決定的な違いはクモ毛が有るか無いかの違いらしい。そのような目で改めて今回撮影してきた花の総苞を見てみることにする。


    散りそうな花の総苞に注目。少し痛んではいるがクモ毛は無さそうだ。


    新鮮な花のほうの総苞。やはりクモ毛は生えていない。

 もしこの方法で確実に両者の鑑別が出来るのであれば、ここに生えているヒゴタイはコウシュウヒゴタイ(山梨県では絶滅危惧種Ⅰa類)ということになる。そして先週見た山中湖界隈の草地で発見したものもコウシュウヒゴタイということになる。

 しかし、本当にこの方法でこの2者が区別できるのかどうか疑問が無きにしもあらずであり、もう少し図鑑や文献を調べてみないと結論に至るには早いのではないかと思っている。他の山に咲くヒゴタイの仲間もいろいろ見て回らないと全く確信は持てず、結論はまだ出さなくても良いのではないかと思っている。スミレ同様にまだ観察し始めたばかりのアザミの仲間、じっくりと見て行きたいと思う。


    おまけのコウヤボウキ。


    姥ちゃん、本当はどっちなの??
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クサノオウの葉野菊  平成28年10月1日

2016年10月02日 | 花・花・花
 静岡の山では何度か見に出かけているクサノオウの葉をした小さな野菊だが、山梨県では限られた場所にわずかに生育しているのみで、出会うのは難しいかと思っていた。わずかな情報を手掛かりにうーさんに調査をお願いしたところ、見事に探し出してきてくれた。時期的に少し遅いであろうが是非とも見ておきたい花、天候が思わしくなかったが会いに行ってみた。


    霧に巻かれた森。秋雨前線の影響で梅雨時よりも天候の悪い日が多い。

 まずは普通の登山道を登り、そこから支脈の沢を登る。このクサノオウの葉野菊は苔の生えた岩の上を好んで生育していて、沢沿いの苔生した岩は要チェックである。1本目の沢は空振り、尾根を越えて隣の沢を覗き込んだがそこにもいない。


    登山道沿いに咲いていたトリカブト


    コウモリソウ


    ダイモンジソウ。満開を少し過ぎていて痛み始めたものが多かった。


    高度的にミヤマダイモンジソウかと思ったが茎に毛が生えている。


    ここにも1本だけセイタカトウヒレン。


    茎にヒレが付いているのが特徴。


    シラネニンジン(だと思う)


    こんな苔の生えた岩の上に居ると思うのだが・・・

 見つからないので登山道に一旦戻って先に進んで別の沢に入ってみると、ようやく出会うことが出来た。時期的に少し遅く、大部分は花が散って白い綿毛になってしまっている。


    数本目の沢でようやく出会えた。


    大部分白い綿毛になってしまっている。


    固まって咲いている場所もあった。


    少しだけ咲き残っていた株。


    同上


    花


    実

 限られた場所にしか生育していなかったが、思っていたよりも多くの花に出会うことができた。

 来たついでに気になっていた草地にも立ち寄った。8年くらい前の夏に立ち寄った時にはコウリンカやアザミの花が咲くお花畑だった記憶がある。特に初めてここで見たコウリンカの花は宇宙から降って来た星のように不思議で美しい花だった記憶がある。


    草地に咲き残っていたアキノキリンソウ。


    咲き終わったマルバタケブキ。時期的なこともあるがアザミはほとんど見当たらず、荒れた草地に変わっている。


    一輪だけ咲き残っていたアザミ。茎に毛が生えており、ノハラアザミか?

 予想はしていたが、草地は荒れたカヤト野原に変わり果て、マルバタケブキがはびこり始めていた。元々はきっとお花畑になっていたのだろうが、ここもまた鹿の食害で変わり果てており、いずれはマルバタケブキのお花畑に変わってしまうのではないだろうか?クサノオウの葉野菊はあまり食害を受けないような環境の場所に生育しているので、このまま咲き続けてくれることを願う。


    森の中で1輪だけ発見したアザミの仲間。これはヤハズヒゴタイか?

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