山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

チョウジタデとウスゲチョウジタデ再探索  令和3年9月27日

2021年09月29日 | 里に咲く花
 チョウジタデもウスゲチョウジタデも山梨県ではさほどたくさん見かける代物では無く、特にウスゲチョウジタデは環境省の絶滅危惧種になっている。先日のミズアオイが咲く河川域で見たものがウスゲチョウジタデなのかどうか気になっていたが、花が終わってしまった時期のほうが判別し易いことがあるようである。

 ひとつはチョウジタデ(Aとする)が紅葉するのに対してウスゲチョウジタデ(Bとする)は紅葉しないこと。種を見るとAが赤っぽいのに対してBはあまり染まらない。
 さらに、種を見るとAは表面がデコボコしているがBはあまりデコボコが無いこと、Bは種に薄毛が生えていること。
 そして決定的な違いは雄しべの根元にAは毛が生えていないがBは毛が生えていて、これは花が散った後のほうが見分けやすいこと。

など、この時期でこそ見分けやすい特徴がいくつかあるようである。これはもう一度見に行ってみるしかないだろう。まずはウスゲチョウジタデと思わしきものが生育する場所を訪れる。


    さすがにミズアオイは終盤である。


    咲き残りのミズアオイ


    前回見つけたウスゲチョウジタデと思わしき株はもう枯れている。葉は紅葉していないようである。


    種もほぼ緑色である。


    細かい毛が生えており凹凸はあまり目立たない。


    別株。これはまだ葉が青々としており紅葉はしていない。


    種は若干赤みを帯びている。やはり細かい毛があり、表面の凹凸は目立たない。


    花床はどうだろうか?これは薄毛が生えていると言えるのかどうか?枯れ過ぎている。


    もう少し青々としたものがあった。わずかではあるが花床に白い毛が生えている。


    次にチョウジタデが生育している河川に移動する。川岸はアレチウリで覆いつくされている。


    アメリカミズキンバイももう終盤である。


    アメリカミズキンバイの花。チョウジタデに比べると花が大型で4弁である。


    種には明瞭な稜が入る。


    小型だがチョウジタデを発見。個体数は少ない。葉は枯れかけて紅葉している。


    種は赤茶色である。


    花床はどうであろうか?風に揺れて不鮮明だが、毛は無さそうである。


    大き目の別株を発見。


    種は赤茶色。葉は一部紅葉している。


    種の表面はわずかに毛が生えているように見える。表面の凹凸が明瞭である。


    花床はどうであろうか?今度は綺麗に撮影出来た。毛は生えていない。

 以上のことから、最初の場所のものはウスゲチョウジタデ、後から訪問した場所のものはチョウジタデとみて間違いないのではないかと思う。来年はしっかりと花を確認したい。

 左がウスゲチョウジタデ、右がチョウジタデ




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これはテバコワラビなのか? 甘利山・大笹池探索  令和3年9月24日

2021年09月29日 | 山に咲く花
 前日も甘利山に行こうとして甘利山線の登り道を愛車で走っていると、またしてもオーバーヒートランプが点灯してしまった。すぐに道路脇のスペースに車を止めて、ボンネットを開けてみると冷却水が沸騰してあふれ出している。先日もオーバーヒートしたばかりで、どうやら単純に冷却水の不足では無いようである。かかりつけの車屋さんに電話して翌日点検と修理をお願いする。本日は代車を借りての訪問である。

 甘利山と大笹池は6月に訪問した際にテバコワラビと思わしきシダを発見した。まだソーラスが付着しておらず確信が持てなかったのだが、時期的にそろそろ付いている頃ではないかと思う。お昼近くの遅めのスタートとなったが、さほど距離は無いのでゆっくり歩いても十分に日没には間に合うはずである。


    ゴマナが満開。


    甘利山山頂付近のレンゲツツジが少し紅葉している。


    雲の上に頭を出す富士山


    トリカブトが咲いている。


    花柄を見てみると屈毛が生えている。南アルプスなのでこれはキタザワブシになるのであろうか?


    別の場所のトリカブト。葉はほぼ3全裂している。


    花茎を見るとこれは直毛(腺毛)が生えている。直毛のトリカブト属は少なく、これはホソバトリカブトになるのか??


    花の上部が前向きに倒れ気味になるこの形はヤマトリカブトのようである。トリカブトの仲間は難し過ぎる。


    大笹池に到着。ここで昼食をとって休憩。神秘的な池だが、目ぼしい水生植物は見当たらない。

 大笹池からは別ルートを歩いて周回して甘利山に戻った。山頂付近の草地、特に保護柵の中はヤマハハコやノコンギク、マツムシソウなど様々な秋の花が生育しているのだが、残念ながら柵のネットに遮られて写真撮影はままならず、せっかく保護柵設置して植生が戻ってきたのに見られないのはもったいない気がする。


    オヤマリンドウ。夕方近くなり花は閉じてしまっている。


    ヤマラッキョウ。後ろは千頭星山。


    秋の草地を代表するアザミ、ノハラアザミ。


    総苞片は粘らない。


    甘利山道路脇で良く見かけるアザミ。


    トネアザミと思われる。


    こんな黄色い花も数本見かけた。


    ヤナギタンポポだろう。


    さて、これが問題のテバコワラビと思わしきシダである。


    葉質は柔らかい。この倍くらいの大きさにはなるはずであるが、小さな個体しか見つからず。


    どれを見ても裏側にソーラスが付いているものは見当たらなかった。


    裂片の形はテバコワラビに良く似ている。


    根元の鱗片はわずかに付着するのみで、これもテバコワラビに似ている。

 おそらくはテバコワラビと思うのだが、球形のソーラスが付着しているのを確認しないとどうにも確信は持てない。テバコワラビは山梨県で確認されているのはほんの数ヶ所で、鹿の食害や笹に飲まれて絶滅に近い状態になってしまっている貴重なシダである。来年また見に来てみたいと思う。

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ヒメマツカサススキその後  令和3年9月21日

2021年09月27日 | 水辺に咲く花
 今年になってようやく見つけたヒメマツカサススキであるが、撮影してきた画像がいまひとつズームが足りず、詳細な部分が分かり難い。1株は岸から近い位置にあったので、その株ならばもっとアップした画像が撮れるのではないかと再訪してみる。


    池を覗き込んでビックリ!ヒツジグサがたくさん咲いている。


    何個も並んで咲いている。昨年よりもだいぶ花数が多い。


    2つ並んで咲いた花


    この視野で3つ咲いている。


    9月に入ってから見ごろを迎えるようである。


    こちらはヒルムシロの仲間の群落。だいぶ葉が増えていた。


    もう花が散っているようである。


    ヒメマツカサススキが見当たらない、と思ったら倒れていた。発見時は1株だけだったが、3~4株あるようだ。


    残念ながら良い状態での撮影は出来なかった。


    池のほとりに咲いていた花


    葉が茎を抱いており、アキノウナギツカミと思われる。


    アケボノソウも見ごろを迎えていた。


    美しいアケボノソウの花


    別の池を訪問してみる。


    ヒメマツカサススキ。


    1140㎜超望遠で撮影。花が咲いているようである。


    もう1株のヒメマツカサススキ


    こちらはもう結実しているようである。


    それほど珍しいものでは無いはずだが、久しぶりに見ると新鮮に見える。


    メナモミの花


    こちらはアメリカセンダングサ。

 綺麗な画像を撮りたかったのでフルサイズのEosRPを持って行ったが、RAWで撮影したつもりが全てJPEG画像だった。久しぶりに使ったので設定を間違えてしまったようである。画像の調整はいまひとつだがそれなりに良い画像が撮れたので、これで良しとしよう。

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ミズアオイを再訪する  令和3年9月21日

2021年09月27日 | 水辺に咲く花
 1週間ほど前に満開の見ごろを迎えていたミズアオイは、再訪してもそろそろ終わりかけている頃であろう。しかし、この場所にはミズアオイとヒシの他にもう1種類、貴重な植物が生育しているらしい。果たして見つかるかどうか?


    こちらはヒシ。


    川底から長い茎を出して水の上に浮かんでいる様子が分かる。


    花と種は見えない。


    ミズアオイはまだ残ってはいるものの、だいぶ痛んでいる。


    咲き残りのミズアオイ


    まだ綺麗な花も残っていた。


    ミズアオイの花


    アメリカミズキンバイもそろそろ終盤である。


    探していたのはこれではないだろうか?


    残念ながら花は散ってしまっている。


    さて、これはチョウジタデなのか、それともウスゲチョウジタデ?


    別株。これは少し大株。


    ウスゲというからには、茎や葉に毛が生えているのではないか?と思ったが、そうでは無いようである。


    花の花床に毛が生えているらしい。トリーミングした画像を見ると、少し毛が生えているように見えなくもない。

 花が終わってしまっていて確信は持てないのだが、この河川周辺に生えているのはウスゲチョウジタデの可能性が高いのではないかと思っている。花筒や茎にも薄毛が生えているらしいがチョウジタデとの最大の違いは雄しべ付け根部分の花床に毛が生えているかどうかの違いらしい。今回は勉強不足でそこまでは観察して来なかった。花は終わってしまっているので来年に持ち越しである。
    
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恒例のスルガジョウロウホトトギス散策  令和3年9月20日

2021年09月23日 | 渓谷
 毎年の恒例となっている県南部に生育するスルガジョウロウホトトギスの散策である。予定では18日だったのだが雨だったため2日延長してこの日に行くこととなった。参加者が少なく、私の車1台に同乗して林道を進むが、途中でアクシデント発生、オーバーヒートランプが点灯してしまった。事故を除けば12年間乗っていて初めてのトラブルである。林道脇のスペースに車を止めてボンネットを開けてみると、冷却水が沸騰してボコボコ泡が湧いている。車をその場において散策に出かけるが、無事に帰れるのかどうか???


    例年と変わらずに咲いていたシラヒゲソウ


    シラヒゲソウ


    川岸の岩壁に咲くホトトギスは土砂が流出したのか、激減している。


    川沿いに咲くホトトギス


    イヌチャセンシダ


    カラクサシダ。今年は数が多い。


    ほころび始めたばかりのジンジソウ


    今回のお目当ての花のひとつ、タテヤマギク。


    この草地には群生していた。


    目的のスルガジョウロウホトトギス


    1ヶ所目は既に結実していた。


    渓谷の支脈を登る。枯れていることが多いが、雨の後で水が流れている。


    2ヶ所目のスルガジョウロウホトトギス。例年通りにたくさん咲いている。


    訪問時期も良かったようである。


    岩壁に垂れ下がるこの姿が美しい。

 さて、例年ならば別の急峻な谷を登ってこの界隈では最大と思われる生育地を見に行くのだが、帰りの車が心配なのであまり時間をかけてはいられない。最悪の場合は電波が届くところまで林道を歩いて戻り、JAFを呼ばなければならないかも知れない。いつも訪問する生育地は行かずにまだ見ていない別の谷に尾根を越えて入ってみることにする。


    尾根を越えて谷を見下ろす。急斜面で谷の中へは降りられない。


    双眼鏡で覗き込んでみるとそれらしき葉はあるが花は確認出来ない。


    トリーミング画像。葉に少し光沢があり毛は生えていなそうである。たぶんこの葉はスルガジョウロウホトトギスであろう。

 谷には下りられなかったがそれらしき葉があるのは確認した。おそらくこちらの谷にも生育しているのであろう。

 さて、車は走ってくれるのだろうか?戻ってボンネットを開けてみると、冷却水の水がだいぶ少なくなっていた。とりあえずは川の水を汲んで足してみる。エンジンをかけてみると普通にかかった。当初はファンベルトの故障ではないかと思ったのだが、ファンは普通に回っている。どうやら単純に冷却水が無くなっただけのようである。無事に林道を脱出し、難無く高速を使って甲府まで戻ることが出来た。早めに車両点検に出さねば、と思う。

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スルガジョウロウホトトギス探索  令和3年9月19日

2021年09月22日 | 山に咲く花
 山梨県県南部の渓谷に咲くスルガジョウロウホトトギスであるが、いつも観察に訪れている渓谷とは別の場所で見かけたという情報が昨年秋に舞い込んできた。個体数は少ないらしいが、以外にも一般の登山道沿いに生えていたらしい。何度か歩いたことがある登山道なので、この花の生育している環境からみてある程度生育していそうな場所は予測できる。念のため30mザイルを持って探索に出かけてみる。


    登山道の脇に生えていたヒカゲノカズラだが、ちょっと感じが違う。


    胞子穂にほとんど柄が無い。これはエゾヒカゲノカズラであろう。もっと標高の高いところに生育していると思っていたがそうでも無いようだ。


    橋の上に生えていたシラネニンジン


    前日の雨で水量が多めである。


    沢の中の探索は無理しないように歩くことにする。


    登山道を外れた沢沿いから岩壁を覗き込んでみる。黄色い花がぶら下がっている。


    居た。スルガジョウロウホトトギスだ。


    別株。花を付けていない個体を含めても数は10株に満たない。


    570㎜望遠レンズとエクステンダーを持って行ったのが役に立った。


    咲き始めのイワシャジン


    こちらは普通のホトトギス

 発見したスルガジョウロウホトトギスは、登山道沿いではあるが角度的に登山道からでは見えない場所に生育していた。だから長い間人目に触れることが無かったのであろう。ここにあるのならば、周辺の支脈を探せばあるのではないだろうか?


    急峻な支脈は登れそうも無く、滝を巻いて越えたがその先もずっと急傾斜の谷が続く。


    対岸を双眼鏡で覗き込んでみる。黄色い花がぶら下がっている。


    ここにもスルガジョウロウホトトギスが咲いていた。


    固まって咲いてはいないが、そこそこに個体数はありそうである。


    岩壁からぶら下がる貴婦人スルガジョウロウホトトギス


    新産地の発見である。


    少しばかり感動した。


    急斜面を谷に下りて、唯一接近出来た花。


    下から拝見。


    イワシャジンも咲いていた。

 登山道に戻ってさらに支脈を何本か見てみたが発見出来ず。急傾斜で登れそうもない谷が多い。さらに登山道を上に進んでみる。


    オオハナワラビ


    カラクサシダ


    花が散った後のトンボソウ


    わずかに残っていたトンボソウの花


    この先は標高が高くなり、おそらく生育していないだろう。ここまでで撤退する。

 古い神奈川県の文献にはこの山にもスルガジョウロウホトトギスが生育していたという記録が残っている。おそらくは廃道になっている登山道沿いでは無いかと思っていたのだが、まさかの一般の登山道沿いに生育していた。廃道になった登山道沿いにも生育しているかも知れないが、なかなかその道を登る勇気が出ない。今年はもう無理であろうが、いつかそちら側も探索してみたいと思う。ひとまずは新産地の発見である。

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ミヤマウラジロ(イノモトソウ科)

2021年09月14日 | シダ類
 石垣などの割れ目を好んで生育する夏緑性のシダである。根茎は太く短く斜上し、葉を叢生する。葉は長さ20 ~ 40㎝、葉柄は紫褐色の針金状で折れやすい。葉面の表は淡緑色の草質、裏は淡い白色を帯びている。葉身は広被針形、2 回羽状複葉。胞子嚢群は羽片の縁が裏面に折れ、ほとんど隙間無く着く。石灰岩質の岩を好むが、石灰岩地が少ない山梨県ではそうでは無い場所にも生育している。新たに御坂山系での生育が確認された。

 2018年山梨県カテゴリー : 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ミヤマウラジロ 令和3年9月 御坂山系で撮影


    同上


    裏側は白粉を付けて白色を帯びている。


    ソーラスは葉の辺縁が裏側に折れて付着する。


    茎は紫褐色の針金状で、時に白粉が付着する。

 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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パラダイス!ミズアオイを発見  令和3年9月13日

2021年09月14日 | 水辺に咲く花
 昨年から情報を集めつつ何度かそれらしき場所を散策して探していたミズアオイであるが、未だに発見するには至っていなかった。しかし、生育環境から見て、今年発見したヒシが発生している滞留河川の周辺が最も生育している可能性が高いと見ている。午後の空き時間を使って探索に行こうと思っていたのだが、忘れ物をして一旦自宅戻ったために午後2時ごろからの探索となってしまった。


    GPS片手に、ヒシが大発生しているこの滞留河川の周辺とその支脈を探索してみる。


    川幅が広くなっているところがあった。重機のベルト痕があり、どうやら重機で草を撤去したようである。


    草が倒れている。しかし、その中に青い花が咲いているのを発見した。


    あった!探していたミズアオイだ。


    しかし踏み倒された後のようで、花や葉はだいぶ痛んでいる。


    それなりに数はあったようであるが、残念ながら咲いた花はわずかだった。

 写真を撮っていると、草刈りをしていた地元の農家の方が話しかけてきた。もともとはもっと川幅が狭かったらしいが、護岸工事で1.5倍くらいに拡張したそうである。もともとは地元の人たちが水草を刈っていたが川が深くなって草刈りが大変になり、最近は県の土木課のほうで重機を使って草刈りをしてもらっているそうである。ミズアオイのことは知らなかったが、もっと先のほうには草刈りされていない場所があると教えてくれた。さらに先に進んで探してみる。


    ここにもヒシがそれなりに生育していた。ヒシの花はあまり咲いていなかった。


    アメリカミズキンバイはたくさんある。


    ヒシに紛れて、ミズアオイが数株生育している。


    ミズアオイ。あまり個体数は無さそうだ、とこの時は思った。


    ミズアオイの花


    超望遠レンズで花を撮影しているとシオカラトンボが花に止まった。


    さらにその先へ行ってみる。この時、レンズに汚れが付いていたのに全く気付かずその後も撮影を続けてしまった。


    クワイの群生


    先に進むと、突然ミズアオイの群落が現れた。しかしレンズの汚れが・・・。


    たくさん咲いていたミズアオイ。これほどの群落に出会えるとは感動である。


    もう1本のマクロレンズで撮影しておいて良かった。


    ミズアオイの花


    ちょうど満開。美しい。


    その先にも結構咲いている。


    やっと出会えた、ミズアオイの花。


    さらにそのずっと先まで、川幅が細くなってもまだずっと咲いていたミズアオイ。パラダイス。


    日没が迫る中、花を堪能しながら、大満足して川の反対岸を歩いて戻って来た。

 これほどたくさんのミズアオイに出会えるとは思ってもいなかった。最初の清除後の川の中を見て、今年はもはや終わったかと思っていたのだが、諦めずに探してみるものである。あるところにはあるのだということが分かったミズアオイだった。

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甲府市郊外の河川敷散策  令和3年9月12日

2021年09月13日 | 水辺に咲く花
 9月の週末はコロナワクチン接種の手伝いがあるために休みの日が少ない。この日も午前・午後と接種の手伝いがあったのだが、昼休みが2時間ほどとれたので、コンビニで食事を買って軽く済ませて、接種会場の脇を流れる河川沿いの散策に出かけてみた。


    ゆったりした流れの河川。河川沿いの道を散策する。


    河川敷に下りられる道があったので下りてみる。マツカサススキに似たようなカヤツリグサの仲間が生えている。


    マツカサススキでは無い。これは何?


    写真を撮って後で調べてみると、ヌマガヤツリという草らしい。


    褐色で楕円形の穂が特徴らしいが、ここに生えていた多くは球形に近い穂だった。


    違うカヤツリグサの仲間が生えていた。


    小穂が細く、キンガヤツリという草らしい。帰化植物のホソミキンガヤツリというのがあるらしいが、実を調べないと確定できない。


    良く見かけるカヤツリグサに似ているがちょっと違う。


    鱗片の先端が尖っていない。これはコゴメガヤツリのようである。


    このあたりの河川敷沿いにはこの黄色い花がたくさん咲いている。


    アメリカミズキンバイ(ヒレタゴボウ)というアカバナ科の北アメリカ~熱帯アメリカ原産の帰化植物。


    花は4弁である。


    こちらは花が小型のチョウジタデ(アカバナ科)。


    花は4~5弁。アメリカミズキンバイに比べるとかなり少ない。


    タカサブロウというキク科の植物。


    花の詳細までは撮影していないが、外来種のアメリカタカサブロウでは無さそうである。


    オオイヌタデがたくさん咲いている。


    ほとんどお手上げなのがイネ科の植物。これはオオアブラススキ?セイバンモロコシ?それとも別物?


    芒が長い。図鑑ではそれらしきものが見当たらず、ネットで調べてみるとケイヌビエという草が一番近そうである。


    普通に生えているこんなのも分からない。これはアゼガヤか?それにしては大きすぎる。


    焦らずともそのうち答えは分かるだろう。


    マルバルコウ。この手のヒルガオの仲間が何種類も咲いている。


    葉の形が3角形、ないしは5角形に見える。コヒルガオという花らしい。


    葉の形がハート形である。マルバアサガオと思われる。


    ちょっと珍しい植物のイヌハギが咲いていた。


    橋の上から川の中を覗いてみる。


    何か丸っこい葉の草がひっかかっている。


    探しているミズアオイか?と期待したが、茎に浮き袋の風船が付いている。これはホテイアオイのほうだ。

 ひょっとしたらミズアオイに出会えるのではないかと淡い期待を抱いて散策してみたが、残念ながら見当たらず、あったのはホテイアオイのほうだった。しかし、場所が変わるとカヤツリグサ科の植物はずいぶんと違ったものが生育しているものである。見れば見るほどに分からない植物ばかり、調べるのに多大な時間がかかってしまう。イネ科は今年は手を付けないつもりだったが、やはり生えていると調べたくなってしまう。まだまだ先は長い。

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ミヤマハナワラビ(ハナヤスリ科)

2021年09月09日 | シダ類
 やや明るいシラビソの低木の林床に生育している夏緑性のシダである。共通茎の高さは3〜5㎝。栄養葉はほぼ全裂し、小羽片は線形で鈍鋸歯があり、2 〜 5 対で先端は鈍頭である。胞子葉は 2 回羽状に分岐し、多数の球形の胞子嚢をつける。全長は 5 〜 15㎝と小さなシダである。山梨県では富士山の狭い箇所に生育しており、個体数はきわめて少ない。


    ミヤマハナワラビ 令和3年7月 富士山で撮影


    同上 同じ株


    栄養葉はほぼ全裂し、小羽片には鈍鋸歯がある。球形の胞子嚢を付けるがこの個体はまだ未成熟である。


    まだ栄養葉を展開していない個体。

 小さいうえに個体数が少なく、見つけ出すのは非常に難しいシダである。

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ヒゲハリスゲ(カヤツリグサ科 )

2021年09月09日 | カヤツリグサ科
 高山帯の乾いた草地に生育する多年草である。匍匐枝はなくやや密に小株をつくる。茎は細く直立し、高さ10 ~ 30㎝。葉は内側に巻き糸状に細く見える。小穂は 10 個ほどで、頂小穂は雄性、側小穂は雌雄性。他のスゲ類と違って果胞は袋状にならない。山梨県では北岳と八ケ岳に生育しているが個体数はあまり多く無い。


    岩の間の草地に生育していたヒゲハリスゲ 令和3年6月 北岳で撮影


    同上 葉は巻いて細く見え、10個ほどの小穂が頂部に並んで付く。頂小穂は雄性で側小穂は雌性である。


    令和3年8月 八ヶ岳で撮影。砂礫地の草地に生育していた。


    同上 果期の小穂。果胞は袋状にならない。


    令和3年8月 北岳で撮影

⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

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ヒメカワズスゲ(カヤツリグサ科)

2021年09月09日 | カヤツリグサ科
 高山帯の水湿地に生育する多年草。茎は細く、高さ15 ~ 30㎝で、稜はざらつく。小穂は雌雄性で多数の雌花と基部に少数の雄花を付ける。穂状花序で、小穂は 無柄で2 ~ 7 個をまばらに付ける。果胞は淡緑色のちに褐色に変わる。山梨県では北岳周辺に生育しており、個体数は比較的多い。


    ヒメカワズスゲ 令和3年6月 北岳で撮影


    群生するヒメカワズスゲ


    山梨県では高山性湿地が少ないが、生育地での個体数は比較的多い。


    雌雄性の小穂。上部に多数の雌花と基部に少数の雄花を付ける。


    果期の小穂

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マツカサススキ( カヤツリグサ科)

2021年09月08日 | カヤツリグサ科
 日当たりのよい湿地や湖畔に生育する多年草で、大株となる。茎は太く鈍い3稜で、高さは 1 ~ 1.5m に達する。葉は線形で革質。花序は 2 ~ 3 個の分花序からなり、頂生の分花序は大きく、長さ5 ~ 10㎝、苞は大きく花序より長い。小穂は数個~ 20 個集まって球状になる。花期は 8 ~ 9 月。和名は集合した小穂の様子が松かさに似ていることによる。山梨県では主に富士五湖周辺に生育しており、個体数は比較的多い。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    マツカサススキ 令和3年9月 山中湖で撮影。


    大型の株になる。


    小穂は数個から20個が集まって球状になる。


    時として群生して大株となる。


    群生するマツカサススキ


    マツカサススキの小穂と花序

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ヒメマツカサススキ(カヤツリグサ科)

2021年09月08日 | カヤツリグサ科
 湿原や湿地に生育する多年草である。マツカサススキとコマツカサススキの中間型の形態を示す。頂生分花序は 2 回分岐し、鱗片の幅が1-1.3mmで狭卵形であることで区別される。側生分花序は 5 ~ 10 個の小穂が集まる。山梨県の生育地は極限られ、個体数は少ない。

 2018年山梨県:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 山梨県指定種


    まだ若いヒメマツカサススキ。令和3年8月撮影。


    同上


    別の池で撮影したヒメマツカサススキ。令和3年8月撮影。


    花が咲いているように見える。


    別株


    トリーミング画像。距離が遠かったため、頂生分花序の細かい様子や鱗片の様子までは詳細には分からない。

 3年がかりでようやく発見したが、池の中の遠い場所に生育しており撮影が難しい。再写に行きたいと思っている。

⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

➡山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

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初めて見るシダ、ミヤマウラジロ  令和3年9月6日

2021年09月06日 | シダの仲間
 ミヤマウラジロは石灰岩地を好むシダであるが、石灰岩地の少ない山梨県ではあまり見かけないシダである。丹波山村あたりまで遠征すれば容易に見られるらしいが、なかなか時間がとれずにまだ見たことが無いシダのひとつである。別件で師匠に連絡を入れたところ、東部富士五湖地方の林道脇に生育しているとの情報をいただき、さっそく見に行ってみた。お昼過ぎに現地付近に到着し、車を止めて準備しているとポツポツと雨が降り出してしまい、やがて頭上で雷鳴が轟き出した。これはあまりゆっくりしていられなそうだ。


    林道脇の古い石垣の間から生えていたミヤマウラジロ。


    見るのは初めてである。やっと会えたといった感じである。


    葉の裏側には白粉が付着して白くなっている。


    ソーラスは葉の辺縁に巻き込まれるように付着する。


    茎にも白粉が付着していた。


    生えているのは石垣のほんの一画だけで、個体数もあまり多くは無かった。

 次第に雨脚が強くなり、一旦車に戻って待機するが、止みそうもない。もう1種類珍しいシダが生えているらしく、歩いて探索するつもりだったが、雷鳴激しく雨も強い。車で移動しながら路上駐車し、怪しい岩壁を見ながら探すことにする。


    3ヶ所目くらいでそれらしきシダの姿があった。


    コガネシダ。東部富士五湖方面でまれに見かけるシダである。


    裏側のソーラスも撮影したかったが土砂降りになってそれどころではなくなった。


    風で葉がブレてしまう。じっくり撮っている余裕無く、さっと撮って車に逃げ込む。

 2種類の珍しいシダが生育しているのを確認し、もう少しじっくりと観察したい気持ちはあったが雨と雷のためこの日は撤退である。帰り際にはさらに前が見えないほどの土砂降りの雨となってしまった。いずれのシダも夏緑性のシダなので10月に入ると枯れ始めてしまうかも知れない。近くに行く時には再訪してみたいと思う。

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