シダの仲間を自力で調べて同定するにはそろそろ限界を感じている。図鑑とネットで調べるのでは判別が間違うことが多いうえに分からないものが多数出てしまう。そこで花仲間を通じて山梨県のシダに詳しい人物を紹介していただくこととなった。まずは手始めに私の知識がどの程度まであるのかを見てもらうために、近場の山のシダを見て回ることとなった。ちょっとばかり予習のため、武田神社から自宅のある積翠寺まで、車両点検で車を出したついでに歩いてみることにした。
12月12日
車両点検で整備場に車を出したついでに甲府駅から自宅まで山道を使って歩いて帰ろうと目論んだ。しかし時間が遅くなってしまい午後4時になってしまったためタクシーで武田神社まで移動し、そこから東側農道を使って自宅のある積翠寺まで歩くことにした。
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夕暮れ間近の武田神社
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神社の石垣に着いていたトラノオシダ。このシダは人家や農道の石垣を好んで生育し、普通に見られることが分かってきた。
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オオバイノモトソウ。葉は細いが翼が無く、これはホソバでは無くてオオバのほう。
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ベニシダ、だと思う。最下羽片(いちばん根元に近い部分の葉)の付け根のところの葉の軸を観察しないとオオベニシダとの区別が出来ない。
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ソーラス
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竜華池に昇る階段
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夕暮れの竜華池
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南アルプスに夕陽が沈む。
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積翠寺の里。このあたりは鹿やイノシシの害が酷く、ほとんどの田畑で柵が設置されている。
薄暗くなった午後5時過ぎに自宅到着した。東側農道沿いはヤブソテツやベニシダをたくさん見かけたが珍しいシダには出会えなかった。
12月18日
いよいよ師匠とも呼ぶべき人物とご対面である。午後2時に武田神社で待ち合わせるが、師匠のほうが先に到着していた。神社の境内を通り山の中に入って行く。そこには初めて出会う驚きのシダがたくさん生育していた。
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タチシノブ。結構大型のシダで、見るのは初めてである。
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ホシダ(ヒメシダ科)。普通にあるはずだが見るのは初めてである。
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ホシダのソーラス。
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オクマワラビ(オシダ科)。クマワラビと一緒に見ているはずだが、今まで同定できなかったシダ。
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カニクサ(フサシダ科)。これも普通にあることが分かった。
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ヒメワラビ(ヒメシダ科)。秋に黄色く色付く。ヒメワラビ、ミドリヒメワラビ、イワヒメワラビは最下羽片の付け根の葉の形を良く見ないと区別できないがまだそのレベルには至らず。
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イワヒメワラビ(コバノイシカグマ科)。ヒメワラビよりも大型で緑色。良く似ているのに科が違うのは理解できない。
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驚いたのがこのシダ。下側のほうの葉の形が特徴的なのですぐに分かったが・・・
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アマクサシダ(イノモトソウ科)。南方系のシダで南部町まで行かないと見られないだろうと思っていたシダがこんな近くに生育していた。
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もっと驚いたのがこの光沢のある緑色鮮やかなシダ。下向き最下羽片がピンと張り出していて格好良い。
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ハカタシダ(オシダ科カナワラビ属)。ハカタと名があるので関西のシダかと思っていたらそうでは無いらしい。結構あると伺った。
1時間半ほどの散策だったが驚きと新鮮さに満ち溢れた散策だった。春先に良く歩いているいわば自分の庭のような場所にこれほどのシダが隠れていたとはただただ驚くばかりである。近場の山をシダを探しながらじっくりと歩いてみる必要があるだろうと強く感じさせられた。
散策後、喫茶店に立ち寄り今まで撮影してきたシダの写真を名前をチェックしていただいた。もちろん間違っているものが多々あったし、撮影が悪くて同定できないものもあった。希少なシダの情報もそれなりにいただいたが、まずはレベルアップのために近場のシダから調べて行くことが先決だろう。弟子にしてくれとお願いしたら、弟子にはしない、同等だと思っている、といういうお返事をいただいた。これもまた嬉しい限りである。