山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

昇るさそり座、新道峠から黒岳へ  平成21年3月15日

2009年03月27日 | 御坂・毛無・天子山系
 昇るさそり座、新道峠から黒岳へ  平成21年3月15日 天候晴れ

 早朝3時に南東の空にさそり座が昇って来る。そして夜明けの頃に南の空に南中し、夜が明ける。今回出かけたのは富士山撮影の名所、河口湖の灯を眼下に見ながら富士山が眺められる新道峠だ。
 早めに寝ようと思ったのだが、録画してあったテレビドラマを見始めたら眠れなくなってしまい、結局1時間くらい横になっただけで深夜2時半に自宅出発。峠の駐車場まで車で行けば、撮影場所までは15分で行けるはずだったのだが、甘かった。林道のゲートは当然の如く冬季閉鎖、ゲート前に車が1台止まっており、これから歩いて出発しようというところだった。車を道の脇に止めて午前4時ごろに出発。林道を40分ほど歩いて駐車場に到着、ところどころ雪が積もり、アイスバーンになっている場所もあった。恐かったのは駐車場から新道峠に登る木道だった。ここは完全にアイスバーン、距離が長ければアイゼン装着するところだが、峠まではわずか10分か15分で到着できるので、装着せずに登る。案の定、途中でスリップして前のめりに手をついたのが1回あった。峠から左側(黒岳側)に登って行くと何か所か展望台のように開けた場所がある。河口湖と富士山が見渡せる場所で三脚を立てたが、もうさそり座は南中して富士山の真上に昇ってしまっていた。富士山の裾野で尻尾を巻いている姿を捉えたかったのだが、時間が1時間ほど遅かった。それと、上弦を過ぎた明るい月のおかげで、富士山は良く見えるが星は消えてしまっている。星空撮影には不適だったが、河口湖の夜景は抜群だ。

    昇るさそり座と月光  富士山頂でさそり座がしっぽを巻くが,もう薄明の空,かつ月が明るすぎた.


    黎明の河口湖と富士

 場所をさらに黒岳側に移動すると、もっと眺望の開けた場所があった。先ほどのゲート前に車を止めていた人はここで三脚を立てて夜明けを待っていた。みんな狙っているのは同じ、雲海上で、さらに朝焼けに染まる富士山だ。しかし、この日は雲ひとつ無い快晴、雲海は広がっていない。やがて朝を迎え、富士山に朝日が差し込む。うっすらとピンク色に染まったが、さほど焼けてはいない。その人は結局1枚もシャッターを切ることなく、退却していった。確かに良くある朝の風景、シャッターを切らないのも勉強なのかもしれない。私はちょうどおもしろい木の間に富士山が入ったので、そこで何枚もシャッターを切った。そこそこに見られる写真になったと自己満足している。

    静かな朝の風景


    夜明けの富士


    破風山山頂

 さて、陽が昇ってから黒岳に向かって出発。ところどころ雪とアイスバーンになっていたが、登りはアイゼン装着せずに山頂まで行く。黒岳展望台で朝の富士山を眺め、下りはちょっと恐いのでアイゼン装着して下った。7時半、下山開始し、約1時間で車に到着した。初めて歩いた新道峠から黒岳の稜線だが、撮影の名所だけあって道はきわめて明瞭、夜間の歩行に全く問題ない。

    黒岳山頂.この先の展望台まではアイスバーン.登山道をはずして歩く.


    朝の黒岳山頂からの富士
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富士山頂に昇る月、猪之頭林道  平成21年3月10日

2009年03月19日 | 番外編
富士山頂に昇る月、猪之頭林道  平成21年3月10日 天候晴れ

 大勢のカメラマンが押し寄せる富士山頂に月が昇るパール富士。山の上から撮りたいのだが、条件の良い日が週末に当たる可能性はきわめて低い。今回の十四夜の月は火曜日にあたる。午後4時15分、甲府出発、目指すは猪之頭林道の下部。5時40分頃に月が富士山頂に昇ってくる計算だったので、間に合うかどうかぎりぎりといったところだ。朝霧高原で富士山を見ると、もう富士の裾に月が昇ってきている。急がねば!と気持ちは焦るが、前を走る大きなトラックが時速60kmからスピードを上げず、後をついてゆくしかない。

    富士残照 なんとか間に合った・


    富士山頂に月現る

 そして5時40分、なんとか予定地に到着、富士山は残照で薄ピンク色に染まっているが、月はまだ昇っていない。なんとか間に合った。私の計算では残照の時間に月が昇ってくるはず。なのだが、すっかり残照が消えても一向に月は昇ってこない。17時55分、計算より15分ほど遅れて富士山頂に月が現れる。場所はぴったり、ほぼ富士山の真ん中だ。金色に輝く月が姿を現した。ダイヤモンド富士とはまた違う感動的な風景だ。カメラの露出がなかなか難しい。月を写そうとすると富士山が消えてしまい、富士山を写すと今度は月の模様が消えてしまう。露出、絞りを変えながらシャッターを切りまくる。

    富士山頂に昇る月  富士山に露出を合わせると月の紋様が消えてしまう.


    金色の月昇る  

 他にもたくさんのカメラマンが来ていたが、撮影スペースは十分に確保できた。金色の月が昇る、まずまずの出来上がりとなったが、足を使わずに撮影できてしまうところがなんとなく物足りなく感じてしまう。

    月が山頂高くのぼったところで本日終了.
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山中湖の展望台、鉄砲木の頭  平成21年3月2日

2009年03月18日 | 番外編
山中湖の展望台、鉄砲木の頭  平成21年3月2日 天候晴れ

 午後はすっきりした青空が甲府の空には広がっていた。今日の月は上弦の三日月、この月が沈む頃にちょうどオリオン座が西の空に傾いている。ちょうど富士山の上に沈みそうな位置をカシミールとアストロガイドで調べてみると、三国峠の北東側のピークが良さそうだ。
 パノラマ台からも容易に登れるらしいのだが、到着してみるとこの日はダイヤモンド富士が撮影できるらしく、パノラマ台は既に車があふれていて、路上まで駐車している状態だった。三国峠に向かうと、途中に路上駐車して三脚を構えるカメラマンがたくさんいた。三国峠の駐車場はなんとか止めることができた。準備して北東側ピークを目指す。登り始めるとすぐにカヤト野原になり、ちょうど富士山頂右端に太陽が沈んでゆくところだった。三脚を立てる暇もなく、手持ちでダイヤモンド富士を数枚撮影した。

    三国峠のダイヤモンド富士


    鉄砲木の頭にある山中湖諏訪神社

 ピークに到着すると、山頂には山中諏訪神社という神社が建てられていた。そして山頂の看板を見ると、このピークの名前は「鉄砲木の頭」と書かれていた。ブログ&山仲間ののぞむ君のホームページで見た鉄砲木の頭とはここのことだったのかと初めて知る。ダイヤモンド富士を撮りに来ている人がいるかと思いきや、山頂にいたのは一人の登山者。テント泊で静岡側から不老山、明神山を越えてここまで歩き、本日はここで宿泊、明日は菰釣山から大室山を越えてもう一泊し、丹沢に下山するらしい。登山歴は私と同じく3~4年だったが、歩いている山はほとんどテント縦走のロングコースばかり、凄い人だった。

    山中湖の夕暮れ


    月光富士と山中の灯り  明るい星は金星.

 日が沈み、月はちょうど頭の真上あたりに昇っていた。オリオン座と冬の大三角形が見え始めたが、まだ東側の空、西に沈む夜10時までにはまだ4時間もある。念のためツエルトとテントマットを持ってきたので、それを張って待つことにする。しかし、張ったものの、ほとんど中では休まずにブラブラして時間を過ごす。8時頃から雲が一気に増え始め、空一面をおおいつくして星どころか月さえも見えない状態になってしまう。富士山はもちろん雲隠れ、裾野は見えるが山頂は顔を出さない。富士山に傾くオリオン座は難しそうだ。9時半まで待ったが、空が晴れる気配はなく、あきらめて下山(といっても駐車場まで20分たらずですが)することにした。夜でも簡単に登れる眺望の良いピークなので、また行く機会があるだろう。

    金星輝く この時間は飛行機がたくさん飛ぶ.


    雲に隠れる月  8時過ぎから雲が増えはじめ,空は見えなくなる.止むなし,撤退.
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星空探訪、甘利山一夜  平成21年2月21‐22日

2009年03月17日 | 南アルプス
 星空探訪、甘利山一夜  平成21年2月21‐22日 天候晴れ

 甘利山三角点にテントを張り、星空と甲府盆地の夜景を堪能する嶺朋クラブ山行に参加した。今回の見どころは現在地球に接近しているルーリン彗星、それと冬の空に燦々と輝くオリオン座と冬の大三角形、さらに夜明け前に富士山の左手に昇って来る三日月と、その近くに並ぶ水星、木星、火星だ。うまくすれば南の低空に輝くカノープスも観察できるかもしれない。
 夕食を食べ過ぎ、かつ飲みすぎで千鳥足で三脚を構え、甲府の夜景を撮影する。他のメンバーはテントの中で宴会継続中だ。嶺朋クラブ主力メンバーの1人、松田さんが旦那さんの転勤に伴って富山に引っ越してしまうため、送別会も兼ねている。空が気になる私はテントと撮影場所を行ったり来たり。そんなことをしていると、突然ヘッドライトを点けた男性が現れ、三脚をセットし始める。あの長い林道を甘利山からの夜景撮影のため歩いてきたという。しかし、この日の夕景はなんとなく霞っぽい空で、すっきりした富士山は写ってくれなかった。なんといっても狙うのは朝の空気が澄んだ時が良い。私のテントは2~3人用なので朝までテントの中で待つことを勧めたのだが、急ぎの用事が明日入っているらしく、8時前には下山していった。なんと熱心な人か。見習わなければ。
 夜8時ごろ、ようやく酔いが覚めてきて、カメラの水平位置がしっかりと保てるようになってきた。冬の大三角形が南中しているので、カノープスが見えないかどうか南の低空を見ると・・・もう櫛形山の稜線すれすれの位置に沈みかけているではないか。もう少し早い時間に探していればもっと良く見えたはず。急いで会のメンバーをテントに呼びに行ったが、みんな酔っ払い、すぐには出て来られず、カノープスを見たのは小野さんという女性一人だけだった。他のメンバーが来た時にはもうカノープスは沈んでしまった後だった。しかし、空を見上げるとオリオン座と冬の大三角形が燦々と輝いている。霞んだ甲府盆地から見る空とは全く違う星空が広がっている。さらに富士山麓にある富士天スキー場で花火を打ち上げている光景も見ることができた。

    夕暮れの甲府盆地. 夜の部の始まり.


    オリオン座と冬の大三角形昇る

 10時過ぎ、北斗七星が高く昇り、春の大曲線、牛飼い座アルクトゥ-ルスとおとめ座スピカが輝き出す頃、南東の空高くしし座が昇って来る。しし座の右には暗赤色に輝く土星が輝き、その下あたりにルーリン彗星が・・・見えるはずなのだが、肉眼でも、持って行った双眼鏡でも全く確認できない。カメラのIso感度を1600に上げ、レンズ焦点55mmで撮影してみると・・・あった!緑色に輝くルーリン彗星。5等星くらいの輝きなのだろうか、小さな星に紛れてゴミのように写っている。注目された水星ではあるが、天体望遠鏡でなければ観察は難しそうだ。さらに西に沈んで行く冬の大三角形とカラマツの大木を重ねて撮影し、11時半、いったんテントに潜りこんで休む。

    星の成る木. バックに冬の大三角形とオリオン座が写っていますが,わかりますか?


    ルーリン彗星接近. 中央右上寄りの緑色に光っているのがルーリン彗星.55mmレンズでは姿を確認するのがやっと.天体望遠鏡でないと観察は難しい・


    ルーリン彗星(拡大)

 早朝4時、再びテントの外に出て空を眺めると、南の空にさそり座が昇っていた。しかし、明るすぎる甲府盆地の夜景、それとなんとなく霞んだ低空の空、くっきりとは星空は写ってくれなかった。やがて月が昇り始める。上品な三日月だ。あたりがしらじらと明けてきた5時ごろに会のメンバーたちを起こしに行く。眠そうな目をこすりながらみんな出てきて夜明けの月を眺める。夜明けの青い空にほのぼのと明けてゆく東の空、昇る月、そして銀河鉄道の夜の素材ともなった甲府盆地の夜景。たまらない風景が眼下に広がる。

    さそり座昇る. 甲府盆地の明かりが明るすぎること,また霞みがかった空で星はあまり写ってくれなかった.


    薄明の甲府盆地に昇る月


    銀河の夜明けに昇る月

 朝日が昇る頃に甘利山中腹まで移動して日の出を迎える。霞んだ甲府盆地の上に真赤な朝日が昇る。今日も良い天気だが、午後には崩れてくるらしい。まだ2月だというのに陽気は暖かく、富士山や甲府盆地には春霞のようなモヤがかかっている。夜の甘利山堪能し、テント撤収して10時過ぎには下山した。

    日の出


    朝霞の富士. まだ2月なのに春のような霞がかかる.
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甘利山から大西峰へ  平成21年2月21日

2009年03月17日 | 南アルプス
 甘利山から大西峰へ  平成21年2月21日 天候晴れ

 甘利山1泊で甲府盆地の夜景と星空を探訪する計画か嶺朋クラブで持ち上がった。しかし、甘利山に登る林道は冬季で閉鎖されており、ゲートから歩くと4~5時間はかかる大変なコースとなる。しかし、偶然にもゲートの鍵を借用することができた。現在ルーリン彗星が地球に接近している時で、また翌朝は三日月と水星・木星・火星が東の空で接近するという絶好の条件でもある。参加者は私を含めて総勢8人、テントを持っての山行だ。
 朝、仕事を片付けてメンバーよりも一足遅れて甘利山ゲート前に到着した。私の車ともう1台RV車で行く予定だが、既にもう1台の車にはタイヤチェーンが巻かれていて準備万端だ。ゲートを空けていざ出発。中腹まで行って途中から歩くつもりだったのだが、先を行くチェーン装着のRV車は15~20cmの積雪などもろともせず、ぐんぐんと進んで行く。私たちの前に本日1台車が通過したらしく、タイヤ跡がしっかりとついていた。結局甘利山駐車場まで車で乗り付け、テント設営予定の三角点まではわずか10分の行程となってしまう。

    甘利山三角点のあずま屋と設営したテント


    三角点付近から見る富士山.レンゲツツジにはたくさん芽がついており,今年も花の季節は期待できそうだ.

 ありったけのアルコールをザックと両手に持って三角点まで移動する。3~4人用テント2張と私のテント(夜中にたぶん眠らずに星空を撮影するので、迷惑にならないように別に張った)を設営し、昼食となる。時間はまだ12時、宴会を始めるには早過ぎる時間なので、大西峰(「おおにしうら」と読むらしい)から千頭星山か御所山まで登ってみることにする。初心者の頃の4年近く前に1度登った千頭星山だが、途中の傾斜がかなりきつかった記憶がある。先頭を行く水野さんはとてつもない体力の持ち主で、膝下のラッセルは全くものともせず、どんどん登って行く。私はついて行くのが精一杯、そういえば八ヶ岳の時は遥かに遅れて三つ頭の山頂に到着したことがあった。

    甘利山山頂にて八ヶ岳をバックに


    サルオガゼと八ヶ岳

 奥甘利山のコルのところから八ヶ岳が良く見えるが、このあたりのカラマツの木にはサルオガゼがたくさん絡み付いていた。積雪はあるものの雪が締まっていて歩きやすいが、ところによっては膝あたりまで沈む場所もあった。傾斜がきつくなり、黙々と登るが、初めて登った時に感じた凄い傾斜ほどきつい場所はなかった。13時50分、大西峰に到着、このあたりは雪が深く、踏み誤ると腿の辺りまでズッポリとはまってしまう。左に行けば千頭星山、右に行けば御所山だが、ここはあまり行くことの無い御所山に向かうことにした。雪が無ければ1時間ほどで到着できるのだが、雪のためコース時間通りには進めず、2時まで歩いてあきらめ、途中で折り返す。大西峰の雪原まで戻って持ってきたビールで乾杯。切れた林の向うには富士山が聳え立つ。やはり山は良い。特に雪の山は格別な味わいがある。

    大西峰分岐部.膝の近くまで雪あり,この先はさらに吹きだまりで雪が深かった・


    大西峰で富士山をバックに. みなさん満足げな良い表情してます.

 16時ごろにテント場に到着し夕食となる。三角点のところにはあずまやが立っておりそこに集合して鍋と酒を囲む。ビール20数缶、ウィスキーボトル2本、日本酒3リットル、そのほかに梅酒、ワイン等、車で乗りつけたので飲みきれないほどのアルコールと食料が揃う。今回も山に来たのに体重が増えて帰ることになりそうだ。すっかり酔っ払ってしまい、自分の食器の後片付けをすっかり忘れてテントに戻る。日が沈み、甲府盆地に眩しいほどの明かりが灯り始める、これから夜の部、星空探訪の始まりだ。

    甘利山三角点から残照の富士山


    夕暮れの甲府盆地. この頃にはすっかり酔っ払っていたが,なんとか水平照準は保てていたようだ.(星空探訪,甘利山夜の部に続く)
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