山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

源頭の谷間にひっそりと咲くクサノオウバノギク  平成25年9月29日

2013年09月30日 | 山梨百名山
 先週もこの花を探して毛無山山塊の沢を登ったが、登り始めの時間が遅く出会えずに下山となっってしまった。尾根道の別の場所にもあるという話を聞いていたので今日はそちらを探してみようということで、駐車場に向かう。

 7時半に駐車場に到着すると、期待していた通りにK田さんが登る準備をしていた。私のブログを見てくれたようで、どうも別の支脈に入り込んでいたようだ。標高も足りない。そして再度ルートを念入りに聞き、沢の両側の尾根伝いにK田さんがテープをつけてあることを伺い、その尾根道を1500mあたりまで登って沢筋に下りることにした。尾根道は止めて再度沢に入ることに決める。


    途中から見る朝富士。天候はまずまず、風も穏やか。


    沢の水は澄み、水量も少ない。

 目的の沢の支脈入り口に到着した。さて、どちらの尾根を登るか?沢筋に入って悩んでいると目の前を茶色い大きな蝶が飛んで行った。姿からしてあまりお目にかかれないクロコノマチョウと思われ追いかける。沢の左側(右岸)の林に逃げ込んで留まっていたのでそっと近付くとやはりそれらしいが、カメラを出した途端に逃げられてしまった。ふと見上げればその尾根筋についていた赤テープが目に入る。これがK田さんが行っていたテープだろう。蝶に導かれて右岸の尾根を登る。


    目的の沢に到着。左側(右岸)の尾根に取り付いて登る。


    心強い赤テープ


    中腹はアセビの森


    イワカガミの葉がいっぱい。かなり下を沢が流れる。


    葉の切れ込みがはっきりしており、おそらくヒメイワカガミ。

 標高1500m近くまで登ったところで尾根から外れ、獣道を頼りに横にトラバースする。その先の岩には見頃を迎えた見事なイワシャジンが咲いていた。ミヤマダイモンジソウもちらほらと咲き残っている。さらにトラバースすると、下の沢に下りられそうなガレ場があったのでそこから沢に下降した。


    岩場に咲いていたイワシャジン


    ここに咲くイワシャジンは葉が細くて長く、ホウオウシャジンに近いように見える。


    このガレ場を下降して沢に下りる。

 降り立った沢の標高は1450mほどのところで、既に水は無く枯れ沢になっている。雰囲気は似ているが先週遡上した沢とは明らかに違う。どうやら左岸を高巻きしたところでもう1本沢が分かれていたようだ。ガラガラの急な沢をひたすら登る。両側の岩壁にはイワシャジンがたくさん咲いていた。それに混じって終わりかけたミヤマダイモンジソウも咲いている。


    降り立った沢。先週とは違う沢だ。


    両側の岩壁にはイワシャジンがたくさん咲く。


    見上げるイワシャジン


    ミヤマダイモンジソウ


    急な沢をひたすら上に登る。

 二股に分かれた支脈の合流付近で苔の生えた岩の上に目をやると、苔に混じって見慣れない葉がついていた。近付いて良く見れば、米粒かアズキの大きさほどしかない小さな黄色い花がついていた。大半はもう花が終わって綿毛になってしまっている。これこそが探していたクサノオウバノギクだ。苦労して出会ったが、あまりにもチンケなその花にあっけにとられてしまう。あたりを探したがいずれも時期が少し遅かった。数もそれほどたくさんあるわけでは無く、厳しい条件のところに咲くためか、茎がちぎれている株が多く見かけられた。


    苔の生えた岩の上に奇妙な葉っぱが乗っかっている。


    近付いて良く見れば、小さな黄色い花が咲いている。


    探していたクサノオウバノギク。絶滅危惧種だ。若干時期が遅い。


    源頭にひっそりと咲くクサノオウバノギク


    条件が厳しいところに咲くためか茎がちぎれている。食害で無いことを祈りたい。

 沢は二股に分かれていたが、苔が多く花がありそうな右手の沢に登る。しかし、その先は崖になっており、ノギクも咲いていなかった。左側(右岸)の崖に木の根っこにつかまりながら登る。乗り越して向こう側の沢に下りようという魂胆だったが、傾斜がきつくて沢には下りられない。その先は両脇に枯れた沢が見えるものの、もうガラガラに乾いた沢でノギクが咲いていそうな環境では無かった。標高は1700mを越えている。時間は既に12時を過ぎた。このまま登山道のある尾根まで登るしかない。しかし、普通の登山道を登っても急登の毛無山、ルートの無い急斜面を登るのは容易ではない。岩が現れて右に巻き、イバラに阻まれて迂回したりと苦戦が続く。1850mを越えたあたりでようやくまともに歩ける斜面となり、午後2時、ようやく登山道まで登り着いた。10分ほど歩くと麓からの登山道の合流点に到着した。


    沢を進むと、その先は崖。左の斜面を登って尾根に取り付く。


    登山道のある尾根筋がもうすぐそこに見えるのだが・・・なかなかたどり着けない。


    トリカブト・・・なんて楽しんでる余裕はほとんど無し。


    やっとまともな斜面、稜線までもうすぐだ。


    麓からの登山道合流点到着。急斜面はかなり足に堪えた。

 ここから山頂までは10分ほどだ。しばらく毛無山山頂とはご無沙汰しているので、ザックを分岐点に置いてカメラと交換レンズだけ持って山頂に行く。富士山は雲隠れしていたが、一瞬だけ雲間から山頂を見せてくれた。


    北アルプス展望台と書かれているが・・・・


    ここから見えるのは南アルプス(左~正面)と八ヶ岳(右)。


    久しぶりの毛無山山頂。皆既日食の時以来だろうか。


    一瞬だけ姿を現した富士山山頂。

 分岐点に戻って昼食にする。汗だく、腹の周りが何かチクチクするのはきっと葉っぱや小枝が服の中にたくさん入り込んだからだろう。午後2時山頂と見ていたが、若干遅れて3時になった。さて、下山だ。膝の屈伸を繰り返して出発。尾根沿いにもノギクがあるらしいのでそれらしき場所をかなり念入りに探したつもりだったが、とうとう発見できなかった。花が小さいうえにおそらくは数も少ないのだろう。午後5時10分、駐車場に到着。今日は久しぶりに「登った~」という気がした。


    夕暮れ迫る不動の滝


 なんとか目的のクサノオウバノギクに出会うことはできたが、もう花が終わりかけていたこと、さらに、あまり元気な株を見ることが出来なかったことは心残りだ。また来年、と言いたいところだが、この沢をまた登るかと思うと・・・ちょっと気が引けてしまう。



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源頭に咲くイワシャジン 再び毛無山塊の沢へ  平成25年9月23日

2013年09月25日 | 御坂・毛無・天子山系
 スルガジョウロウホトトギスを見に行った時に、ガイドしてくださったK田さんから毛無山塊に咲く珍しい黄色い花の情報をいただいた。支脈の沢を登って行くとあるらしく、イワシャジンもたくさん咲いていると伺った。時期的にそろそろ咲き始めた頃だろう。まだ慣れない沢登りだが、行ってみることにした。

 午前中の仕事を片付けて毛無山の駐車場から出発したのは12時近くになってしまう。沢沿いの道を進み、前回まだ蕾だったスルガジョウロウホトトギスの群生地に下降してみる。見頃は若干過ぎているが、立派に花を着けてくれた。

    三たび毛無山の沢を登る。


    この日は水が澄んでいて沢の流れが美しい。


    スルガジョウロウホトトギス群生地


    立派に花を着けてくれました。


    下から見上げるスルガジョウロウホトトギス

 目指す沢はさらに上流の支脈だ。ほとんど枯れた沢だと思っていたが、入って見ると水量はさほど多くは無いが水が流れていた。


    枯れた沢と思っていたが水が流れている。


    ゴロゴロの石の上をひたすら遡上する。

 沢幅が次第に狭くなり、傾斜が増してきたところで小さな滝が何本か現れた。水量は少ないので靴を少し濡らす程度で遡上していったが、遂に、滝壺に入らなければ私の技術では遡上出来ない滝に出会ってしまう。


    このくらいの滝は難無く登れる。


    さらに谷が狭くなり、かなり奥までやって来たという雰囲気。


    そして遂に・・・この滝は滝壺に入らなければ登れない。

 両脇が崖になっているが、取り着き易そうな左側の崖に取り着いた。高さは4mほどだ。ところが、この崖は岩がもろく、手を掛けるとガラガラと崩れ落ちてしまう。崖の上の木の根っこまでなんとか手が届いたが、その先の斜面の傾斜を見て、これは登れないと判断した。しかし、今度は下りるのが大変だ。足場も手を掛けるところも岩がもろくて、いつ崩れてもおかしくない場所だ。2m滑り落ちるのを覚悟して下降し、なんとか沢まで下りた。

 あきらめて下山、も考えたが、時間はまだ2時だ。100mほど下ると左岸の尾根筋に取り付けそうなところがあったので、今度は尾根に取り付いて登る。こちらは道こそ無いが炭焼き釜の跡が点在していて登り易い。沢音を左手に聞きながら登って行くと沢に下りられる場所に出たので、再び沢筋に戻って遡上する。既に水は少量しか流れておらず、もう滝は無い。やがて水は枯れて石だけの沢になる。源頭まで登り詰めたようだ。

    尾根筋にあった炭焼き釜の跡


    沢に下降するところにも炭焼き釜の跡


    水はだいぶ細くなり、もう滝は無い。


    水は無くなり、源頭に至る。

 標高は1500mほどまで上がった。苔の生えた石の上を探すがお目当ての花は見つからない。右岸の切り立った岩に近付いてみると、そこにはイワシャジンが涼しげにぶら下がっていた。なんとかイワシャジンには出会うことができた。

    沢の源頭に咲いたイワシャジン


    岩肌に咲いたイワシャジン


    源頭の岩肌に咲くイワシャジン


    岩にぶら下がるイワシャジン


    もう少し登るとこのガレた沢も終わりそうだ。

 時間は3時半、もうそろそろ下山開始しなければ。左岸の尾根に取り付いてそこを下りて行くと・・・その先は沢に切り立った急傾斜の尾根になっていた。こんな時に限ってザイルを持っていない。いや、ザイルがあっても距離が長く、下降は難しいかもしれない。隣の尾根に取り付くことも考えたが、もしそちらも切り立っていたら・・・時間が時間だけにここで判断を誤ると山の中でビバークということもあり得る。ここは尾根を戻って沢筋に下りることにした。

 元の沢に戻ったのは午後4時。ゴロゴロの岩の上を黙々と下降し、左岸の尾根の傾斜が緩くなったところで尾根に取り付く。炭焼き釜の跡地を通過し、あとは尾根を下りて登山道に下りた。なんとかヘッドライト点灯しないで済む時間の5時半、駐車場に到着した。

    夕暮れ迫る富士山。下山途中の登山道から。


 沢を間違えたのか、それとも高度が足りなかったか、お目当ての花には出会えなかった。その花の名前はクサノオウバノギク。絶滅危惧種の花ではあるが、それほど派手な花では無い。もう1ヶ所、歩き易い場所の情報もいただいているので、今度はそちらを探してみたいと思う。
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北岳山麓に咲く腐生植物ラン 平成25年9月22日

2013年09月24日 | 番外編
 図鑑で北岳のどこかにこの花が咲くことは知っていたが、どこなのかは全くわからず、探すのも難しいだろうと思っていた。ところが・・・花見隊の仲間が意外なところでこの花を探してきた。しかも2種類も。そのひとつはアオキラン、そしてもうひとつがトラキチラン、いずれも人の名前がついた稀少な腐生植物のランである。虫林師匠にお話ししたところ、ちょうどツガの葉を食べる珍しい虫が発生している時期らしく、それを含めて行ってみようということになった。さらに、みちほさんとsanaeさんからも連絡が入り、同行することとなった。先日のスルガジョウロウホトトギスに続いて再び花見隊集結である。

 芦安5時半のバスに乗ることとして、その時間にバス停集合となった。朝4時に起床すると、その直後に虫林師匠から電話があった。芦安の駐車場が満車でかなり下の駐車場に案内されたとの事、バスが混んで乗れないかもしれないので今日は止めておくとの連絡だった。私が芦安駐車場に到着したのは5時10分ごろだったが、芦安小学校の下にある臨時駐車場も既に満車でその下の団地の駐車場を係員に案内された。臨時駐車場は何度か使っているが、ここまで混雑したのは初めてだ。5時20分にバスに乗り込んだが既に満杯で立ち席、私より数人後の人は満車で乗り切れず、次のバスか、乗り合いタクシーを待つことになってしまった。私も危うく乗れなくなるところだった。


 広河原のバス停に到着すると1本前のバスで出発したみちほさんとsanaeさんたちが待っていた。レベルアップ著しい花見隊だけに、このメンバーで探せばきっと見つかると確信して出発する。


    朝の北岳


    森の色に同化してわかりにくいアオキラン


    アオキラン。1週間ほど遅く、花はしおれかけている。


    エクステンションを装着して接写。

 ひとつめの課題、アオキランは登山道脇で容易に発見することができた。森の色に同化していてわかりにくいが、先頭を歩いていたみちほさんがさっそく見つけてくれた。一株見つければまわりにもきっとあるはず、と、登山道を少し外れて周辺を探すと固まってどっさり咲いている株を発見した。こちらはまだ生き生きしている。


    アオキランの群生株。写真で数えると、計11本。ちょうど朝日が当たったところで撮影。


    角度を変えて同上の群生株。

 このランは苔の生えたしっとりした環境では無くて、ツガの葉が落ちたやや乾燥した場所を好んで咲くようだ。同じような環境の森の中に入って見るとたくさん発見できたが、いずれも既に時期が遅く枯れ始めていた。それでも、この稀少なランを存分に楽しむことができた。


    別の場所で見つけたアオキラン。周辺にも散在していたが、全て枯れ始めていた。


    群生株


    これは比較的新鮮な株。


    アオキラン接写

 登山道を進み、もうひとつの課題、トラキチランを探しに行く。こちらのほうが数が少なく、図鑑や検索したブログの写真を見ると苔の生えたやや湿った場所を好むようだ。花見隊隊員が見つけたのは登山道沿い、だがもう10日も前のことなのでおそらくその場所には残っていないだろう。登山道沿い、林の中の斜面と、手分けしてツガの森の中を探す。


    登山道脇に咲いていたノコンギク。


    ミソガワソウの群落。


    こんなツガ林の中をうろうろ。しかし探し物は見つからない。


    登山道沿いも念入りに探す。


    ???


    これはサラシナショウマの実か?

 標高2200mあたりまで高度を上げて探したが、2つ目の課題、トラキチランはとうとう発見できなかった。このメンバーで見つけられないのではいたしかたない。この課題は来年に持ち越しとなる。

 広河原発3時のバスで芦安に戻る。いつもならば甲府駅前で食事会となるのだが、本日、翌日の午前と予定が入っており、今回は食事会無しで芦安解散となった。花の季節はもう終わりとなり、これからは紅葉のシーズンとなる。御坂山系から見る紅葉と富士山はなかなか美しいので、機会があればまた集結したいと思う。


 芦安の臨時駐車場に戻ってびっくり!係員に誘導されて止めた場所だというのに、駐車禁止の張り紙が車のフロントガラスに張られていた。他の車にも皆張られている。これはいったいどういうことなのか??団地の許可を得ていないということなのか?誘導された通りに車を止めてこんな張り紙をされるのはおかしいのではないか?広河原のバス案内と切符売り場の誘導の悪さといい、この駐車場の張り紙といい、山梨県側からの南アルプス入山は不愉快なことが多い。伊那側や北アルプスの対応を見習ってほしいものだ。


    係員の誘導に従って駐車したのに、この張り紙はないだろう!!

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丹沢の貴婦人サガミジョウロウホトトギス

2013年09月17日 | 番外編
 先週はスルガジョウロウホトトギスを堪能したがそうなるともうひとつのサガミのほうも見てみたくなった。サガミジョウロウホトトギスのほうはネットで検索してみるとおおよその咲いている場所が特定できる。台風接近しており、この日を逃すとお目にかかれるのは来年になってしまう。ブログ仲間からルートの情報をいただき、ルートの無い沢登りになるため、ヘルメットとザイル、さらに今回は沢遡上時のスリップ防止のために登山靴に巻きつける藁縄を持って入山する。


 丹沢はかなり遠いというイメージがあったが、自宅から御殿場を経て東名高速を使うと距離にして120kmほど、3時間かからずに到着できることがわかった。自宅を4時出発のはずだったが今回も寝過ごし、6時半に家を出る。入山口の駐車場には9時過ぎに到着し、装備を確認して出発する。ヘルメットを持参して入山している人の姿を数人見かけたが、おそらくこの人たちは私と同じくスルガジョウロウホトトギス目的の登山者だろう。


    沢の入り口まで「立入禁止」と書かれたルートを使う。ここから先は自己責任。


    森には丹沢らしい霧が立ち込め、小雨がパラつく。

 登山道は途中で崩落しており、「立入禁止」になっている。ここから先は自己責任で登ることになる。既に複数の入山者の足跡がついており、先客がいるようだ。崩落地はロープが取り付けられていたが、滑りそうなので慎重に通過する。沢を何本か渡るが、途中の沢に咲いていた目的の花に出会うことができた。先日見たスルガジョウロウホトトギスとほとんど区別がつかないが、こちらのほうが若干黄色が薄いような気がする。


    尾根を越えると下に沢が見え出す。何本か渡渉する。


    目的地の沢より手前の沢で発見したサガミジョウロウホトトギス。こちらの沢を登って行く人もいた。


    サガミジョウロウホトトギス


    下から見上げるサガミジョウロウホトトギス


    ホトトギスも一緒に咲く。


    沢の流れと一緒に撮りたかったが、これが限界。


    別の沢沿いに咲いていたホトトギス

 目的の沢に到着する。数日前の雨で増水を心配していたのだが、ほとんど枯れていて水はわずかしか流れていなかった。藁縄を使うほどでは無かった。沢から下りてきた人がいたので情報を聞くとすぐ上に咲いているそうだ。遡上していった人もいるらしい。沢を登って行き、見上げると手の届きそうな場所にサガミジョウロウホトトギスがぶら下がっていた。盛期は若干過ぎているが、まだ見ごたえ十分だ。


    沢の脇にロープが取り付けられていた。このあたりはやや歩きにくい。


    目的の沢に入ると、間もなくサガミジョウロウホトトギスがお目見え。


    この花は花だけでも絵になる。


    岩にぶら下がる丹沢の貴婦人サガミジョウロウホトトギス。

 さらに登って行くと、沢は枯れて水流が無くなった。支脈の分岐にサガミジョウロウホトトギスがちらほらと咲いている。さらに遡上すると、岩壁に7~8株咲いているところがあった。ここで三脚を取り出し、存分に撮影する。周辺にはイワシャジンがちょうど咲き始めた時だった。


    まばらだが、この岩壁には10株近く咲いていた。


    沢沿いの岩壁に咲くサガミジョウロウホトトギス。


    同じ場所にホトトギスも咲く。


    咲き始めたイワシャジン。


 写真を撮っていると上から単独登山者が下りてきた。先週尾根沿いで良さそうな株を見つけたが蕾だったので今週も来てみたところ、その株は4つとも根こそぎ無くなっていたそうだ。こんな稀少な花を盗掘して行く人が未だにいるとは残念でならない。岩壁を左に巻いて越えてさらにその上に行ってみるが、花はあるもののまばらに咲いている程度で、期待していた群生には出会えなかった。さらにその上の岩壁を右に巻いたところ、その上は沢に下りる傾斜がきつくザイル無しには下りるのが難しくなってしまった。沢を覗き込むと、その先は石屑のさわになっていて傾斜がかなりきつくなっている。花もあまり咲いていなそうに見える。そのまま尾根に取り着いて主脈まで登り詰めることにする。

    枯れた沢をさらに遡上するが、花はまばらにしか咲いていなかった。


    尾根に取り着いてそのまま登り詰める。

 籔歩きトレーニングの成果を見せる時だ!と意気込んで登ったが、途中でふくらはぎが攣りそうになった。上に見える尾根まで登り着くと、そこには登山道が通っていた。その道を上に登ると主脈の道に合流し、たくさんの登山者が休憩していた。登って来た道の入り口にも立入禁止の看板が立ち、ロープが張られていた。

 休んでいる人に聞いて現在地を確認し、地図を見て下りは通常の登山道を使った。下山途中でヘルメットを持った2人連れが休憩しており、話しかけてみると私とは別の沢を登って来たそうだ。そちらにはあまり咲いていなかったそうだが、先週登った別の沢にはたくさん咲いていたそうだ。丹沢を自分の庭のように自在に歩いている人たちだった。

 午後4時、駐車場に到着した。慣れない沢登りなので時間がかかり、汗だくになった。目的の花には出会うことができたが、群生地は発見できず、イメージしていた沢や滝の流れと一緒に花を撮ることもできなかった。またいつか、別の支脈に入ってトライしてみたいと思う。
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樹海の森 富士山精進湖登山道  平成25年9月8日

2013年09月10日 | 番外編
 植生豊かな富士の裾野、樹海の森を歩いてみたいとかねてから思っていたのだが、道迷いの心配があってなかなか踏み込めずにいた。樹海の森を熟知している「コブシの花の咲くころは」のサクラスミレさんのブログを見ると、精進湖登山道周辺ならばそれなりに花が楽しめてそれほど危険ではなさそうに見える。花見隊集結2日目は天神峠の富士山1合目から3合目あたりまでを散策してみることにした。

 8日の早朝は雨が降ったが、集合時間の6時には雨は上がっていた。空はどんより曇り空だが、歩けない天気では無さそうに見えた。この日の参加者はsanaeさんご夫妻、みちほさんご夫妻、るたんさん、私の6人だが、みちほさんご夫妻は夕方から予定があってお昼までには出発しなければならないという時間制限があった。散策時間、撮影時間を含めて4~5時間とみて、6時に甲府を出発した。ところが・・・精進湖線を通って精進湖トンネルを抜けるとそこは土砂降りの雨だった。とても歩けるような雨では無い。ひとまずはどこかでお茶にでもしようということで、鳴沢村の天神峠入り口のところにガストがあったのでそこでお茶と朝食となる。雨は降ったり止んだりだが、ここでまったりしてしまい、すっかり散策する気分では無くなってしまった。しかし、9時を過ぎた頃から富士山側に青空が見えるようになってきた。会計を済ませて外に出ると、雨が止んで富士山の裾野が見えて来ていた。とりあえずは精進湖登山道1合目の天神峠まで行ってみようということになる。

    天神峠の精進湖登山道1合目。


    林の中に馬頭観音が立っている。

 峠に到着してすぐにるたんさんが奇声をあげる。道路脇の壁の上に咲くミヤマウズラを発見した。その奥の林を覗き込むとたくさん咲いているのが見える。ならば、精進湖登山道を歩いてみようということになり、ザックを背負って入山することになる。

    天神峠の林の中に咲いていたミヤマウズラ。若干時期が遅い。


    ミヤマウズラ


    登山道に入ってすぐのあたりは苔の生えたしっとりとした登山道に見えるが、その先は笹原に変わる。

 既に時間は10時近い。天神峠周辺の森は苔の生した樹海の雰囲気たっぷりの森で、森の中にはミヤマウズラが咲いていたのだが、少し進むと笹の茂る森となりミヤマウズラどころか目ぼしい花はほとんど見当たらなくなってしまった。想像していた樹海の森とはだいぶ様相が違う。笹の奥に広がる苔の森を探しながら、森に踏み込みながら花を探すが何も見つからない。みちほさんご夫妻はタイムアウトとなってしまい、1合と2合の中間あたりでお別れとなってしまった。

    樹海の森に空いていた大きな穴。落ちると這い上がるのがかなり難しそう。


    2合目でアスファルトの林道を横切ると、その先には廃墟となった建物(かつての山小屋か?)がある。


    小屋の周辺に少しだけ咲いていたミヤマウズラ。1合目よりひとまわり小さい。

 2合目でアスファルトの林道を横切り、その先に廃墟となった建物があってそこで休憩する。周辺の森を探すと一株だけミヤマウズラが咲いており、その周囲には葉だけの株が散在していた。先に進むと、ようやく笹原から樹海らしいツガの森に変わり、その中を探すが花は見つからず、あったのは不法投棄のタイヤと掃除機の残骸だった。しかし、目の良いトシちゃんが登山道脇に生えていたヒメミヤマウズラの葉を発見。1株だけ咲いていた花はもう終わっていた。

    山梨の森百選に選ばれているブナ林だが、この笹原では雰囲気が台無しだ。


    ツガの生える樹海の森。このあたりの森は想像していたよりも明るい。


    スバルラインの下を抜ける。


    富士山だけにフジアザミ。


    スバルライン脇の3合目バス停付近。

 車の走る音が聞こえ出し、やがてスバルラインが見え出す。下をくぐって少し進むと3合目のバス停に到着した。時間はもう1時を過ぎていた。本日はここで折り返すが、排気ガスを吸いながらの昼食は避けたいので、樹海の森に戻って昼食にする。下山途中で、またしてもトシちゃんが花を発見、今度はミヤマモジズリだ。以外にもスバルライン近くの土手に咲いていた、苔生した樹海の中に咲くミヤマモジズリを想像していただけに、これにはちょっと拍子抜けした。

    風に揺れるミヤマモジズリ。


    Iso感度を上げてシャッタースピードを速くしてようやくこの程度。

 登山道脇の土手を注意深く観察しながら歩いて行くと、ようやく蕾のヒメミヤマウズラを2株発見できた。1合目で見たミヤマウズラの半分ほどの大きさしかない小さな花だった。葉に入った筋がくっきりとしていて美しい。周囲に穂を出していない葉がたくさんあることから、今年はあまり咲かなかったのかもしれない。

    ようやく出会えたヒメミヤマウズラ。


    花はまだ蕾。


    筋模様が入った美しい葉。

 昼食後、下山を開始すると雨が降り出した。幸いにして土砂降りにはならなかったが、途中でカッパを着て下山した。午後3時、天神峠に到着、途中でクモキリソウ属の葉をsanaeさんが発見した。今回はあまり目ぼしいものは発見できなかったが、この樹海の森は様々な稀少植物が咲く宝庫である。また時期を見て、今度はもう少し奥まで踏み込んで歩いてみたいと思う。
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スルガジョウロウホトトギス再び 花見隊集結  平成25年9月7日

2013年09月09日 | 御坂・毛無・天子山系
 先週見つけたスルガジョウロウホトトギスはまだ少し時期が早かった。今週か来週が見頃だろうが、次週の3連休は既に予定があって難しそうだ。数日前に雨が降ったばかりで沢の増水が心配なのだが、今回を逃すと花見隊とともにこの花を見る機会はおそらく来年に持ち越しとなってしまう。メンバーに連絡をとってみると、7日の土曜日ならば集結できそうだ。

 朝6時、朝霧高原道の駅に集合としたが、私たちが到着したのは6時半近くとなってしまう。コンビニで買い物をして入山口の駐車場に到着したのは7時半ごろ。しかし、この時間が遅れたことが幸いして、駐車場で毛無山山塊を知り尽くした人物にお会いすることができた。私が毛無山に登るたびに確立8割でお会いするその方とは・・・ミスター毛無山、ことK田さんだ。ジョウロウホトトギスを探しに出かけた先週も、この方にお会いできればきっと情報を持っていると予想されるので会えないかと思っていたのだが、私のほうが出発が早かったようでK田さんは私の車が止まっているのは確認したそうだがルートが違いお会いできなかった。この日はちょうど出発準備中のK田さんにお会いでき、遂に毛無山登頂2,000回を達成されたそうだ。そしてこの花の話をすると良くご存じで、この日のガイドを買って出てくれた。なんと幸運なことだろうか。昨年はバスで大人数でやって来てこの花を見に来たツアーもあったそうだ。我々も11人という大人数なのであまり批判はできないが、山や花を荒らすようなメンバーでは無いことは確かだ。8時少し前に入山口を出発する。


    下山後のお楽しみに、小川にスイカとメロンを冷やして行く。


    入山口近くに咲いていたシデシャジン。思っていたよりも花は小さい。


    数日前に雨が降って増水しており、渡渉に若干苦労する。


    増水していてやや水の勢いが強いが、美しい沢の流れ。


    前回見つけた下流側の花。痛んでいるものも、まだ蕾のものもある。ここは花が遠くていまいち。


    さらに上流の群生地。咲いたものもあるがまだ大部分は蕾だ。


    スルガジョウロウホトトギス、正面から。


    前回ホトトギスの仲間と記したこの花、そうではなくてイワナンテンという、これまた珍しい花だった。(サクラスミレさんに教えていただきました。)


 先週私が見つけた場所はまだ蕾のものが多く、若干時期が早かった。K田さんは私たちが花を見ている間にさらに上流に遡上して咲いている場所を探してくれ、花見隊メンバーはところどころザイル下降しながらその場所に行って花を楽しんだ。そして、前回私が行かなかった場所(双眼鏡で探したが花を見つけられなかった場所)でちょうど満開・見頃の素晴らしい株を探してきてくれた。存分に花を眺め、撮影してこの日は十分に満足した。メンバーもここまでで満足し、ちょうどお昼ごろになったので軽食をとって下山となった。こんなに良い花を見られるとは、全てK田さんのおかげである。毛無山塊のガイドをやらせたら、この人の右に出る人はいないだろう。


    岩から垂れ下がる群生のスルガジョウロウホトトギス。


    満開、美しい。やすらぎのひととき。


    下から覗き込むスルガジョウロウホトトギス。


    沢に垂れ下がるスルガジョウロウホトトギス。


    美しい沢の流れ。


    大きな滝の脇にも咲いているが、ここには近付くことができない。


    滝の脇の岩壁に咲いたスルガジョウロウホトトギス。

 下山後、小川で冷やしておいたスイカとメロンを持ってきて、以前から計画していたスイカ割り大会を行う。トップバッターは花見隊隊長の私がやったが、遥か左に逸れた。そして4番手のトシちゃんが見事にスイカ割りに成功する。もう少し大きいスイカが欲しかったのだが、遅い時間にスーパーに立ち寄ったところ、小玉1個しか残っていなかった。しかし、甘くておいしいスイカだった。

    スイカ割り大会。4番手でトシちゃん登場。


    お見事!命中。


    手際良くスイカを切り分けるみちほさん旦那さん。


    ご苦労様でした。いただきま~す。


    本日もハゲ見、じゃなくて花見にハゲみました。


 毛無山塊はほとんど富士山や星空の撮影のために登っていたが、このような稀少な花が咲くことを最近知り、また新たな楽しみができた。偶然だが、途中でクモキリソウ属の葉を発見、さらにK田さんに別の花の情報もいただいた。K田さんのおかげでたいへん充実した花見隊山行だった。お世話になりました。
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「山と花と星の奏でる夜の風景」写真展開催中

2013年09月05日 | 番外編
 9月2日夕方、会場のアウトドアショップエルクでの展示が完成し、いよいよ写真展始まりました。さらに4日の午後、追加で最近撮り歩いている稀少植物の写真を一挙35点ほど展示してきました。夜の風景だけでなく、花が好きな方にもお楽しみいただける写真展となっています。花の写真はちょっと変わった展示をしておりますので、ご一見ください。私の写真が目的でお越しくださった方も居り、「酷評ノート」なる自由落書き帳に感想や質問などを書き込んでいただき、それに対するお返事やコメントをそのノートの中に書き込ませていただきました。山に登る方でも、登らない方でも、ご来場大歓迎です。




    エルク写真展 展示風景


 展示している作品を数点紹介します。


    雲海を照らして昇る月

 9月の鳳凰山観音岳で撮影したものです。二十七夜の細い月がオリオン座と冬の大三角形に接近して雲海の上に昇って来たところです。晴れた夜だと甲府盆地の明りが輝き過ぎて星の輝きが半減してしまうところですが、この日は静かな雲海が一晩中広がり、光害を消してくれました。山小屋を予約してありましたが、夕食をいただいただけで結局小屋で寝ること無く、一晩中山の上にいました。




    空架ける天の川

 甲斐駒ケ岳六合石室から撮影したもので、中央下に見える山は仙丈ヶ岳です。所属山岳会のメンバーに連れられて日向八丁尾根という籔尾根を歩いてようやくたどり着いた六合石室。クタクタに疲れましたが、その日の夕暮れは最近なかなか姿を現さない天の川が空に架かりました。頭の真上を横切るMilky Wayの白い帯は疲れを和ませてくれました。




    富士に昇るオリオン座

 毛無山塊雨ヶ岳から見る富士山です。この山はあまり有名ではありませんが、朝霧高原を真下に富士山を裾野まで見ることができる絶好の富士山展望台です。11月の空気が澄んだ夜、流れ行く雲の上にオリオン座が昇って来ました。星を輝かせながら、かつ山の景色をぼかさないように撮影するため、ハーフ拡散フィルターを自作して撮影した作品です。




    山上のミツバツツジと梅雨の合間の富士山

 花を前景に入れて星を撮る試みは何度か試していましたが、人に見せられるような作品は撮れていませんでした。なかなか良い場所と条件が揃わないことがありますが、撮影技術もかなり難しいものがあります。そんな中で、唯一お見せできる作品かと思います。まずは手前にあるミツバツツジにフォーカスを合わせます。そしてまずフラッシュ発光して撮影しますが、普通に発光すると明るくなり過ぎるのでハンカチやティッシュペーパーを重ねて光量を調整して撮ります。即座に遠景の富士山にフォーカスを合わせなおし、30秒程度の露出で遠景と星を撮ります。2段階フォーカス撮影と呼んでいるこの撮影手技、まだ完全にマスターしたわけでは無く、試行錯誤しているところです。
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貴婦人スルガジョウロウホトトギスを探しに毛無山山塊へ  平成25年8月31日

2013年09月01日 | 山梨百名山
 ジョウロウホトトギスの名を初めて聞いたのは今年の6月、御坂山系の某所にカモメランを探しに出かけた時のことだった。同じ目的で静岡からやって来られた4人連れの方と情報交換をしている際にこの花の名前を初めて聞いた。かなり珍しい花だということはわかったが、咲いている場所は全く想像がつかなかった。

 あまり入山したことの無い丹沢山系の地図を見ていたら、その地図の中に「サガミジョウロウホトトギス」の名前が入っていた。そして仲間のブログを開いて見ると、見事な写真が掲載されていた。さらに別の日に撮影された「スルガジョウロウホトトギス」の写真も載っている。さらにこの名前で他の人のブログを探してみると・・・沢登りする人のブログに「毛無山山系」と書かれていた。どこの沢かは記されていないが、入山場所が書かれていたので、そのあたりをホームグラウンドとしている私にはある程度の場所の予測ができた。そして毛無山塊の美しい沢を撮った古い写真を念入りに調べてみるとそれらしき葉っぱが写っている。沢登りは得意ではないのだが、花を見るためならば・・・水に浸かるのを覚悟の上で、ザイルとヘルメットを装備して毛無山塊の沢に行ってみることにした。


 朝4時に起床したが、甲府は夜も暑くて寝苦しく、汗だくだったので風呂に入ってから出発。入山口は7時になってしまう。山頂に向かういつものルートでは無くて沢筋に向かう。登山道(らしきもの)はついているが、沢を高巻いているので場所によってはザイルで下りなければならない。双眼鏡を片手に川底の岩を念入りに探しながら歩いて行くと、滝の脇の岩壁にそれらしき葉っぱを確認した。良く見ると先端に細長い蕾が付いており、咲き始めたものは黄色く色付いている。間違いない、探しているスルガジョウロウホトトギスだ。ザイルで滝壺に下降しても近付ける場所では無いので、対岸で自身の体をザイル確保しながら、狭い斜面に三脚を固定して撮影を試みる。


    最初に見つけたのはこれ。ホトトギスの葉だが既に花は散っており、上向きに花を付けていることから探し物はこれでは無い。


    滝の脇の岩を見るとそれらしき葉っぱが垂れ下がっている。


    300mmズームレンズで拡大して撮影してみると、まだ蕾だが黄色味がかった花が下向きに付いている。


    別株。黄色い蕾がぶら下がっている。間違いない、スルガジョウロウホトトギスだ。

 滝壺は難しいので別の場所から沢筋に下降して対岸の岩壁を見てみると、手は届かないもののすぐ近くで咲いている花を見つけた。

    岩壁に咲くスルガジョウロウホトトギス


    ズームで捉えた花。この株はもう終わりかけているが、他はまだほとんど蕾。


    ヤマホトトギス。これは道沿いにたくさん咲いている。

 滝を遡上するのは困難なので、道に戻って滝を大きく高巻いて滝の上に出る。滝の直上の岩にも葉があったがまだ咲いていない。さらにその上流に向かい、沢に下降して遡上する。ちらほらと葉は見かけるが咲いておらず、双眼鏡で念入りに探すと崩落した岩ガレの向こうに群落を発見した。落石が怖いのでヘルメット装着し、その場所に近付いて見ると、蕾を付けた群落に出会うことができた。たくさんあるがまだ咲いていない。可哀そうなのは、沢沿いは気象条件や落石が多いためか、蕾を付けたまま茎で折れて落下しているものが散在していた。

    沢を遡上する。雨が少なく水量が少なく、ほとんど靴を濡らさずに遡上出来た。


    蕾のスルガジョウロウホトトギス


    こちらもまだ固い蕾。


    群落に出会えたが、花はまだ1~2週間早い。

 さらに遡上を続けるが、途中に名も無い綺麗な滝が次々に出現する。そのたびにザックからカメラと三脚を取り出して撮影するので、全く先に進まない。小滝を右側(左岸)に巻いて登ったところ、そのすぐ上で道が通っていたので沢沿いを双眼鏡で覗きながら道を進み、下り易そうなところでまた沢に下りる。谷は次第に浅くなり水量も少なくなってきた。そのあたりはもうジョウロウホトトギスが好みそうな岩壁があまり無く、双眼鏡で探しても全く見つからなくなった。道と沢が近接したあたりで遡上をあきらめ、昼食にする。

    名も無い綺麗な小滝が流れ落ちる。


    次第に谷が浅くなり、岩壁が無くなって来た。


    水量もだいぶ少なくなる。


    この上にはもう無さそうだ。昼食をとって下山する。

 予定では富士山が見えるあたりまで登るつもりだったが、暑くて汗だく、しかも慣れない沢登りは疲れた。時間は12時、標高差も距離もさほど稼いではいないが、目的のものは発見したので本日はここまでとした。

 下山して着替えて車に乗り込むと、ポツポツと雨が降り出した。通り雨だったが、ちょうど良い時間に下山したようだ。場所はわかった、咲いている時にもう一度訪れてみよう。   
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