先週もこの花を探して毛無山山塊の沢を登ったが、登り始めの時間が遅く出会えずに下山となっってしまった。尾根道の別の場所にもあるという話を聞いていたので今日はそちらを探してみようということで、駐車場に向かう。
7時半に駐車場に到着すると、期待していた通りにK田さんが登る準備をしていた。私のブログを見てくれたようで、どうも別の支脈に入り込んでいたようだ。標高も足りない。そして再度ルートを念入りに聞き、沢の両側の尾根伝いにK田さんがテープをつけてあることを伺い、その尾根道を1500mあたりまで登って沢筋に下りることにした。尾根道は止めて再度沢に入ることに決める。
途中から見る朝富士。天候はまずまず、風も穏やか。
沢の水は澄み、水量も少ない。
目的の沢の支脈入り口に到着した。さて、どちらの尾根を登るか?沢筋に入って悩んでいると目の前を茶色い大きな蝶が飛んで行った。姿からしてあまりお目にかかれないクロコノマチョウと思われ追いかける。沢の左側(右岸)の林に逃げ込んで留まっていたのでそっと近付くとやはりそれらしいが、カメラを出した途端に逃げられてしまった。ふと見上げればその尾根筋についていた赤テープが目に入る。これがK田さんが行っていたテープだろう。蝶に導かれて右岸の尾根を登る。
目的の沢に到着。左側(右岸)の尾根に取り付いて登る。
心強い赤テープ
中腹はアセビの森
イワカガミの葉がいっぱい。かなり下を沢が流れる。
葉の切れ込みがはっきりしており、おそらくヒメイワカガミ。
標高1500m近くまで登ったところで尾根から外れ、獣道を頼りに横にトラバースする。その先の岩には見頃を迎えた見事なイワシャジンが咲いていた。ミヤマダイモンジソウもちらほらと咲き残っている。さらにトラバースすると、下の沢に下りられそうなガレ場があったのでそこから沢に下降した。
岩場に咲いていたイワシャジン
ここに咲くイワシャジンは葉が細くて長く、ホウオウシャジンに近いように見える。
このガレ場を下降して沢に下りる。
降り立った沢の標高は1450mほどのところで、既に水は無く枯れ沢になっている。雰囲気は似ているが先週遡上した沢とは明らかに違う。どうやら左岸を高巻きしたところでもう1本沢が分かれていたようだ。ガラガラの急な沢をひたすら登る。両側の岩壁にはイワシャジンがたくさん咲いていた。それに混じって終わりかけたミヤマダイモンジソウも咲いている。
降り立った沢。先週とは違う沢だ。
両側の岩壁にはイワシャジンがたくさん咲く。
見上げるイワシャジン
ミヤマダイモンジソウ
急な沢をひたすら上に登る。
二股に分かれた支脈の合流付近で苔の生えた岩の上に目をやると、苔に混じって見慣れない葉がついていた。近付いて良く見れば、米粒かアズキの大きさほどしかない小さな黄色い花がついていた。大半はもう花が終わって綿毛になってしまっている。これこそが探していたクサノオウバノギクだ。苦労して出会ったが、あまりにもチンケなその花にあっけにとられてしまう。あたりを探したがいずれも時期が少し遅かった。数もそれほどたくさんあるわけでは無く、厳しい条件のところに咲くためか、茎がちぎれている株が多く見かけられた。
苔の生えた岩の上に奇妙な葉っぱが乗っかっている。
近付いて良く見れば、小さな黄色い花が咲いている。
探していたクサノオウバノギク。絶滅危惧種だ。若干時期が遅い。
源頭にひっそりと咲くクサノオウバノギク
条件が厳しいところに咲くためか茎がちぎれている。食害で無いことを祈りたい。
沢は二股に分かれていたが、苔が多く花がありそうな右手の沢に登る。しかし、その先は崖になっており、ノギクも咲いていなかった。左側(右岸)の崖に木の根っこにつかまりながら登る。乗り越して向こう側の沢に下りようという魂胆だったが、傾斜がきつくて沢には下りられない。その先は両脇に枯れた沢が見えるものの、もうガラガラに乾いた沢でノギクが咲いていそうな環境では無かった。標高は1700mを越えている。時間は既に12時を過ぎた。このまま登山道のある尾根まで登るしかない。しかし、普通の登山道を登っても急登の毛無山、ルートの無い急斜面を登るのは容易ではない。岩が現れて右に巻き、イバラに阻まれて迂回したりと苦戦が続く。1850mを越えたあたりでようやくまともに歩ける斜面となり、午後2時、ようやく登山道まで登り着いた。10分ほど歩くと麓からの登山道の合流点に到着した。
沢を進むと、その先は崖。左の斜面を登って尾根に取り付く。
登山道のある尾根筋がもうすぐそこに見えるのだが・・・なかなかたどり着けない。
トリカブト・・・なんて楽しんでる余裕はほとんど無し。
やっとまともな斜面、稜線までもうすぐだ。
麓からの登山道合流点到着。急斜面はかなり足に堪えた。
ここから山頂までは10分ほどだ。しばらく毛無山山頂とはご無沙汰しているので、ザックを分岐点に置いてカメラと交換レンズだけ持って山頂に行く。富士山は雲隠れしていたが、一瞬だけ雲間から山頂を見せてくれた。
北アルプス展望台と書かれているが・・・・
ここから見えるのは南アルプス(左~正面)と八ヶ岳(右)。
久しぶりの毛無山山頂。皆既日食の時以来だろうか。
一瞬だけ姿を現した富士山山頂。
分岐点に戻って昼食にする。汗だく、腹の周りが何かチクチクするのはきっと葉っぱや小枝が服の中にたくさん入り込んだからだろう。午後2時山頂と見ていたが、若干遅れて3時になった。さて、下山だ。膝の屈伸を繰り返して出発。尾根沿いにもノギクがあるらしいのでそれらしき場所をかなり念入りに探したつもりだったが、とうとう発見できなかった。花が小さいうえにおそらくは数も少ないのだろう。午後5時10分、駐車場に到着。今日は久しぶりに「登った~」という気がした。
夕暮れ迫る不動の滝
なんとか目的のクサノオウバノギクに出会うことはできたが、もう花が終わりかけていたこと、さらに、あまり元気な株を見ることが出来なかったことは心残りだ。また来年、と言いたいところだが、この沢をまた登るかと思うと・・・ちょっと気が引けてしまう。
7時半に駐車場に到着すると、期待していた通りにK田さんが登る準備をしていた。私のブログを見てくれたようで、どうも別の支脈に入り込んでいたようだ。標高も足りない。そして再度ルートを念入りに聞き、沢の両側の尾根伝いにK田さんがテープをつけてあることを伺い、その尾根道を1500mあたりまで登って沢筋に下りることにした。尾根道は止めて再度沢に入ることに決める。
途中から見る朝富士。天候はまずまず、風も穏やか。
沢の水は澄み、水量も少ない。
目的の沢の支脈入り口に到着した。さて、どちらの尾根を登るか?沢筋に入って悩んでいると目の前を茶色い大きな蝶が飛んで行った。姿からしてあまりお目にかかれないクロコノマチョウと思われ追いかける。沢の左側(右岸)の林に逃げ込んで留まっていたのでそっと近付くとやはりそれらしいが、カメラを出した途端に逃げられてしまった。ふと見上げればその尾根筋についていた赤テープが目に入る。これがK田さんが行っていたテープだろう。蝶に導かれて右岸の尾根を登る。
目的の沢に到着。左側(右岸)の尾根に取り付いて登る。
心強い赤テープ
中腹はアセビの森
イワカガミの葉がいっぱい。かなり下を沢が流れる。
葉の切れ込みがはっきりしており、おそらくヒメイワカガミ。
標高1500m近くまで登ったところで尾根から外れ、獣道を頼りに横にトラバースする。その先の岩には見頃を迎えた見事なイワシャジンが咲いていた。ミヤマダイモンジソウもちらほらと咲き残っている。さらにトラバースすると、下の沢に下りられそうなガレ場があったのでそこから沢に下降した。
岩場に咲いていたイワシャジン
ここに咲くイワシャジンは葉が細くて長く、ホウオウシャジンに近いように見える。
このガレ場を下降して沢に下りる。
降り立った沢の標高は1450mほどのところで、既に水は無く枯れ沢になっている。雰囲気は似ているが先週遡上した沢とは明らかに違う。どうやら左岸を高巻きしたところでもう1本沢が分かれていたようだ。ガラガラの急な沢をひたすら登る。両側の岩壁にはイワシャジンがたくさん咲いていた。それに混じって終わりかけたミヤマダイモンジソウも咲いている。
降り立った沢。先週とは違う沢だ。
両側の岩壁にはイワシャジンがたくさん咲く。
見上げるイワシャジン
ミヤマダイモンジソウ
急な沢をひたすら上に登る。
二股に分かれた支脈の合流付近で苔の生えた岩の上に目をやると、苔に混じって見慣れない葉がついていた。近付いて良く見れば、米粒かアズキの大きさほどしかない小さな黄色い花がついていた。大半はもう花が終わって綿毛になってしまっている。これこそが探していたクサノオウバノギクだ。苦労して出会ったが、あまりにもチンケなその花にあっけにとられてしまう。あたりを探したがいずれも時期が少し遅かった。数もそれほどたくさんあるわけでは無く、厳しい条件のところに咲くためか、茎がちぎれている株が多く見かけられた。
苔の生えた岩の上に奇妙な葉っぱが乗っかっている。
近付いて良く見れば、小さな黄色い花が咲いている。
探していたクサノオウバノギク。絶滅危惧種だ。若干時期が遅い。
源頭にひっそりと咲くクサノオウバノギク
条件が厳しいところに咲くためか茎がちぎれている。食害で無いことを祈りたい。
沢は二股に分かれていたが、苔が多く花がありそうな右手の沢に登る。しかし、その先は崖になっており、ノギクも咲いていなかった。左側(右岸)の崖に木の根っこにつかまりながら登る。乗り越して向こう側の沢に下りようという魂胆だったが、傾斜がきつくて沢には下りられない。その先は両脇に枯れた沢が見えるものの、もうガラガラに乾いた沢でノギクが咲いていそうな環境では無かった。標高は1700mを越えている。時間は既に12時を過ぎた。このまま登山道のある尾根まで登るしかない。しかし、普通の登山道を登っても急登の毛無山、ルートの無い急斜面を登るのは容易ではない。岩が現れて右に巻き、イバラに阻まれて迂回したりと苦戦が続く。1850mを越えたあたりでようやくまともに歩ける斜面となり、午後2時、ようやく登山道まで登り着いた。10分ほど歩くと麓からの登山道の合流点に到着した。
沢を進むと、その先は崖。左の斜面を登って尾根に取り付く。
登山道のある尾根筋がもうすぐそこに見えるのだが・・・なかなかたどり着けない。
トリカブト・・・なんて楽しんでる余裕はほとんど無し。
やっとまともな斜面、稜線までもうすぐだ。
麓からの登山道合流点到着。急斜面はかなり足に堪えた。
ここから山頂までは10分ほどだ。しばらく毛無山山頂とはご無沙汰しているので、ザックを分岐点に置いてカメラと交換レンズだけ持って山頂に行く。富士山は雲隠れしていたが、一瞬だけ雲間から山頂を見せてくれた。
北アルプス展望台と書かれているが・・・・
ここから見えるのは南アルプス(左~正面)と八ヶ岳(右)。
久しぶりの毛無山山頂。皆既日食の時以来だろうか。
一瞬だけ姿を現した富士山山頂。
分岐点に戻って昼食にする。汗だく、腹の周りが何かチクチクするのはきっと葉っぱや小枝が服の中にたくさん入り込んだからだろう。午後2時山頂と見ていたが、若干遅れて3時になった。さて、下山だ。膝の屈伸を繰り返して出発。尾根沿いにもノギクがあるらしいのでそれらしき場所をかなり念入りに探したつもりだったが、とうとう発見できなかった。花が小さいうえにおそらくは数も少ないのだろう。午後5時10分、駐車場に到着。今日は久しぶりに「登った~」という気がした。
夕暮れ迫る不動の滝
なんとか目的のクサノオウバノギクに出会うことはできたが、もう花が終わりかけていたこと、さらに、あまり元気な株を見ることが出来なかったことは心残りだ。また来年、と言いたいところだが、この沢をまた登るかと思うと・・・ちょっと気が引けてしまう。