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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

霧に咲くアズマシャクナゲ、瑞牆山  平成23年6月18日

2011年06月28日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年6月18日

 7月海の日の連休に北岳に行く予定を立てているが、初心者が多いために2泊、1日目は御池小屋に泊り、2日目で肩の小屋、危険な八本歯のコルと左俣雪渓は避けて右俣回りで行く予定である。今回の瑞牆山はそれに向けてのトレーニングを兼ねている。予定ではもう少し大人数で行くはずだったのだが、都合のつかない人と天候が不順なために行くかどうか微妙だったため、連絡が遅くなってしまい、最終的に私を含めて3人となった。先日の小川山八丁平は今回の下見があるが、この日に登れなかったことを想定して今年のシャクナゲの状況を見ておきたかったこともある。
 6時に甲府市内の職場駐車場に集合し、車で出発。明野の広域農道を通って増富の瑞牆山荘に向うが、1時間半ほどかかり、登山開始は7時50分ごろになってしまう。空はどんより曇り空でいつ降り出すかわからないような空模様だ。にもかかわらず、駐車場には20台以上の車が停まっていた。天気が良ければ駐車できないほどの登山者が訪れていたことだろう。いつものようにスローペースで歩き始め、クリンソウの咲く登山道脇の湿地に立ち寄り、林道に出てからは登山道ではなく林道を歩き、瑞牆山展望台、さらにカモメランを探しながら歩く。今年のカモメランはやはり数が少なく、いつもならば簡単に5~6株見つけられる場所で1株しか見つけることができなかった。富士見平小屋に到着したのは9時少し前、1時間少々で到着できた。

    富士見平小屋とレンゲツツジ

 富士見平から天鳥川(あまとりがわ)へは一旦下りとなり、最後の急下降点のところからシャクナゲが見え始める。このあたりのシャクナゲは時期を若干過ぎていて、花が落ち始めていた。天鳥川のところで休憩していよいよ瑞牆山への急登りとなる。昨年来た時に工事をしており、何を作ったのかと思ったら立派な階段がつけられていた。確かに登り易くはなったが、これが無くても普通に登れるのではないだろうか。

    霧に巻かれるアズマシャクナゲ  天鳥川下降点付近で。


    霧に巻かれる桃太郎岩  このあたりからレンズが結露し始める。


    登山道脇のアズマシャクナゲ  花が大きい。


    同上  こちらの花は色鮮やか。レンズが結露して画像が霞むが、これもまた良し??


    中腹で突然若者に声をかけられた。「ブログやられている方ですよね?」私も有名人になったものだ。

 下部のシャクナゲはもう花が落ち始めていたが、日当たりの悪い林の中は満開のシャクナゲが楽しめた。標高1,800mあたりから上部はちょうど見頃、上品なピンク色や濃い色のシャクナゲが登山道脇や林の中に咲き誇る。ちょっと道を逸れて大ヤスリ岩の根元の部分、ロープが張られたところを越えて行くとそこはコイワカガミの群落になっている。昨年にも増して花がたくさんついていた。

    霧に咲くアズマシャクナゲ  こんな感じの画像を撮ってみたかった。


    満開のアズマシャクナゲ


    登山道脇に咲くキバナノコマノツメ


    大ヤスリ岩あたりの登山道は一部渋滞。でもそんなの関係ねー。登って来られた方々ほとんどに追い抜かれました。


    大ヤスリ岩基部のところのコイワカガミ群落

 上部の岩の下に2年前来た時にクモイコザクラを発見したのでその場所を探すが花が見つからない。これと思わしき岩を見つけたが、その岩の下は雨水が流れた跡で地面がえぐられており、花は消失していた。さらに上部の左側の岩には7~8輪咲いているのが確認できた。まだ残っているようで、安心した。

    岩の隙間に咲いていたクモイコザクラ  望遠レンズを持って行かなかったのでこれが限界。


    山頂裏ルートに咲くシャクナゲ  向こうに見えるのは山頂隣の岩峰。

 さて、山頂直下は正規のロープとハシゴのあるルートのほかに道とは思えないような場所から登る裏ルートがある。もともとはきちんとした道だったのだろうが、入り口が崩落してわからなくなってしまったのだろう。その道にもきちんとしたハシゴが設置されている。山頂の喧騒が嘘のように静かな人が入らないルートだ。シャクナゲがたくさん咲く。

    山頂に無事到着。5時間もかかってますが、その分いろいろ楽しめました。

 ザックを下ろして身軽にしてそのルートを登ると10分ほどで山頂に到着する。午後1時、山頂到着。紅葉の季節と並んでシャクナゲが咲くハイ・シーズンなので山頂はたくさんの人が訪れていた。雨がポツポツと降り出し、記念撮影して早々に撤退、ザックを下ろした場所に戻って一つ向こう側の岩峰の裏側に移動する。これもあまり知る人がいない場所で、そこに行く取り付き口がわからないので知らないと行けない。テントが2~3張できそうな平らで広いスペースがある。雨が降ってきたのでカッパを着用し、岩の陰に隠れてやや遅い昼食となる。時折空が明るくなって隣りの金峰山が見えるが、天気予報ではこらから下り坂だ。眼下の大ヤスリ岩を取り囲むように雲が流れて行く。

    休憩した隣の岩峰から見る山頂と金峰山


    眼下に見える大ヤスリ岩


    雲上に咲くアズマシャクナゲ

 2時10分、下山開始。岩が滑るのでスリップに十分に注意しながら順調に下山。小雨は持続的に降っていたが本降りにはならず、途中で富士見平小屋に立ち寄って休憩させてもらった。新しい管理人さんが着任されたばかりで、小屋の中が整備されてきれいになっていた。休憩料300円かかるが、お茶を出してくれ、瑞牆山や金峰山の山情報をいろいろ聞くことができた。いつかは歩いてみたいと思っている八幡尾根(黒平方面から金峰山山頂のひとつ増富側ピークに至る道無き尾根)のことも大変良く知っていた。小屋主さんと30分以上も話し込んでしまい、最終的に駐車場に到着したのは5時半だった。下界は雨が降っていなかった。

    存分に楽しませていただきました。来年もたくさん咲いてください。

 レポートがすっかり遅くなってしまったが、今年の奥秩父山塊のシャクナゲは当たり年だ。標高の高い金峰山や黒金山あたりでは次週もまだ楽しめるかもしれない。(6月28日記)
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アズマシャクナゲ咲く森、小川山八丁平  平成23年6月16日

2011年06月20日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年6月16日

 明け方に皆既月食の赤い月が見られるはずだったこの日、予定では前夜から杓子山にテントを張って富士の裾野に沈む赤い月を見るはずだった。半年前から計画的にこの日は休みをとっていたのだが、あいにくの空模様で月は見えず、杓子山行きは中止した。しかし、折角の休み、何もしないのはもったいない。どんより曇り空だが、夕方まではなんとか天気が持ちそうなので小川山に行く途中の林の中にある秘密の場所、アズマシャクナゲ林を見に行くことにした。
 夜更けまで携帯電話の衛星雲画像と三つ峠富士山ライブカメラ、そして空の様子をにらめっこしていたので、朝起きられるはずもなく、起床したのは7時半。8時過ぎに自宅出発し、瑞牆山荘のところの駐車場から歩き始めたのは10時になってしまう。急いで行くかといったらそういうわけでもなく、この季節に咲くクリンソウを見て道無き道を歩き、さらにカモメランの咲く場所に立ち寄って登るため、そう簡単には目的地に到着しない。カモメランは咲いてはいたが、昨年よりは数が少なく感じた。今回は調査ではないので、群生地の一部を見るに留めたが、5株の花を見つけることができた。

    駐車場からすぐのところに咲いていたササバギンラン


    登山道脇に咲いていたギンリョウソウ


    この季節恒例のクリンソウ この株は紫色で鮮やかだった。


    登山道脇の湿地に咲くクリンソウ


    山の中にひっそり咲くカモメラン

 富士見平を過ぎて瑞牆山と小川山の分岐部のところに行くとシャクナゲが咲いていた。少し時期を過ぎていたが満開のものもある。今年は例年に無く花の付きが良く、当たり年のようだ。

    アズマシャクナゲと瑞牆山

 右側の小川山方向に進むと瑞牆山の展望地があるが、この日は雲に霞んで瑞牆山は不鮮明だった。さらに行くと造林小屋跡地の平坦地に出る。ここはかつてはキバナノコマノツメとシロバナノヘビイチゴが足の踏み場が無いほどにびっしりと咲いていた場所だが、ずいぶんと数が減ってしまい寂しくなってしまっていた。

    造林小屋跡地のキバナノコマノツメとシロバナノヘビイチゴ群落


    小川山八町平 左が大日岩に行く道、右が登って来た富士見平からの道

 小川を渡って進むと川から離れて樹林帯に入り、ほどなく八丁平というツガ林の中の広場に出る。ここで大日岩方面と小川山方面に行く道に分かれる。秘密のシャクナゲ展望地は小川山側に進む。登山道脇にシャクナゲが見え始めるが、そのあたりは花の付きが悪く、今年はダメかとその時は思った。しかし、登山道を登って行くと左側のシャクナゲ林にピンク色の鮮やかな花がたくさん見え出した。満開直前、まだ新鮮な花ばかりで観賞するには絶好の時期だった。薮に分け入って良さそうな場所を探して撮影する。

    登山道を覆うシャクナゲの木  このあたりの花付きは悪かった。


    登山道脇の斜面に咲いたアズマシャクナゲ  今年は色が濃くて花が大きく、数も多い。


    シャクナゲの藪  見渡す限りシャクナゲだらけ。

 さらに登って秘密の展望地に到着すると、そこはアズマシャクナゲの花園。ピンク色の絨毯が広がっているかのようだった。いつもよりも色の濃い、上品なピンク色の花がたくさん咲いていた。今年は明らかに当たり年、3度訪れた中で今年がいちばん良い。予定では大日岩を回って富士見平に戻るはずだったが、ここで完全に足が止まった。2時間近くもこのシャクナゲ林を堪能し、時間は3時を過ぎてしまう。雲行きも怪しくなり始め、大日岩は止めて来た道を戻って下山した。午後5時半、駐車場到着。車に乗って運転し始めるとすぐに雨がパラパラと降り出し、甲府に到着した頃にはもうすっかり本降りになっていた。

    秘密の展望地から見るシャクナゲの森 (15mm diagonal fisheye)


    奥秩父の森、アズマシャクナゲ林


    アズマシャクナゲ咲く森


    同上  向こうに微かに見えているのは瑞牆山


    アズマシャクナゲ 今年は色が良い。是非行くべし!

 今年の奥秩父山塊はアズマシャクナゲ当たり年である。6月いっぱいがちょうど見頃、是非行かれてみることをお奨めする。(この後、6月19日は瑞牆山に行きました。山頂は7~8分咲き、まだ十分楽しめます。)
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ミツバツツジ咲く十二ヶ岳、鬼ヶ岳、節刀ヶ岳 平成23年6月4-5日(2日目)

2011年06月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 6月5日 十二ヶ岳から鬼ヶ岳、節刀ヶ岳、大石峠を経て下山

 十二ヶ岳の朝は、なんとか晴れてはいるものの霞が多く、富士山は霞んで微かに見える程度だった。横になって少しウトウトした程度で、ほとんど徹夜に近い状態で朝を迎えた。朝食をとり、テントを撤収し、6時過ぎ、隣の鬼ヶ岳に向って出発する。
 この先の稜線はミツバツツジがたくさん咲いている。富士山を入れて撮れる良い場所を探しながら歩くが、なかなか無く、富士山も霞で真白になりうまく写ってくれない。

    十二ヶ岳から見る西湖と富士 ハーフND+PLフィルター使用


    十二ヶ岳のミツバツツジと富士


    ドウダンツツジと鬼ヶ岳


    振り返って見る十二ヶ岳  右側に肉眼では富士山が見えたのだが・・・写真では見えない。


    節刀ヶ岳

 分岐部の金山でテント、シュラフ、余計な水や食料を下ろし、荷物を軽くして鬼ヶ岳に向う。御坂山塊は再三歩いているが、実はこの金山から鬼ヶ岳の道は歩いたことがなかった。鬼ヶ岳山頂から見る限りでは急傾斜の下りで、さぞかし悪路なのだろうと思っていたが、実際に歩いてみると山頂直下意外は歩き易い良い道だった。この稜線はミツバツツジと富士山を撮影するに良い場所があったが、この日の富士山はご機嫌悪く、PLフィルターとハーフNDフィルターをかけてようやく見られる程度だった。

    金山の分岐点。ここに荷物をデポして鬼ヶ岳へ。


    鬼ヶ岳稜線のミツバツツジと富士山


    同上  下の湖は西湖、右の山は雪頭ヶ岳。


    鬼ヶ岳山頂のミツバツツジと富士  PL+ハーフNDフィルター使用


    鬼ヶ岳山頂の鬼の角と十二ヶ岳

 金山に戻ってしばし休憩。寝不足で頭がぼんやり、体がだるい。節刀ヶ岳は止めようかとも思ったのだが、折角来たのだから立ち寄ってみると、意外にも節刀ヶ岳山頂付近はミツバツツジがたくさん咲いていた。ここはドウダンツツジの山だとばかり思っていたのだがミツバツツジもたくさんあった。時間は10時、この頃にはもう富士山は見えなくなってしまっていた。以前から気になっている節刀ヶ岳の裏側に続いている道、いったいどこに下りるのだろうか?10分ほど下りてみたが、ルートはしっかりしている。しかし、2万5千分の1の地図にもこのルートは載っていない。いつか機会があったら下りてみたいと思う。

    節刀ヶ岳山頂のミツバツツジ


    節刀ヶ岳のミツバツツジと十二ヶ岳  天気が良ければ富士山をバックに撮影できる。


    節刀ヶ岳山頂

 あとは大石峠に向ってひたすら稜線を歩き、大石峠で一休みして下山する。大石峠は真っ赤なヤマツツジがまさに咲こうとする直前だった。夕方から雨の予報で次第に雲が厚くなってきたが、降られずに午後1時、登山口の車に到着した。

    大石峠 キンポウゲが咲く。


    まさに咲かんとする大石峠の真っ赤なヤマツツジ

 帰り際に御坂山塊に登った時に時折立ち寄っている御坂の湯で汗を流し、着替えをして帰ったが、とにかく眠かった。今回のルートは健脚ならば1日で歩けるルート、十二ヶ岳、節刀ヶ岳を周回して戻れる魅惑のルートである。


    2日目に歩いたルート
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ミツバツツジ咲く十二ヶ岳、鬼ヶ岳、節刀ヶ岳 平成23年6月4-5日

2011年06月14日 | 南アルプス
 6月4日 梅雨の合間の天の川、十二ヶ岳一夜(1日目後編)

 大石峠登山口から反対側の淵坂峠、毛無山を経て十二ヶ岳に到着したのは午後6時半近かった。ちょうど日没の頃だったが、山頂には霧がかかり眺望が得られず、8時前には一旦テントの中で横になった。果たしてこの霧は晴れるのだろうか?
 横になっただけで眠ることも無く時間は過ぎて行く。10時半、そろそろさそり座が南中し、天の川が昇って来る時間だ。テントの換気窓から空を見上げると薄く霞がかかった空の上に星が輝いているのが見える。果たして天の川は見えるのか?三脚、カメラをセットして星空撮影用にモードを切り替え、眺望の効く山頂に向う。そこから見る眺めは・・・ああ、なんだ、この富士山は・・・!西湖とその湖畔を覆った霧の上にぽっかりと富士山が浮かんでいる。なんと幻想的な富士山のことか。空は霞んではいるがさそり座ははっきりと見える。天の川も鮮明ではないがなんとか見えている。これならば撮影できそうだ。来た甲斐があった。

    梅雨の霞に浮かぶ富士  眼下の西湖は霧でおおわれ、湖畔の明かりが透けて見える。


    梅雨の合間の天の川とさそり座


    十二ヶ岳山頂と夜富士  フラッシュ光オーバー、夜の雰囲気が消えてしまっている。

 山頂で富士山と星空を撮影するが、薄い雲(霧)が流れているようで、同じ条件で撮影しても写り方が1枚1枚まるで違う。霧が晴れている時に撮れた画像は、梅雨の空の合間に流れる天の川の雰囲気が良く出ている。

    富士を流れる梅雨の天の川

 さらにその先の尾根にミツバツツジが咲いていたので、今年になってから試している二段階フォーカス撮影を試みる。フラッシュの光量調整が難しく、まずティッシュペーパー1枚を折り畳んでフラッシュを覆って減光するが、光量オーバー。さらに2枚、3枚と追加し、最終的には3枚を八つ折にして重ね合わせた程度の光量で落ち着いた。ミツバツツジと富士山、さらに天の川が入る構図で撮影したかったのだが、なにせ狭い稜線の上、一歩間違えれば崖から転落しかねない場所なので、画角の隅にようやく天の川が入る構図が精一杯だった。

    夜のミツバツツジと霞に浮かぶ富士  まず手前のミツバツツジにピントを合わせてフラッシュ撮影、後ろの富士山にピントを合わせ直して30~60秒露光撮影したもの。合成ではありません。


    夜のミツバツツジと富士  天の川が隅になんとか入る。狭い稜線の上、これが限界。

 さらに鬼ヶ岳側に行くとロープが張られており、これを越えると岩の上から眼下の西湖と足和田山越しの富士の眺望抜群の場所がある。そこは間違ってスリップしたら大変、50mは軽く転落するだろう。夜なので足元に十分注意しながら足場を確認して撮影する。眼下の西湖を覆う生き物のようにうごめく霧、そこに浮かぶ富士山、そして富士山を覆う霞の上を流れる天の川。腕を故障して以来テント泊が減り、なかなか見られなかった山上の星空は、久しぶりに出会った友のように、暖かく歓迎して出迎えてくれたように思えた。未明2時半までこの星空と戯れ、テントに戻る。

    梅雨の霞に浮かぶ富士  ホワイトバランスを変えて出力。


    森に昇った夏の大三角形  プロソフトン拡散フィルター使用。


    林の中に張ったテント。後ろの薄明りは河口湖。

 ウトウトしたかと思ったらもう外が明るくなっていた。時間は4時半、もうすぐ日の出だ。朝日に照らされた富士山を見ようとまた三脚とカメラを持って展望地に行くが、随分と霞んだ富士山が立っていた。こんな状況で夜間撮影したのだろうかと思うほど不鮮明な富士山、夜と昼の世界は別物のようだ。PLフィルターやハーフNDフィルターを使ってみるがどうにもうまく撮れない。おまけに夜間に星空撮影で使ったプロソフトンという拡散フィルターが付けっぱなしだったことに後で気付き、朝はいまひとつの写真になってしまった。

    朝の富士山


    夜に撮影した場所でミツバツツジを再写。霞む富士山、さらに拡散フィルターがつけっぱなし。


    これから目指す鬼ヶ岳

 人が登って来る前にテントを撤収し、6時半には次の目的地、鬼ヶ岳を目指して出発する。(2日目に続く)
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ミツバツツジ咲く十二ヶ岳、鬼ヶ岳、節刀ヶ岳 平成23年6月4-5日

2011年06月13日 | 御坂・毛無・天子山系
 6月4日 大石峠登山口から淵坂峠、毛無山を経て十二ヶ岳へ

 5月15日に短絡路を通って十二ヶ岳に登った帰り道で新しい道標を見つけた。それは大石峠登山道入り口の反対側にある広場のところにつけられていた「淵坂峠・大石キャンプ場バス停」を表示する看板だった。昭文社の地図にもこのルートは書かれてはいるのだが、点線で示されていて、有るのか無いのかわからないようなルートだと思っていた。しかし、今回は明らかな看板があり、川を渡って入るそのルートは覗きこんでみるとテープがつけられていた。いったいどんな道なのだろうか。

    大石峠登山道入り口の反対側広場奥にある道標。この先の川を渡って古道に入る。

 この2日間は別の予定があったにはあったのだが、天気予報と雲の衛星図を見て、この季節では数少ない天の川が見られそうな天候だった。予定をキャンセルして山上からの富士山と天の川を見に行くことに前日決める。午前中に職場の仕事を片付けて大石峠登山口に向かい、午後1時から歩き始める。水場の無い稜線テント泊なので、水を多目にと3.5リットル持ったつもりだったのだが、あとでザックを開けてみると4.3リットルも入っていた。かつ、ラーメンを持ってくるのを忘れ、水はあるが食料が1食足りないという事態が生じてしまったのに途中で気付く。

    驚くほど広くて良い道がある。


    淵坂峠の稜線に取り付く階段

 さて、川を渡って淵坂峠への道に入ると、入り口こそ薮っぽいのだが中に入ると驚くほど明瞭な良い道が通っていた。この道はおそらく古くから芦川のから河口湖の大石の集落に向う古道だったのだろう。今でこそアスファルトの道路が張り巡らされ、さらに若彦トンネルができてさらに河口湖と芦川が近くなっている。薄暗い木々の間を通るその道は古(いにしえ)の道といった趣のある、私好みの道だった。40分ほどで稜線に着くと、そこが淵坂峠で、さらに道は河口湖湖畔の大石に向って延びている。
 ここに道標と朽ちかけた木の階段があり、これを登って今度は稜線歩きの道となる。道は直角以上に進路を変え、ひたすら稜線上を西に向って進む。細い道だが稜線通しなので迷うことは無く、急登りを2~3度繰り返して1時間半ほどで標高1,500mの毛無山に到着した。ここでようやく展望が開け、南に雲を巻いた富士山が見え出す。時間は3時半、ここで中途半端にとった昼食をもう一度取り直す。

    中腹はもうミツバツツジが終わりヤマツツジが咲き始めていた。(標高1,200m付近)


    毛無山目前のところで展望が開ける。このあたりのミツバツツジはもう終焉(標高1,500m付近)


    毛無山から見る富士山

 ここから先が十二ヶ岳に向う竜の背(と私が勝手に呼んでいる)の難所だ。長いロープが何ヶ所もある御坂山塊最高のアルペンコースと言って良い。このあたりからミツバツツジが満開となっており、あまりにも見事なので三脚を出さずにはいられない。さすがに十一ヶ岳のコルのところの長いロープは三脚をたたんだが、その手前の尾根道は担いだまま歩いた。大木のミツバツツジもあり、かつ、時間が時間だけに歩いている人にも出会わず、ミツバツツジを満喫することができた。十一ヶ岳から十二ヶ岳にかけてはコイワカガミの大群落があり、こちらも見頃だった。通常ならば1時間少々のルートだが、2時間以上もかけて歩き、6時20分、十二ヶ岳山頂に到着した。

    二ヶ岳のミツバツツジ。このあたりから満開。


    満開のミツバツツジ


    ミツバツツジの大木。根本は1本の木。


    ミツバツツジと富士  良い場所を探しながら歩くがなかなか無い。


    十一ヶ岳への登りロープ  久しぶりに訪れたが、こんなロープあったっけ??


    十一ヶ岳のコイワカガミ群落  たくさん咲いていた。


    十一ヶ岳山頂から見る十二ヶ岳  山頂に霧(雲)がかかる。


    今度は十一・十二ヶ岳のコルへの下りロープ。これは結構怖かったので良く覚えている。


    名所、コルの吊り橋  グラグラ揺れます。


    さらに十二ヶ岳への急登りと鎖。たかが御坂山塊、されど御坂山塊。スリル味わえます。


    鎖場上部に咲いていたコイワカガミ

 山頂到着時は山の上は霧に巻かれ、かろうじて霞んだ富士山が見えたがすぐに消えてしまった。折角来たのに、果たしてこれで星が出るのだろうか?携帯電話で雲の衛星画像を見るが、微妙な雲行きだ。天の川が南の空に南中するのは深夜12時ごろだ。ひとまず林の中にテントを張り、前述の如く食事が1食足りないので夕食は野菜サラダとお菓子で辛抱する。遅く取った中途半端な時間の昼食のおかげでそれほど空腹感無く過ごせた。7時半を過ぎても霧は晴れず、深夜の星を期待して一旦寝袋にもぐり込んで寝る。

    十二ヶ岳山頂  霧で霞む。


    微かに富士山が見えたが、すぐに霧の中に消えてしまった。

 忘れてきたのはラーメンだけではなかった。エアーマットも置いてきてしまい、落ち葉の積もった山の中にテントを張り、ビバークシートを敷いて横になったが、寒さは感じず快適に寝ることができた。(後編に続く)


    本日歩いた行程



    梅雨の合間のさそり座と天の川  後編にご期待ください。
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梅雨の合間の釈迦ヶ岳

2011年06月03日 | 南アルプス
 平成23年5月30日

 先週梅雨入りした甲府盆地は週末雨が降り続けた。職場の仲間を連れてツツジの花が咲いているであろう御坂山塊を予定していたのだが、雨のため中止になってしまった。週明けの30日、午前中はどんより曇り空だったが、午後になって青空が見えるようになってきた。携帯電話で三つ峠からの富士山ライブカメラを見ると、雲が巻いてはいるが晴れてきそうな雰囲気だ。手軽に行けそうな釈迦ヶ岳に行ってみることにした。

    入り口の日向坂峠。標高差が最も少なく楽に行けるルート。


    ミツバツツジ咲く。向こうの右側が節刀ヶ岳


    新緑の森に咲くミツバツツジ


    同上  向こうに見える山頂が釈迦ヶ岳

 いちばん楽に行けそうなルートを選んで日向山峠(別名どんべい峠)に車を置いてそこから出発。時間は午後3時になってしまった。稜線を5分ほど歩くとミツバツツジが咲いていた。数日間の雨と風のおかげで花はもう散り始めていた。盛期を少し過ぎてしまったようだ。それでも場所によってはちょうど満開の木もある。三脚を担いだまま稜線の林を右に左に、釈迦ヶ岳稜線らしく、ツツジが咲きかつ山頂が撮れるような構図を探して歩く。普通に歩けば1時間少々で山頂に到着できるところを2時間近くかけて歩き、4時50分、山頂に到着した。

    府駒山 ミツバツツジが登山道を彩る。


    満開のミツバツツジと釈迦ヶ岳


    ミツバツツジと釈迦ヶ岳(フラッシュ同調)


    ロープ場とミツバツツジ  山頂は間近。

 天候と気温が不順なためか、もう散ってしまっている木もあればまだ蕾のついている木もある。全体的にはミツバツツジは満開を少し過ぎたところだろう。あと1週間は見頃が続きそうだ。代わりに、真っ赤な蕾をつけたヤマツツジがもう数日で開花しそうだ。

    山頂の夫婦地蔵  富士山は雲の中。


    見頃を迎えていた山頂のミツバツツジ


    富士山が出ていれば、こんな感じで写真が撮れただろうが・・・


    こちらはまだ蕾


    もうすぐこっちの赤いツツジが咲く。

 30分以上山頂で待ったが富士山は雲に覆われて裾だけしか見えず、ミツバツツジを前景に入れての富士山は不発に終わってしまった。これからヤマツツジのシーズンとなる御坂山塊、稜線歩きに良い季節を迎える。
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「町灯りの情景」 「ダイヤモンドな富士たち」 by YouTube

2011年06月01日 | 番外編
 去る5月21日、日本橋三井ホールでジャズバイオリニスト寺井尚子さんのコンサートが開かれ、行ってきました。アンコール曲を含めて1時間50分、休憩無しのノンストップでパワフルな演奏が行われ、圧倒されてしまいました。アンコールのいちばん最後に演奏してくれたのがアルバム「Anthem」の中にある「Somewhere Sometime」という私の大好きな曲で、涙が出そうなくらいに感動して帰ってきました。この曲はかつてこのブログで「Earth shadowの空」という動画に合わせてアップロードしたことがあったのですが、曲の著作権の問題でブロックされてしまい、ブログから削除させていただきました。(その後ブロックは解除されているようです。)そのほかにも寺井尚子さんの曲に合わせて編集した画像はたくさんあるのですが、アップロードしてもまた見られなくなってしまう可能性があるので、今回は少し古い曲に乗せて作成した作品2本をお楽しみください。
 1本目は山梨県の山から見る街明かりの情景です。私が大学生の頃に大ファンだった八神純子さんの「夢見る頃を過ぎても」という曲に合わせて送る、甲府盆地を中心とする美しい山梨県の夜景をお楽しみください。
 2本目はダイヤモンド富士(月光ダイヤモンドも含めて)を集めた映像です。4度登った七面山や撮影に苦労した笊ヶ岳の画像など、お楽しみください。曲はまさに映像の通り、PRINCESS PRINCESSの「ダイアモンド」です。
 寺井尚子さんの曲に合わせた映像はいずれお届けします。


町灯りの情景 for YT



ダイヤモンドな富士たち for YT
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