山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ウラシマソウ (サトイモ科)

2021年10月20日 | その他の絶滅危惧種
 竹林や藪などの陰地に生育する多年草である。雌雄異株で、若い個体は雄株で、成長すると雌株に変化する。地下に球茎があり、葉は長い柄があり上部で 2 叉し放射状に披針形の小葉をつける。花柄は直立し、葉柄より低く、先端に肉穂花序をつけ、花序の先につく濃紫色~紫褐色の付属体が異状に長く伸び、あたかも釣り糸を垂らしているかのように見える。花期は 5 月。山梨県では広範囲に生育しているがあまり見かけるものでは無い。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ウラシマソウ 平成26年4月 甲府市で撮影


    付属体が細く長く伸び、あたかも釣り糸を垂らしているかのように見える。


    令和3年4月 北杜市で撮影


    葉よりも低い位置に仏炎苞が出る。


    釣り糸を垂らすウラシマソウ

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ヤマシャクヤク (ボタン科)

2021年10月20日 | その他の絶滅危惧種
 山地の林床に生育する多年草である。根は太く、茎は直立し、草丈は 30 ~ 40㎝。葉は互生し柄があり、葉身は長さ5 ~ 12㎝の 2 回 3 出複葉で裏面は無毛または稀に散毛があり、小葉は楕円形から倒卵形。花は茎頂に上向きに 1 個つけ、花弁は白色で 5 ~ 7 枚、花柱は短く外に曲がる。花期は 5 月。本州中部以西、四国、九州に分布し、山梨県では御坂山系、富士山麓、南アルプス、八ヶ岳など広範囲で生育が確認されている。林内に散在性に生育しており群落を形成している場所は稀である。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ヤマシャクヤク 平成26年5月 杓子山で撮影


    純白の美しい花


    まだ蕾のヤマシャクヤク


    令和2年5月 富士山麓で撮影したヤマシャクヤク


    群生していたヤマシャクヤク。身延町で撮影。まだ花は確認していない。

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カイフウロ (フウロソウ科)

2021年10月19日 | その他の絶滅危惧種
 山地帯の草地や林縁に生育する多年草である。葉は掌状に 5 中〜深裂し、裂片は先端が尖る。イヨフウロの変種とされており、イヨフウロに比べて、全体に毛が少なく顎片にはほとんど毛がない。花は紅紫色で、花弁に入る濃い赤紫のスジがはっきり入る。花期は 7 ~ 9 月。かつては御坂山系の黒岳や三ツ峠で普通に見かけられたが、鹿の食害で激減している。

  2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    カイフウロ 平成29年8月 黒岳で撮影


    カイフウロの花。紅紫色で濃い赤紫色の筋がはっきりと入る。


    平成29年8月 三ツ峠で撮影。


    時として花弁の切れ込みが深い個体がある。


    平成26年8月 黒岳で撮影


    花弁の切れ込みが明瞭なタイプ

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カワヂシャ (オオバコ科)

2021年10月17日 | その他の絶滅危惧種
 田の畦や川辺、溝のふちなど水湿に生育する2 年草である。茎や葉は無毛で柔らかく、直立または斜上して、高さは10-100cmになる。葉は対生し、長さ4 ~ 8㎝、幅0.8 ~ 2.5㎝の披針形~長楕円状披針形でやや尖った鋸歯があり、基部は茎を抱く。葉腋から長さ5~ 15㎝の細い総状花序を出し、径 3 ~ 4㎜の小さな花を多数つける。花冠は白色で淡紅紫色の条があり、4 裂して皿状に開く。花期は5-6月。和名カワヂシャ(川萵苣)は、「川べりに生えるチシャ(レタス)」の意味である。帰化種(特定外来種)のオオカワヂシャに取って代わられつつあり、カワヂシャはあまり見られなくなっている。


    カワヂシャ 令和3年5月 河口湖で撮影


    同上


    小さな白い花を多数咲かせる。


    カワヂシャの花。白色の花冠に淡紅紫色の筋が入る。


    葉には明瞭な鋸歯がある。


    こちらはオオカワヂシャ。全体的に大き目。


    花冠は淡紫色で濃紫色の脈がある。葉の鋸歯はあまり目立たないか、無い。

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タカアザミ (キク科)

2021年10月17日 | キク科
 本州以北から北海道に分布し、やや湿った原野を好んで生育する2 年草である。茎は直立し、上部で分枝する。草丈は1~2m。根生葉は花時には枯死する。茎葉は互生し、葉身は長さ15 ~ 25㎝の長楕円形、羽状に深裂する。花は淡紅紫色、茎の上部に長い柄をつけて垂れ下がってつく。結実して綿毛を飛ばす頃には上を向くようになる。総苞外片は短く反曲する。花期は 7 ~ 9 月。山梨県では主に東部富士五湖地方に生育しており、個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    タカアザミ 令和3年8月 忍野村で撮影


    やや湿った草地を好んで生育している。


    背丈が高い。


    花は下向きに垂れ下がって咲く。


    下向きに咲くタカアザミの花


    結実して綿毛になった頃には花は上を向くようになる。

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オナモミ (キク科)

2021年10月17日 | キク科
 平地の道端や休耕地に生育する1 年草である。アジア大陸原産で、日本にはかなり古くに侵入した史前帰化植物と考えられている。茎は高さ20 ~ 100㎝で短毛がある。葉は卵状三角形で 3 ~ 5 に浅裂し、両面に剛毛あってざらつく。花期は 8 ~ 10 月。雌雄異花で、雄花は球状で枝の先の方につき、白みをおびたふさふさを束ねたような感じである。雌花は下部にあって、2本の突起がある緑色の壺状の総苞に囲まれて、先端にわずかに顔を出す。花が終わると、かたまってハリセンボン様の楕円形の実(果苞)をつけるが、先端部には特に太い棘が2本ある。この2本の棘の間に雌花があったものである。果苞の中には、種子が2個入っている。新しく入ってきた外来種のオオオナモミと混同されていることが多く、オナモミは個体数が少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017:環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    オナモミ 令和3年8月 山中湖で撮影


    オナモミの花


    上部にあるのが雄花、下部が雌花だが、突起のあるイガグリ状の部分は総苞である。雌花本体は見えていない。


    結実した花。


    先端部の太い棘のところに雌花があったはずである。

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ウメハタザオ (アブラナ科)

2021年10月16日 | アブラナ科
高山帯の砂礫地に生育する多年草である。葉は長楕円形で浅い鋸歯縁があり、茎を抱き、両面には星状毛がある。花は白く、背丈の割に大きく、花弁の長さ 10 ~ 12㎜。花期は 7 ~ 8 月。近縁のイワハタザオの高山型で花が大きい。山梨県では北岳周辺に生育しているが個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省カテゴリー:なし

    ウメハタザオ 2022年7月 北岳で撮影

    大き目の花が咲き、長角果は長めである。

    葉は茎を抱き、茎や葉には星状毛がある。

    ウメハタザオの花

 葉の星状毛や根生葉などまだ観察不十分なところが多い。もう少し良い個体を見つけたいところである。



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タヌキマメ (マメ科)

2021年10月16日 | マメ科
日当たりのよい草地や道ばたに生育1 年草。高さ20 ~ 50㎝で全体に褐色の長毛がある。葉は線形~狭長卵形で互生し、ほとんど柄がない。花は青紫色。萼は褐色の毛が密生する。和名の由来は、毛の多い萼を「狸」に見立てたもので、この植物の様子を良く現している。花期は 7 ~ 9 月。山梨県では生育地が限局しており、群生している場所もある。しかし、草刈りや宅地開発の影響でいつ消滅してもおかしくない環境にある。

  2018年山梨県カテゴリー絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017:環境省カテゴリー:なし

    タヌキマメ 令和3年9月 北杜市で撮影

    この場所では群生が見られたが、後に草刈りが行われ全て刈られてしまった。

    タヌキマメの花。日当たりの良い午後に花が開く。

    側面から見る花と実。狸豆とは良い名前を付けたものである。

    白花のタヌキマメ

    あまり見かけることは無い。



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アカイシリンドウ (リンドウ科)

2021年10月16日 | リンドウ科
 高山帯の日当たりのよい砂礫地に生育する1 年草または 2 年草である。高さ5 ~ 30㎝。茎は紫色を帯びることが多い。茎葉は卵状披針形~楕円形、長さ1 ~ 4㎝で、茎を抱く。花柄は直立し長さ2 ~ 8㎝。萼筒は長さ5 ~ 10㎝。花冠の長さ7 ~ 25㎜。花冠は筒状鐘形で約1/3程4裂して青紫色の花を咲かせる。タカネリンドウの変種で南アルプスと白山の高山帯の草地に特産する。花期は 8 月下旬から9 月。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)


    アカイシリンドウ 令和3年8月 北岳で撮影


    石灰岩混じりの砂礫地に生育していた。


    好天の時でないとなかなか花を開いてくれない。


    筒状鐘型の花冠の先端が4裂して青紫色の花を咲かせる。

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サワルリソウ (ムラサキ科)

2021年10月16日 | その他の絶滅危惧種
 関東以西から九州の太平洋側に分布し、山地の林床に生育する多年草である。日本特産属の 1 属 1 種。草丈は 50 ~ 80㎝。葉は互生し無柄、葉身は長さ10 ~ 20㎝の長楕円形で鋭頭、基部は細くなり茎に続く。茎全体に短く硬い毛がある。花は青紫色、長さ8 ~ 10㎜の筒状鐘形で茎頂付近につく。果実は灰白色で光沢があり、先端は鈎状となる。花期は 5 ~ 6 月。山梨県では散在的に分布し個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    サワルリソウ 令和3年6月 東部富士五湖方面の山中で撮影


    おじぎするように下向きに咲くサワルリソウの花


    上品な青紫色の花


    葉は互生し、柄は無い。

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エゾミソハギ (ミソハギ科)

2021年10月16日 | その他の絶滅危惧種
 湿原や湖の湖畔など水辺を好んで生育する多年草である。枝を伸ばし、高さ50〜150cmになり、4稜か6稜ある。穂状花序は頂生し、紅紫色の鮮やかな花を多数つける。花弁は6弁、雄しべは12本あり、交互に長短がある。葉は柄がなく、対生するか3個輪生し、長披針形〜広披針形、先はふつう鋭形、葉の基部は円形から浅い心形となって半ば茎を抱く。ミソハギ(L. anceps)に類似するが、エゾミソハギは茎全体に乳頭状突起を通常密生させることと、葉の基部が円形から浅い心形となって半ば茎を抱くところが異なる。花期は 7 ~ 9 月。山梨県では東部富士五湖方面に生育している。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) .2017年環境省カテゴリー:なし


    エゾミソハギ 令和3年8月 山中湖で撮影


    鮮やかな紅紫色の花を多数付ける。


    この場所の個体はあまり毛深く無い。


    葉の基部が浅い心形で少し茎を抱いている。

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コンロンソウ (アブラナ科)

2021年10月16日 | アブラナ科
山地の川辺や水湿地を好んで生育する多年草である。茎は上部で枝を分け、高さ30 ~ 70㎝。水平に伸びる根茎を出し、分枝して大きな群落をつくる。葉は長い柄があり羽状複葉で、小葉は5個か7個出て長楕円状披針形、先は鋭尖形で基部はくさび形、縁は不規則な鋸歯があり、両面に毛がある。花は白色で倒卵形〜長倒卵形で4弁、雄しべは6本ある。花期は 4 ~ 6月。山梨県での個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー :準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし

    コンロンソウ 令和3年4月 甲斐市で撮影

    群生するコンロンソウ

    白い花を咲かせる。花は4弁だが雄しべは6本ある。

    令和3年5月 甲府市で撮影

    半分結実している。

    コンロンソウの花



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バイカモ (キンポウゲ科)

2021年10月15日 | キンポウゲ科
 きれいな流れのある川に生育する多年性の沈水植物である。茎は長さ1 ~ 2mになる。葉は沈水葉のみで、3 ~ 4 回 3 出複葉で、葉身は細かく裂け、糸状の裂片となる。葉腋から花茎を水上に伸ばし、径 1.5㎝程度の白い花を付ける。萼片、花弁ともに 5 枚。花期は 6 ~ 8 月。県内では、忍野村他の清流に生育している。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017:環境省カテゴリー:なし


    バイカモの花 令和3年8月 忍野村で撮影


    バイカモの生育する用水路


    葉は全て沈水葉である。細かく細く裂ける


    水上に花茎を伸ばして白い花を咲かせる。


    バイカモの小さな白い花。

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⇒山梨県2018年版レッドリストの植物

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アサマフウロ (フウロソウ科)

2021年10月15日 | その他の絶滅危惧種
 山地帯の湿気のある草原を好んで生育する多年草である。茎はよく分枝し、茎や葉柄には逆向きの伏毛があり、葉は掌状に深裂し、裂片がさらに深裂する。花はこの仲間では最も大きく濃紅色。雄しべ10個で花柱は5裂する。花期は 7 ~ 9 月。和名は浅間山麓地方に多いことによる。山梨県では八ケ岳の山麓に生育しており、分布域は狭いが個体数は比較的多い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)


    アサマフウロ 令和3年8月 八ケ岳山麓で撮影


    湿地のほとりに咲いていた。


    この場所は個体数はあまり多く無かった。


    フウロソウ科の中では花は大型で、鮮やかな赤紫色。

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富士山頂に沈む月齢1.7の細月 高指山  令和3年10月8日

2021年10月14日 | 月富士
 この日の夕方は月齢1.7の細月が夕暮れの西の空に沈んで行く日である。山中湖のほとりからでもなんとか月が見えそうな時間帯ではあるのだが、日没後15分ではやっと見えるかどうかであろう。高指山の山頂からだと10分ほど遅い時間に富士山山頂に月が沈んで行くので、うまくすれば地球照の月が見られるかも知れない。午後4時半からカメラ2台と三脚を担いで高指山に登る。


    この山に登るのは久しぶりである。


    ネジバナが咲いていた。


    高指山から見る夕暮れの山中湖と富士山


    もうすぐ細い月が見えてくるはずである。


    夕焼け雲の脇に現れた細月


    雲間に輝く月。まだ地球照の月にはならない。


    金星が輝き出したが、富士山からは遠い位置。


    富士山頂に迫る月


    地球照の月にはならなかった。インターバルタイマーでお任せ撮影したが、やや露出オーバーだった。

 もう1台のカメラは細月を強調して570㎜望遠レンズで撮影を行った。APS-CサイズセンサーのEosM5だと富士山山頂が一部入り切らないが、それを承知で撮影を行う。


    富士山頂に迫る細月


    接地


    富士山頂真ん中を通過する頃


    トリーミング画像。細月がかかっている部分に鳥居があるのだが・・・


    この角度だと後ろ側の建物と重なってしまい鳥居の形が一部欠けてしまう。左側にある棒は塔。

 狙っていたのはこの富士山頂の鳥居と重なる細月だった。当初は2倍エクステンダー装着して1140㎜超望遠で撮影の予定だったが、撮影前に鳥居を確認したところ欠けてしまっていることが分かったので570㎜に変更した。高指山だと角度が悪いことと、距離が遠くて鳥居が小さくなってしまうことも分かった。この鳥居と月を狙うならば山中湖のほとりの長池側からか、あるいは梨ヶ原から狙ったほうが良さそうである。


    金星輝く山中湖


    同上


    東の空には木星が輝く。

 月の位置を見て、また挑戦してみたいと思う。

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