前日埼玉県入間市で1966カルテットという若手美人演奏家のコンサートがあった。演奏曲はこのブログ内でも時々YOU-Tubeから載せているビートルズとクイーンをクラシック調にアレンジしたものだ。2ケ月ほど前に座席を予約したので、前から3列目の好位置でコンサートを満喫、トークも演奏も素晴らしかった。
気分を良くして群馬に向かう。行く先は武尊山。登山口は何ヶ所かあるが、ちょっとしたトレーニングのつもりであまり人が入っていないだろうと予想される川野谷野営場からのルートを選択した。登山口には夕方7時半には到着できそうだったが、空を見ると真黒な雲が広がり、雨が降りそうだ。さらに、日が沈むと雲間に稲光が走っているのが見える。車内泊を予定していたが、これはヤバそうだ。宿を確保してオリンピックを見ながら泊ることにする。テレビ画面のテロップには、群馬県に大雨雷注意報が出されていた。
翌朝は4時半に起床して川野谷野営場に向かう。広い駐車場兼キャンプ場には誰もおらず、避難小屋にも宿泊した様子は無かった。5時50分、出発する。数日前の当直疲れがまだ抜けないのか、歩き始めから体がだるくて鉛のようだ。少し歩いただけで息が上がり、汗が滝のように流れ出る。不動岳への分岐を過ぎた後から急登が始まるが、とにかく辛い。ピッチを遅くしても、休憩しても呼吸が整わない。

川野谷野営場と避難小屋。管理人さんがいるのかと思っていたが誰もおらず、自由に使って良いらしい。ただし、トイレは使用不可。

不動岳の分岐。ここを右に進む。間もなく急登が始まる。

ロープ場。ここは滑りやすくて慎重に登る。下りのほうが大変。その他に木が1本階段代わりに寄りかけてあるところもあった。

大きな柏の木。プナやクヌギなど、立派な広葉樹林の木々が立ち並ぶ。

急登を登りきると道が平らになる。このあたりはツガの樹林帯。

古い道標が置かれている。この先に進むとオグナ武尊スキー場からの道と合流する。

ツルアリドオシ。道の脇にちらほらと咲いていた。
悪戦苦闘すること3時間45分、なんとか標高2,040mの前武尊に到着した。時間は9時35分。絞れば汗が滴る下着を、たまたま持参していた新しいものにここで着替える。ゆっくり休憩していると、4~5人の人たちに追い抜かれた。ここから武尊山までは標高差で約160m、あと少しだと思っていたが全く甘かった。地図で見る限りでは穏やかな尾根歩きかと思っていたのだがそうではなく、岩場をアップダウンする悪路、間違って踏み外せば大変なことになりそうな岩場もある。

オグナ武尊スキー場の最上部に飛び出す。前武尊はすぐそこに見えるが、なかなか着かない(ように感じた。)

石像が立つ。

前武尊岳山頂にやっと到着。「日本武尊像」が立つ。

前武尊からは一旦下りとなる。眼前に鋭鋒が迫るが、これは登らずに巻き道になっている。

剣ヶ峰鞍部の道標。真直ぐに岩を登れば岩峰の上に立てるが、そんな余裕全く無し。巻き道を行く。

剣ヶ峰岩峰の側面に着いていたミヤマダイコンソウの群落
一旦下ってまた登り返し、剣ヶ峰鞍部からさらにまた崖を下って登り返し、苦節1時間ほどで眺望の良い家の串(標高2,103m)に到着した。この先でようやく目指す武尊山が見えるようになるが、まだ遥か彼方に見える。川場谷野営場から登り5時間で11時山頂と見ていたが、既に時間は10時45分だ。体力の消耗もいつも以上にひどい。ここまで来たからにはもう一頑張り。しかし、またこの道を帰るのかと思うと・・・

登り返して標高2,103mの家の串に到着。この先でようやく武尊山山頂が見えるようになる。

右が中の岳、左が目指す武尊山。細尾根が続き、目指す山頂は遥か彼方に見える。

コメツツジと武尊山
家の串からまた下りとなり、岩尾根を通過して中の岳目指して登って行くと、中腹であっさり武尊牧場からの道に合流した。中学生と思わしきグループが10人ほどで休憩しており、こちらからのルートがメインルートになっているらしい。中の岳を越えて行くのかと思っていたがここは巻き道になっていた。その先に「菩薩界の水」と書かれた細い水場があり、さらに枯れている鳳の池、たまり水のある三ツ池を通り過ぎて山頂へと向かう。この三ツ池周辺にはキヌガサソウが群生していて、少しだけ疲れを癒してくれた。

武尊牧場分岐点(中の岳南の分岐点)

枯れている鳳の池

三ツ池の周辺に咲いていたキヌガサソウの群落

キヌガサソウ。ここの花は真っ白。(燧ケ岳では中に薄紫色の紋様がついていた。)
山頂への最後の登りをほぼ惰性で登り切り、12時15分、武尊山山頂に到着。川野谷野営場から6時間半近くかかったことになる。(ちなみに昭文社地図のコースタイムでは4時間半くらい。)やや混雑している山頂は即座に下りて、その手前のヤマトタケル像が立つ岩のところで昼食をとる。2.5リットル持ってきた水は残が800mlとなってしまう。

ヤマトタケル像が立つ岩場の横を通り過ぎて山頂へ。あと少し。

6時間半近くかかってようやく到着した武尊山(沖武尊)山頂。

ヤマトタケル像の足元にお邪魔して昼食。
20分ほど昼食と休憩をとり、また長い道を帰る。立ちあがる時に右足の内転筋が攣ってしまい、屈伸運動を十分に行ってから歩き出す。水が足りなそうだったので「菩薩界の水」を汲んだが、300ml汲むのに10分以上かかった。葉屑が少し混ざってしまったが、夏とは思えない冷たくておいしい水だった。あとはひたすら川野谷野営場を目指して歩くだけだ。

歩いてきた尾根を振り返る。前武尊は右側のピークの裏側になり、ここからでは見えない。これからまたあそこを歩いて帰るのかと思うと・・・先が思いやられる。下に見える水たまりが三ツ池。

岩場に咲くコキンレイカ(ハクサンオミナエシ)。向こうに見える山はあちら側の剣ヶ峰山。

剣ヶ峰岩峰の家の串側。鎖がついていて登れそうだったが、とてもそんな元気無し。

剣ヶ峰岩峰。上に先行した若者が立つ。
予想通りこちら側のルートを歩く人は少なかったが、あまり歩かれない理由も少しわかった。下りは4時間くらい、午後5時15分に無事下山。

川野谷野営場に到着。止まっているのは私の車だけ。途中に新しい踏み跡があったので、こちらから入山した人がいたはずだが、おそらくはほんの数人だけだろう。
トレーニングどころではない、大変な登山だった。標高差、距離とも7月に訪れた桜平から硫黄岳・横岳ルートとあまり変わらなかったのでそれほど苦労しないだろうと思っていたのだが、体調不良以上に歩きにくいルートだった。下調べと、もう少し日常のトレーニングが必要と反省させられた。
気分を良くして群馬に向かう。行く先は武尊山。登山口は何ヶ所かあるが、ちょっとしたトレーニングのつもりであまり人が入っていないだろうと予想される川野谷野営場からのルートを選択した。登山口には夕方7時半には到着できそうだったが、空を見ると真黒な雲が広がり、雨が降りそうだ。さらに、日が沈むと雲間に稲光が走っているのが見える。車内泊を予定していたが、これはヤバそうだ。宿を確保してオリンピックを見ながら泊ることにする。テレビ画面のテロップには、群馬県に大雨雷注意報が出されていた。
翌朝は4時半に起床して川野谷野営場に向かう。広い駐車場兼キャンプ場には誰もおらず、避難小屋にも宿泊した様子は無かった。5時50分、出発する。数日前の当直疲れがまだ抜けないのか、歩き始めから体がだるくて鉛のようだ。少し歩いただけで息が上がり、汗が滝のように流れ出る。不動岳への分岐を過ぎた後から急登が始まるが、とにかく辛い。ピッチを遅くしても、休憩しても呼吸が整わない。

川野谷野営場と避難小屋。管理人さんがいるのかと思っていたが誰もおらず、自由に使って良いらしい。ただし、トイレは使用不可。

不動岳の分岐。ここを右に進む。間もなく急登が始まる。

ロープ場。ここは滑りやすくて慎重に登る。下りのほうが大変。その他に木が1本階段代わりに寄りかけてあるところもあった。

大きな柏の木。プナやクヌギなど、立派な広葉樹林の木々が立ち並ぶ。

急登を登りきると道が平らになる。このあたりはツガの樹林帯。

古い道標が置かれている。この先に進むとオグナ武尊スキー場からの道と合流する。

ツルアリドオシ。道の脇にちらほらと咲いていた。
悪戦苦闘すること3時間45分、なんとか標高2,040mの前武尊に到着した。時間は9時35分。絞れば汗が滴る下着を、たまたま持参していた新しいものにここで着替える。ゆっくり休憩していると、4~5人の人たちに追い抜かれた。ここから武尊山までは標高差で約160m、あと少しだと思っていたが全く甘かった。地図で見る限りでは穏やかな尾根歩きかと思っていたのだがそうではなく、岩場をアップダウンする悪路、間違って踏み外せば大変なことになりそうな岩場もある。

オグナ武尊スキー場の最上部に飛び出す。前武尊はすぐそこに見えるが、なかなか着かない(ように感じた。)

石像が立つ。

前武尊岳山頂にやっと到着。「日本武尊像」が立つ。

前武尊からは一旦下りとなる。眼前に鋭鋒が迫るが、これは登らずに巻き道になっている。

剣ヶ峰鞍部の道標。真直ぐに岩を登れば岩峰の上に立てるが、そんな余裕全く無し。巻き道を行く。

剣ヶ峰岩峰の側面に着いていたミヤマダイコンソウの群落
一旦下ってまた登り返し、剣ヶ峰鞍部からさらにまた崖を下って登り返し、苦節1時間ほどで眺望の良い家の串(標高2,103m)に到着した。この先でようやく目指す武尊山が見えるようになるが、まだ遥か彼方に見える。川場谷野営場から登り5時間で11時山頂と見ていたが、既に時間は10時45分だ。体力の消耗もいつも以上にひどい。ここまで来たからにはもう一頑張り。しかし、またこの道を帰るのかと思うと・・・

登り返して標高2,103mの家の串に到着。この先でようやく武尊山山頂が見えるようになる。

右が中の岳、左が目指す武尊山。細尾根が続き、目指す山頂は遥か彼方に見える。

コメツツジと武尊山
家の串からまた下りとなり、岩尾根を通過して中の岳目指して登って行くと、中腹であっさり武尊牧場からの道に合流した。中学生と思わしきグループが10人ほどで休憩しており、こちらからのルートがメインルートになっているらしい。中の岳を越えて行くのかと思っていたがここは巻き道になっていた。その先に「菩薩界の水」と書かれた細い水場があり、さらに枯れている鳳の池、たまり水のある三ツ池を通り過ぎて山頂へと向かう。この三ツ池周辺にはキヌガサソウが群生していて、少しだけ疲れを癒してくれた。

武尊牧場分岐点(中の岳南の分岐点)

枯れている鳳の池

三ツ池の周辺に咲いていたキヌガサソウの群落

キヌガサソウ。ここの花は真っ白。(燧ケ岳では中に薄紫色の紋様がついていた。)
山頂への最後の登りをほぼ惰性で登り切り、12時15分、武尊山山頂に到着。川野谷野営場から6時間半近くかかったことになる。(ちなみに昭文社地図のコースタイムでは4時間半くらい。)やや混雑している山頂は即座に下りて、その手前のヤマトタケル像が立つ岩のところで昼食をとる。2.5リットル持ってきた水は残が800mlとなってしまう。

ヤマトタケル像が立つ岩場の横を通り過ぎて山頂へ。あと少し。

6時間半近くかかってようやく到着した武尊山(沖武尊)山頂。

ヤマトタケル像の足元にお邪魔して昼食。
20分ほど昼食と休憩をとり、また長い道を帰る。立ちあがる時に右足の内転筋が攣ってしまい、屈伸運動を十分に行ってから歩き出す。水が足りなそうだったので「菩薩界の水」を汲んだが、300ml汲むのに10分以上かかった。葉屑が少し混ざってしまったが、夏とは思えない冷たくておいしい水だった。あとはひたすら川野谷野営場を目指して歩くだけだ。

歩いてきた尾根を振り返る。前武尊は右側のピークの裏側になり、ここからでは見えない。これからまたあそこを歩いて帰るのかと思うと・・・先が思いやられる。下に見える水たまりが三ツ池。

岩場に咲くコキンレイカ(ハクサンオミナエシ)。向こうに見える山はあちら側の剣ヶ峰山。

剣ヶ峰岩峰の家の串側。鎖がついていて登れそうだったが、とてもそんな元気無し。

剣ヶ峰岩峰。上に先行した若者が立つ。
予想通りこちら側のルートを歩く人は少なかったが、あまり歩かれない理由も少しわかった。下りは4時間くらい、午後5時15分に無事下山。

川野谷野営場に到着。止まっているのは私の車だけ。途中に新しい踏み跡があったので、こちらから入山した人がいたはずだが、おそらくはほんの数人だけだろう。
トレーニングどころではない、大変な登山だった。標高差、距離とも7月に訪れた桜平から硫黄岳・横岳ルートとあまり変わらなかったのでそれほど苦労しないだろうと思っていたのだが、体調不良以上に歩きにくいルートだった。下調べと、もう少し日常のトレーニングが必要と反省させられた。