山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

紅葉にはまだ早い大柳川渓谷を散策 令和6年10月25日

2024年10月27日 | 渓谷
 市川三郷町に出張があり、やや手こずったが午前中で仕事は終わった。コンビニに立ち寄って昼食を買い込み、午後から大柳川渓谷に散策に出かけてみる。3年ほど前の1月に一度訪問したことがあるが、その時は滝が凍り付いていてそれなりに面白い景色を見ることが出来た。今回は花仲間の情報によるとちょっと面白い植物が生えていたらしい。

    大柳川渓谷遊歩道の入り口

    滑り易い石畳の道を渓谷に向かって下りて行く。

    道案内の看板が立てられていて良く整備されている。柱には「左 富士見山」と書かれているがおそらく道は消滅している。

    吊り橋の上から見下ろす渓谷

    プロペラ状の種をたくさん付けた木があったがおそらくウリカエデであろう。

    長い竜仙橋の階段

    階段を昇ると渓谷を渡る吊り橋になっていた。

    天渕の滝

    滝の岩壁に咲いているのはリュウノウギクであろう。

    滝を巡るチャレンジコースという脇道があり、立ち寄ってみる。

    小さな橋が架かっている。橋も岩も滑り易く気をつけて渡る。

    五段の滝とまぼろしの滝の分岐点

    こちらが五段の滝。水量はあまり多く無いが落差の大きな滝である。

    こちらがまぼろしの滝の展望台

    ところが、木の葉が茂っていて滝はわずかに姿が見えるのみだった。上に見えているのが穴観音滝、左下の木々の中にまぼろしの滝が隠れている。

    元のルートに戻る。岩壁にはイワタバコの葉がいっぱい。

    竜馬淵

    スゲの仲間が叢生している。

    ハシナガカンスゲではないかと期待したのだが、葉を触ってみると縁がザラついていた。これはコカンスゲではないかと思う。

    道路に抜け出る。岩壁にぶら下がっているのはウラハグサではないかと思う。もう少し葉を良く見て来るんだった。

    花序が垂れ下がっているススキ。これはアブラススキであろう。

    見たかったちょっと面白い花とはこの群生している白い花

    ちょうど見ごろの満開になっていた。これはツメレンゲ。

    遊歩道から少し外れた岩の上に咲いていた。

 渓谷は少しだけ紅葉が始まっていたが、見ごろになるのは1ヶ月くらい先になるであろう。まぼろしの滝はその名の通り、おそらく見ることは出来ないであろう。葉が散った冬にしかお目にかかれない滝である。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カヤランが満開 甲府市 令和6年4月27日

2024年05月01日 | 渓谷
 2週間ほど前に訪れた時はまだ固い蕾だった渓谷沿いのカヤランがそろそろ満開になっている頃だと思い、再訪してみる。

    見下ろす新緑の渓谷

    ヤシャゼンマイが葉を広げている。

    フジの花が満開の見ごろを迎えていた。
    フジの花と渓谷の流れ

    渓谷沿いに咲くヒメウツギ

    ウワミズザクラは満開を少し過ぎている。たくさん花を付けていた。

    新緑の渓谷

    赤紫色のツツジが咲いていた。

    これはダイセンミツバツツジ。満開を少し過ぎていた。

    ダイセンミツバツツジと猿顔の岩

    カヤランが着生している大きな木。これはコナラの木だろう。

    カヤラン。この株は少し痛み始めている。

    こちらの大株は満開

    2株並んで咲いていた大株のカヤラン。花付きも良く良いものが見られた。

    角度を変えてみると10株くらい咲いていた。こんなに固まって咲いているとは感激である。

 ちょうど良い時期にカヤランは訪問出来たと思う。周辺の木も双眼鏡で覗き込みながら探したのだが、着生していたのは2本の木だけで他には見つからない。

    これはヤシャゼンマイであろう。渓谷沿いの岩壁にはたくさん生えているが道路脇にも生えていた。

    ヤシャゼンマイは葉に柄があって細長い葉は左右が対象。

    こちらはヤシャゼンマイとゼンマイの交雑種、オオバヤシャゼンマイであろう。

    葉には短い柄があって左右不対称ないびつな三角形をしている。

    ガマズミであろう。葉の幅が広い。

    花は良く似ているがこちらはオトコヨウゾメであろう。葉の幅が狭い。

    川の中にスゲの仲間が生えている。

    これはナルコスゲであろう。もう1種類の大きいほうは不明。

 渓谷の景色と春の花を楽しみながらのんびりと散策し、満開のカヤランにも出会えた良い散策が出来たと思う。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やっと出会えたハシナガカンスゲ 令和6年4月21日

2024年04月23日 | 渓谷
 天候がいまひとつで午後か夕方には雨が降り出しそうである。折角の1日休みなのだが植物探索に行くかどうか迷っているうちに時刻は10時になってしまった。
 情報をたくさん提供していただいている花博士からさらにビッグな情報を提供していただいた。既に4~5回探索に出かけている南部町に生育しているはずのハシナガカンスゲであるが、全く感触が無く見つかる気がしなくなっていた。ところが、いつも探している場所とは遠からずとも近からぬ場所に生育しているのを確認してきてくれた。これは見に行かないわけには行かない。出発時間が遅くなってしまったが出かけてみる。

    目指すのは渓谷の奥

    南部町らしく、カナクギノキが生えていた。

    花はまだ咲き始めたばかりである。

    ミツバツツジはほぼ満開

    ヒメウツギもほぼ満開

    白い花が鮮やかなヒメウツギ

    苔の岩壁に咲いたタチツボスミレ

    ツルシロカネソウが満開になっていた。

    花が終わっているテンナンショウの仲間。葉が細長い。

    おそらくこれはヒガンマムシグサであろう。

    ホソバテンナンショウ?と思ったが葉軸の別れ方がちょっと違うように見える。

    これは山梨県側では珍しいウメガシマテンナンショウらしい。

    しばしば目にしているやや大型のスゲ、ミヤマカンスゲ。

    鱗片が茶色いものが多く、果胞には毛が生えているはずである。

    こちらはさらに大型で葉の幅が広いカンスゲ

    雌小穂は黄緑色で剛直な感じがする。

    岩壁にやや小型の葉が柔らかそうな感じのスゲが生えていた。

    これこそが再三探しても発見出来なかったハシナガカンスゲであろう。

    想定していたよりも小さかった。生育環境も森の林床に生えると思っていたが岩壁に生えていた。

    先端が雄小穂、その下が雌小穂

    雌小穂は嘴がやや長く、外側に曲がる。果胞には毛が生えていない。

    違うタイプのハシナガカンスゲが生えていた。

    こちらは鱗片が茶色いタイプ

    こんな岩壁にこのように群生しているとは想定外だった。

    近くにはイワユキノシタが群生していた。

    もうすぐ咲きそうなイワユキノシタ

 半ば諦めかけていたハシナガカンスゲだが、花仲間の花博士のおかげで出会うことが出来てとても感動した。生育環境が分かったので今度は別の場所で探せるかも知れない。しかし、ヒメカンスゲやスルガスゲに似ており、一見しただけで判別できるかどうかはまだ全く自信が無い。もっとたくさん見てたくさん勉強しなければならないであろう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

咲き始めたコシノコバイモ  令和5年3月10日

2024年03月13日 | 渓谷
 毎年恒例になっている渓谷沿いに咲くコシノコバイモを見に行ってみる。午前中から出かける予定だったのだが、自宅でやるはずだった確定申告に手こずり、しかも完成できずに結局は後日税務署に行くことになってしまった。出かける前から心が折れてしまった感じである。

    10日ほど前に訪れたセツブンソウをまず見に行ってみるが、あまりたくさん咲いたわけでは無かった。

    かつてはあふれんばかりに咲いた時もあったのだがここ数年は寂しい。

    花はもう大部分が終わってしまっている。

    終盤のセツブンソウ

    トラノオシダ。珍しいものでは無い。

    渓谷の岩壁にぶら下がるサクライカグマ

    以前よりもだいぶ増えてきた感じがする。

    ナンタイシダやホソバナライシダに感じが似ているが、第一羽片がやや弓型に曲がるのが特徴であろう。

    谷の中はまだ寒々しい感じがする。

    咲き始めていたコシノコバイモ

    前日の強風に煽られたか、可哀そうに茎が折れてしまっている。

    こちらはまだ蕾である。

    渓谷を見下ろす位置に生えたコシノコバイモもまだ蕾である。

    明日にも咲きそうな花

    開花した花を見つけたが、花弁を虫に食われたか痛んでいた。

 まだ顔を出していない株もあるだろうから、足元に気をつけてあまり踏み荒らさないように慎重に歩いて撤退する。見ごろはあと1週間くらい先になりそうである。


    
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナツエビネは今年も夏バテ  令和5年8月10日

2023年08月13日 | 渓谷
 10日ほど前に花仲間が訪問してくれたナツエビネであるが、その際にはまだ蕾で花は咲いていなかった。時期的に間違い無く咲いているはずであるが、暑い日が続いており夏バテで立ち枯れしてしまっているのではないかと心配である。昨年も大部分の花が立ち枯れしてしまっており、今年は昨年以上に暑い。さて、どうなっているだろうか?


    気になっていたこのシダ


    若いサジランではないかと思っていたが何年経っても大きさが変わらず、これはヒメサジランのようである。


    ナツエビネ。残念ながら終わっている。


    茎が曲がっており全開する前に枯れてきたようである。

 
    一番の大株だが・・・


    心配していた通りに立ち枯れしてしまったようである。


    日当たりの悪いところにあったこの株は咲いてくれたようだがあまり元気が無い。


    葉はたくさんあったが花穂が出ていない。


    やっとまともに咲いた株を発見。左側はしっかりと結実してくれている。


    ナツエビネの花

    うっとりするような美しい花である。

    岩壁を見上げると少し変わったシダが着いている。


    これはオクタマシダであろう。


    固まってそれなりにたくさん生えていた。

    谷にぶら下がっていたホトトギスの葉

    スルガジョウロウホトトギスを期待するが、標高が500mに満たないこの谷ではまず生育していないはずである。

 
    トリーミングして見ると茎に毛が生えているようである。たぶんこれは普通のホトトギス。

 暑過ぎる夏はナツエビネにも堪えるようで、昨年に続いて今年も立ち枯れを起こしてしまっていた。生育する斜面の状態も年々乾燥化が進んで下草や苔が生えなくなっているように見える。ナツエビネの小さな個体はだいぶ無くなってしまっているようにも見受けられ、ピンチなのではないかと感じさせられる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セキショウの花は咲いたか? 八ヶ岳の谷  令和5年7月26日

2023年08月03日 | 渓谷
 5月にクモイコザクラの観察とともにセキショウの仲間が生育しているかどうか確認に行った八ヶ岳の谷であるが、そろそろ花が咲いている頃ではないかと思う。再訪してみる。


    林道脇にウツボグサがたくさん咲いている。


    こちらはクルマバナであろう。


    タカトウダイ


    たぶんケゴンアカバナ


    これはヤマトウバナであろう


    サワギクの群生があちらこちらで見られる。


    大きなウバユリ


    これはナガミノツルキケマンだと思うがまだ花は咲いていない。


    葉っぱがハート形の木があった。たぶんこれはシナノキだと思う。


    木の幹は縦にヒビが入って剥がれている。


    元々はもっと先のほうまで林道が繋がっていたのだが大雨で崩落してしまった。


    渓谷の中に圧倒的にたくさん生えているのはフクロシダ


    根元近くの羽片が縮小しておりこれはイワイヌワラビではないかと思ったのだが・・・


    ソーラスを見るとヘビノネゴザのようである。


    岩壁の隙間に生育したヒメイワトラノオ


    フクロシダと一緒にナヨシダが生えている。


    黒っぽいソーラスがたくさん付いている。


    ヒメスギランは前回と同様に1株だけ見つかった。


    岩壁にはヒメシャジンがたくさんぶら下がっていた。


    ヒメシャジン


    渓谷内で最も普通に見かけるのがこのスゲ


    これはテキリスゲであろう。


    良く似ているがこちらはレアもののスゲ。


    テキリスゲに比べて果胞が細長く嘴が長い。


    これはザラツキシラスゲ(チチブシラスゲ)であろう。


    下流域で数株だけ見たことがあるが、こちらには群生していた。


    セキショウの仲間が生育している岩壁に到着した。


    望遠レンズを取り出して覗き込んでみるが・・・


    花も花芽も見えない。どうやら咲かなそうである。

 期待していたセキショウの仲間であるが残念ながら花は咲いておらず花芽も付いていなかった。5月に見に来た時も葉が小さくて大株が見当たらないので咲かないのではないかと予想はしていたのだが、やはり咲かないようである。条件が良い年には咲いてくれるのではないかと思う。しかし、チチブシラスゲの群生が見つかったことは大きな収穫だったと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

増富ラジウム温泉近傍の渓谷を散策  令和5年6月29日

2023年07月05日 | 渓谷
 ハシドイを観察した後に日没まで時間があったので益富ラジウム温泉の中を流れている渓谷を散策してみた。


    清涼感あふれる渓谷の流れ


    翁滝


    福禄寿の木。ミズナラの大木だと思う。


    木に着生しているのはノキシノブであろう。


    小さなヤシャビシャクが着生していた。花が散ってトゲトゲの実が付いている。大株を探したが見つからない。


    コアジサイ


    サワフタギの木か?花が咲いていれば・・・。


    ウリノキが生えていた。


    ウリノキの花


    シダが岩にたくさん付いている。


    シノブとミヤマノキシノブのようである。


    近くに生えていたミヤマノキシノブ。光沢が少なく幅が広く、ホテイシダを小さくしたような感じ。


    コケシノブの群生


    何か白い花が咲いている。


    ネットで調べてみるとこれはネジキという木の花のようである、幹が捻れるらしいが良く見て来なかった。

 もっとじっくりと見て回れば、面白いシダや着生植物が生育しているのではないかと思う。雰囲気が西沢渓谷に似ている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西沢渓谷散策  令和5年5月31日

2023年06月03日 | 渓谷
 西沢渓谷の目的のひとつだったコハクウンボクは渓谷遊歩道に入る前の道沿いで多く見ることが出来る。コハクウンボクを存分に楽しんだ後に渓谷遊歩道に入り西沢渓谷を周回してみる。いちばん奥にある七つ釜五段の滝のところで遊歩道が崩落して通行不能になっており、現在その手前に迂回路が付けられている。この迂回路を歩くのは今回が初めてである。


    吊り橋から見上げる鶏冠山。天候いまいちで山頂に雲がかかっている。


    ホテイシダとヤシャビシャク。ホテイシダはまだソーラスを付けておらず、ヤシャビシャクは結実している。


    大木に着生したオシャグジデンダ


    これはヒメウツギであろう。


    こちらはウメウツギのはずだがまだ蕾である。


    三段の滝。前日の雨で少し増水している。


    竜神の滝


    これはナンタイシダであろう。この渓谷にはたくさん生育している。


    ミヤマウラボシの群生


    オオクボシダ。いつもの場所で確認したが他にはあまり見つからず。


    ヒメイワトラノオ。あまりたくさんは見かけない。


    ミヤマモミジイチゴであろうが、花はまだ付けていなかった。


    これはカンスゲであろう。やや大型のスゲ。


    もう終わってしまったかと思っていたがまだ果胞が残っていたスルガスゲ


    果胞は丸っこくて先端部が少し外側に曲がる。


    方杖橋。これを渡ると急登になる。


    すぐ下に七つ釜五段の滝下部が見えるが、この先で遊歩道は崩落している。


    通行止めのところから見る七つ釜五段の滝下部


    急登の迂回路


    咲き残りのアズマシャクナゲ


    この階段を昇ると遊歩道に出る。


    遊歩道の橋の上から見る七つ釜五段の滝上部。新緑に囲まれた滝が眩しい。


    トロッコ道の遊歩道を歩き、これにて1周。

 平日なのであまり歩いている人は居らず静かな渓谷歩きだった。ヒメスギランを探したのだが今回は気合が足りず発見出来なかった。時刻は4時半を過ぎ、もう後ろから歩いてくる人は居ないだろうと思ったのだが、2組のハイカーが私の後ろからやって来たのにはちょっと驚いた。何度も歩いている西沢渓谷であるが何度歩いても新鮮な出会いがある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

咲き始めたコハクウンボク 西沢渓谷  令和5年5月31日

2023年06月02日 | 渓谷
 昨年コハクウンボクを見たくて6月下旬に西沢渓谷を訪れたのだが、既に花は終わってしまって咲き残りのものをわずかに見ただけになってしまった。まだ少し時期が早いのではないかと思うのだが、昨日見たハクウンボクのほうは満開になっていたので、コハクウンボクのほうもそろそろ咲いている頃ではなかと思う。もう少し早く出発するはずだったが午前中の天候がいまひとつで午後には回復して来るらしい。午前10時に西沢渓谷駐車場を出発する。


    駐車場の脇にあるドウダンツツジが満開


    ハクウンボクの花も満開になっていた。


    純白で美しいハクウンボクの花


    ウリハダカエデの花


    黄緑色の花を総状に咲かせるウリハダカエデ


    渓谷沿いに咲くトチノキ


    満開のトチノキ。秋になると丸い実を付ける。


    この白い花はサワフタギ、ないしはタンナサワフタギだと思う。


    コハクウンボクがたくさん生育する場所に到着。


    予想はしていたのだが、花はまだ蕾で少し早かったようである。


    しかし、周辺を探してみると咲き始めているものもあった。


    咲き始めたばかりのコハクウンボクの花


    こちらの木も結構咲いている。


    咲き始めの新鮮な花


    ハクウンボクと同じく純白の花


    別の場所では満開になっている木があった。


    満開のコハクウンボク


    見事にたくさん花を咲かせている。

 少し時期は早かったのだが花の咲いたコハクウンボクにやっとご対面出来た。西沢渓谷にはたくさん生育しているが他の場所ではあまり見かけない稀少な木である。今年こそはと思っていた課題の花だったので、咲いているところを見ることが出来て良かった。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クモイコザクラ咲く八ヶ岳の渓谷を探索  令和5年5月2日

2023年05月05日 | 渓谷
 クモイコザクラがたくさん咲く八ヶ岳の渓谷であるが、その他にも珍しいシダやまだあまり調査されていないカヤツリグサ科の植物が潜んでいる可能性が高い。また、10年くらい前に歩いた時の画像を見ていたところ、山梨県ではあまり知られていないセキショウの仲間らしき葉が写り込んでいた。さて、どんな植物に出会えるだろうか?


    台風でだいぶ荒れてしまっていると聞いていたので渡渉が心配だったが、水量が少なく比較的容易に渡ることが出来た。


    これはツルネコノメソウであろう。イワネコノメソウもたくさん見かけた。


    ヒゲネワチガイソウがちらほらと咲いている。


    さっそく現れたこのスゲはこれでもかというくらいにたくさん生育している。


    雌鱗片が幅広い。ツクバスゲか、あるいはショウジョウスゲか?それとも八ヶ岳なのでナガミノショウジョウスゲになるのか?まだ分からない。


    カンスゲの仲間であろうが、この段階ではまだ何だか全く分からない。


    探していたシダのひとつ、ヒメイワトラノオ。


    数ヶ所で生育しているのを発見した。


    これはナヨシダと思われるが、まだ幼弱で確定は出来ない。


    このシダに出会えたのはラッキーだった。


    ヒメスギラン。見つかったのはこの1株のみだった。


    まだ満開には至っていないが、クモイコザクラはたくさん咲いている。


    岩壁に生育するクモイコザクラ


    鮮やかな濃いピンク色の可愛らしい花。葉は毛が少なくて切れ込みが深く、葉先が尖っていていかにもクモイコザクラらしい葉の形をしている。


    谷の奥深い岩壁に生育していたセキショウの仲間と思わしき葉。


    イワゼキショウになるのか、それともチャボゼキショウか?花が咲くのは7月下旬か8月ごろであろう。

 カヤツリグサ科の仲間もシダ類もまだ時期が早くて発見出来なかったものが多かった。セキショウの仲間と思わしき植物の葉は確認出来たので、花が咲く頃に再訪してみたいと思っている。その頃にはおそらく全く違う渓谷の姿を見ることが出来るであろうと期待している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満開のカヤラン 昇仙峡散策  令和5年4月20日

2023年04月21日 | 渓谷
 昨年昇仙峡で見つけたカヤランがそろそろ咲いているかも知れない。ヤシャゼンマイも葉を展開して胞子穂を伸ばしている頃であろう。


    切り立つ岩壁を見上げながら昇仙峡を散策する。


    この赤紫色のツツジはダイセンミツバツツジであろう。結構数はある。


    満開のヒメウツギの白い花が新緑の中で生える。


    対岸に群生するヤシャゼンマイ


    胞子葉を伸ばすヤシャゼンマイ


    ヤシャゼンマイの葉は柄があって流線型をしている。


    こちらはゼンマイ


    ゼンマイの葉は柄が無くてヨットの帆状の形をしている。


    これが交雑種のオオバヤシャゼンマイ


    葉には柄があってややいびつな長三角形に近い形をしている。


    お目当てのカヤラン。ちょうど見ごろになっている。


    この木には固まって着生している。


    結構な大株で花をたくさん咲かせている。


    満開のカヤラン


    別株。午後の遅い時間だと光が入らず撮影が難しい。


    後ろの薄紫色はフジの花


    これだけの大株だが、ずっと以前から人知れずひっそりとこの場所に咲いていたのだろう。

 満開のカヤランを存分に楽しませていただいた。午後になるとこの場所は光が入らず半逆光になってしまい、撮影が難しかった。

 さて、他にも確認しておきたかった植物がある。


    渓谷の岩に生えているのはナルコスゲであろう。


    これは普通に見かけるカンスゲであろう。渓谷内では大型のカヤツリグサ科植物。


    こちらはヒメカンスゲであろう。


    他にもよく似たカヤツリグサ科植物があり、スルガスゲなど他のカヤツリグサ科植物と見分けるのはなかなか難しい。


    確認しておきたかったカヤツリグサ科植物がこれである。葉の辺縁にザラつきがあり、おそらくコカンスゲであろうと思っていたが・・・


    小穂は先端に雄、手前に雌がある雄雌小穂で複数の小穂を付けている。これはコカンスゲで間違い無さそうである。

 他にも多くのシダが生育している昇仙峡は季節を変えて歩くとまた違う姿を見せてくれる。少し長い距離を歩いて他にカヤランが着生していないか探してみたが、既に発見してあった2本の木以外には発見出来なかった。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南部町の渓谷をちょっと探索  令和4年10月28日

2022年10月30日 | 渓谷
 中部横断道が静岡まで繋がって南部町へのアクセスは格段に良くなったとはいえ、午後からの訪問ではやはり時間的な制限がある。キチジョウソウを見た後に竹林に生えるヤツシロランの仲間を探しに行く予定だったのだが、曇り空で午後4時近くになるともう竹林の中は薄暗くなってしまい、探すのは容易では無さそうである。そこで、以前から気になっていた渓谷沿いの林道を探索してみることにした。日没が早くなったので1時間程度しか時間がとれない。


    2年前の春に訪れた時は台風で道が流されてガラガラの状態だったが、ほぼ復旧が終わっている。


    この工事現場から下流を探索してみる。シロヨメナと思わしき花があちらこちらに咲いている。


    咲き終えたアケボノソウがちらほらと生えている。


    支脈に咲いていたジンジソウ


    南部町の渓谷沿いではしばしば目にするジンジソウ


    橋の上から渓谷を見下ろす。


    双眼鏡で覗き込んだ時はオオバノハチジョウシダだと思ったのだがリョウメンシダだった。


    キヨスミヒメワラビ。南部町の渓谷沿いでは良く目にする。


    茎には白い鱗片がたくさん付いている。


    オオバノアマクサシダ。オオバノハチジョウシダはほとんど見かけず、こちらが圧倒的に多い。

 あっという間に日が暮れてしまい、予定していた行程の半分も見られずに終わってしまった。静岡県境に近い渓谷なのでおそらく南方系のシダや植物が多数生育しているのではないかと思っている。時間がとれれば、じっくりと歩いてみたい渓谷のひとつである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南部町の渓谷に咲くスルガジョウロウホトトギス探索  令和4年9月17日

2022年09月18日 | 渓谷
 9月の3連休後半は台風が通過しそうなので、その前に毎年恒例のスルガジョウロウホトトギスを見に行ってみる。今回訪問するのは昨年発見されたいつもとは違う渓谷の中に咲くスルガジョウロウホトトギスである。ルートが無い急峻な谷で人が入らないためにずっと生育が知られていなかったようである。念のためザイルを携帯し、細心の注意を払って谷に入ってみる。


    登山道脇に生えていたヒカゲノカズラ


    昨年発見した時はエゾヒカゲノカズラだと思ったのだが、今回見ると胞子穂に柄が付いており、ヒカゲノカズラと思われる。


    流れ落ちる滝の下に到着。


    岩壁を念入りに探すと、黄色い花がぶら下がっている。


    スルガジョウロウホトトギス発見


    昨年よりも花付きが悪く、個体数も少ないように見える。


    核心部の谷に入る。まだ蕾のスルガジョウロウホトトギス。夏の暑さに負けたか、葉が傷んでいる個体が多い。


    こちらは満開の花


    岩壁からぶら下がる姿がなんとも谷の雰囲気にマッチしていて美しい。


    登山道に戻ってさらに上部を探索してみる。


    標高1,000mを越える谷ではスルガジョウロウホトトギスは見つからない。


    渓谷に咲いていたホトトギス


    イワシャジンは咲き始めたばかりだった。

 こちらの谷に生育するスルガジョウロウホトトギスは個体数が少なく群生している岩壁は見当たらず、点々と咲いている感じである。急峻な谷だけにあまり安定している岩壁とは言い難く、脱落してしまった個体もあるようである。今後も咲き続けて欲しい貴重な花である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

渓谷に咲くマネキグサ  令和4年8月27日

2022年08月29日 | 渓谷
 何度か訪問している北杜市の渓谷を訪れてみる。2年ぶりくらいになるのではないかと思う。この渓谷にはキツネノカミソリが生育しており、さらにマネキグサも生えていた。しかし、2年前に訪問した際にはマネキグサは発見出来なかった。無くなってしまったのか?それとも探せなかっただけなのか?ずっと気になっていた。


    まだ咲き残っていたキツネノカミソリ。涼しい渓谷の中は開花が遅く、この時期でも咲いている。


    花弁よりも雄しべが短く、典型的なキツネノカミソリ


    葉柄に痛い棘がたくさん生えているミヤマイラクサ


    渓谷にかかる橋。その向こうにはかなり急峻なハシゴがかかっている。


    豪快に落ちる滝


    滝の脇に生えるシラヒゲソウ


    渓谷を見下ろすオシャグジデンダ


    都合良く目の良い花仲間と遭遇。あっさりとこの花を探し出してくれた。


    マネキグサ。山梨県での生育地はごく限られている。


    たくさん生えているわけでは無いが、確認は出来た。


    葉の切れ込みはさほど深いわけでは無いが、ひょっとしたらこれはキレハのほうになるのではないかと疑っている。

 マネキグサは2年前の訪問時の時期が悪かったか、あるいは探し方が悪かったかだろうと思う。最初に発見した場所にしっかりと生育してくれていた。キレハマネキグサという葉の切れ込みが深いものがあるらしいのだが、このあたりに生育しているのではないかと疑っている。この場所のものはあまり葉の切れ込みが深いわけでは無いが葉先が尖っているのが気になっている。他の場所に生育しているものも見て回ってから検討してみたいと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

渓谷の近傍に咲くアオホオズキ  令和4年8月21日

2022年08月22日 | 渓谷
 渓谷の遊歩道沿いにアオホオズキという珍しい花が生育しているという記事をネットで見たことがあり、何度か探してはいるのだが見つからずにいた。そもそも咲くのは5~6月ごろだと思っていたのでこの季節には歩いたことが無い。ところが、花仲間が渓谷近傍でこの花を探し出してきてくれて情報を提供してくれた。見ごろを少し過ぎているようなので急いで見に行かないと来年に持ち越しになってしまう。午前の仕事を終えて渓谷に移動するが、駐車場に着いて準備をしていると雷が鳴り出してしまう。さらに悪いことに、登山用のズボンを持って来ておらず、止む無くスラックスの裾を膝のあたりまで折り曲げて散策に出かけることとなる。


    ブロック塀に着生したホテイシダ


    橋の欄干に着生したホテイシダ


    アカバナの仲間だが花が白い。


    茎全体に短毛が生えており、これはイワアカバナと思われる。


    渓谷を見下ろすと球形の実をたくさん付けた木がある。


    これはトチノキのようである。


    先端部が切れ込むこの特徴的な葉はコハクウンボクの木。結構たくさん生えていた。


    結実したクモキリソウ。たくさん生えていた。

 途中から雨が降り出してしまい、結局スラックスをカッパに履き変えて散策することになる。教えてもらった場所あたりに到着したがなかなか見つからない。


    ちょっと変わった花が見つかった。


    ナンバンハコベ。絶滅危惧種では無いがあまりお目にかからない花。


    発見、これが探していたアオホオズキ。


    思っていた通りの大きさの花だったが、地味で発見しにくい。


    雨で濡れている。


    アオホオズキの花。薄黄緑色で花弁には細かい毛が密生している。


    別株を発見


    こちらはまだ蕾が付いている。


    たぶんこの大株もそうではないかと思うのだが、花がひとつも付いておらず確信は持てない。

 花が咲いていて確実にアオホオズキを分かるものは2株のみだったが、葉がそっくりで花を咲かせていないそれらしき株は近傍に数株あった。地味な花ではあるがなかなかお目にかかれないアオホオズキをやっと目にすることが出来て感激である。情報を提供してくれた花仲間に感謝したい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする