山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

見頃を迎えたミヤマモジズリとビランジ 茅ヶ岳  平成25年8月18日

2013年08月20日 | 山梨百名山
 前日の黒岳と同様に気温の上がる時間を避けて早朝から茅ヶ岳に出かけた。といっても、5時起床で登り始めたのは7時過ぎ。大明神林道まで車で入り、短絡したので順調に登れば10時には山頂に到着できる。が、通いなれた茅ヶ岳、通常のルートでは満足しない。今回は良くルートを間違えて直登してしまい、引き返して来る登山者が多い道(といっても道は無い)を、故意に登ってやろうと思う。果たしてどこに出るのやら?ひょっとしたら、そろそろ見頃を迎えるであろうミヤマモジズリが群生しているところを発見できるのでは?という期待もあった。

 女岩側のルートを進むと、入ってすぐのところに咲き始めたばかりの小さな白い花を発見した。このあたりは何も咲いていないだろうと決めつけていたのでいつもはノーマークの場所だが、登山道脇すぐのところに咲いていたのですぐに目に留まった。先日の富士山麓の森で発見したミヤマウズラだ。(ブログではヒメミヤマウズラと記載しましたが、いずれもヒメが付かないミヤマウズラです。訂正します。)登山道両脇にたくさん咲いていたが、咲いていたのはこの付近だけで、その先では見かけなかった。

    発見!ミヤマウズラ。ラン科の植物。


    たくさん群生していたミヤマウズラ


    同、接写。


    フシグロセンノウがポツリポツリと咲く。

 女岩は崩落が進んでおり、現在も立ち入り禁止になっている。が、状況を確かめに立ち寄らせてもらう。右側の崩落はあまり無いようだが、左側はまだ崩れているようで、さらに崩落しそうな岩が露出している。まだ立ち入り禁止の解除は難しそうだ。夏場だけあって水は細いが十分に流れていた。

    女岩の水場付近。こちら側の崩落はあまり無さそうだ。


    一方、左側は崩落した岩が積み重なっており、上部には今にも崩れそうな岩がむき出しになっている。

 登山道に戻り、急斜面を登る。後ろから来た女性に先を譲ったが、その女性が良く登山者がルートを間違える真直ぐ登るコースに入り込んでしまっていた。後ろを追いかけて本来の登山ルートを教えてあげるが、このルートこそが本日私が登ろうとしているルート(といっても道は無い)だ。良く間違える人がいるので一時テープが張ってあったのだが、無くなってしまったようだ。目の前には大きな岩が立ちはだかり、真直ぐ進むには難しそうだ。右側に巻く獣道があったのでそちらに進むが、当然の如く途中で道は無くなる。岩を巻いて上に登ると急登の尾根になっており、それをひたすら直登する。上の稜線が見え始めたところでまた大きな岩があり、どちらに巻こうか考えながら近付くと、その岩の下には明らかな道(と思われるもの)が通っていた。おそらくは古い林業作業道だろう。それを右に進むとあっさり尾根にたどり着いた。その尾根も道は不明瞭なのだが、何度か歩いている祠のあるピークから下るルートなので、容易に場所がわかった。予想では祠のあるピークに直登するだろうと思っていたのだが、だいぶ東側に登り着いてしまった。祠ピークに向かって尾根の斜面を登ると、あっさり到着した。時間は9時45分、右に回り込んだことと、途中の草むらでうろついていたため、だいぶ時間がかかった。残念ながら目ぼしい花は見つからなかった。

    前方に大穴の空いた岩が立ちはだかる。右に巻いたが、左に巻いたほうがおそらく楽だっただろう。


    見上げるような急斜面、その上にはまた岩が立ちはだかるが、岩の下に明瞭な道が走っていた。


    廃道となっているルートの途中にある、祠の立つピークに到着。


    周辺の草むらは珍しい花が咲きそうな雰囲気があるのだが、見つけたのはシュロソウくらい。


    見上げる茅ヶ岳。朝の冷え込みが少し強くなったためか、ツツジとナナカマドは若干紅葉が始まった。


    展望岩から見る曲岳・黒富士山塊。金峰山は雲の中。

 このルートの途中に今回目的としているミヤマモジズリが咲いていることは確認しているが、なかなか良い時期に当たらず撮影は出来ていない。他にもあるのではないかと探しながら歩くが、いつもの場所以外では発見できなかった。まだ咲き始めたばかりの株がひとつ、その他は蕾だったが、例年よりはたくさん咲いてくれたようだ。葉っぱを良く見れば、確かにホテイランやアオフタバランに似たラン科の葉っぱだ。

    ミヤマモジズリ。ちょうど咲き始めたところだが、場所が悪く撮影が難しい。


    こちらはまだ蕾のミヤマモジズリ。

 三脚を立てるのが難しい場所で、かなりの時間を費やしてしまう。登り始めの頃はおそらく先頭を歩いていたはずなのだが、既に団体客を含めてかなりの人が登って行った。正規の登山道に合流し、その途中でも咲いているのを見つけたことがあるので探しながら登って行くと、3株咲いているのを発見した。この場所も三脚がうまく固定できず撮影に苦労する。悪戦苦闘していると、登って来た女性に「このあいだ八ヶ岳で会いました」と声をかけられた。北沢でコイチヨウランの撮影をしている時に通りかかった女性2人組で、風貌と三脚と撮影に熱中している姿ですぐにわかったそうだ。山梨県在住でエルクの常連さんであることも知った。きっとまたどこかで会うだろう。

    この山にも御坂山系同様、シュロソウがたくさん咲く。


    ミヤマモジズリ、3株プラス蕾1株。全ては写し込めず。


    ミヤマモジズリ接写。ピントいまいち、というよりも風で揺れてうまく撮影できず。接写は難しい。

 予定していたよりも1時間以上遅れ、11時半にようやく茅ヶ岳山頂に到着した。山頂にはあふれんばかりの人、標柱の無事を確認して休憩せずに尾根道を下る。途中のガレ地に咲くビランジを見に行く。ちょうど見頃を迎えており、たくさん咲いてはくれたが、さすがに暑い日が続いているだけあって花は焼けて少し痛んでいた。まあ、元気に咲いてくれて良かった。

    茅ヶ岳ツイン・タワー。ニスが剥げ始めており、そろそろメインテナンスが必要そうだ。


    ビランジ満開。


    今年は結構咲いてくれました。

 12時40分に下山したが、この時間には気温がかなり上がっており、車の温度計は30℃を指していた。籔歩きをしたこともあって汗だく、下着を脱いで絞ると汗がぼたぼたと滴り落ちた。何度か訪れている茅ヶ岳のミヤマモジズリとビランジ、今年はきっちりと見ることが出来た。さらにミヤマウズラという新しい花との出会いがあり、暑かったが存分に楽しめた山行となった。
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『山と花と星の奏でる写真展』開催します

2013年08月19日 | 番外編
 ブログ上で少しだけ予告していた写真展をアウトドアショップエルクで開催します。この会場をお借りしての写真展は今回で3回目となります。全て夜の写真です。






 山梨の山に登った帰りにでも、また、山に登らない方でもお気軽にお立ち寄りください。
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レンゲショウマ咲く御坂黒岳  平成25年8月17日

2013年08月19日 | 山梨百名山
 暑い、とにかく連日の猛暑の甲府盆地。車の温度計は連日のように40℃を越えている。下手に近場の低山などに行こうものなら、暑さでうだってしまいそうだ。南アルプスに行くだけの時間もとれない。ならば、得意の夜登山、も考えたがそれだけの根性が出ず星も出てくれない。八ヶ岳以来、3週間も山歩きしていないと、さすがにヤバいのでは・・・と思って来る。そこで、近場の山をまだ朝の涼しいうちに登ってお昼ごろに下山、という手段をとることにした。早起きは苦手だが当直が無かった今週は比較的元気なので、なんとか起きられるだろう。

 昨年もこの時期に訪れている御坂山系黒岳の森だが、レンゲショウマがたくさん咲き、オクモミジハグマで吸密するアサギマダラが飛び交う自然豊かな森だ。日向坂峠(どんべいとうげ)側からの登山道沿いにもレンゲショウマがたくさん咲くのだが、今回はほとんど人の入らない西側に派生する尾根を直登する。おそらくはレンゲショウマがたくさんあるはずだ。朝5時起き、7時を少し過ぎた頃から登り始める。

    林道を歩き始めるとさっそくアサギマダラがお出迎え。


    こちらのキアゲハは眠っているのか、カメラを近付けても全く動かない。


    すずらん峠への登山道から黒岳の森に入る。

 標高1500mあたりのところで登山道を外れて尾根に取り着く。道は無いのだが草籔ではなく、普通に歩ける。レンゲショウマらしき葉っぱはたくさんあるのだが、花はほとんど着いていないし、咲いた様子も無い。全てがレンゲショウマでは無く、トリアシショウマが半分ほど混ざっているようだ。まばらに咲いているレンゲショウマを見つけたが、1~2週間時期が遅く、もう花が痛んでいるものや散ってしまっているものが多い。

    トリアシショウマが半分ほど混じる。


    まばらにマルバタケブキが咲く。


    ポツリポツリと咲くレンゲショウマはやや時期が遅い。


    レンゲショウマの群生だが、ほとんど花の咲いた様子が無い。ハズレ年なのか、それとも咲かないのか、あるいは鹿の食害か??


    咲き残っていたレンゲショウマ


    逆光のレンゲショウマ

 獣道を頼りに森を右に左にさまよいながら登って行く。ヤブレガサと思っていた葉っぱはどうやらモミジガサだったようで、たくさんの花茎を長く伸ばしていた。不思議なのは食害らしきトリカブトの花芽だ。毒草だと思うのだが、場所によってはほとんど食べつくされている。

    モミジガサの大群落と花茎


    モミジガサの花。もうほとんど散って痛んでいる。


    食害と思われるトリカブトの花芽。

 山頂まであと10分ほどのところで日向坂峠側の道と合流する。そのあたりから花の様子が少し変わり、ハクサンフウロ(カイフウロ?)やオクモミジハグマ、テンニンソウ、フシグロセンノウなどが咲き、吸密するアサギマダラが舞っている。

    ハクサンフウロ(カイフウロ?)


    テンニンソウで吸密するアサギマダラ。


    シュロソウが登山道脇に咲く。


    山頂に咲いたフシグロセンノウは今年は大当たり。


    何アザミでしょうか?フジアザミ以外はほとんど区別できません。


    黒岳山頂。

 展望台に行くと、この季節にしては珍しく富士山が見えていた。時間は9時45分、気温は約20℃、さほど暑くは無く、快適だ。軽食をとって30分ほど富士山を眺めて下山する。富士山が見えているので、すずらん峠側のルートを下山し、花と富士山が一緒に写し込める場所が無いかどうか探しながら下ったが、残念ながら良さそうな場所は見つからなかった。

    黒岳展望台から見る夏富士


    下界は今日も猛暑日だが、空の上を流れる雲は秋の筋雲。


    マルバタケブキ。バックに富士山は写し込めず。


    再び逆光のレンゲショウマ。尾根筋よりもこちら側のルートのほうがたくさん咲いていた。


 11時過ぎに下山したが、車の温度計は既に30℃を指していた。山上の気温もおそらくは午後になるとそのくらいの温度になると思われる。猛暑の中を歩くのは肥満体形で大汗をかく私にとってはかなり辛い。
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富士山麓の森 その後 アオフタバラン他  平成25年8月8日

2013年08月10日 | 番外編
 今年になってからもう4回ほど訪れている富士山麓の森はホテイラン咲く八ヶ岳南麓の森と並んですっかりお気に入りの場所となった。クモキリソウは北海道遠征の時期と重なってしまいとうとう見られなかったが、そろそろアオフタバランが見頃を迎えている頃だろう。ちょうど花見隊のみちほさんが行ってこられたばかりでメールを送ってくれ、比較的良く眠れた当直明けの午後に行ってみることにした。

 林道脇の広場に車を止めて歩くと、林道脇の土手は鹿の踏み荒らした足跡がたくさん走り、かなり傷んでいた。貴重な花たちは大丈夫なのだろうか?道脇にあったアオフタバランを探すと・・・咲いている。ほぼ満開だ。図鑑で見た通りの緑色の小さな花だ。

    林道脇に咲いていたアオフタバラン


    ウバユリ

 コアツモリソウのその後の様子を見にそっと森に入る。曇り空だとこの森は夕方のように薄暗く、小さな葉を踏みつけないように足元に注意して進む。コアツモリソウは花が散って細長い種になってしまっているもの、種も落ちてしまっているものがあった。小さな森の妖精は鹿の食害にはあっていないようだ。その周辺にはアオフタバランもたくさん咲いている。

    コアツモリソウその後


    種になっている。


    アオフタバラン


    アオフタバランの群生


    アオフタバラン接写

 その後のスズムシソウやクモキリソウの様子も見に行ってみる。葉っぱは虫に食われているものもあったが、ほとんどは健在、クモキリソウの株もしっかり咲いてくれたようだ。

    スズムシソウその後。こちらの株は無傷。


    クモキリソウその後。隣の株は虫か鹿に食べられて花がまともに咲かなかったが、こちらはしっかり咲いたようだ。

 そしてまた見たことのない新しい花の芽を発見した。あと2週間もすれば咲きそうだが、これはいったい何だろうか?甲府に戻ってから図鑑と写真をにらめっこすると、これはヒメミヤマウズラという花だ。10株ほど発見した。

    またまた見たことのない花と遭遇。


    ヒメミヤマウズラ。あと2週間もすれば咲きそうだ。


 訪れるたびに新たな発見がある富士山麓の森。また新しい花と遭遇し、開花を待ってまた見に行くことになりそうだ。
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コマクサ咲く八ヶ岳硫黄岳・横岳(後編)  平成25年7月27日‐28日

2013年08月06日 | 八ヶ岳・秩父山系
 前日赤岳鉱泉に宿泊し、日の出に間に合うように未明2時半に出発、5時過ぎに硫黄岳山頂に到着したは良いが、霧で何も見えない。朝食をとりながら休憩していると5時半過ぎから東の空に青空が見え始め、時折中央アルプスと御岳山が姿を現すようになってきた。そして次第に雲が晴れ始め、遂に中央アルプスの山並がずらりと姿を現す。そしてさらに、流れ行く雲の間から赤岳と阿弥陀岳が姿を現した。

    5時20分、霧に巻かれて何も見えない。


    5時38分、西の空に青空が広がり、御岳山と中央アルプスが姿を現す。


    西の空から次第に雲が晴れ始め、山並が見えるようになる。


    遂に姿を現した赤岳(左)と阿弥陀岳(右)


    雲湧く赤岳と横岳


    夜明けの空


    朝日射す阿弥陀岳と南アルプス(甲斐駒ケ岳と仙丈ヶ岳)


    北八ヶ岳、天狗岳と蓼科山


    全容を現した南八ヶ岳の山並

 6時を過ぎた頃から続々と山頂に登山者がやって来た。そのほとんどが夏沢鉱泉側からの登山者だった。そして6時半ごろに仲間の2人が山頂に登って来た。朝食はまだだというので、硫黄岳山荘のところで待っていてもらうことにして先に行ってもらう。三脚を撤収して硫黄岳山荘に向かうが、途中で写真を撮っていてレンズの異変に気付く。霧の影響でレンズの中が結露してしまった。もう1本のレンズは大丈夫なのでそちらに付け替える。

    硫黄岳山頂付近に咲いていたコゴメグサ。レンズが結露して画像が霞んでいる。もう1本の17‐55mmレンズに変える。

 
    硫黄岳山荘付近から見上げる横岳と赤岳


    硫黄岳山荘付近のコマクサ群落。株は小さいが数はたくさんある。


    チシマギキョウと阿弥陀岳


    イワツメクサと硫黄岳


    コマクサ群落と阿弥陀岳

 硫黄岳山荘周辺はコマクサがたくさん咲いている。そしてその先の横岳に至る砂礫の中もほとんどコマクサだらけだ。鹿の食害対策のために電流柵が張りめぐらされて保護されている。よくぞこれだけの範囲を囲んだものだと感心させられる。

    保護柵内のコマクサ群落


    こちらは電流柵内のコマクサ群落。見渡す限りのコマクサ。


    白花のコマクサ一株。向こうは硫黄岳。


    ハクサンシャクナゲ。


    混雑する硫黄岳の稜線


    ムカゴトラノオ


    綿毛になったツクモグサ


    団体さん数組重なったらしく、大混雑の横岳山頂。ここを避けて休憩する。


    静かになった横岳山頂。

 渋滞していたカニの横ばいで団体さんの通過を待ちつつ、横岳山頂には9時半ごろに到着した。大混雑していた山頂を避けてその先で休憩していると、10分ほどで山頂は静かになった。その後はさほど大人数のグループと出会うことも無く、花の写真を撮りながら稜線歩きを楽しむ。ウルップソウやヤツガタケキスミレはもう終わってしまっているのだが、黒くなったウルップソウの花を見る限りでは、今年はたくさん咲いたようだ。

    チョウノスケソウも綿毛になるようだ。


    もう散ってしまったウルップソウ


    今年はたくさん咲いたようだ。


    ムシトリスミレの群生。かなりたくさん咲いていた。


    イワオウギ


    地蔵の頭への下りにイブキジャコウソウ。

 地蔵の頭に11時半ごろ到着する。ここから行者小屋までが地蔵尾根の急下りだ。2度登っているがいずれも残雪期で、見上げるような雪の階段登りだった記憶がある。下ってみると傾斜はきついが道は良く整備されている。次第に山は雲に巻かれ始め、雨が降り出すがすぐに止んだ。行者小屋まで下りてここで昼食にする。

    地蔵の頭。横岳はもう雲におおわれている。


    地蔵尾根激下り。こんな金網の柵はあっただろうか?記憶に無い。


    行者小屋で昼食。おでんを注文したがタイミングが悪く、まだダシがしみ込んでいなかった。

 午後1時50分に行者小屋を出発して北沢の道を下るが、こちら側の登山道周辺に広がる森は苔が生い茂る豊かな森だ。きっと凄いものがある!と目を凝らして森の中を覗き込みながら歩くと、鳳凰山で見て以来となるコフタバランを発見した。コイチヨウランがあるのではと探したが発見できなかった。なんとか天気は持ってくれて、午後5時、美濃戸に到着した。

    南沢で見つけたコフタバラン


    コフタバラン(別株)


 夏の恒例で登っている横岳だが、ほとんどがウルップソウ目的だ。2008年に登った時のウルップソウが大当たりで、時間を忘れて撮影に没頭し、帰りは雷雲に追いかけられながら急いで下山した記憶がある。その季節はまだコマクサが咲き始めたばかりの頃で、いつかコマクサ満開の季節に行ってみたいと思っていた。今回は突然決まった八ヶ岳登山だったが、ちょうど見頃の時期に訪れることができた。想定外にたくさん咲いていた。それ以上の収穫がコイチヨウランだったと思う。また会うことができるかどうか・・・たくさん咲いてくれることを願う。
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コマクサ咲く八ヶ岳硫黄岳から横岳(前編)  平成25年7月27日‐28日

2013年08月05日 | 八ヶ岳・秩父山系
(写真枚数が多いので前編・後編の2部に分けてお届けします)

 7月26日の夜、北海道の土産話が聞きたいということで久しぶりにヨッシー隊のメンバー6人が集まって夕食会を開いた。写真を見たかったようだが、新病院に移転後自分で自由に使える部屋が無くなってしまい、プリンター等の写真関係のセットアップが出来ておらず現在写真プリントはほとんど出来ない状態になってしまっている。旧病院内にあった写真コーナーも新病院移転後は無くなってしまっている。壁に自由に壁掛けピンが打てないこと、デザインの問題等いろいろあるようで、再開の話はあるものの全く進んでいない。そういうことで集まったメンバーの皆様には申し訳なかったが、写真は無しの雑談と愚痴の会になった。
 メンバーの一人が夏休みをとって明後日から1泊2日で仙丈ヶ岳に行くという話題になった。しかもわざわざ長野側戸台側からバスに乗るという。花の終わっているこの季節に何故に仙丈ヶ岳?八ヶ岳ならコマクサが満開の頃だという話をしていたところ、一緒に行くはずだった友人から都合悪くなって行けなくなったというメールが届いた。ではどうするのだということになり、最終的に八ヶ岳に行くことになった。しかも私と植田さんが着いて行くことに。当直疲れがまだ抜けていないので早立ちは避けて27日ゆっくり出発、赤岳鉱泉宿泊でおいしい食事をいただき、翌日硫黄岳・横岳を越えて南沢から下山というプランを立てた。

 27日は10時に職場駐車場に集合する。メンバーは3人、まずは赤岳鉱泉に電話を入れて予約すると、あっさり部屋がとれた。美濃戸まで車で入り、12時半に出発、赤岳鉱泉に向かって北沢の林道を進む。もちろん花を探しながら歩くが、かつて咲いていたクリンソウの姿は無く、イチヤクソウ以外は目ぼしいものは何も見つからなかった。

    林道終点。ここから登山道。止まっている車は赤岳鉱泉関係者か林業関係者の許可車両。


    林道脇に咲いていたイチヤクソウ

 橋を渡り北沢沿いの登山道に入るとさっそく植田さんが花を発見。未だに判別ができないキソチドリらしきラン科の花が数本咲いていた。形は先日釈迦ヶ岳で見つけたものとほとんど同じだが、ここに咲いているものは花が緑色をしている。そしてその先で偶然発見した花は・・・一見した時はイチヤクソウかと思ったのだが、近付いて良く見れば花の形はイチヨウランにそっくりだ。最近図鑑のラン科植物ページを再三見ているので、すぐにその花とわかった。それは、超稀少な植物、コイチヨウランだ。

    発見!キソチドリ(だと思う)


    別株


    イチヤクソウほどの背丈と花の大きさしかないこの花は・・・コイチヨウラン。


    コイチヨウラン。1株しか発見できず。もう2度とお目にかかれないかもしれません。


    テガタチドリ。赤岳鉱泉周辺の草むらには結構生えていた気がしますが、今回見つけたのはこの1株だけ。


    赤岳鉱泉手前の草地。ほとんど雑草の草ばかり。ここも鹿の食害か?

 午後3時50分、赤岳鉱泉に到着。団体客が何組も入っており混雑してはいるが、4人分の布団に3人で寝ることができたので寝場所にはゆとりがあった。夕食は5時半からということで、それまでの間に外を散歩したりお茶を飲んだりして過ごすが4時過ぎあたりからぽつぽつと雨が降り出す。そして夕食時間の5時半になると土砂降りの大雨になった。夕立なので止むだろうが、明日の沢沿いの道は大丈夫なのかと心配するほどの雨だった。1時間ほど降って雨は小降りとなった。

    テント場と赤岳鉱泉。ぽつぽつと雨が降り出し、その後土砂降りに。テントの人はちょっと大変だっただろう。


    食事が豪華なことで知られる赤岳鉱泉。この日の夕食は牛ステーキ。ご飯とスープはおかわり自由。激おいしかったです!(今回の目的のひとつはこの豪華な夕食です。)


 翌朝は可能ならば硫黄岳山頂で日の出を迎え、写真を撮りたかった私は、夕食後すぐに睡眠薬マイスリーを2錠服薬した。5時半山頂として逆算して未明3時には赤岳鉱泉を出発したい。1錠で4時間、2錠で6時間眠れることは今まで星空の撮影のために使用した経験からわかっている。6時半には眠りに就いたので、おそらく目が覚めるのは深夜1時ごろだろう。

 そして目が覚めたのは・・・時間通り深夜12時半。窓の外を見ると星も月も見えない曇り空のようだ。布団の中で2時まで横になり、周りの人を起こさないようにそっと布団から出て洗面所に行き、歯磨きと洗顔後準備して2時半に赤岳鉱泉を一人で出発した。霧に巻かれた登山道を道迷いに注意しながら登り、赤岩の頭手前あたりで夜が明け始めて明るくなりヘッドライトを外す。うまくすれば雲海の上に抜けられるのではという期待も空しく、霧に巻かれて何も見えない。予定通り5時10分、硫黄岳山頂に到着した。

    霧に巻かれた赤岩の頭分岐点。4時45分通過。


    何も見えない硫黄岳山頂。5時15分。


 折角暗い中を登って来たのにこの天候では写真にならない。自然が相手だけにこればかりは仕方無い。赤岳鉱泉で作ってもらった朝食弁当を石室の脇で風を避けながら食べていると、西の空が明るくなり青空の下に御岳山と中央アルプスが一瞬姿を現した。消えたかと思うとまた姿を現し、次第にその山容がはっきりと見えるようになる。そして遂に・・・(後編に続く)。
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