山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヒトツボクロ咲く 令和1年6月23日

2019年06月25日 | 山に咲く花
 2週間ほど前に散策した湖の周辺を巡る遊歩道で見たヒトツボクロがそろそろ咲いている頃だと思う。三ツ峠清掃登山に参加したメンバー数人とともに三ツ峠から下山後立ち寄ってみた。


    道路脇に咲いていたタツナミソウ


    樹林の中に入るとヒトツボクロの花が咲いていた。


    葉は見つけ易いが花は保護色で見えにくい。


    ヒトツボクロの花


    小さな虫が飛んでいるような花


    ズーム。尻尾が生えている。


    さらにズーム。ランの形をしているように見えなくもない。


    ジンバイソウの葉


    小さな花芽が出始めている。


    ウメガサソウ


    開花したウメガサソウ


    可愛らしい花だが花の中を覗き込んでみると少しグロテスクに見える。

 短時間の散策だったが満開のヒトツボクロを存分に楽しむことが出来た。もうひとつ探していた黒っぽいランは出会えなかった。残念。
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恒例の三ツ峠清掃登山に参加  令和1年6月22日‐23日

2019年06月24日 | 山に咲く花
 この季節の恒例山行となっている山梨県山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山に1泊2日で参加してきた。例年ならばもう目的の花が終わりかけている頃であろうが、花期が遅れた今年はいちばん良い時期の訪問となった。梅雨時と重なるため毎度のことではあるが今年も天候は小雨で、登り始めからカッパを着ての登山となる。40数名の参加者を2班に分けての登山となった。


    梅雨の季節と重なるので今年も天候が悪い。保護柵の中(向こう側)と外(手前側)ではこれほど植生が違う。


    参加するたびに感動させられるこの青々と茂った保護地のオオバギボウシ


    ユキザサの勢いも凄い。そしてバイケイソウがあまりはびこらず、他の植物とバランス良く生育している。


    こんな環境の中にあって初めてこの花が元気に咲くことが出来るのである。


    小雨の中のテンニンソウ除去作業。参加人数が多かったので約40分の作業で予定した場所はほぼ除去作業が完了した。


    葉を大きく広げて生き生きとしているこの花。

 この青々と茂る草たちの中に咲く美しい花たちを目のあたりにして、花を咲かせるために環境がいかに重要かということを学んだ。中村さんと出会ったことも大きかったが、この場所を見た時の感動が私の植物保護を行う原点になっている。

 昼食後は別の場所の植物観察に行く。


    保護柵の外にあるアオチドリは以前に比べると減ってしまっていた。


    トリガタハンショウヅル


    この小さなランの勢いが凄い。葉数、花数とも隣の山の保護柵内とは比べものにならないほど密生している。ここまでなんとか戻せないものかと思う。

 観察終了後、高山植物勉強会が開催された。今年も講師を仰せつかり、今年見た絶滅危惧の花たちのスライドを上映した。前日深夜(いや、当日未明1時までかかって)編集した画像を上映し、集まった30人ほどの参加者たちが熱心に見てくれて作って来た甲斐があったと思った。


    翌朝も天候悪く、雨が降り出す前に下山となった。
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南アルプスの山中に咲くベニバナヤマシャクヤク  令和1年6月20日

2019年06月24日 | 山に咲く花
 南アルプス市の山奥にベニバナヤマシャクヤクの咲く場所があるという情報をいただいた。保護のために柵が設置してあるそうで、観察には双眼鏡が必用らしい。撮影のためには望遠レンズが必用なので200㎜ズームと570㎜望遠、さらに2倍エクステンダーをザックに詰め込んで入山する。


    登山道脇に咲いていたテンナンショウ属。葉の高さよりも花の位置が低い。


    葉茎は2本、葉軸が長い。


    付属体は暗紫色で棍棒状、仏炎苞にはやや光沢があった。オオマムシグサかと思ったが背が低く、ネットで調べてみるとムラサキマムシグサというものが一番近そうに見える。


    ベニバナヤマシャクヤクの咲く場所に到着。広大な広場が柵で囲われていて下刈りされていた。


    ベニバナヤマシャクヤクが咲いている。


    見ごろを迎えていた。


    角度を変えて570㎜望遠


    さらに1,140㎜超望遠。ピンク色の上品な花を咲かせていた。


    別株


    たいへん良く手入れされている保護地。よくぞこれだけ管理していると感心させられる。


    株は1本1本丁寧にマークされている。


    こんな場所があったとは全く知らなかった。存分に堪能させていただいた。

 三ツ峠以外でもこれほど丁寧に下刈りされて管理されている場所があることに驚かされた。聞くところによると個人の所有地らしいが管理しているのはおそらく南アルプス市ではないかと思う。動物だけでなく盗掘からも逃れるためにこのように広い範囲を囲い込んだのであろう。よくぞこれだけ、と感心させられる。
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甘利山椹池に咲く花  令和1年6月20日

2019年06月21日 | 里に咲く花
 標高1,230mの高地にある椹池は様々な水草が生育している植物の宝庫である。そろそろサギスゲが綿毛を付けて綺麗になっている頃だろう。他にも探している水草がこの池にあるのではないかと思われるので見に行ってみた。


    椹池。新緑が美しい。


    サギスゲ


    山梨県でこの花を見られる場所は少ない。


    サギスゲの綿毛


    池の中に浮かんでいるのはカンガレイ。これでも山梨県絶滅危惧種であまり見られない。


    葉の先に小さな花が付いているが、実は葉のように見えるのは茎。


    浮島の中に固まって生えているのはサワギキョウ。夏になると紫色の美しい花を咲かせる。


    水の中から生えているこの草は?


    2種類の花が出ているのかと思ったが・・・


    1本の穂に2種類の花。上に真っ直ぐ出ているのが雄花で途中で枝分かれして出ているのが雌花。ゴウソ(カヤツリグサ科)と思われるが雌花が立っておりヒメゴウソかも知れない。


    こちらの花も初めて見る。まだほとんど知らないカヤツリグサ科の花。


    ハリイと思われるが高さが20~30㎝と大きく、オオハリイかも知れない。


    先端に小さな花を咲かせている。


    探しているのはこんな感じで葉が浮いている植物。これはヒルムシロ。


    こういう感じのところに居るのではないかと思ったが残念ながらこの池には居ないようだ。

 探していたのはヒツジグサである。尾瀬では普通に見かける花であろうが山梨県ではほとんど見かけることが無く、もちろん絶滅危惧種に指定されている。どこかの高層池に生育している可能性が高く、椹池が最も疑わしいと思ったのだが残念ながら空振りだった。また他の場所を探してみたいと思う。しかし、ほとんど知らない水辺に咲く花を勉強する良い機会になった。
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植生は再生したのか?山梨県東部の山へ  令和1年6月19日

2019年06月19日 | 山に咲く花
 保護柵で囲われてから今年で4年目になると思う。鹿の食害から逃れた保護柵の中は秋になると驚くほどのタムラソウやセイタカトウヒレン、そして大株のヒメヒゴタイなど、所狭しとアザミの仲間が咲くようになった。それではこの季節の花はどうなのだろうか?ある草が盗掘されたという悲しい知らせが入ってきたが、嬉しい情報も入って来たことなので見に行ってみた。


    保護柵の中はキンポウゲがだいぶ増えていた。


    キンポウゲ


    咲き残っていたスズラン。スズランは毒草であまり食害には遭わないことがあるかも知れないが、だいぶ増えたような印象を受ける。


    スズラン


    エゾノタチツボスミレがあちらこちらに咲いている。


    見たかった花のひとつ、ヒメイズイ。咲き始めたばかりだった。


    花弁の先端に綿毛が付着するらしい。

 前年以上に柵内は生育している花が生き生きとしているように見受けられた。今年もまたセイタカトウヒレンの葉はこれでもかというくらいにたくさん生えていた。

 柵内から抜け出て軽く昼食をとり、今度は柵の外に咲く花を探索する。


    朝は見えていた富士山だったがお昼近くなると雲に覆われてしまった。


    見たかった花のひとつ、ムラサキ。残念ながらまだ花は咲いていなかった。


    なかなか見つからないと思っていたら、食害に遭っている株がいくつかあった。


    こちらも見たかった花のひとつ、フナバラソウ。


    まだ咲き始めたばかり。何株かあったが皆蕾で咲いていたのはこの株だけだった。


    決して綺麗な花とは言えない。マクロで見てもグロテスク。


    沢の源頭に下りてみる。鹿が何頭か逃げていった。ここは鹿の水飲み場になっている。


    沢の源頭に広がる圧巻のクリンソウ群落。


    不思議とこの花は食害に遭っていない。


    沢からの登り返しで尾根に取り付くと、そこにもムラサキがあった。最初の場所以外でこの花を見るのは初めてである。


    盗掘の被害があったと聞いていたのがこのオキナグサである。上部のほうは全く葉が見当たらなくなっていたが下部のほうはそれなりに残っていた。


    結実した花も確認でき、全滅していなかったので少しほっとした。

 相変わらず保護柵の外は鹿道が多数出来ており草むらの中は鹿が寝そべった痕跡が多数見られる。保護柵が設置されていなければこの山はもはやほとんど見るべき花が無くなってしまっていただろう。アザミの仲間たちがたくさん咲く秋の花シーズンがまた楽しみである。

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梅雨の合間のパール富士 竜ヶ岳林道  令和1年6月16日

2019年06月18日 | 月富士
 気温が上がった日中は富士山周辺に雲が湧いてしまったが、夕方になると雲が晴れてスッキリとした富士山が姿を現した。梅雨時の夕方にしては珍しい透明度の高い綺麗な富士山である。この日は朝霧高原の山梨県側のほうでパール富士が見られるのだが残照のパール富士を狙うには距離が近過ぎる。カシミール3Dでいろいろ計算してみると竜ヶ岳林道の奥からだと日没約5分前の良い時間に月が山頂に現れる計算になる。竜ヶ岳林道は意外と長く、ゲートから詰めまでは1時間少々時間がかかる。パール富士の時間は6時58分、逆算して5時半前に歩き出せば間に合う・・・はずだった。5時にゲート到着出来るようにスズランの森を出発したが朝4時起きの疲れが運転中に出てしまい強烈な眠気が襲ってきた。道路脇のスペースに車を止めてシートを少し倒して休むと・・・30分も意識を消失して眠ってしまっていた。急がねば!結局ゲートからスタートしたのは5時40分になってしまった。とにかく急がねば。黙々と歩いて5時35分に林道詰めに到着出来た。撮影地はそこから斜面を上に登った林の切れ間である。


    林道途中から見る富士山。富士山の斜面にまだらな雲の影が出ており、西側は雲が多いようだ。


    竜ヶ岳林道終点。急ぎに急いで55分で到着。


    本日のパール富士はこの林の切れ間から狙う。


    残照富士。大きな雲の影が出てしまっている。


    西に出た雲のために残照パール富士は難しそうな気配である。


    予定ではこの時間に残照で赤富士になっているはずだったが、陽が当たらなくなって2分後に月が現われた。


    残照パール赤富士は失敗。


    しかしそれでも十分に美しかったパール富士。


    もう1台のカメラ。


    梅雨の合間のパール富士


    この季節にこれだけの月と富士山が見られれば上出来である。


    裾野がうっすらと夕焼けに染まった。


    素晴らしき月の出だった。

 ヘッドライト点灯して林の斜面を下りて林道に下り立つ。あとはこの美しい月を眺めながらのんびりとゲートまで戻るだけである。


    梅雨の月


    明るい星が剣ヶ峰の脇に昇って来た。木星。


    林の切れ間から垣間見る月と木星


    精進湖に立ち寄る。月明かりが反射して湖面がキラキラと輝いていた。

 1時間少々かかって8時半に林道ゲート到着した。早朝から撮り歩いたので疲れが出たが、その分充実した1日を過ごすことが出来た。貴重な梅雨の晴れ間をうまく使えたと思う。
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芦川スズランの森を訪れる  令和1年6月16日

2019年06月18日 | 里に咲く花
 黒岳で出会った何人かの登山者がスズランの森を見てきたがもうスズランは咲き終わっていたと言っていた。スズランは終わってしまったとしても、他に見ておきたい花が何種類かあり、もうひとつ、管理人さんと意見交換をしておきたかった。スズランの森から外れた場所で花を探していたら私を見かけた管理人さんが訪ねて来てくれた。昨年植物保護のことで1時間近く意見交換したことを覚えていてくれて声をかけてくれたのだ。おいしい蕎麦をいただきながら今年の花の咲き具合や植物保護の苦労などを聞かせていただき、黒岳から下山してきた登山者たちが皆カモメランが綺麗に咲いていたと喜んでいたと、嬉しそうに話してくれた。植物保護を行っている者同志、自然に対する思いは同じであることを強く感じた。


    芦川スズランの森


    少しだけ咲き残っていたスズラン


    タカネグンナイフウロ。大部分もうが散ってしまっていた。


    アヤメがちらほらと咲いている。


    ヤマオダマキは咲き始めたばかり。


    以外にもそれなりの数があったセイタカトウヒレン。秋にはまた違う景色を見せてくれそうである。


    何だか分からなかったこの細い葉の草。


    調べてみればキジカクシ(ユリ科クサスギカズラ属)という花だった。とてもユリ科の花とは思えない。


    見ておきたかった花のひとつがこれ。もうそろそろ咲いている頃だろうと思ったのだが小さな葉のみで花穂が見えず。今年は咲いてくれるのだろうか?


    そしてもうひとつ、どうしても確認しておきたかったのがこの草。


    以前は1株しか確認できなかったが今回は8株ほど確認できた。花を見ないと確信は出来ないがこれはオオヤマサギソウだろう。

 オオヤマサギソウはかつて黒岳山頂付近や釈迦ヶ岳中腹にそこそこの個体数があったのだが鹿の食害によりほぼ壊滅状態である。2005年山梨県レッドデータではⅠB類だったが2018年版ではⅠA類に格上げとなった貴重な花である。この場所は人が行き来することが多いのであまり食害を受けていないようであるがこれからスズランのオフシーズンになって人の出入りが少なくなるといつ被害に遭ってもおかしくない状況である。スズランの森の保護柵の外に生育しているため、保護ネットの設置について検討しているところであり、管理人さんの承諾も得ている。どんな花が咲いてくれるか楽しみであるが同時にどのように保護するかも考えなければならない。
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カモメラン満開 令和1年6月16日

2019年06月18日 | 山に咲く花
 畳んであった保護策を展開してから3週間が経過した。この時期の花の開花は例年より1週間から10日ほど遅れており、開花の遅れているカモメランもそろそろ見ごろを迎えているはずである。保護柵の損傷が無いかを確かめることもあるのだが今年のカモメランが無事に咲いているかどうかを確認するために訪問してみた。保護柵は3ヶ所に設置されているがそのうちで一番心配しているのがいちばん上にある鹿の食害を直接受けて花数が半分以下に激減してしまった場所である。昨年囲ってなんとか葉は出してくれたがそれでもかなり少なく、花は5株くらいしか咲かなかった。かつては100株以上の花を咲かせていたこの山一番の群落であるが、少しは回復してくれただろうか?


    いちばん下の柵内に咲いたカモメラン。


    固まって10株ほど、周辺を含めると15から20株くらい咲いている。昨年とほぼ同じくらいの数である。


    保護ネットギリギリのところに咲いた花


    カモメラン


    近くに咲いていたツルシロカネソウ


    真ん中の保護策内に咲いたカモメラン。昨年よりも確実に花数を増やしている。


    この場所には黒岳特有の唇弁のウズラ模様が濃いカモメランが生育している。

 保護策内はシカの食害は皆無で人に踏まれた様子も無いが、一部写真撮影に邪魔なために草の葉がむしり取られている場所があった。カモメランの植生に与える影響はほとんど無さそうである。それでは保護策の外にあるカモメランはどうなのだろうか?かつては登山道脇に普通に見られたのだが今はほんのわずかしか見ることが無くなってしまっている。


    保護策の外に辛うじて咲いてくれたカモメラン。周辺の葉数は10枚くらいしか見当たらず、花は2株のみだった。


    こちらは昨年葉数が30から50枚、花が5株くらい咲いた場所だが今年の花は3株のみ、そのうち2株は花芽が食べられていた。


    花も葉も食べられた株。葉数も15枚ほどしか無く消滅寸前である。

 心配していたいちばん上の場所はどうだろうか?柵の上からのぞき込んでみると昨年よりも明らかに葉の数が増えている。そして花もだいぶ咲いてきてはいるが食害前に比べるとまだ遠く及ばない。


    だいぶ復活してきた葉と花


    昨年は5本くらいしか咲かなかったが今年は15本まで復活してくれた。


    陽を浴びるカモメラン


    昨年は100枚に満たなかった葉数だったが今年は200枚程度まで復活してくれた。

 一昨年の夏に起きた食害後、昨年の春に保護柵を設置したいちばん上の保護地だが、小葉を含めて今年は200株程度まで葉の数が復活してくれた。おそらく葉は食べられてしまったが根が残っていたために復活してきてくれたのだろう。まだ花数は少ないがおそらくは年々数を増やしてくれることを期待している。保護柵設置にはそれなりの苦労があったが、復活しつつあることはこのうえない喜びである。いつかまた、以前のように目を見張るようなたくさんの花を咲かせてくれることを願っている。

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梅雨の晴れ間の富士山 新道峠から黒岳へ  令和1年6月16日

2019年06月17日 | 山梨百名山
 梅雨の合間の晴れた日は貴重な撮影日で、前日の天気予報、衛星画像から見てこの日は絶好の富士山撮影日和になるはずである。うまくすれば雲海に浮かぶ富士山が見られるかも知れず、早朝4時起きで新道峠に向かう。同じようなことを考えているカメラマンはたくさん居て、予想通り新道峠の駐車場は車がいっぱいで手前の林道脇スペースになんとか車を止めて展望所に向かう。予想通り展望台は下も上もカメラマンがあふれ返り三脚を立てられるスペースは無い。さらにその上にも展望地があるので登って行くとそちらは誰も居らずカメラを構えるが雲がかかっていて何も見えない。時刻は6時、もう日の出を過ぎている。スマホで富士山ライブカメラを見てみるとどこのライブカメラを見ても富士山が姿を現しており、この雲は山の上にかかっている雲のようだ。必ず晴れてくるはず・・・と待っていると6時10分頃になって富士山が姿を現し始める。


    新道峠に着いた頃には霧がかかって何も見えない。あきらめて帰る人の姿もちらほらとあった。


    6時10分ごろ一瞬富士山が姿を現すが・・・


    その後はまたしばらく見えなくなってしまう。


    6時半ごろからようやく霧が晴れて綿帽子をかぶった富士山が姿を現した。


    前方にあるヤマツツジにはまだ朝日が差し込んで来ない。


    7時近くまで待ってようやく朝日が差し込んでくる。


    ヤマツツジと梅雨の合間の富士山


    もう少し待っても良かったが何人かカメラマンがやって来たのでここまでで撤退。山頂を目指す。

 今年のヤマツツジは花付きが悪いうえに前日の雨でだいぶ痛んでしまったようである。折角の梅雨の合間の富士山だったが思ったような画像にはならなかったが、それでもこの季節にしては上出来な富士山である。7時を過ぎた頃からカメラマンが何人かやって来たので撤退して山頂を目指す。


    中腹から見る富士山


    新緑から垣間見る梅雨富士


    黒岳展望台から望む富士山。前景に期待していたミツバツツジはもう終わっていた。


    綿帽子雲を纏った梅雨富士

 8時過ぎに黒岳展望台に到着し大休憩する。綿帽子雲を纏ったこの季節にしてはかなり透明感の高い富士山を存分に堪能することが出来た。


    下山しながらヤマツツジと富士山を再写したがこの頃には雲が巻いてしまった。

 山頂付近に咲く花を散策して下山したのは昼過ぎになってしまった。気温が上がって富士山には雲が巻いてしまったが、それでもこの日は透明度の高い富士山を1日中楽しむことが出来た。これだけの富士山が姿を現す日はそう滅多には無い。この日は登り得な日だったと思う。
    

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紅色のヤマシャクヤク咲く  令和1年6月14日

2019年06月17日 | 里に咲く花
 紅色の花を咲かせるヤマシャクヤクは今年から山梨県の指定稀少動植物種、その中でも特定種に指定された植物で、採取だけでなく移動や売買も禁止されている植物である。ある説明会で植物のスライド上映を担当した際に情報提供を呼び掛けたところ、さっそく花仲間から情報をいただき案内していただいた。車を止めてから歩いて歩いて・・・そんなところに入って大丈夫なの?というところにその花はひっそりと咲いていた。


    初めて出会う紅色のヤマシャクヤク。散ってしまった花とまだ蕾の花が同棲している。


    ちょうど咲いている花があったと思ったのだが・・・


    撮影してきた画像を見てみると花弁に大きな虫が付いていた。全く気付かなかった。


    もうすぐ開きそうな花。


    これくらいが一番綺麗かも知れない。


    こちらは見頃の花。


    花弁は少し痛み気味。前日の雨で痛んでしまったようだ。


    角度を変えて中を拝見。


    存分に楽しませていただいた紅花のヤマシャクヤク。個体数は決して多く無い。

 方向を変えてもう1ヶ所散策する。もう花は終わってしまっているだろうと思っていたのだが辛うじて咲き残った花に出会えた。


    スズムシソウ。もう終盤であるがなんとか咲き残っていた。


    スズムシソウ


    コアツモリソウ。こちらもなんとか見ることが出来た。

 花仲間のおかげで思いがけない紅花のヤマシャクヤクに出会うことが出来た。ここは山梨県レッドデータブックに掲載されたメッシュに登録された範囲内にあるのだが、他の場所でも生育が確認されているらしい。意外と広い範囲に分布しているのかも知れない。
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南部町の公園に咲くササユリ  令和1年6月9日

2019年06月11日 | 里に咲く花
 天気予報通りに午後の遅い時間になると雨脚が少し強くなってきた。林道から抜け出して国道まで出ると少し止んで来たので、もう1ヶ所気になっていた花を見に行ってみることにする。少し時期が早い気もするのだが山梨県外ではヒメサユリが咲き出したという話も聞くのでこちらのユリも咲き出しているかも知れない。


    公園内のアジサイがもうすぐ見ごろを迎える。


    この場所に咲くユリは下刈りがされていて、地元の人たちの手で丹念に保護されている。


    まだ蕾、少し早かったかと思ったが・・・


    咲き出したばかりのササユリに出会うことが出来た。


    上品な薄ピンク色の花。


    初めて見るその花の美しさに感動する。


    梅雨に咲くササユリ。梅雨の雫を纏ったその姿が美しい。


    この公園では別の植物も保護されている。


    ヒカゲノカズラ


    もうひとつ状況を確認しておきたかったのがこの花。


    新しい株が芽吹いている。


    クモキリソウ属であるがエビネと同じように前年の葉を出したまま冬を越し、新しい葉と花が咲いてから古い葉が枯れるらしい。


    黒い花芽が見え出している。あと2~3週間で咲きそうだ。

 時刻は5時を過ぎた。もう1ヶ所廻りたいところがあったのだが雨脚が強くなり空が暗くなりもはや難しそうである。本日の山梨県南部花巡りはこれにて撤退する。ずっと天候が悪く小雨の中の花巡りだったが効率良く廻れたのではないかと思う。中部横断道が身延町まで延びたことでアクセスが良くなったことが大きい。おそらく今シーズンあと数回この界隈を訪問することになるだろう。
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山梨県県南部の花巡り ~着生ランを中心に~  令和1年6月9日

2019年06月11日 | 里に咲く花
 予定では瑞牆山パノラマルートのクモイコザクラ観察だったのだが天候が悪く小雨の中を急峻な岩場を登る気にはとてもなれない。前日花仲間が見に行ってくれた様子ではどうやらもうほとんど終わっているようである。瑞牆山から奥秩父山系のクモイコザクラ調査は来年に持ち越しである。

 本日は山に登るのは止めて県南部の着生ランを中心に車で巡ることにした。小雨が混じる写真撮影にはあまり向かない天候であるが、風がほとんど吹いていないことが救いである。高い木に着生している植物でも風で木が揺れなければそこそこの撮影が可能なはずである。廻れるだけ廻ってみることにする。

 まずは、まだ咲いていないであろう花の様子を見に行く。


    イワヒバがたくさん着生している岩


    純白のこの大きな花は何?


    枝垂桜の幹に着生したこの植物


    フウラン


    別角度から見る。花穂が延びてきている。


    トリーミング。花穂と先端の白い部分は蕾と思われる。昨年のガラに綿毛のような種が付着している。

 次に向かった先はおそらく見頃を迎えているであろう着生ランである。林道を進んで高度が上がると霧の中に突入し、さらには雨が降り出した。


    テイカカズラが巻き付いている。


    テイカカズラ


    木の幹にたくさん咲いている。


    マメヅタラン


    トリーミング。確かに唇弁があってランの花の形をしている。


    こちらの木にはピッシリと咲いているが木の葉が邪魔して全容は見えず。


    シノブとマメヅタラン


    もう1種類別のランが着生している。


    ムギラン。こちらもビッシリと着生している。


    この部分は中央部が浮き上がっていて落下してしまいそうである。


    ムギランの名前の由来となっている偽球茎が見える。


    トリーミング。良く見てみると小さな蕾(上側に2個)と昨年のガラ(下)が見える。

 雨脚がやや強くなり傘を差しながらの撮影となってしまったが、風が吹かず木が揺れなかったためにそれなりに高解像度の撮影が出来た。

 次に向かったのはおそらく見頃を迎えているであろう着生ランである。


    モミの木の幹に着生していたラン。


    ヨウラクラン。満開を少し過ぎていた。


    別の場所。


    こちらはもう花が散って結実している。


    トリーミング。花柄に種が付いている。

 さらにもう2ヶ所、梅の木に着生したランを見に行く。草むらの中に踏み込むとあっという間に靴にはヤマヒルが着いて来た。想定していたので持って行ったアルコールスプレーで撃退する。ほんの10分ほどで約10匹を撃退した。


    結実したカヤラン


    この木にはクモランがたくさん着生している。


    中心部に小さな花芽が出ている。


    10円玉と比較するといかに小さな花芽であるかわかると思う。

 小雨が降ったり止んだり(ほとんど降っている時間のほうが長かった)の生憎の天候だったがなんとか本降りの雨は避けられた。一番の目的だったマメヅタランは満開の良い時期に訪問出来たのが良かった。ムギランは今回の場所だけでなく他にも数ヶ所で生育しているのを確認しているが、マメヅタランのほうは今のところ今回の場所しか見つかっていない。これから咲くであろうフウランが開花した姿は是非とも見に来てみたいと思っている。

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湖周辺を巡る遊歩道を散策  令和1年6月8日

2019年06月10日 | 里に咲く花
 某湖周辺を巡る樹海の中の遊歩道にヒトツボクロが咲くらしい。そのほかにもまだ見たことが無い花があるらしいのだが見つかるかどうか?普通に歩けるルートらしいが初めて訪れる場所なので念のためGPSを持って散策に出かける。


    最初は入り口を間違えたが、ルートに入ってしまえば立派な道があった。


    シダの生い茂る森


    コケシノブの森


    ミヤマウズラの葉


    クモキリソウ属の葉が群生


    おそらくクモキリソウと思うがまだ花穂が出ていない。


    湖のほとり


    湖畔に咲いていたタツナミソウ。まだ咲き始めたばかり。


    またまた見たことの無いキケマンの仲間。


    これは普通のキケマンか?いつも山でキケマンだと思ってみているのはもっと葉が細くミヤマキケマンなのだと思う。


    自生のヒノキ原生林。樹海の森らしい景色が広がる。


    目的の花のひとつ、ヒトツボクロ。


    そこそこに個体数はある。


    しかしまだ蕾で、開花した花は無かった。

 聞いていた通りにヒトツボクロはそこそこの個体数があり出会うことが出来たが、まだ蕾で開花はあと1~2週間先になりそうである。探していたもうひとつの黒っぽい葉緑素を持たない花は見当たらず、こちらもまだ早かったかも知れない。しかし、見たことが無い花で咲いている環境も知らないので探し出せないのではないかとも思っている。時間が許せば、ヒトツボクロが開花した頃に見つからなかった花も含めて再探索してみたい。




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ベニカヤランたる名前の由縁 富士北麓  令和1年6月8日

2019年06月10日 | 山に咲く花
 昨年6月に別の花を散策に富士北麓の森を訪れた際に、ベニカヤランを覗き込んでみたところ本当に紅色の花が咲いていた。4月初旬から中旬ごろに咲き出すこの花は最初は黄色か黄緑か花弁に赤紫色の筋が入るかなど、紅色とは言えない花を咲かせるのだが、その後も花弁が残り続けて枯れかけた頃に紅色に変化するらしい。おそらくそろそろ紅色の花が見られるはずである。天候は良かったが訪問時間がお昼ごろになり逆光になるため撮影条件は悪い。かつ、風が吹いていておそらく木が揺れるであろう。今回はフルサイズミラーレスカメラのEosRP に570㎜望遠レンズ、さらに2倍エクステンダーを装着して撮影に挑む。現在所有している望遠レンズ系の撮影では最も高画質の撮影が可能な組み合わせである。


    フルサイズカメラに200㎜望遠レンズを装着してもこの程度しか追えない。何かが着生しているのが判別できる程度である。


    570㎜望遠。べにカヤランであることはわかる。


    さらに1140㎜。葉のウズラ模様が見える。


    花の色はオレンジ色、ないしは紅色。この枯れかけて変色した花の色こそがベニカヤランの名前の由来である。


    下側から見る。


    トリーミング画像。まさにベニカヤラン。


    側面から。


    トリーミング


    綿のような種を飛ばしている株もある。


    トリーミング


    1ヶ月以上も花を咲かせているベニカヤラン。なかなか楽しませてくれる花である。


    こちらの花は剥げ落ちそうな苔の上でなんとか生育している。まだ花穂は確認できない。

 風が止んで木の揺れが止まるのを待ちつつ、再三シャッターを切ってようやくこの程度の画像である。EosRP はシャッター音が小さくシャッターを切ることによるブレはきわめて小さい。遠距離の花を超望遠レンズで撮影する時の最大の敵は風による木の揺れだろう。咲き始めの新鮮な花も良いが、枯れかかって色変わりしたこの花もなかなか美しい。
    
コメント (2)
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ハルリンドウ再び 清里界隈  令和1年6月6日

2019年06月07日 | 里に咲く花
 花仲間が別の場所でハルリンドウを探し出してきてくれた。明日からは天候が崩れそうなので晴れた時しか花を開いてくれない気難しいこのリンドウを見るにはこの日を逃すともう機会は無いかも知れない。午後2時、現地付近に到着するが・・・道はどこ?


    獣道のような細い踏み跡のようなものがあったが、ほとんど藪歩き。


    笹薮に飲まれそうな場所で咲いていたこの花。


    サクラソウ


    自生のものはなかなかお目にかかれない。


    湿地の脇に咲いていた。


    ハルリンドウ


    上品な水色の花


    赤い葯がアクセントを添えている。


    近くには背の高いコテングクワガタが咲いていた。


    サンリンソウ


    山上ではレンゲツツジとヤマツツジが一緒に見ごろを迎えていた。

 近くの池にも立ち寄ってみたが既に時間が遅くハルリンドウは花を閉じてしまったようで出会うことは出来なかった。この界隈で水の停滞している湿地帯のような場所を探し出せれば、それなりにこの花は生育しているのではないかと思う。
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