山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

会いたかった御坂山塊の白いラン  平成26年6月23日

2014年06月30日 | 番外編
 今は昔、平成20年の事。御坂山塊の山を訪れた時に出会った白いランの花があった。その頃は花の事などまだほとんど知らない初心者だった私は、開花したギンランだとばかり思っていた。しかし、何年か経ってその時の記事を見直してあっと驚いた。それは明らかにギンランでは無い。その後何度かその山を訪れており、探してはみたが確かこのあたりと思った場所にはどうしても見つけることができなかった。

 今年の山岳レインジャー調査の説明の際に配られた資料の中にその花の確認された場所が記されていた。まさに私が見た場所である。もう絶えて無くなっているものだと思っていたのだが、どうやらまだ残っていて、訪れる時期と探し方に問題があったようだ。花探しレベルが上がった今ならばきっと出会えるはず。そして先行して調査に行ってくれたうーさんからの報告では他の場所も含めて結構な数が咲いていて、ちょうど満開らしい。2日後から盛岡出張を控えており、帰って来てからだといちばんの好時期を過ぎてしまうため、午後の内科受診予約を別の日に変更してもらって急遽行ってみることにした。


    テンニンソウが生い茂る道を行く。この山も鹿の食害が著しい。


    稜線の岩場に咲いていたイワキンバイ(だと思う)


    発見!会いたかった花オ*ノ*エ*ラ*ン


    オ*ノ*エ*ラ*ン

 稜線にたどり着いて探すと、容易に2株発見できた。しかし、場所が悪く草に隠れていまいちだ。あたりを探してみると向こう側の崖っぷちに5~6株まとまって咲いている。さらにその先に進んでみると、そちらにも固まって咲いていた。小さくて花びらの中に変わった模様がついているこのラン、眺めているとほっとして、思わず微笑みたくなる。


    崖の際に咲いていたオ*ノ*エ*ラ*ン


    別の場所


    葉っぱは2枚と思っていたがそうでは無いようだ。


    たくさんの花を付けた株。

 この先にも咲いている場所があると聞いていたが、空模様がいまひとつ。山頂まではまだ遠い。少し先まで行って、引き返すことにした。


    霧に咲くヤマツツジ


    霧に覆われた稜線。今にも降り出しそうなので、ここまでで引き返す。


 何年も前から気になっていた花にようやく出会えた。山梨県ではかなり珍しい花だと思っていたのだが、意外と他の山にも咲いていることがわかってきた。今年はおそらく当たり年だろう。これからもたくさん咲き続けて欲しい。
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植生保護と再生への取り組み 三ツ峠  平成26年6月22日

2014年06月30日 | 番外編
 全国各地で鹿の食害や盗掘で稀少な植物が絶滅の危機にさらされている中にあって、この山はいちはやく保護に乗り出し、早い時期からの保護柵設置によって食害からも、人の手からも逃れて昔からの植生が維持されている全国でも稀な山である。山頂直下にある三つ峠山荘のご主人中村光吉さんを中心として、環境省、山梨県庁、富士河口湖町、日本高山植物保護協会(JAFPA)、山梨県山岳連盟など、山を愛する多くの人たちの協力によって維持が行われている。今回は山梨県山岳連盟の一員として、三つ峠の保護活動に参加させていただいた。

 天候はあいにくの小雨で、カッパに傘を差しての登山となる。参加者は総勢20名ほど、山岳連盟の自然保護活動グループのメンバーに登山道脇に咲く花の解説をしていただきながら三つ峠山荘を目指し、ヒメムヨウランなど珍しい花なども見つけてもらった。1時間半ほどで三つ峠山荘に到着し、ここでザックを預かってもらい、草刈り鎌を取り出して中村さんの案内で保護柵の中に入れてもらう。大切に保護されている草地の中で、植生保護と再生への取り組み、ここに咲く貴重な植物たちの咲く仕組み、特にラン科植物は種子単独では発芽が困難で、ラン菌との混生が必要で、その菌が育つ環境を保持することが非常に重要であることを教えていただいた。


    解説をする中村さんと山岳連盟の参加者たち。


    足元にはエゾノタチツボスミレがいっぱい。


    保護されているア*ツ*モ*リ*草


    この花だけが保護柵に守られているわけではない。

 柵の中ではもちろん今ではほとんどお目にかかれないあの花が保護されているが、保護されているのはこの花だけでは無い。注目すべきは花の周辺に青々と茂っている草たちである。鹿の食害や人に踏み荒らされていない草地にはこれほどまでに元気な草花が茂ってくれる。足元を踏んだ時に地面のフカフカとした感触はこれらの草花の根が元気にはびこっている証拠である。かつてこの花が咲いていた他の山々も、元々はこういう青々とした草地が広がっていたのだろう。このような環境にこそ、ランを目芽吹かせ花を咲かせる共生菌が生きているのだろう。先日の調査に入った草原、そして咲かなくなったあちらの山、おそらくは植生が変化して山が乾燥し、共生菌がいなくなってしまったことが花が咲かなくなった最大の理由であろうと推測される。


    植生保護と再生のためテンニンソウと笹を除去する山岳会メンバー。


    いつまでも守りたい花たち。


    こちらの花も大切に保護されている。


    植生豊かなこの山には他の稀少植物も咲く。アオチドリ。


    カ*モ*メ*ラン

 ご主人の中村さんにはいろいろなことを質問した。咲かなくなったあちらの山の花は今後どうなるのか?咲かせるために肥料をやるのはどうなのか?バイオ技術で無菌培養した花を山に戻す取り組みはどうなのか?などなど、しつこいほどにいろいろ聞いたが、ひとつひとつ丁寧に教えてくれ、文献までいただいてきた。株数が少ない山のア*ツ*モリ*ソウはもはや子孫を残して行くほどに十分な数では無く、年老いて消滅して行く可能性が高いこと、確実性は低いが肥料をやってみるのも一つの手段かもしれないと教えていただいた。しかし、前述の通り最も重要なのは変わってしまった山の植生をいかに再生させるかということだろう。保護柵設置だけでは、もはや乾燥してカヤツリグサ科の草ばかりが目立つ環境になってしまった山を復元させるのは難しいように思う。
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アズマシャクナゲ咲く森 小川山八丁平  平成26年6月15日

2014年06月18日 | 山梨無名山
 今年の伊豆のアマギシャクナゲは10年に一度の当たり年だったと聞く。奥秩父のアズマシャクナゲにもかなりの期待をしていた。花見隊2日目は瑞牆山登山道の途中から右に入って八丁平のアズマシャクナゲを見に行くことにした。


    瑞牆山荘駐車場は朝8時で既に満車状態。道路脇にも車が並んでいた。


    登山道脇の湿地にあるクリンソウは年々数が減っているように見える。


    前日の御坂山塊と同様、こちらの花も今年は少ない。


    瑞牆山展望台でさっそく記念撮影。まだ先は長いです。


    富士見平到着。来るたびに綺麗になって行く富士見平小屋。


    本日はテントがいっぱい。

 富士見平小屋に立ち寄って小屋主さんの相川さんに挨拶をして行く。小屋の中に入ると壁に見慣れた写真がずらりと飾られていた。昨年荷揚げした「白き雪山 金峰山」のアルバムに入れた写真を全て額に入れ替えて飾ってくれていた。これには届けた本人がビックリ! まだスペースが空いているからもっと欲しいと言われ、これから検討することにした。今度は瑞牆山の画像を届けられればと思っている。
 小屋主さんにお断りしてクリンソウの咲く水場に行ってみる。今年のクリンソウは外れで、花が少ない。ここにも、盗掘者が現れたことがあるそうだ。ひょっとしたら下のクリンソウもやられているのかもしれない。


    富士見平のクリンソウ


    今年は花数が少ない。

 小屋主さんとの話が尽きず、だいぶ時間を費やしてしまった。八丁平に向かって出発する。途中のシャクナゲはもうほとんど終わってしまっていて、残った花を見る限りでは大当たりという感じでは無い。


    天鳥川下降点から見上げる瑞牆山とアズマシャクナゲ


    小川山登山道から見上げる新緑の瑞牆山


    青空に立つ瑞牆山

 造林小屋跡地で昼食となる。この場所はかつては足の踏み場が無いほどの一面のシロバナノヘビイチゴとキバナノコマノツメのお花畑になっていたが、今ではまばらに咲く程度になってしまった。


    造林小屋跡地。小川が流れ、気持ちの良い広場。


    かつてはびっしり咲いていたシロバナノヘビイチゴも今ではまばらになってしまった。

 八丁平でザックをデポしてその先の秘密のシャクナゲ展望台に行く。このあたりからようやく見ごろを迎えたアズマシャクナゲに出会うことができた。花の色は例年に無く良いのだが、花付きはさほど良い訳では無かった。写真を撮りながら登り、展望台に到着する。


    かつては倒木を何本もまたいで歩いた道は今ではすっかり良い道に変っている。


    アズマシャクナゲ


    今年は花の色が良い。


    森の中に咲くアズマシャクナゲ


    展望台に到着。この場所はまだ少し早そうだ。花付きは決して良いとは言えない。


    アズマシャクナゲ咲く奥秩父の森


    アズマシャクナゲの森


    同上


 存分に撮影して八丁平に戻ると、時間は既に午後2時になってしまった。予定では大日岩を周回って富士見平に戻るはずだったが、帰りが夕暮れになってしまいかねない。ここで折り返して同じ道を戻ることにした。別行動をしていたうーさんは不動の滝から瑞牆山を超えて鷹見岩を往復して富士見平小屋で待っているというメールが届く。週4~5回山歩きしているうーさんは格段に速い。1時間少々で富士見平小屋に到着し、またしても小屋主さんと話が尽きずに大休憩し、下山となった。


 今年のアズマシャクナゲは例年に比べると良い方だが、大当たりと言うわけでは無い。八丁平よりもやや標高が高い瑞牆山でも、見ごろはあと1~2週間というところだろう。
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カモメラン観察に花見隊出動  平成26年6月14日

2014年06月17日 | 山梨無名山
 昨年群生を発見した御坂山塊某所に空飛ぶラン、カモメラン観察に出動した。昨年はたくさん咲いてくれたが今年はどうなのだろうか?そろそろ見頃を迎えている頃だろう。

 11時に登山口近くの空地に集合し、さらに登山口近くまで車で移動して出発する。新緑の鮮やかな森を登って行くが、早朝の石割山の疲れで既にクタクタ。花見隊のスローペースだから登って行けるが、嶺朋クラブのピッチだったら完全に途中リタイアだ。


    5月の杓子山に続いて花見隊出動! この日はcyu2さんの誕生日。おめでとう(?)ございます!


    新緑の森を行く


    登山道脇にニョキッと現れたヒロメノトガリアミガサタケ


    るたんさんが発見!もうひとつのお目当てヒメムヨウラン


    保護色で森と同化して発見しにくい。


    ヒメムヨウラン

 そして本命の空飛ぶランを発見。昨年よりは少なく、踏み跡がだいぶついてしまっている。踏まれてしまった葉っぱもあってごめんなさいといった感じだ。


    カモメラン発見


    花も葉の数も昨年よりは少ないのが気になる。


    カモメラン


    カモメラン群落


    カモメラン!


    カモメラン!!

 この日はカモメラン三昧だったが、クモキリソウ属の葉も確認した。どんな花を着けてくれるのか楽しみだ。


 花数、葉の数とも減少しているのが気になるカモメランだが、昨年は当たり年だったのでこんなものなのかもしれない。これからも花の変化を見届けて行きたい。
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朝焼けの富士山と満月 石割山  平成26年6月14日

2014年06月17日 | 山梨百名山
 梅雨の季節にしてはきわめて珍しい星空が広がった。天気図、雲画像から見てもこの日の朝は富士山撮影には絶好の日となりそうだった。この日は花見隊が集まって御坂山塊に空飛ぶランを見に行く予定が入っており、10時に出発の予定、その前に業務を片付けなければならない。おそらくは行けないだろうと思っていたのだが、朝4時半ごろに朝焼けの富士山山頂付近に月が沈む絶好の位置、そして前夜の星空を見上げると行かないわけには行かない気持ちになってきた。10時に睡眠薬を飲んで速攻で寝付き、午前2時に起きて石割山最短コースの二十曲峠に向かう。午前3時半に二十曲峠到着。同じ月を狙って既に7~8台の車が止まっている。ヘッドライト点けて休憩せずに黙々と石割山を目指し、4時15分に山頂到着した。既に三脚を立てたカメラマンが3人ほど、その向こうにいるのはおそらくあのご夫妻。食事中だったようなので声をかけずにこちらも撮影の準備をする。


    アースシャドウの富士山と満月


    この月の位置だと、山頂の右脇あたりに沈みそうだ。計算よりも少し右に寄った。


    富士山に朝日が射し込み出し、山頂がピンク色に染まる。

 もっと赤く染まってくれるのを期待していたのだが、薄ピンク色に染まった程度で終わってしまった。しかし、この季節にこれだけの姿を見せてくれれば上出来である。この頃にあちらのご夫婦も気付いたようで私のほうにやって来た。みちほさんご夫妻だ。前日富士山麓の森でお会いした時に、今朝の石割山が良いと教えたのは私だが、行けそうにないので撮影して来てくれと依頼した。午前2時起床し、石割神社から登って来られたそうだ。本日はこの後花見隊山行も控えている。


    朝焼けの富士山と満月


    月は富士山右隅に向かって傾いて行く


    白山岳に輝く月


    同上


    富士山の斜面を転がるように月が沈んで行く。


    富士山の斜面に沈む月


    石割山から見る朝富士

 5時、撤収。9時に職場に到着すれば大丈夫なので、時間の余裕はあるが眠い。車の運転があまりにも眠いので、大石公園に立ち寄って1時間ほど眠ってから甲府に戻る。


    二十曲峠から見る朝富士

 この日は御坂山塊の空飛ぶランを見に行く花見隊山行が控えている。たくさん咲いていると良いのだが・・・、その前に体力をだいぶ消耗し登れるのかどうか??
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富士山麓の森再び  平成26年6月13日

2014年06月16日 | 番外編
 2週間前はまだ咲き始めだったコアツモリソウ、そろそろ満開になっている頃だろう。。明日は花見隊山行の予定だが、みちほさんご夫妻が前日山梨入りしてここを訪れるとの連絡を受け、現地合流となる。


    大きくたくましくなったコアツモリソウ


    前回は葉だけだったスズムシソウが満開。昨年よりも株が小さい。


    森に同化して見落としそうなスズムシソウ


    満開になったコアツモリソウ


    コアツモリソウ


    森の小人


    大きな葉を付けたコアツモリソウ


    森の小人群落

 いつもとは違う場所の森にちょっとだけ踏み込んでみた。そちらにもやはり咲いていた。


    スズムシソウ。こちらはそろそろ終焉。


    コアツモリソウ。いつもの場所ほどたくさんは無い。


    こちらは穂が出たばかり。おそらくクモキリソウ。


 この森の界隈はコアツモリソウやスズムシソウ、アオフタバランたちにとっては居心地の良い天国のようだ。立ち入るのは最小限にして、そっと見守って行きたい。
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昨年見つけたあの花を探しに行くが・・・敗退。  平成26年6月8日

2014年06月12日 | 山梨無名山
 昨年6月、道無き谷筋を登り詰めて偶然に発見した大きな葉っぱ。花は咲いていなかったが今年は咲いてくれただろうか?霧雨が舞う中を、昨年とは逆に上から下りてみようと思い、尾根の近くまで車で林道を詰め、下降してみることにした。かなりの急斜面だったので一応ザイルを持って行く。


    霧雨でレンズが結露。こういう天気には大口径レンズは向かない。

 目的地の尾根筋を歩き、上から目指す草地を覗きこむが、昨年とはだいぶ様相が違う。ススキの草むらが点々と広がっているが、昨年はこれほどのススキ野原は無かったように思う。もう少し下だったか?と、尾根をずっと下ってみると・・・出たところは何故か送電線鉄塔。もちろんこんな場所は歩いていない。では昨年はどこをどう歩いたのだろうか??全くわからない。それらしき場所を思い出しながら、ススキ野原が広がる斜面を登ったり下りたり繰り返して探すが、それらしきものは全く見つからない。


    アヤメが咲くススキ野原


    下って行くと何故か鉄塔に出た。昨年はもっとずっと下の谷を登って来たということなのだろう。


    見つけたのはこれ。ヒイラギソウかと思ったが、ちと雰囲気が違う。


    これはカイジンドウ(甲斐竜胆)という珍しい花。


    カイジンドウ


    こんな雰囲気のところだったと思ったが・・・

 登下降を繰り返しながら斜面をトラバースして行くと、やがて登山道に出てしまった。そこは登って来た登山道のピークを越えた反対側の道だ。2時間以上も藪の斜面を探し回って見つからず、かなり消耗した。登山道をピークまで登り返してそのまま帰ろうか?と思ったのだが、最後にもう一度下りてみることにしたが・・・結局花を探し当てる事はできなかった。雨足が強くなりはじめ、カッパを着てまた斜面を登り返し、戻ることにした。


    こんな感じの斜面を登ったり下りたり。獣になった気分です。


    本日の収穫はカイジンドウ。結構ありました。

 車に到着した頃には本降りの雨になった。林道は小川と化してどんどん水が流れて行く。スリップと脱輪に十分注意しながら、慎重に車を走らせて帰路に着く。
 

 本日の探し物はクマガイソウ。昨年は葉っぱを3枚見つけたがまだ葉が小さく、咲いたような様子は無かった。今年期待していたのだが残念ながら会えず仕舞いとなってしまった。道の無いところを歩く時は、次に訪れる時に同じ場所に行けるとは限らないので、やはりGPSが必要なのではと感じた。購入を検討中である。
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今年も咲かないあの花・・・

2014年06月09日 | 番外編
 一昨年は立派な花を3輪咲かせたあの花。しかし、昨年は3株出たものの、1株も花芽を持っておらず、咲かずに終わった。そして今年もまた訪れてみたが・・・やはり花芽はついておらず、咲かずじまいで終わりそうだ。しかも3株あったものが今年は1株だけだ。


    今年の株。葉だけはでてくれたが・・・


    花芽はついていない。今年も咲いてくれない。


    これは昨年(平成25年)5月に下見に行った時のもの。3株芽吹き、期待したが・・・


    平成25年6月、花芽がついておらず、咲かずに終わった。


    一昨年(平成24年)6月、初めて見つけた時の花。立派に3株咲いてくれた。


    平成24年6月、初めて自生の花を見つけたアツモリソウ


 年々退化しているように見えるこのアツモリソウの株。この株以外には周辺を探しても見つからない超稀少なものだ。周囲には鹿の踏み跡がたくさんだが、食害にあったわけではなく、盗掘されたわけでもない。草は毎年生え変わるがが、人間と同じように歳をとるのではないだろうか?この株は盛期を過ぎた熟れの果てを見ているような気がする。

 元気回復して、来年こそは咲いてくれることを願う。
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スズムシ舞う石割山  平成26年6月8日

2014年06月09日 | 山梨百名山
 関東・甲信越がいよいよ梅雨入りし、なかなか晴天の日は望めなくなった。この日も午後からは雨の予報だが、早朝はところどころ青空が広がり、富士山も雲の切れ間から姿を現してくれた。昨年は花見隊+α集結し、十数人で訪れた石割山は、想定外にたくさんのスズムシソウに出会うことができた。今年も、先週花見隊メンバー数人が訪れているのだが、昨年ほどたくさんは咲いていないようだ。やはり、自分の目で見に行きたい。

 朝4時半に目が覚めた。朝風呂に入って準備して5時過ぎに甲府を出発、高速を使って6時半に石割神社の登山口に到着した。霧雨が舞っており、駐車場にはまだ誰もいない。6時45分に出発、いつものように右の藪、左の林と覗き込みながら、時として林の中の藪をかき分けながら登る。


    雨で川は若干増水している。


    小さなササバギンラン


    その近くに立派なササバギンラン


    ヤマツツジ満開


    ホトトギスだと思うが、どんな花を付けるのだろう?


    石割神社


    神様が宿りそうな石割山の森

 花見隊の報告通り、今年のスズムシソウは昨年に比べると株が少なく小さいように感じるが、十数人で探すのと一人で探すのでは見つける数もだいぶ違うだろう。花を付けていない株も含めて約10株ほど見つけることができた。


    若干時期が遅いのか、倒れかけているスズムシソウ


    こちらはちょうど見頃だが、株が小さい。


    これも同上


    並んで咲いていた大きな株


    もうひとつのお目当て、ヤマウツボ。


    花はもう散ってしまっている。


    別株


    神社の岩を見上げてみるとイワタバコの葉が付いていた。


    良く見かける花だが??

 2時間以上かけて、9時に山頂到着した。朝は見えていた富士山はもうすっかり雲の中。今にも降って来そうな空模様になってきた。軽食をとってさっさと下山する。平尾山経由しての下山も考えたが、あちら側は昨年目ぼしい花は無かったので、来た道を戻って途中から現在あまり使われていない別尾根ルートを下山することにした。神社側ルートと環境が似ているのでスズムシソウがあるかと思ったのだが、結局は何も見つからず下山となった。


    タニウツギ散る山頂


    富士山はすっかり雲の中。


    下山はロープを越えてその先の道を下る。


    上部は笹籔だが、道はしっかりしている。その先は整備された道がある。目ぼしい花は見つからず。


 空模様はあまり思わしくないが、立ち寄っておきたい場所がいくつかある。今日を逃すとおそらく次は来年ということになってしまいかねない。空とにらめっこしながら、次の場所は移動する。
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探し物は見つからず・・・だが。 菜畑山  平成26年6月1日

2014年06月02日 | 山梨百名山
 昨年某所で発見したクマガイソウの葉が今年はどうなっているのか見に行くはずだったのだが、河口湖あたりまで車を走らせて気が着いた。そういえば今日はトレイルランの競技をやっている日だ。おそらく林道には入れないだろうが、行けるところまで行って・・・と思ったのだが、予定地の遥か手前で車両通行止めになっており、とてもではないが長い林道を歩いて入山する気にはなれない。

 そこでもう一つ情報をもらっている道志の山に行くことにするが、又聞きの情報なので場所がほとんど確定できていない。自生のものか、それとも移植されたものかも定かではない。自生のものならば山中を探すと残った株に出会う可能性があるが、移植されたものだとするとその場所以外で見るのはほとんど困難ということになる。とりあえずは登ってみることにするが、この山を訪れるのは8年ぶりになるだろうか、入り口がどこだかわからなくなってしまい、通り過ぎてまた戻ってようやく入り口の林道がわかった。時刻は既に10時半を回っているが、登山道の大半が林道からなるこの山は急がずとも登ることはた易い。しかし、花を見つけることは場所がかなり不確定だけにかなり困難に思える。


    県道脇に車を止める。壁にはハハコグサが咲く。


    林道脇にはホウチャクソウがたくさん。しかし、一部鹿に食べられた跡があった。


    林道脇にあった奇妙な葉。これはユキノシタの葉だろう。


    途中から林の中を歩いたが、見つけたのはこれくらい。キランソウ。


    林道脇の草地に咲いていた花。これは?? 園芸種か?

 時に林道を歩き、時に沢筋を歩き、そして林の中を歩いて森の中を探るが、それれしきものは全く見つからない。ほとんどが植林された杉林からなるこの林道脇はクマガイソウが自生するような環境ではないように思う。森を抜けて鉄塔の見える草地に抜け出た。草と笹と低木、時に茨の混じる草地をかき分けながら登って行くと、出たところは・・・!


    草地の広がる林の中を選んで登るが・・・それらしきものは無い。


    ほとんどが杉の植林帯。これほど綺麗にされた林の中には無いのではないだろうか。


    草地に出た。かき分けながら登ると・・・


    出たところは結局林道。ここで今日の花探しはほとんど終わったと思った。

 結局は林道に出てしまい、これより上の場所を探しても花を見つけるのは困難だろうと思った。山頂に行くかどうかも迷ったが、一度しか踏んだことの無い山頂なのでとりあえずは登って行くことにする。林道をテクテクと歩き、途中斜面を短絡してやろうかとも思ったのだが既にそんな元気も無し。林道突き当たりまで車で入ることができ、車が1台止まっていた。そこから先がようやくまともな登山道だ。上部は意外と急斜面で、ようやく登山に来たという気になる。午後1時50分、ようやく山頂到着。朝はすっきり見えていた富士山もさすがにこの時間になると霞んでいる。


    林道脇にジシバリがたくさん。


    収穫と言えばこれくらいか。ササバギンラン。


    スポットライトを浴びるササバギンラン。


    咲き残っていたアカネスミレ。このほかにエゾアオイスミレらしき葉が散在。


    山頂直下は急登。


    ようやく山頂到着。


    さすがに富士山は霞と雲の中。

 さほど歩いたわけではないのにかなり疲れた。目的の花が見つからなかったうえにセメントの林道歩きが堪えたようだ。昼食をとって大休憩して下山。またしても途中から林の中をさまよったが、とうとう発見できずに下山となる。


 しかし、収穫が無かったわけでもない。林の中で奇妙なものを発見した。初めて見る植物で、最初はまたまた凄い寄生植物を発見!と思ったのだが、良く見ればこれはキノコではないか?帰って植物図鑑で調べたがそれらしきものは載っておらず、インターネットで検索してようやくヒットした。栃木県ではレッドデータブックに載っているキノコ、他の人のブログやホームページでも結構苦労して探しているようだ。少しは登った甲斐があった。


    林の中に奇妙な物体がニョキッと出ていた。


    何だこれは? 凄い腐生植物か?


    しかし、太い茎が付いているところを見るとキノコの仲間のようだ。


    正体は、ヒロメノトガリアミガサタケというキノコ。

 このヒロメノトガリアミガサタケはアミガサタケの一種で珍しいもののようだ。食用になるらしいが、採ってしまうと他の花たちのように絶えてしまうように思うのでそっとしておいてやりたいと思う。探し物は見つからなくても何かの収穫があるのが山の面白いところかもしれない。

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