山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

西に傾くオリオン座と富士山、今倉山~赤岩  平成22年1月23日

2010年01月27日 | 丹沢・道志山系
 平成22年1月23日

 この日は冬の恒例、金峰山へテント担いで行く予定だった。長男を学校に送り届けて、甲府を8時半ごろに出発。瑞牆山荘の歩き始めが10時ごろになってしまうだろうが、山頂泊りなので時間的には問題ない。しかし、何となく気がすすまない。山頂から南アルプスに傾いてゆく冬の大三角形は、月が沈んだ後の絶好の条件で撮れる。しかしもう一つ、昨年4月に撮影できなかった五丈岩に傾くさそり座はまだ時期が早い。そして天気予報は・・・山梨県北部山沿いは気圧の谷の影響で雪になりそうだ。しかし、樹氷や岩氷になってくれれば願ってもない景色に出会えるかもしれない。しかし・・・何となく気がすすまない。いろいろ考えながら明野のハイジの村あたりを通過した時に、ふと気付く。またしても・・・忘れ物!! オーバージャケットが積んでいない。さすがに氷点下10度を下回るであろう2,600mの高地でフリース、ダウン、カッパだけでは体が持たない。やっぱり今日は金峰山には呼ばれていないようだ。甲府に戻り、明日下山後に予定していた仕事を午前中に片付けて自宅に戻り、まだ交換していなかったタイヤをスタッドレスに付け替えた。そしてオーバージャケットを車に積み込み、向った先は・・・道志山系今倉山だ。

    3度目の今倉山山頂

 ここは1時間半くらいで山頂まで登れるハイキングコースといっても良いレベルの山だが、御正体山と鹿留・杓子山の間に富士山が見える絶景地である。未明にその右側に冬の大三角形が沈んで行く。しし座流星群の日にこの山塊で撮影したかったのだが、平日だったので実現できなかった。今倉山のひとつ先のピークが好ポジションだが、左右の木がちょっと邪魔になる。さらにその先、松山(赤岩)というピークは邪魔するものがなく、この山塊で最高の眺望が得られる。昨年6月に歩き、なんとかテントが一張りできることも確認済みだ。

    この日の富士山は雲におおわれて姿を現さず.


    本日の宿泊地,松山(赤岩)

 午後2時10分、道坂トンネルの駐車場から歩き始め、順調に1時間半で今倉山山頂に到着。富士山は雲におおわれて全く姿を見せない。さらに進んで御座入山のピークを越え、テント予定地の赤岩に午後4時20分到着した。テントを張る前にあたりのブナ林を見て回り、星空を入れて撮れそうな良い木がないか見て回る。夕方から天気が崩れ、場所によって雪の予報だったので、翌朝の樹氷を期待していると、5時過ぎ、東側の谷から真白な霧が山一面をおおうように湧き上がってきた。まだ時間は早いが、10時過ぎに西の空に沈んで行く上弦の月に備えてさっさと食事を済ませて6時過ぎには眠りに着いた。

    上弦の月が西に傾く,22時半,起床.(というか,寝てないような・・・) 赤い明りは八ヶ岳のスキー場の明かり.左は富士見パノラマスキー場(たぶん.)


    星のささやく森  月光に照らされた幹と枝,その向こうにオリオン座と冬の大三角形が輝く.

 22時30分、寝たのか寝てないのかよくわからないうちに起床して外に出ると、沸き上がった雲はすっかり晴れて澄んだ星空が広がっていた。残念ながら樹氷の景色とはならなかった。西の空には上弦の月が沈んで行くところだった。オリオン座はもうすぐ南中しそうだ。カノープスを探したが、南の低空は相模湾にあたり、薄霧で星は見えなかった。三脚を担いで夕方見ておいたブナ林の中を撮影場所を探してさまよい歩く。月光の当たる幹と枝を写し込んで、空で囁くオリオン座と冬の大三角形を撮ることができた。

    富士の上に昇る冬の大三角形とオリオン座


    オリオン座と冬の大三角形  15mm diagonal fisheye(Sigma)


    星降る富士山 30分露光

 赤岩に戻り、今度は富士山の上に昇ったオリオン座と冬の大三角形を撮影する。画角は予想通りの良い位置で収めることができる。未明2時半まで撮影に没頭、といっても今回は秘密兵器のタイマー付きレリーズを持って行ったので、1分半おきに30秒でシャッターを切るように設定し、あとはカメラ任せでテントの中でお茶を飲み、暖をとりながら休む。オリオン座が沈む頃には30分の長時間露光にセットして、次は5時半ごろに南東の空に昇って来るさそり座撮影に備え、目覚まし時計をかけてまた寝る。

    相模湾に昇るさそり座


    夜明けの今倉山  空が鮮やかなオレンジに焼ける.

 やっと寝付いたかと思った頃に目覚まし時計が鳴った。眠かったのでそのまま寝ていようかとも思ったのだが、次に来る機会はいつになるかわからないので、根性で起き出して南東の空に目をやると、薄明るくなった水平線の上にさそり座が尻尾を巻いて昇っていた。その下には相模湾の明りが見える。しかし・・・予想通り、さそり座を撮影するにはまだ時期が早い。そもそもさそり座は夏の星座なのだが、もうこの時期に見え始めているのだ。澄んだ空気の中で撮影するには、2月下旬から3月がベストなのではないだろうか。おそらく、金峰山でもさそり座はうまく写せなかったであろう。

    富士山頂を薄ピンク色に染めて朝日が射し込む.


    朝焼けに染まる富士

 やがて今倉山の向うの空がオレンジ色に色付いてくる。そして、久しぶりに見るピンク色に色付く富士山。PLフィルターをかけて白とびしないようにマイナス補正して撮影したのだがそれでもなお山頂の雪の斜面は飛んでしまった。
すっかり日が昇った7時半、朝食をとる。そしてテント撤収、急ぐ必要もないのだが、寝不足で眠いので速攻で下山した。下山ルートは今倉山コルから沢ルートを下った。この道を通るのは2度目だが、初心者の頃に通った時は沢の横を通るルートを見落とし、沢筋を下りて結構苦労した記憶がある。今回は道を外さず順調に下山し、50分で林道に出た。

    山頂に張ったテントに朝日が射す.斜めになってしまうがなんとか一張できる.


    抜群の眺望の赤岩.日が昇ったところで,さて,下山.

 樹氷にはならなかったが、久しぶりの澄んだ星空、そしてピンク色に染まる富士山を見ることができ、低山ながら満足な山上の一夜を過ごすことができた。毎度の事ながら、今回も眠い。
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茅ヶ岳に昇る月と甲府盆地の夜景、金ヶ岳  平成22年1月10日

2010年01月25日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成22年1月10日

 そろそろ山上で一夜を過ごし星空を眺めたいのだが、まだ手のしびれ、体力、それ以上に気力が充実せず、重い荷物を背負ってロングコースを歩くには不安がある。1月10日の夜は、未明に細い月がさそり座の頭の位置にある良い情景が見られる日だった。富士山近くにこの月を持って来るに良い位置をカシミールとアストロガイドで探すと、金ヶ岳北峰が良さそうだ。茅ヶ岳の左から月が昇り、夜明けに富士山の近くまで昇って来る。茅ヶ岳越しの月と甲府盆地の夜景が望めそうだ。

    金ヶ岳登山口


    明野猟友会でつけてくれた道標.頂上まで○kmの表示はありがたい.

 いつも登っている深田公園からのルートではなくて、今回はまだ歩いたことの無い明野ふれあいの里から金ヶ岳北峰に直登するルートを歩いてみることにした。ゆっくり歩いても3時間とかからない行程なので、甲府を10時過ぎに出発する。明野に入ったあたりでまたしても忘れ物に気付く。テントを積んでいない。普通なら取りに帰るところだが、ツエルトがザックに入れてあるので、本日はこれで寝ることにする。ついでに新しく購入した夏用のシュラフといつものシュラフを重ねて寝る新しいシステムの試運転にはちょうど良い機会だ。
ふれあいの里を12時に歩き始め、ほどなく大明神林道につきあたった。すぐ左手に登り口の看板があり、そこから尾根伝いに道が続いている。ルートには明野猟友会の看板がつけられていて、山頂まで残り何キロメートルの表示がされており、歩く目安になる。山頂の下300mのところに西側が崩落している場所があり、そこにはロープが張られている。ちょうどそのあたりは茅ヶ岳と富士山を並べて見ることができる絶景地で、裏側には八ヶ岳も見渡せる。未明の月を見るにはいちばん良さそうな場所だったので、明日はここで月の出を待つことにしよう。

    北峰の下300m,崩落地点から見る白い茅ヶ岳と富士山


    金ヶ岳北峰(右)と南峰(左)

 2時半、北峰に到着。すれ違った人は2人だけ。新緑や紅葉の季節にはごった返すほどの人が歩いているこの山域もこの季節に歩く人は少ない。ましてや、山頂でテントを張って寝ようなどという物好きは私だけだ。林の中には10cmほどの雪があったので水は十分に取れたのだが、念のため2リットルの水を持ってきており、それで十分に足りた。南峰も見に行ったが、コルから南峰への登りは雪がついていて、やや歩きづらかった。南峰から見る茅ヶ岳越しの富士山は秀逸な眺めで、特に夜景は抜群だが、しだいに直下の木が高くなってきて見づらくなりつつある。

    金ヶ岳北峰から見る南峰(左端)と茅ヶ岳越の富士山


    こちらは金ヶ岳南峰から見る茅ヶ岳越の富士山.甲府盆地の夜景を見るにはここからの景色がいちばん良い(と思う).

 北峰に戻ってツエルトを張り、早めの夕食をとる。そして南アルプスに夕陽が沈み、さらに木星が傾いてゆくところを見てから、早々に寝て明日の未明に備える。2重に重ねたシュラフはきわめて快適で、気温は-5℃~-7℃くらいだったが、シュラフカバーをかけなくても快適に眠ることができた。

    南アルプスに沈む夕陽


    南アルプスに沈んで行く木星


    北峰から見る甲府盆地の夜景.霞が多くて富士山は夜景にかき消されてしまう.さて,明日の未明はどうなるのか?

 未明2時半、目を覚まして外に出る。空はやや霞がかかり、満天の星空とはならず、甲府盆地は水平に広がる雲と霞の下に沈んでいる。南アルプスに沈んで行くオリオン座と冬の大三角形は、写真に写るには写るが、霞んだ星空になってしまう。

    南アルプスに傾く冬の大三角形.低空に雲海広がる好条件だったが,空も霞んでしまった.


    霞の下の甲府盆地と富士山  月が昇る前の風景

 場所を移動して登りながら探しておいた崩落地点に行く。まだ月は昇っていなかったが、富士山と茅ヶ岳の空には目立った星は何も昇っていない。30分ほど待つと、茅ヶ岳の左手から月が昇り始めた。やはり霞んだ月だが、星とは違って明るい。さそり座がついているはずなのだが、一等星のアンタレスがなんとか確認できるくらいで、そのほかの星はあまり見えない。霞の下の甲府盆地と昇る月、なかなかの情景だが、欲を言うなら上空がもう少し澄んで欲しかった。

    茅ヶ岳に昇る月と霞の下の甲府盆地


    雲に浮かぶ八ヶ岳と小淵沢の夜景


    雲に巻かれた月と茅ヶ岳  この後,茅ヶ岳と富士山は二度と姿を見せなかった.

 空が明るくなる前に雲が湧き始め、茅ヶ岳と富士はすっかり隠れてしまった。器材を置きっぱなしにして山頂に戻り、ツエルトを撤収して下山の準備をする。夜が明けても富士山、茅ヶ岳は姿を現さなかったが、山に巻きついた雲が小雪となり、思いもよらぬ副産物が見られた。樹氷だ。みるみるうちに木々の枝が白く飾られてゆく。樹氷とはこうして造られるものなのかと、その現場を自分の目で見ることができた。天気が回復するなら山上で待って、この景色を前景にして富士山と茅ヶ岳を撮りたかったが、携帯電話の天気予報で見ると、本日の天候は回復しそうも無い。止む無し、下山。8時半に明野ふれあいの里に到着した。

    金ヶ岳の樹氷

 2年前の12月に続いて2度目の茅ヶ岳山塊テント泊だが、何度見てもここからの甲府盆地の夜景はすばらしい。3月以降、さそり座が西に傾いた頃に天の川が大きく空に横たわる姿が見られるはずだ。また一夜を過ごしてみたい山である。
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晴天の富士展望、本社ヶ丸  平成22年1月9日

2010年01月21日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年1月9日 天候晴れ

 薄雪の降った翌日、三つ峠の向うにある本社ヶ丸を訪れてみた。この山は山梨百名山の一つで、三つ峠に並ぶ富士山と、裏側には大菩薩山系、秩父山系、八ヶ岳、南アルプスがずらりと見える眺望の良い山である。大月市の秀麗富岳十二景にも選ばれている。4年ほど前に山梨百名山制覇のために登って以来、また登ってみたいと思いつつも機会がなかった。御坂の三つ峠登山口から2時間ほどで行ける手軽な山である。
 前日甲府は若干雨が降った程度だったが、山の上は雪だったようだ。御坂トンネルの手前から道路には薄雪が積もり、トンネルを抜けて左折して御坂茶屋に向う道は上部に行くほど雪が多くなり、5cmほど積もっている場所もあった。三つ峠登山口のゲートは開いており、駐車場まで行こうと思ったのだが、凍りついたように固い路面の場所があり、まだノーマルタイヤの自分の車ではカーブを曲がるに不安があったので、中腹あたりの道路脇の広場に車を止めた。

    三つ峠登山口へ行く途中の道路脇広場に車を止める.(ちなみに,まだノーマルタイヤ)


    清八林道終点から見る富士山  残念ながら樹氷にはなっていなかった.

 薄雪の積もる路面は結構滑りやすく、転倒に注意しながら登山口に向う。三つ峠は駐車場から右に登るが、本社ヶ丸はゲートを越えて清八林道を真直ぐ進む。雪はところどころあったりなかったりで、ゲートから歩き始めて40分ほどで林道の終点に到着した。樹氷を期待していたのだがそれほどの雪はなかった。

    清八山付近の松の木と富士山


    御坂山塊越しの南アルプス  いちばん左が黒岳,その隣の三角錐は釈迦ヶ岳.

 ここから先は登山道らしい山道になり、清八山を越えて本社ヶ丸に進む。稜線上は若干の雪が積もるが、アイゼンを装着するほどではなかった。3~4人の下山してくる人たちとすれ違った。清八山の先にちょっとした岩場があるが、初めてこの山に登った時、まだ初心者だったので、凄い崖のように見えたが、再度向き合ってみるとちょっとした岩場にしか過ぎないように見える。技術が上がったこともあるが、恐さを感じなくなったのは若干問題なのかと自問して進む。

    清八山の先の岩場.薄雪積もるが,登るのは容易だった.


    本社ヶ丸山頂と富士山


    三つ峠と並ぶ富士山

 10時50分、山頂到着、予定通りゲートから2時間弱で到着だ。三つ峠の右に富士山が並んで聳える絶景だ。右手には白雪を纏った南アルプス連山がずらりと浮かんで見える。惜しいことに、この日はPLフィルターを自宅に置いてきてしまったため、折角の富士山や南アルプスが白飛びしてしまう。
 20分ほど山頂で過ごし下山するが、清八山とのコルのところに道標があり、「この先危険」と書かれた矢印看板がある。一応道はあるので、どうなっているのか興味深々だ。ちょっとだけ覗いてみよう、と進んでゆくと、途中で道が崩落し、そこには補助ロープが張られていた、ロープがあるので通過は可能だが足場は悪い。かつ、この補助ロープも固定が悪くてゆらゆら揺れる。慎重に通過して進むと、清八山のピークを巻いて林道終点に向う登山道の途中に出ることができた。おそらくは清八山を越えても10分か15分くらいしか違わないであろうから、危険を侵して通る道ではないだろう。

    「危険」の先の道は崩落し,補助ロープがつけられていた.

 12時、車のところに到着。年末年始は簡単に登れる楽な山ばかりだったので、そろそろ星空を見に行きたいと思う。
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新春の日の出、蛾ヶ岳  平成22年1月1日

2010年01月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年1月1日 天候晴れ

 今年の正月は、当初は千葉の実家か、小湊の叔父の家で海釣りでもしてのんびり過ごす予定だったのだが、都合で行けなくなり自宅で寝正月になるかと思っていたのだが・・・。
年末、あの方から電話があった。「初日の出はどこに行きますか?」「全く予定なし」「じゃあ蛾ヶ岳あたりはどうですか?」「3年くらい前に行ったな~・・・。」そういえば、12月初めに甲府市の広報誌「かわせみ」編集部の方から電話があり、初日の出の良い場所はないかと聞かれたので蛾ヶ岳を写真付きで紹介したところ、新聞記事に取り上げていただいた。ちょっと年始の様子が気になる山でもあったので、行ってみることにした。
 前日は未明から竜ヶ岳のダイヤモンド富士を見に行って寝不足、この夜は大晦日ということで、家族で紅白歌合戦をウトウトしながら見たりしてまたしても寝不足。眠い目をこすりながら3時に起床し準備して出発するが、準備に手こずって出発が遅れてしまう。高速を使って増穂まで行くと10分くらい早く到着できるので、高速を使うが、増穂のインター出口あたりで異変に気付く。いつも車の助手席にあるはずのカメラが・・・無い!そういえば昨日竜ヶ岳から下山後、病院に背負ってゆくリュックに入れ換えてそのままになっており、自宅に置いてきてしまったのだ。今から取りに帰ると、日の出には間に合わない。アサヨ峰の時といい、最近気合が入ってない。まあいいか、たまには(といっても登山歴4年半でカメラ持たずに山に登ったのは茅ヶ岳のセメント荷揚げ以来2度目)カメラ持たずに山に行くのも。
 駐車場に到着すると、下側の駐車場に車が2~3台、そこにはあの方はおらず、上の駐車場に行くと愛車タントの横でバーナーを焚いてお湯を沸かしているところだった。冷えた朝だったが、風が無かったので思ったよりも暖かい。お湯が沸いたところで、5時ごろだったか、出発。他に登って行く人は全く見かけず、新聞の効果は全く無かったようだ。山頂は-10℃前後を想定していたのであの方は思い切り衣服を着込んでおり、あっという間に汗だくになってしまった。途中で休みながら2枚3枚とウェアを脱いでゆく。それにしても、カメラと三脚と換えレンズを持たないと、ザックはこんなに軽いものなのだろうか。物足りなさを感じてしまう。

    南アルプスに沈んでゆく十五夜の月  雲におおわれて北岳山塊は見えない。


    日の出前の空が明るんだ頃の富士山


    南アルプスに朝日が差し込む


    富士の裾野から昇る初日の出


    こちらは一眼レフカメラの画像。こっちのほうが断然きれいで味がある。

 6時半、山頂到着。ちょうど月が南アルプスに沈んで行くところだったが、この日の部分月食はもう終わっていた。山頂にいた人は3人ほどだったが、一人は月を撮影に来た人らしく、日の出前に下山していった。南アルプスには雲がかかって山頂が見えず、おそらくは満足行く写真にはならなかったことだろう。空が紫色からやがて赤く染まり、7時、日の出が始まる。あの方は三脚を立てて愛用の一眼レフであちらこちらを撮影している。

    三脚を立てて撮影に熱中している「あの方」


    正体は「のぞむの富士」の望君でした。

 コンパクトデジカメも持っていたので、そちらを貸してもらい、私も撮らせてもらった。撮影を頼まれた時意外はほとんど持ったことのないコンパクトデジカメ、確かに楽に写せるし、それなりに写るのだが・・・これはカメラというよりもほとんどおもちゃに近い感じがする。あの方が激写している後ろ姿もこっそりと撮影。あの方とは・・・そう、あの富士山大好きな「のぞむの富士」の望君だ。秋に茅ヶ岳観音峠側ルートを登ろうと約束していたのだが、とうとう果たせずに終わってしまっていた。

    裏側には影蛾ヶ岳(右の黒い影)と影富士(左の形が崩れている影)が見える。


    この日山頂に集まった人は十数人ほど。新聞を見て来たらしい人は残念ながらいなかった。

 山頂の気温は私の(あてにならない)温度計で見ると-7℃だった。じっとしていると寒く、足先が冷える。すっかり日が昇った7時半、撤収して下山する。帰りは望君とカズ君が以前蛾ヶ岳から三方分山まで大縦走した時に宿泊した水明荘に立ち寄り、お茶をご馳走になった。そして、寒い時の食べ物はこれに限る!(詳細は「のぞむの富士」をご覧ください。)望君のおかげで、年始を無駄なく、退屈することなく過ごすことができた。
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2009年最後の日の出、竜ヶ岳  平成21年12月31日

2010年01月14日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年12月31日 天候晴れ

 竜ヶ岳は正月のダイヤモンド富士が有名で、普通ならば年始に登るのだろうが、大混雑必至なので、1日早くこの年最後の日の出を見に行った。

    月が沈んだ直後の本栖湖越の南アルプス.山のように見えていたのは雲だった.月が昇っていたのだが,三脚を立てる場所を探しているうちに沈んでしまった.

 本栖湖畔の駐車場を5時に出発、同じようにダイヤモンド富士を見に登って行く人が数人いた。45分ほどで本栖湖越しに南アルプスが見える休憩所に到着。ちょうど月が沈んでゆくところだったが、写真で見ると山は見えておらず、シルエットで見えているのは雲だった。

    山頂への登り斜面で三脚を構える.竜ヶ岳らしく,笹原と木を入れた構図にしたのだが・・・


    露出を切り詰めて暗くしないとダイヤにならない.そうすると,木と笹原が真っ暗になってしまう.

 竜ヶ岳山頂でのダイヤモンド富士は7時半過ぎ(日の出から約1時間遅れて富士山頂に太陽が来る)なので、楽勝で間に合う時間だが、今回は山頂ではなく太陽がちょうど富士山の真ん中あたりに来る山頂への急斜面の途中から狙うことにした。できれば竜ヶ岳らしく、笹原と木の枝を入れて撮りたい。振り返って場所を確認しながら、2~3ヶ所良さそうな場所を見つけて三脚を構える。ちょうど私の横に山歴20年を越えるベテランの登山家、富士市でラーメン元気を経営されている野崎さんという方がいて、山や写真談義をしながら日の出を待つ。野崎さんは休みの日はほぼ毎週のようにどこかの山に登っておられ、今年の休みで登らなかった日は2~3回しかなかったという山が大好きな方だ。日本百名山も北海道と九州の屋久島を除いてほぼ登っている。

    御坂の山塊に日が射し始める.


    今年最後の竜ヶ岳ダイヤモンド富士


    竜ヶ岳ダイヤモンド富士  フレアの発生を防ぐために太陽をど真ん中に持ってくる.これをトリーミングすれば作品になる.


    斜めのこういう構図のほうが落ち着くが,フレアが出るのは止むを得ず.

 話をしながら待つこと1時間、7時47分、ようやく富士山頂に太陽が昇り、ダイヤモンド富士の時間となった。4年前に初めてこの山の山頂でダイヤモンド富士を見た時は本当に感動したが、その後富士見山、雨ヶ岳、毛無山をはじめとして何度もダイヤモンド富士を見てきたためか、あまり感動しなくなってしまった。また、この日は雪が無く、気温も高めでやや霞のかかる空気だったため、キラキラに輝く厳冬のダイヤとはならなかったこともある。撮ったには撮ったが、抱いていたイメージとはだいぶ違う写真になってしまった。今まででいちばん良かったのは雪を踏み、凍える一夜を過ごして見た2月の毛無山からのダイヤではないだろうか。雪原を照らして昇る朝日は本当に綺麗だった。しかし、レンズが結露して氷の膜が張り、写真としての出来はいまいちだった。日程と天候が合えば、今年こそリベンジに行きたいと思っている。その時は野崎さんもご一緒してくれるというので、頼もしい人と知り合いになれた。ちなみに毛無山標柱点(山梨百名山と環境省の標柱が立つピーク)あたりでダイヤモンド富士になるのは2月20日ごろである。たっぷりの雪と雲海上のダイヤモンドになれば最高なのだが、なかなかそういう情景にはめぐり会えない。

    竜ヶ岳山頂.薄雪が積もり,少しだけ樹氷ができていた.今年は雪が少ない.


    山頂からの富士山.すっきりと見えているわけではなく,少し霞がかかっている.そのためダイヤの輝きがいまひとつとなってしまっている.

 野崎さんと山頂を踏み、裏側の本栖湖湖畔に直下りするルートを通って下山した。来年はどんな景色を見ることができるのか、楽しみである。
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武田氏ゆかりの地、甲府五山を歩く  平成21年12月29日

2010年01月05日 | 番外編
 平成21年12月29日 天候晴れ

 数年前、甲府市の宮島市長がテレビで甲府五山を訪れてみてほしいと宣伝していたのを見た。五山といってもこれは山ではない。甲府五山とは、長禅寺、能成寺、東光寺、円光院、法泉寺という甲府市北部にある武田氏ゆかりのお寺である。車で回るのは簡単だが、歩くとなると結構な距離がある。愛宕山を挟んで前3者は南~東側、後2者は西側に位置している。愛宕山を越えて歩くとなると、距離約14kmの長丁場(というほどでもないが)、かつ、標高差約200mの愛宕山を越えることになる。以前から歩いてみたいと思っていたのだがなかなか機会が無く、冬休みに入った初日、歩いてみることにした。

    ここから出発。私の職場です。


    工事中の甲府駅北口と南アルプス。だいぶ歩道は完成してきた。


    駅の南東側にある舞鶴城公園。いちばん上の天守閣の部分だが、建物はない。


    舞鶴城公園から愛宕山を望む。本日はあの裏側を越えて戻るようにして西に回り込む。

 起点になったのは社会保険山梨病院、ここの駐車場に車を止めて(といっても自分の駐車場ですが)いざ出陣。まず甲府駅に向かい折角なので舞鶴城公園の中を通って長禅寺に向う。歴史的なことは何も知らないが、このお寺には三重塔と五重塔が建っている大きなお寺である。

    長禅寺の門と甲府五山の標柱。門の向こうに五重塔が見える。


    長禅寺の五重塔

 そこから20分ほど歩くと能成寺に到着する。途中の道沿いにもいくつかのお寺が立ち並ぶ。どちらかというとモダンな建物の印象を受ける本堂で、横のお墓の道を登って行くと裏側のブドウ畑に出る。このあたりは愛宕山の山腹になり、ブドウ畑の上には新興の分譲地があり、新しいきれいな家が立ち並んでいる。畑の道を少し上に登ると、薮の中を降りられそうな道があり、そこを降りてみると大きな岩があり、その下は階段道になっていた。降りてゆくと鳥居があり、稲荷神社と書かれてあり、ここは天然記念物の大さかきの木が立っている場所だと知った。さかきを見ずに降りてきてしまった。

    能成寺参道


    能成寺本堂。五山の中では最もモダンな感じがする。


    能成寺裏側から甲府盆地を望む

 さらに20分ほどで東光寺に到着する。このお寺の本堂はわらぶき屋根でできており、国の重要文化財に指定されている建造物だ。庭園も手入れが行き届いていて美しい。庭園の中にサルスベリのようなちょっと変わった木が植えてあったので、近くにいた庭職人の方に何の木か尋ねたところ、カリンの木だそうだ。カリンの実が枯山水の庭の中にさりげなく置かれていた。

    東光寺参道と門


    東光寺本堂  国の重要文化財に指定されている。


    東光寺の庭園  手入れが行き届いていて美しい。

 さて、ここからいよいよ愛宕山越えとなる。大きな車道を歩いて行く手もあるのだが、ここはまだ歩いたことも車で走ったこともない、愛宕山の裏側、茶道峠を通る細い道を歩いてみることにした。道は全面舗装されており、峠の上の方まで人家が建っており、新興住宅地らしく新しい建物が多かった。途中で左に分かれる林道らしき道があり、ひょっとしたら愛宕山まで行けるのかと思って行ってみたのだが、その道はブドウ畑の農道で、行き止まりになっていた。そこからは甲府盆地が一望できる良い景色が望めたが、残念ながら富士山は雲隠れしていた。

    間違って入り込んだ農道の終点から見るブドウ畑と甲府盆地の風景


    茶道峠  ここは眺望がないが、この手前からは甲府盆地が見える。

 茶道峠を越えて反対側に抜けると、甲府盆地の展望が開け、その向うに南アルプスが見えてくる。円光院はもうすぐそこだ。曲がりくねった車道は面倒なので短絡できそうな道があったのでそこを降りてゆくと、水道局の大きな貯水タンクの場所に出た。直下が円光院の墓地になっていて、間もなく円光院に到着した。本堂前の階段のところに立つ大きなさかき(けやき?)の木が出迎えてくれる。円光院には武田信玄の正室、三條婦人のお墓がある。

    茶道峠を抜けて反対側から見る甲府盆地と南アルプス。右下の駐車場は円光院。


    階段上の大きなサカキ(ケヤキ?にしてはこの時期に葉がついている。)


    円光院

 時間は既に12時を回り、腹が減ったが本日は町歩きなのでザックの中は飲み物と防寒着(念のためカッパも入れてある)のほかはおやつも含めて食べ物は何も入っていない。護国神社まで歩いたところで神社の前にドリンクの自動販売機があり、おしるこが売っていた。ここでひとまず糖分を補給して、裏道を武田神社に向って歩く。神社東側の駐車場のところに城門の遺跡が出たらしく、大規模な発掘工事が一時行なわれていたが、現在はほぼ終了したらしく、通行できるようになっていた。武田神社の中を通り、できるだけ今まで通ったことのない道を歩くようにして緑ヶ丘運動公園を目指す。

    法泉寺の門


    法泉寺  ようやく最後のお寺に到着。

 大きな通りに出ずに北側の人家の中の道を通って緑ヶ丘運動公園まで行こうとしたのだが、途中で相川という川に突き当たった。上流に橋は見当たらず、下流に向って歩いて行くと、結局は国立甲府病院の前を通って緑ヶ丘に行く大きな道に出てしまった。やや遠回りをしてしまった感がある。目指す最後のお寺、法泉寺は運動公園の北側にある。プールと運動トラックの境目あたりのところに右に行く道があり、法泉寺と書かれた案内板が立っていた。道順に従って歩いて行くと、10分ほどで最後のお寺、法泉寺に到着した。時間は13時25分、約4時間半歩いた(といってもお寺を見ながら休憩しているが)ことになる。このお寺には武田信武、武田勝頼のお墓がある。
 テクテクと歩いて緑ヶ丘運動公園に戻り、パスタ屋さんに寄ってようやく昼食となる。初めて立ち寄ったお店だったが、パスタはなかなかうまかった。サラダは400円でボールに山盛り、これだけでもお腹いっぱいになりそうなくらいあった。足はたいした疲れはなかったが、問題なのは履きなれていないトレッキングシューズだった。途中で足の甲が痛かったので靴紐を緩めたところ、今度は足の指先が痛くなってきた。右足裏にはマメができたような嫌な感触と痛みがある。靴底の硬い山岳用トレッキングシューズはアスファルトの跳ね返りの衝撃も強く、足首と膝も若干傷む。病院まではあと20分ほどだ。テクテクと山梨病院に向って歩いて行くと、公園の出口のところで目の前を見慣れた車がブーッと走り抜けていった。帰宅途中の私の妻の車だった。数秒の差で発見してもらえず、結局は病院まで歩くことになる。午後2時半、病院到着。
 疲れたというよりも足が痛くてまいった。念願だった甲府五山を歩き、山梨百名山と同じように標柱が立っているところが良かった。年末年始は地元の低山で楽しむことにしている。

    今回歩いたコース
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八ヶ岳に傾くオリオン座とふたご座流星群、御座山 平成21年12月12日

2010年01月04日 | 圏外編
 平成21年12月12日
 
 アサヨ峰以来、1ヶ月ぶりのまともな山行となる。左手のしびれは相変わらずで、テント等重い荷物を背負うには若干の不安がないわけではない。しかし、16kgの荷物を背負ってみると意外と重さは感じないし、しびれが強くなるわけでもない。これならば、今まで通りに行けそうだ。この日の夜はふたご座流星群が観察できる日だ。御座山(おぐらやま、日本二百名山)からだと、未明に八ヶ岳にオリオン座と冬の大三角形が沈んでゆくはずだ。月も無く、星空と流星群を観察するには好条件だ。
 高速道路を使って長坂インターで下り、清里を抜けて小海の手前で右に曲がって相木村へ向う。登り口はいくつもあるのだが、今回はコースが最も良く整備されている長者の森からのコースを歩く。駐車場のすぐ横に登山道を示す看板があるのだが、これを見逃してしまいそのまま直進してしまった。道は林道となり、やがてゲートに突き当たった。地図で確認すると、ここが登り口ではない。引き返すと登山口の看板が目についた。歩き始めたのは11時、順調に行けば4時間くらいで山頂に到着するはずだ。

    長者の森の御座山登山口


    雪の積もった登山道をひたすら登る

 5cmほど雪の積もった木の階段道を黙々と歩く。誰も歩いた様子は無く、あるのは鹿の足跡だけだ。御座山の山頂は岩の露出した場所で、テントを張るのは難しいと聞いていたので、その時は山頂直下の避難小屋に寝ようと思っていた。今夜は1人で静かな避難小屋だろう、とこの時は思っていた。尾根を登りついて傾斜が緩くなると、その先に大きな鉄塔が立っていた。左下に林道が見え、先ほど間違えて入り込んだ林道はこの鉄塔を管理するための道らしい。さらに進むと白岩登山道と合流し、右下には畑らしき広場と道が見える。車も数台停まっているように見えたが、登山者ではないらしく、この先もトレースはなかった。

    見晴台  ここで御座山と八ヶ岳方面の展望が180度開ける.

 傾斜がきつくなり、雪も増えてきたところで軽アイゼンを装着するが、雪はあったり無かったりでアイゼン無しでも十分に歩けた。見晴台と書かれた標高1,750m地点で視界が開け、御座山山頂と八ヶ岳方面が約180度見渡せるようになる。時間はここで午後2時、ずいぶんと予定より時間がかかっている。前衛峰の先端から一旦下って、いよいよ山頂への最後の急登となる。登り切って平らになりその先に立派な避難小屋が見えてきた。と思ったら、その手前の林の中から突然黒いものが立ち上がった。一瞬熊か!と思って驚いたが、用を足して立ち上がった人だった。ここまで全くトレースは無かったので別のルートで登って来た人たちだ。小屋の中では4~5人の人が食事の準備をしていた。おそらく今晩は宴会だろう。小屋に立ち寄らず、山頂に向う。
 山頂は聞いていた通りの岩がゴツゴツとした山頂で、西側は鋭く切り立っている。標柱手前の小ピークに古い小屋跡らしき石積みがあり、そこなら一張は張れそうだが、中央部に岩が出っ張っている。標柱のある場所はちょっと厳しいが、その裏側は狭いがなんとか張れそうなスペースがあった。雪を踏み固めてそこにテントを張る。しかしややスペースが足りず、奥の隅は地面につかず15cmほど中に浮いた部分ができてしまう。風が強ければ危険だが、岩の陰なのでさほど風は吹き付けず、寝るには支障ない。テントを張り終えた頃にはもう薄暗くなっていたので、5時ごろだったのだろう。山頂は雲に巻かれてあたりの山は全く見えず、食事をとってさっさと寝ることにした。
 夕方6時過ぎ、テントにザーッと何かが当たる音がする。外を見ると小雪が舞ってきた。避難小屋では宴会の真最中らしく、話し声や笑い声が聞こえてくる。果たして、空は晴れてくれるのだろうか?ただ何となく明朝は良い景色が見られそうな・・・そんな予感と期待を抱きつつ、とにかく眠りについた。

    オリオン座と冬の大三角形とふたご座流星群  画面下部に縦に流れる筋が流星.山は左が南アルプス,右が八ヶ岳.


    オリオン座とふたご座流星群  八ヶ岳の左上に流れる線が流星.肉眼では雲の中を流れる流星がはっきりと見えた.


    八ヶ岳とオリオン座  この時間帯がいちばん星空が良く見えたが,ほんの30分ほどだった.


    西に傾くオリオン座と冬の大三角形  右が八ヶ岳,左が南アルプス.

 未明2時、目覚まし時計をかけたわけでもないが、目が覚める。テントの外に出てみると、雲の切れ間から時々星が見える。まだ雲と霞の多い空で、とても写真になるような空ではなかった。しかし、きっと晴れるに違いない・・・そんな期待を抱きつつ、山頂で雲が切れるのをじっと待つ。午前3時を回った頃、西の空にオリオン座が輝いているのが見え始めた。そして、眼下を覆っていた雲が切れ始め、八ヶ岳が、さらに南アルプスが見えるようになってきた。期待通りに空は晴れてくれた。しかも雲海上の八ヶ岳と南アルプスだ。やはり登ってみるものだ。下界とは全く違う景色がそこには広がる。薄雲が流れ行く空だが、雲の切れ間を見ながらシャッターを切る。雲が多い時は長時間露出で雲海上の八ヶ岳を撮る。2~3個流星が流れるのを見かけたがなかなかタイミングが合わない。その中で、なんとか2カット、オリオン座と一緒に流星が写ってくれた。

    東の空から月が昇る.


    雲海に浮かぶ朝の八ヶ岳


    雲海の彼方の南アルプス


    朝日射す山並と浅間山


    躍動する雲海と八ヶ岳

やがて東の空が明るくなり、月が昇って来た。そして朝焼けになり、夜明けを迎える。朝になるにつれて空は薄雲がかかりはじめ、星は見えなくなってしまった。しかし、躍動する雲海の上に八ヶ岳と南アルプスは巨大な戦艦のようにどっしりと浮かんでいた。日が昇り、山頂の標識を朝日が燦々と照らしたところで本日の撮影は終了。テントを撤収して下山した。午前11時、無事長者の森駐車場に到着。

    夜明けの山頂と私のテント  スペースが狭く,左奥隅は宙に浮いている状態.


    日の出


    3羽ホシガラス

    山頂に朝日射す

 やはり山の上の景色は最高だ。
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