花仲間から貴重なシダの情報をいくつかいただいた。その中でタカサゴキジノオの情報をいただき、画像を見せてもらったところ間違い無さそうである。タカサゴキジノオは南方系のシダで数年前に山梨県でも発見されたと聞いてはいたのだが、私が発見したものはどうやら全て普通のキジノオシダのようである。判別にいまひとつ自信が無くずっと気になっていたのだが、今回のシダ探索で決着が着きそうである。もっと早く出発の予定だったのだが自宅を出るのが12時近くになってしまい、歩き始めたのは1時半になった。
道路脇の斜面に生えていたコシダ(下側)とウラジロ(上側)。南部町らしい南方系のシダが生えている。
ヒカゲノカズラが土手にたくさん生えている。
ホラシノブ。南部町では良く見かけるがその他の場所ではあまり見かけない。
紅葉しているホラシノブ
コモチシダも生えていた。
これはコハシゴシダであろう。
最下羽片の第一上向き小羽片が大きく、隣の小羽片と融合しない。
森の中を通る林道に入ってみる。コンテリクラマゴケが群生していた。
コンテリクラマゴケ。もともとは観賞用に輸入された外来種。
奥に進むとキジノオシダの仲間がたくさん生えていた。
これはオオキジノオであろう。
羽片の根元が葉軸と融合せず、短い柄がある。
大群生していたオオキジノオ。
奥に進むとオオキジノオに混じって別のキジノオシダの仲間が生えていた。
これが見たかったタカサゴキジノオであろう。
頂羽片があまりはっきりと分かれていない。
羽片は葉軸の上下に流れて付着している。
まだ胞子穂が残っていたタカサゴキジノオ。
タカサゴキジノオも驚くほどに群生していた。
これはハカタシダであろう。この場所では数は少ない。
これはおそらくナガバノイタチシダであろう。
オニトウゲシバの群生
林道の先の藪を抜け出ると別の林道が通っていた。
こちらにはまた別のキジノオシダの仲間が生育していた。
頂羽片がはっきりしている。これはキジノオシダであろう。
頂羽片ははっきりと分かれている。
羽片は葉軸に融合するが特に上側が大きく融合する。
キジノオシダも群生していた。
林道の先に進むと道が無くなってしまったが、沢に下りられそうである。
沢に下り立つ。もう源流の近くである。
キヨスミヒメワラビ
これはオニカナワラビであろう。葉を触ると固い。反転しているのが胞子葉である。
胞子葉。ソーラスは小羽片の中間部に付く。
倒木だらけの沢。源頭まで行けそうだったが、時刻が3時を過ぎてしまったので斜面を登って戻ることにする。
気になっていたタカサゴキジノオの本物に出会うことが出来た。3種類のキジノオシダが生育しており、しかもいずれも群生している貴重な場所を巡り歩くことが出来て、たいへん勉強になった。いつも貴重な情報を提供してくれる花仲間に感謝である。