山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士北麓花散策  平成30年5月29日

2018年05月31日 | 花・花・花
 「花咲かじじい作戦」を展開している山の様子を見に行きたかったのだが朝から天候が不順で雨が降ったり止んだりしている。登山口に向かう途中で雨足が強くなってきたため登るのは止めてあまり登らない場所の花散策に切り替える。今回の場所は5月11日にも訪問しているがお目当てのスズムシソウやコアツモリソウはまだほとんどが蕾だった。それから2週間以上が過ぎてもう少し時期が遅いかも知れない。


    いつもとはルートを変えて枯れた沢の中を歩いてみる。少し荒れた沢。


    クルマムグラ。環境的にツルシロカネソウがあるのではないかと思ったが見つからず。


    沢の中にもコアツモリソウが咲いていた。

 沢の中は荒れていたが、ところどころ砂防工事を行った跡が見られた。あまり目ぼしい花は見つからずに沢を抜け出てスズムシソウが咲く場所に到着する。


    スズムシソウ。花期を少し過ぎているがまだ咲いている。


    周辺に幼弱な葉が沢山出ているのが嬉しい。


    昨年よりも数は多い。

 コアツモリソウの咲く森に入ってみる。前回とは別の場所である。


    満開のコアツモリソウ。少し痛み出している株もあった。


    この場所は例年とあまり変わっていない。

 さらにいつもとは違う森をさまよってみた。


    杉の林床はアオフタバランの海になっていた。圧巻の数。


    ミヤマウズラの葉


    キッコウハグマの葉だと思うが、ずいぶん大きい。


    コアツモリソウが点々と咲いている。


    大型のコアツモリソウ


    鹿道をたどって上に登って行くと、暗い杉の林床を抜け出てカラマツ林の明るい森に出た。


    これを登れば正規の登山道に出られそうだが・・・GPSを持って来るんだった。軽装で来たので水や食料も持っておらず、ここまでで撤退して下りる。


    ササバギンランがちらほら。


    ウマノスズクサの葉だと思う。


    枯れた沢を横切る。


    その先には立派な道があった。林業作業道だろう。


    その道沿いにもコアツモリソウ。


    スズムシソウも少しだけあった。

 作業道から外れて森の中を進むと、今までに歩いたことの無い林道に抜け出た。その林道をしばらく歩くと、駐車した場所からさほど遠くない場所に戻った。この界隈はいつも観察に行っている場所だけでなく、周辺の森も豊かな植生を持つアオフタバランやコアツモリソウの天国であることがわかる。道路の拡張工事が行われて影響が出るのではないかと心配していたが今のところは問題なさそうである。    





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着生ランを再訪する 南部町へ  平成30年5月28日

2018年05月29日 | 花・花・花
 2週間ほど前に訪れた際はまだ蕾だったマメヅタランの花がそろそろ咲いている頃だと思う。高い木の上でしかも距離のある場所に着生しているこのランは風が吹いていると木が揺れてブレた写真しか撮れない。かつ、天候が悪いと光が入らずシャッタースピードが遅くなってこれまた良い画像が得られず、撮影技術が難しいだけでなく気象条件にも左右される。この日の天候は曇だが風は少なく穏やかな天候である。良い日を待ってなどと言っていると花期を逃してしまううえに行ける日も限られてしまう。午後から出かけてみる。


    マメヅタランが咲いている。200㎜望遠レンズでこの程度しか追えない。しかも、木の葉が視野の邪魔をするようになってきた。


    570㎜望遠に変える。ちょうど満開のマメヅタラン。山梨県で見ることが出来るのが嬉しい。


    さらに1140㎜。


    トリーミング。唇弁があって確かにランの形をしている。


    別の木


    トリーミング。びっしりと咲いている。


    こちらはムギラン。


    570㎜望遠。花ははっきり分からない。


    1140mmで覗いてみるとそれらしきものが付いている。


    真ん中上の黄緑色の飛び出ているもの、さらにその下にも花らしきものが何個か付いている。


    別の場所。蕾らしきものが4つか5つ見える。


    周辺の木を探してみるが、あったのは別の花。


    テイカカズラ(キョウチクトウ科 テイカカズラ属)

 お目当てだったマメヅタランはちょうど満開の良い時期に訪問出来たが、ムギランはあと2週間くらい先になりそうだ。1140㎜望遠にするとレンズのF値が11くらいの暗いレンズになってしまうため、Iso640に上げてもシャッタースピードが10秒よりも遅くなってしまい、再三撮影した画像でも使い物になるのは10枚に1枚程度しか無かった。やはり木の上の高い場所に居る植物の撮影は難しい。

 もう1ヶ所、沢沿いに咲く別のランの様子を見に行く。


    ユキノシタが咲いていた。


    ユキノシタ


    イワタバコはもう少しで咲きそうである。


    様子を見に行ったのはこの筋の入った美しい葉を持つラン。今年は花付きが良さそうである。


    あと1ヶ月くらいだろうか。開花が楽しみである。

 ムギランとマメヅタランは周辺の木を探して歩いてみたが、新たに着生している木は見つからなかった。沢まで下りてみれば見つかるかも知れないが、現在沢に下りる道は崩落のため通行禁止になっている。もうひとつの美しい葉のランも含めて、この3種は今年発刊された山梨県レッドデータブック2018年版で新たに絶滅危惧種ⅠB類に登録された貴重な植物である。
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レンゲツツジ咲く甘利山へ(後編)  平成30年5月27日

2018年05月29日 | 花・花・花
 椹池から南甘利山と思われるピークを越えてその先の祠のある小ピークにまで行き、池に立ち寄ってクリンソウの群落を楽しんで来た。これから甘利山に登り上げるのだが、道標は付いていないものの尾根に行き着けそうな笹の中の細い道があったのでそれを登ってみることにする。途中で道が無くなってしまうのではないかと心配したが、上に行くほど笹が刈り払われて道は明瞭になっていた。


    池のほとりのクリンソウとヤマツツジ


    笹原の中の道を登る。GPSにこのルートは載っていない。


    40分ほど登って稜線に抜け出た。向こうは奥甘利山。


    甘利山山頂に向かう。


    レンゲツツジは5分から7分咲き。あと1週間もすれば満開になりそうだ。


    山頂付近にはサクラスミレが散在していた。

 甘利山山頂に到着したのは午後3時になってしまった。11時に椹池を出発して1時に到着の予定だったのだが、寄り道をして写真もたくさん撮ったので大幅に時間がかかってしまったが、それに見合うだけの良い風景は見てきた。満足である。富士山は霞んでしまっているがなんとか見えているだけましだろう。三脚を担いで写真を撮りながらゆっくりとグリーンロッジの駐車場に下りる。


    山頂から見下ろすレンゲツツジの群生地。下側はあまり花付きが良いとは言えない。


    霞んでいるが富士山が見えている。


    レンゲツツジと富士山


    大きなヤマツツジと富士山

 グリーンロッジの駐車場には午後4時15分ごろに到着した。あとは道路に沿って付いている登山道をひたすら下山するだけである。途中に広大な植林地を保護柵で囲っている場所があり、その中にはたくさんのラショウモンカズラが囲われて咲いていた。食害で数が減っている花だけに、目的が違うにしろ囲われて保護されていることは良いことである。5時45分に椹池に下山した。

 今回見たかった花はレンゲツツジの他に以下の2種類である。情報をいただいていたのでそれほど難無く探し出すことが出来た。


    ヤマブキソウ。山梨県で自生のこの花に出会うのはなかなか難しい。訪問時期が遅く咲いていたのはこの1株だけだったが、個体数も少ない。


    ほとんどが結実していた。


    もうひとつがこのヒトツボクロ。少し薄暗い森を好むうえに保護色の黒っぽい葉なので見つけにくい。


    花が咲くにはまだ2週間くらい先になりそうだ。個体数もあまり多いとは言えない。

 クリンソウとレンゲツツジの他に探していた絶滅危惧種の2種類の花を見て歩いてきた有意義な山歩きだった。ヒトツボクロは今まで富士山麓でしか見たことが無かったが他にもあちらこちらで見つかってきており、茅ヶ岳にも数は少ないながらあるという情報もいただいている。
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レンゲツツジ咲く甘利山へ(前編)  平成30年5月27日

2018年05月28日 | 花・花・花
 例年ならばレンゲツツジには若干時期が早いのだが花期の早い今年ならばもう咲いているかも知れない。空は霞んでいて富士山は見えない公算が強いが、他にも見たい花があったので今までにまだ歩いたことが無い椹池からのコースを歩いてみることにする。


    椹池の駐車場と白鳳荘。真直ぐに進むと甘利山への登山道に入る。


    椹池の近くに咲くクリンソウ


    マムシグサ。葉が広く普通のマムシグサと思われる。


    こちらは葉が細いタイプ。ホソバテンナンショウになるのではないだろうか?いずれも広義のマムシグサに含まれる。


    登山道脇に生えていたササバギンラン。もうすぐ咲きそうだ。


    ユキザサ


    タニギキョウももうすぐ咲きそうだ。


    ツクバキンモンソウ


    笹の茂る登山道の森の中に点々とヤマツツジが咲いている。


    甘利山への分岐に到着。

 椹池の案内板に書かれたコースタイムでは甘利山山頂まで1時間半だったが、この分岐まで1時間半かかった。山頂はもうすぐのはずだが、色気を出して直進してその先にあるピークに立ち寄ってみることにした。その先は笹藪の中のやや不明瞭な道でグッと下り坂になっていた。


    途中から富士山が見えた。


    グッと下り坂になる。どこまで下るこの道?


    下にヤマツツジが咲き道が見えてきた。目指していたのはその先にある小ピーク。


    小ピークの山頂には祠が立っていた。ここが南甘利山と思っていたがどうもそうでは無いらしい。

 GPSではこの小ピークまで破線の道がついており、てっきりここが南甘利山だと思っていたがどうやらそうでは無いらしい。下って来た登山道の出口に付いていた案内板を見ると「南甘利山を経て椹池」と書かれていて、どうやら途中で通り過ぎた小ピークが南甘利山だったのかも知れない。祠の立つピークで小休止して軽く食事をとるが、持ってきたはずのパンを車の中に置いてきてしまったようで、予備のパンを半分とおやつで済ませる。


    立ち寄った池の周辺はクリンソウのパラダイスだった。


    圧巻のクリンソウ群落。山梨県内で最大級の群生地。


    クリンソウ満開


    綺麗な水が湧き出していた。


    しかし鹿の食害跡があり、池の周辺には鹿の足跡がたくさんあり、水場になっているらしい。いつやられるかも知れないクリンソウの群落。

 素晴らしいクリンソウの群生地に出会うことが出来た。このようなパラダイスがあるとは知らず、ここで30分以上時間を費やして存分に写真を撮らせてもらった。手放しでこの景色を楽しんでいられるわけではなく、クリンソウの中には鹿の食害を受けているものも見受けられ、いつ食べられてもおかしくない状況にあった。周辺のバイケイソウが刈り倒されているところを見ると、この環境を維持するために手入れしてくれている人たちがいるようである。

 予定よりもだいぶ時間を超過してしまったが、この先GPSに出ていない道(らしきもの)をたどって甘利山に向かう(後篇に続く)。
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続カモメラン保護作戦  平成30年5月25日

2018年05月26日 | 花・花・花
 先日保護柵の修復に訪れた御坂山塊のカモメランだが、今回は新たに山頂付近の最大の群生地を囲うために再訪した。当直明けできわめて体調が悪いが、混雑が予想される週末を避けると日程的にこの日か翌週の月曜日しか行ける日が無い。ポール30本が最低限必要なので、ザックに20本、片手に5本ずつのポールを持って登る。


    今日は今までで最も多い数のポールを荷揚げする。


    柵に囲われていない場所のカモメランは葉数も花数も激減している。昨年は10本くらい咲いたはずだが確認できたのは1本だけ、しかも食害を受けたらしい。


    1ヶ所目の保護柵。ここは林の中でほとんどポールは損傷されていない。


    この場所はカモメランだけでなく他の植物も囲い込んでいる。ユキザサ、ショウマ類、ツルシロカネソウなど。


    カモメランはしっかりと蕾を付けてくれた。


    前回補修した2ヶ所目の保護柵。手前の4~5本が修復完了しておらず、まずはこちらを修復する。


    折れたポールを再利用して強化した。


    蕾だった花が咲き始めていた。


    ここを囲った理由はこの場所のカモメランが特殊な花を付けるからである。


    上萼片が白、唇弁が濃い紫色のウズラ模様が入るこの山特有のカモメラン。


    本日荷揚げした30本のポールとネット。これに前回残ったポール6本と残置していったワイヤー、ネットを加えて後ろ側の群生地を囲い込む。

 午後5時から今回の目的である山頂付近の群生地のネット張りにとりかかる。保護ロープの外側にまずポールを立ててその後保護ロープを取り外し、ポールにネットを固定して行く。さらにポールを強化するために登山道側は残ったポールで補強し、裏側はワイヤーを張って補強する。登山道側にワイヤーを張ると見えにくいワイヤーに誤って登山者が足を引っかけてしまうかも知れないための配慮である。

 6時過ぎ、空腹のため休憩するついでに展望台に行ってみる。ミツバツツジは満開を過ぎて散り始めていた。


    黒岳展望台から見るミツバツツジと富士山


    同上


    十二ヶ岳・節刀ヶ岳方面。朝霧高原は霧におおわれていて毛無山塊が雲海に浮かんでいた。

 作業に戻るが、あっという間に日が暮れてヘッドライト装着しての作業となる。夜の9時半近くになってようやく保護柵が完成した。これで一冬越せるのかどうかは心配であるが、おそらく登山者の踏み荒らしや鹿の食害を受ける秋までのシーズンはなんとか耐えられるだろうと思う。さあ、カモメランよ、復活してまたたくさん花を咲かせてくれ。


    出来上がった保護柵。

 疲れ切ったフラフラの体で転倒に細心の注意を払いながら、10時20分に下山した。

 今年も山岳レインジャー活動の一環でここのカモメラン調査が行われる。おそらくは悲惨な報告がなされることだろう。この場所だけでは無くて瑞牆山のカモメランもかなり数を減らしていてほとんど花が咲かなくなってしまっているとの報告を受けている。富士見平小屋に用事があることだし、6月になったら見に行ってみようと思う。そして保護できるならば、早急に行動を起こさなければならないだろう。
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カモメラン保護作戦 御坂山塊の山へ  平成30年5月21日

2018年05月23日 | 番外編
 そろそろカモメランが花穂を出している頃だろう。保護のために昨年2ヶ所で保護ネットを設置したが、強風に耐えきれずにポールの大部分が曲がるか折れてしまっているのだが、メインテナンスに行けていない。冬の間に荷揚げする予定でいたのだがこれも行けずにこの季節になってしまった。しかし今後当直やら学会やらいろいろと行事が詰まっており、週末に時間がとれる保証は無く、無理してでも平日に時間を作って行くしか手段が無くなってしまった。多くの登山者が楽しみにしている最大の群生場所は昨年の夏に大規模な鹿の食害と踏み荒らしに遭って悲劇的な状況になってしまったのを目撃している。登山者の楽しみを奪わないようにと配慮してロープだけ張ったのだが、鹿は全く遠慮が無くほとんどの葉が消滅し、カモメランを守ることが出来ずに涙が出るほどに悲しい思いを味わってきた。もうそんな思いはしたくないので、保護ネットの設置は開花する前の最重要課題である。

 仕事を片付けて資材を購入し、登山口に到着したのはもう午後4時近くになってしまった。ポール20本を担いで現地に到着したのは5時半になってしまう。


    いざ、出陣。


    普通のマムシグサ


    中腹のユモトマムシグサ。


    ほとんどが鋸歯のある5枚葉である。


    新緑の森を見上げる。


    ミツバツツジが見ごろ。


    現地到着。良くこの状態で一冬越せたものである。とりあえずは倒れていない。もう1ヶ所も同じような状態だった。


    本日荷揚げした荷物。

 まずは食害に遭った場所を見に行ってみる。おそらくはほとんど葉が出ていないだろうと予想していたのだが、以外にも葉は出ており、幼弱な小葉も見える。


    食害に遭った場所。想定していたよりも葉が出ている。しかし、花穂はほとんど出ていない。


    ざっと見て確認できたのは1本だけだった。昨年は50本くらい花穂を確認しているので激減である。

 これだけ葉が出ているのであれば、新たな食害に遭わなければ保護してまた花を咲かせてやることが出来るのではないだろうか。場所の広さから見て必要なポールは30本くらいと予想される。本日の荷揚げ分だけでは足りないのでここは後日にして、昨年囲った場所の1ヶ所を先に修復する。


    昨年囲った場所の内側。葉数があまり増えているようには見えない。


    しかし花穂は確実に増えている。囲う前の一昨年は1本、昨年は3本、そして今年は8本の花穂が確認できた。保護ネットの効果が現れたとみて良いだろう。


    もう開花している気の早い株もあった。


    ポールを抜いてみるとほぼ全てのポールが折れ曲がってしまっていた。折れているものもある。    

 ほとんどのポールが地面に差した部分で折れ曲がってしまっており、真直ぐに出来るものは真直ぐに直して新しいポールを添えて2本にして差し直す。折れてしまっているものはネットから外して新しいポールに変えて、補強具として再利用する。あっという間に午後7時を過ぎて暗くなりヘッドライトを点灯しての作業となる。中途半端にネットを開放した状態で作業を終えるわけにも行かず、8時半を過ぎて不完全ながらなんとか1シーズン耐えられるくらいの保護ネットが完成した。もう真っ暗になっていて作業後の証拠写真は撮れなかった。

 もはや夕闇の中を下山するのだから、何時になっても同じである。久しぶりに展望台からの夜景を見に行く。ちょうど良くミツバツツジが咲いていた。


    河口湖の夜景と富士山。左上の明るい星は木星。


    ミツバツツジと夜富士。

 必ずまた来るからとカモメランに挨拶して下山する。10時に駐車場に到着、自宅に着いたのは11時になってしまった。

 おそらくあと2回くらい行かないと山頂付近の群生地は囲い切れないのではないかと思う。他の場所に他の花も見に行きたいのだが、優先順位はこちらの保護ネットが上である。来週のうちにはなんとかしてやらなければならない。
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ISS撮影ならず 竜ヶ岳  平成30年5月20日

2018年05月22日 | 星空
 昨日の午後8時ごろ、および本日の午後7時ごろ南東の低空を国際宇宙ステーションISSが通り過ぎて行くはずだ。竜ヶ岳か高下あたりから見ると富士山の山頂を弧を描いて通り過ぎて行き、ちょうど明るい木星が富士山の上あたりで輝いている構図になる・・・はずだった。前日の夕方はスッキリとした空が広がってISS撮影には好条件となったのだが、止むごと無き用事のために撮影には行けず仕舞いになった。この日もお昼頃から綺麗な富士山が姿を現し、三ツ峠から下山した午後4時ごろでも若干の雲が出たものの富士山は見えていた。寝不足の疲れは残っているもののこの好機を逃すわけには行かない。相棒のうーさんと一緒に竜ヶ岳に登る。


    休憩ベンチのある展望台から見る富士山。これだけ青空が見えていれば今日のISSはいただき!と思ったが・・・。


    東屋に到着。この頃には空は灰色の雲に覆われてしまう。

 予定では東屋から登ったところの斜面あたりを撮影場所に予定していたのだが空模様が怪しくなってきたので東屋から狙うことにした。時刻は午後6時、ISSが富士山頂を飛んで行くのは7時15分ごろのはずだ。カメラ2台をセットして待つが、雲が晴れる様子は無く厳しそうな空模様になってしまう。


    到着した頃にはまだ少しは青空が見えていて、少しは期待が持てたのだが・・・


    午後7時ごろには富士山山頂の裏側に雲が出てしまう。


    そろそろ富士山の裾野にISSが現われている頃だがこれでは見えそうもない。明るい木星が見えていない。


    山頂をISSが越えて行く頃だが、全く見えず。


    期待して登って来たが残念。本日のISSは敗退。撤収して下山する。

 半月に近い月が雲を透かしてようやく見えたいたが、西の空でひときわ明るく輝いている金星も見えなかった。富士山頂に輝く木星とISSのコラボレーション撮影の絶好の機会だったのだが敗退となる。またの機会を待とう。
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ミツバツツジ咲く三ツ峠  平成30年5月20日

2018年05月22日 | 山梨百名山
 三ツ峠ネットワークで新たな保護柵設置のために人手が必要だという連絡が山岳連盟自然保護グループからのメールで届いた。6月の山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山では講師を仰せつかっており、作成したスライドが三ツ峠山荘のパソコンで正常に動いてくれるのかどうかを確認しておかなければならないことや、中村さんに相談しておきたいこともあったりしていずれにせよ三ツ峠には近々行かねばならなかったため、この保護柵設置作業に参加させていただいた。

 朝7時に御坂の登山口に集合するが、当直疲れがまだ抜けずなんとか時間には間に合ったものの何となく船酔いしたような頭がクラクラした感じが抜けない。歩き始めるとあっという間に息が上がり心臓が煽る。メンバーには先に行ってもらい三ツ峠山荘前に8時半の集合時間から遅れること15分、やっと三ツ峠山荘に到着したが、既にメンバーは作業場のほうに移動した後だった。


    マムシグサだが、葉っぱが5枚、しかしユモトマムシグサとは仏炎苞の形が違う。


    後ろから見た姿は恵比寿さまの耳たぶのように大きな仏炎苞の横の部分が垂れ下がっている。


    これは間違いない。


    初めて見る(いや、以前にも見ていたが気付かなかっただけ)ミミガタテンナンショウ。


    少しピンク色がかったツルシロカネソウ。


    葉っぱが5枚、ゴヨウイチゴ(だと思う)。

 前日に三ツ峠ネットワークのメンバーにより大部分の作業が終えており、残った部分のネット張りとポール強化のためのワイヤー張りをお手伝いさせていただき、午前中で作業は完了した。さすがに個人でやっている茅ヶ岳や湯村山のネットとは次元が違う、頑丈な保護柵が完成した。手慣れた三ツ峠ネットワークの人たちの手際良さに感心したが、さらにネット張りのテクニックは大いに勉強になった。今後の保護柵設置にいろいろ活用出来そうである。


    出来上がった頑丈な保護柵。

 朝はガスっていた空もお昼が近付くにつれてガスが晴れ、青空と富士山が姿を現した。ミツバツツジが見ごろを迎えており、山頂界隈は登山客でごった返していた。満開のミツバツツジを前景に、三脚を担いで山頂界隈から富士山を撮り歩く。


    ミツバツツジが見ごろを迎えていた三ツ峠。


    山頂のミツバツツジと富士山


    ミツバツツジと富士山


    同上


    同上


    同上

 存分にミツバツツジを楽しんだ後に三ツ峠山荘に立ち寄らせていただき、コーヒーをご馳走になりながら昼食となる。小屋主の中村さんを交えて1時間ほど花談義し、パワーポイントの動作も確認させていただいて下山となった。保護柵の設置も勉強になって良かったが、これほどたくさん咲いた三ツ峠のミツバツツジを見るのは初めてで、かつこんな綺麗な富士山が眺められるとは全くの想定外だった。こんなことならもう少ししっかりした三脚を持って来るんだったと少しばかり後悔しながら下山となった。
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植物調査および鹿食害調査で南アルプスへ  平成30年5月19日

2018年05月22日 | 花・花・花
 山梨県山岳連盟自然保護グループの南アルプス植物調査および鹿食害調査があり同行させていただいた。今回訪れる場所は山岳レインジャー活動で毎年どこかの山岳会が調査に訪れている場所であり、他の山岳会に先がけて自然保護グループが訪れることとなった。この調査に同行させていただくのは2年ぶりである。


    今回は自然保護グループの活動における中心的な人物ばかりが集まった。


    メンバーの一人が大きなカツラの木に着生している植物を発見。望遠レンズで覗いてみるとヤシャビシャクだった。花は満開。


    この界隈に生えているテンナンショウ属はほとんどがユモトマムシグサだった。


    ユモトマムシグサ。鋸歯のある5枚の葉、葉よりも上に出る仏炎苞が特徴。


    白いサナギイチゴ


    ピンクのサナギイチゴ


    アオチドリ。葉がちぎれていて食害に遭っている。


    まだ花が開いていないアオチドリだが、こちらも葉がちぎれている。


    まだ開花していないヒメムヨウラン。1本は折れてしまっている。


    イチヨウラン。山梨県レッドデータブック2018年版ではⅡ類からⅠB類に格上げされた。


    イチヨウラン。この界隈のイチヨウランはウズラ葉だった。


    イワセントウソウ。風で揺れるうえに花が小さくてピントが合わせにくい。


    ホテイラン。今回の一番の調査対象種。


    白いホテイラン。アルビノでは無くて花がしおれかけて色が抜けたもの。背萼片(花の上に出ている3本の萼片)が倒れている。


    苔が減って斜面が乾燥化しつつあり、年々数を減らしつつあるこの場所のホテイラン。危険な状況にある。

 2ヶ所を巡り、ホテイランは開花している株だけで20株以上確認は出来たが、葉を含めた個体数でも50株程度しか確認できなかった。生存して行くうえでギリギリの個体数しか無いと推定される。鹿の直接の食害というわけでは無く、食害による二次的変化の山肌の乾燥化、温暖化による影響、登山者の増加による山肌の荒れと硬化など、複合的な要因がこの花の減少につながっていると推測される。保護柵の設置が良いのであろうが、確実な効果が得られるかどうかは疑問があり、実際の保護はかなり難しいのではないかと思われる。
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河口湖界隈を花散策  平成30年5月18日

2018年05月19日 | 花・花・花
 別の場所にまだ見たことが無い花を探しに行こうかと思ったのだが、歩くと頭がクラクラして体調が悪過ぎ、とてもではないが山に登れる気がしない。さほど歩かなくても良さそうな場所に変更して花の写真を撮りに行くが、おそらく1ヶ所目はもうすでに花が終わっている公算が強い。


    いつもとはちょっと違うルートで現地に入る。ササバギンラン。


    これもササバギンラン。風が強くて揺れまくり、なかなか撮らせてくれない。


    それっぽいのがあったが、葉っぱも花もちょっと違う。小型のササバギンラン、あるいはギンラン。


    やっと見つけた一株はもう花が終わっていて倒れてしまっていた。残念。


    道路の脇にはオドリコソウの大群落。


    オドリコソウ。雑草の如くたくさん生えていた。

 見たかったラン科の花は予想していた以上に訪問時期が遅く、しかも一株だけしかお目にかかれずに撤退となる。

 次の場所に移動する。初めて訪れる場所だがそれなりに数はあるらしいので、たぶん行けば見つかるだろう。


    居ました、コアツモリソウ。しかし思っていたほど数は無い。


    パラパラと林の中に散在している。


    山肌が乾燥している印象を受けるこの場所はこの花が生育するためにはあまり快適な環境とは思えない。数を減らしてしまうのではないだろうか?

 さらにもう1ヶ所行ったことが無い場所に行ってみる。こちらはほとんど花は期待できないが、今後咲くであろう花のための下見である。


    滝


    こっちは有名な滝。アジサイ属の木があるのを確認する。


    普通のマムシグサ・・・だろう。


    痛そうなアザミに蔓が絡んでいる。


    初見のヒレがついたアザミ、ヒレアザミ。ヨーロッパから東アジア原産の帰化植物らしい。


    ヒロメノトガリアミガサタケ。

 さほど歩いたわけでもないがクタクタである。とりあえず花の様子を見てきたというところだが、あまり満足感は無い。やはり花に出会えずとも足で探したほうが私には似合っているようだ。しかし、寝不足は体に堪える。まだ数日は体調が戻らなそうだ。
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やはり見つからないあの花 山梨県境付近の東海自然歩道へ  平成30年5月16日

2018年05月16日 | 花・花・花
 レッドデータブックのデータとネット上の記事を探し見しながら、このあたりのあるのでは?と目星をつけて出かけてみる。あまり時間がとれないので全行程を歩くのは無理で、疑わしきポイントまで短絡して歩く。


    苔類、シダ類は全くわからない。さらに木も全くダメ。勉強しなければ。


    こちらも良く分からないテンナンショウ属。仏炎苞、付属体とも緑色のタイプだが、葉には浅い鋸歯がある。


    こっちは緑と黒紫が混合したタイプ。同じ場所で同じものだろう。


    何だか良く分からないので、全部マムシグサということにしておこう。


    少し湿った林床にはクワガタソウ。


    少し明るいところにはムラサキサギゴケ。


    花ばかり見ていてあまり良く観察したことが無かったが、地面を這うように輪生する根生葉があった。


    それっぽい葉が・・・と思ったがニリンソウ。


    セントウソウ(セリ科セントウソウ属)


    クルマムグラ(アカネ科ヤエムグラ属)。


    クルマムグラ。茎に毛が生えていない。


    水の流れる場所では無くて湿った林の中に生えていたハナネコノメソウ。


    咲き終えたハナネコノメソウ。

 枯れた沢沿いの場所が怪しいかと樹林の中とススキ野原を横切って現地まで短絡したが、残念ながらお目当ての花は発見できなかった。その花とは、今年の課題の花、トウゴクサバノオである。もう花期は過ぎているはずなので葉っぱと特徴的なサバの尻尾のような種が見られればと思ったのだが発見できなかった。


    ヒメレンゲ(ベンケイソウ科キリンソウ属)。普通は根元から分かれるように固まって咲くが・・・


    バラバラに咲いていると別の花のように見えてしまう。


    こういうふうに絨毯状に咲いているのは初めて見た。


    出口のところにアマドコロ。


    茎に稜がある。


    道路脇の花壇に咲いていたサクラソウ。

 今回もまたあてが外れたトウゴクサバノオである。富士山の静岡県側ではさほど難無く見られるようであるが山梨県側はどうも手強いようだ。探し続けていればそのうちきっとお目にかかれる日が来るだろう。

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スズランほころぶ 芦川スズランの森  平成30年5月14日

2018年05月15日 | 花・花・花
 午後から内科の受診があったのだが、想定外に早く診察が終わり時刻はまだ3時半を過ぎたばかりだ。日が長くなったことだし、短時間の散策ならば可能な時間だ。芦川のスズランの森を訪れてみることにする。ルートを短絡して敷地内の裏側に位置する駐車場に車を乗りつける。小川を渡ってすぐ向こうにスズランの森が広がっている。


    芦川スズランの森。電気保護柵が周辺に張り巡らされている。


    圧巻のスズランの葉。少しだけ咲き始めている。


    咲き始めたスズラン


    同上


    イカリソウがたくさん咲いている。


    満開のイカリソウ。

 今回の目的はこのスズランでは無く、柵の外にあるツルシロカネソウの群落である。三ツ峠や黒岳から節刀ヶ岳に至る山塊にもあるのだが、鹿の食害か激減してしまっており、かつての大きな群落は消失してしまっている。スズランの森では保護柵の外にあるのだが、訪れる人が多いためか食害から逃れて比較的多くの株が残っている。


    森を映す小川の流れ


    ツルシロカネソウの群落。葉はたくさんあるが花はまばらにしか咲いていない。


    ツルシロカネソウ


    葉は多いが花を付けているのはほんの少し。今年は外れ年のようだ。


    こちらは茶色い葉のツルシロカネソウ


    シコクスミレの葉


    花は結実している。


    ラショウモンカズラとマムシグサ


    仏炎苞と付属体が緑色。ホソバテンナンショウのように見えるが?


    別株。葉は広めで全縁。マムシグサ(カントウマムシグサ)になるのか?良く分からないテンナンショウ属。

 スズランは今年は当たり年のようで期待できそうである。期待していたツルシロカネソウはどうやら外れらしい。

 花の撮影をしていると管理人さんがやって来ていろいろと情報交換することが出来た。保護柵で囲ってもらうまではいろいろと苦労があったようで、陳述書を何度も書いてやっと甲府市のほうで柵を設置してくれたそうだ。スゲやススキがはびこってしまった場所はスズランの根を傷つけないように丁寧に除去を行い、ようやくここまで復活してきたと伺った。周辺の黒岳の食害の状況や昨年保護ネットを設置した事などもお話しして、同じ思いで植物の保護に携わっていることが良く分かった。我々も頑張らなければならないと新たに思わされた。
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ホテイラン咲く 南アルプス前衛の山へ  平成30年5月13日

2018年05月14日 | 花・花・花
 空模様が思わしく無く午後からは雨が降りそうである。甲府市街地からは若干の青空が見えるが周辺の山々は中腹まで雲がかかっている。山に行くのはわざわざ雲の中に突入するようなものだ。しかし、この日を逃すとおそらくその山のホテイランは花期を逃してしまうだろう。若干の雨は覚悟で入山する。


    沢の源頭はツルネコノメソウがたくさんあった。


    花が散ったコチャルメルソウ


    ニッコウネコノメソウが少しだけ残っていた。


    何度も登っているが何度登っても急登のバリアンス尾根。下山するときつさを忘れてしまうようだ。


    ここにもセリバオウレンの葉があった。かなり数は多い。


    既に結実していたセリバオウレン


    居ました、ホテイラン。

 急斜面のバリアンス尾根を登って目的地に到着すると、ホテイランが咲いていた。若干花期を過ぎていて既に散ってしまっているものが何株もあったが、それでも10株近い開花した花を見ることが出来た。2年ぶりの訪問となるが今年は比較的多く咲いてくれているように見える。葉の数も若干多くなっているような気もするが、目が慣れてきただけなのかも知れない。


    もう終わりかけた株


    ここは2本並んで咲いたようだ。


    まだ花を咲かせない幼弱な葉が増えているように見える。


    森の中に咲いた森の妖精ホテイラン


    何度見ても見入ってしまう美しい花


    今年もしっかりと咲いてくれた。嬉しい。


    この株は周辺に小さな葉がたくさん出ている。

 時刻はお昼に近くなり、少しずつ天候が悪くなってきた。霧に巻かれて時折小雨が混じるようになる。雨の中を沢筋を歩くのは危険かとも思ったのだがひょっとしたら別の花に出会えるかも知れない。一応ザイルも持って来ていることだし、急斜面を下って沢に下りてみることにした。


    下に沢が見えてきた。林業作業のワイヤーロープが残置されていた。


    沢に降り立つ。最上部は滝になっているようで、ここを遡上するのは難しそうだ。


    沢の中はツルネコノメソウ天国。


    沢の中に咲いたニッコウネコノメソウ。


    ?

 なんとか小雨に降られただけで沢から抜け出すことが出来、ザイルを使うことも無く林道まで降り立つことが出来た。

 もともと個体数がきわめて少ないこの山のホテイランだけに、絶滅するのではないかと心配していたのだが今のところ大丈夫のようだ。咲いていたのは10株ほど、散っていたのが5株ほど、さらに小葉を入れると30~50個体くらいあるのではないかと思われる。若干増えたようにも見えるのだが、それでも絶滅に瀕した状況にあるのは変わりない。引き続き見守って行きたいと思う。

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ムギランは咲いたか? 山梨県南部町へ  平成30年5月12日

2018年05月14日 | 花・花・花
 ムギランは山梨県レッドデータブック2006年版ではDD(情報不足)になっていたが今年発刊された2018年版ではⅠB類に登録された。さらにマメヅタランも新たにⅠB類に登録され、分布しているのはいずれも山梨県県南部の南部町界隈である。いずれのランも5月中旬から6月くらいに開花するはずだが、花期の早い今年ならばもう咲いているのではないかと出かけてみた。木の上に咲く着生植物で遥か遠い木の上に着生しているため、Borg570mmレンズの出番である。


    ヤマヒルが出るかもしれないので足元に注意しながら撮影に取りかかる。Canon200mmではこの程度の画像しか得られない。


    Borg570mmに変える。偽球茎の豆のようなバルブが観察できる。


    同上。


    さらに2倍のエクステンダーを装着して1140㎜で撮影する。偽球茎から葉が出ているのが見える。


    同上


    トリーミング画像

 なんとなく蕾のような小さな塊が突出しているのがいくつか見えるが、花が咲くのはまだだいぶ先のようだ。さらにもう1種類、マメヅタランの撮影も試みる。


    570㎜望遠。ほとんどマメヅタと同じに見える。


    1140㎜望遠。ムギランと違って偽球茎は形成せず、蔦のような茎が這っている。


    トリーミング。小さな花茎が延びて蕾らしきものが付いている。あと2週間もすれば咲きそうだ。


    さらに強トリーミング像。

 ムギラン、マメヅタランとも残念ながら花が咲くには早過ぎた。Borgレンズでうまく撮れるのかどうかを心配していたのだが、天候の良い日で光量が十分にあれば撮影出来そうである。これくらいの解像度が得られれば十分である。

 周辺の木を覗き込みながら散策してみたが、着生している木は2本しか見つからなかった。


    新緑と4段の滝


    タニウツギと沢の流れ


    望遠でタニウツギ


    南部町ならばスルガテンナンショウがあるだろうと思ったが・・・


    付属体は棍棒状。普通のマムシグサと思われる。

 南部町まで足を運んだのはムギランとマメヅタランを見る目的の他にもうひとつ、スルガテンナンショウを見てみたいということもあった。目を付けていた場所は残念ながら花が終わってしまっており仏炎苞はもうクチャクチャになってしまっていた。残っていた付属体の形を見る限りではスルガテンナンショウと思われるのだが確証は持てない。それらしきものを見つけたが残念ながらスルガでは無かった。ところが、花を撮影していると7~8人のルーペや図鑑を持った植物観察会と思わしきグループがやって来た。テンナンショウの花を見てスルガですかと聞かれたのでこれは違うと答えたところ、咲き残っている場所があると教えていただいた。そちらの場所に移動してみると、大部分は終わっているもののまだ咲き残っているスルガテンナンショウに出会うことが出来た。


    思っていたよりも大型のテンナンショウ属だった。


    側面から見る仏炎苞と付属体。


    スルガテンナンショウの特徴は付属体の先端部が結節になっていること。


    この場所のものは葉に美しい斑の入ったフイリスルガテンナンショウだった。

 予想通り、南部町ではスルガテンナンショウに出会うことが出来た。しかし、今度の場所はヤマヒルが多くて車を止めたすぐ脇の藪っぽい場所ではあっという間に5~6匹のヤマヒルが靴にまとわりついて来た。全て持参したアルコールで撃退し、被害は被らなかった。南部町の界隈は今回のムギランやマメヅタランのように南方系の着生ランに出会える場所で、カヤランやヨウラクランも生育している。おそらく他にも山梨県ではあまりお目にかかれない変わった植物がたくさんあるに違いない。
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スズムシソウとコアツモリソウ 富士北麓の森散策  平成30年5月11日

2018年05月14日 | 花・花・花
 山中湖近傍の神社を散策してからこちらの森にやって来たので時刻は4時半になってしまった。修理に出していた車が戻ってきたことだし、林道を行けるところまで行って歩行時間を短縮しようと目論んだが、途中で倒木に道を塞がれて先に進めない。しかも細い林道で車を回すスペースも無く、長い距離をバックして林道を戻ることになってしまう。大幅に時間をロスし、歩き始めるのは5時近くになる。しかもスラックスズボンにスパッツを装着するという変わった格好で森に入る。


    林道に倒木あり、先に進めない。


    林道脇に咲いていたテンナンショウ属。葉が細めで鋸歯がある。たぶんホソバテンナンショウ。


    居ました、スズムシソウ。しかしまだ咲き始めたばかり。


    満開には1∼2週間早かった。


    ほとんどがまだ蕾。


    しかし、数は増えているように見える。

 もうひとつのお目当てのコアツモリソウは、いつもの場所では無くて森のずっと奥の群生地を訪れてみる。スパッツを装着したのは少し藪道を歩くからである。


    林道の中に咲いていたレンプクソウ。


    スギ林の林床にはアオフタバランの葉がたくさん。


    アオフタバラン


    居ました、コアツモリソウ。しかしまだ蕾。


    こちらも数は多い。


    少しふくらみかけた蕾。まだ1∼2週間早かった。

 今年は花の開花が早いのでもうそろそろ咲いている頃だろうと思ったのだが、残念ながらフライングだった。しかし、スズムシソウもコアツモリソウも元気に咲いてくれそうで一安心である。
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