山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

またしてもてTiara撮影失敗 朝霧高原  平成27年1月27日

2016年01月27日 | 番外編
 一昨日ネットで注文したデジボーグ67FL 望遠レンズが届いた。天体撮影用ではあるのだが景色も十分に撮影可能で、6mから無限大の距離が撮影可能である。このレンズは2枚のレンズを張り合わせただけのきわめて単純な構造をしており、そのためおそらくはレンズ内での光の反射で起こるゴーストやフレアはかなり抑制できると予想される。さっそくの試写と軌道修正したうえでの朝日がどのように現れるのか試すべく朝霧高原に出かけた。

 富士山山頂からの日の出20分ほど前に到着してGPSにセットしておいた撮影予定地に真っ直ぐに向かうが、道沿いでは無いために雪を踏んで草地を進む。到着した場所は草むらで撮影には不向きでその少し右手に盛り上がった場所があったのでそこで三脚を構える。5mほど予定地から南にずれているがそれでも前回の朝霧高原の撮影時よりは剣ヶ峰に近いところから日が昇るはずだ。さっそくニューレンズをセットしてファインダーを覗きこみピントを合わせようとするが全く合ってくれない。別売の絞りをレンズに取り付けた分だけレンズ長が長くなりピントが合わないようだ。接続部分の金具を短いものに変えるのだが、手がかじかんでなかなかうまく交換できず、あっという間に太陽が現れる時間が近付いてしまう。部品を交換したがそれでもピントが合わず、もう時間が無いのでそのままシャッターを切ることにする。あっという間に日の出となりまたしても右にわずかにずれている。


    部品を交換したがピントが合わない。到着した時に試した範囲では大丈夫と思ったのだが・・・


    あっという間に日の出。しかしまた剣ヶ峰からわずかに右にずれている。


    またしても失敗。


    その後の画像を良く見てみると、小さいながら剣ヶ峰の左から光が出ている。


    暗く処理した画像。


    さらにトリーミング。確かに2カ所から光が出ているように見えなくもないが・・・


    狙っている画像とはかけ離れている。


    日が昇ってしまった後に部品を1個外してレンズ長を変えてみると、今度はピントが合った。なかなかの解像度。


    特筆すべきことはこれだけの明るさの太陽を撮影してもゴーストやフレアが出ないことだ。


    絞りを開けると写り方も変わる。しかしカメラ本体に絞りの数値は出て来ないので、絞りのF値がいくつになっているのかは全く不明。オートフォーカスも無く完全マニュアル撮影となる。


    GPSで記録した本日の撮影場所から見る太陽軌道。予定では剣ヶ峰の右端をかすめる軌道だったが、撮影適地が無く南側に寄ったことで軌道がずれてしまった。


 今回の撮影と前回の朝霧高原、そして平尾山の撮影を総合して考えると、太陽の現れる場所はほぼカシミール3Dで見る太陽軌道に一致した位置にあるということだ。おそらくは剣ヶ峰の山頂真ん中から太陽が現れる(あるいは沈む)軌道でティアラの撮影が出来るのではないだろうか。新しいレンズの性能を最大限に引き出しつつ、これからも挑戦は続く。


    新しく揃えたデジボーグ67FL望遠レンズ(300㎜相当)と愛用しているEos7D。


    67㎜径、F4.5 フローライトレンズと絞り。

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彩雲ときめく富士山 石割山  平成28年1月24日

2016年01月26日 | 山梨百名山
 朝霧高原に朝のティアラ富士山撮影に出かけたが失敗し、後ろ側の毛無山塊が凄い樹氷になっているのを見て今朝は山に登るべきだったと深く反省した。場所を山中湖に移動し、今度は夕暮れのダイヤモンド富士を狙うため石割山に登ることにする。時間はまだ早いので、時間調整とへこんだ気持ちを洗い流すため石割の湯に立ち寄り山に登る前からまずは風呂に入る。しかしそれでもまだ時間は昼の11時半だ。昼寝すると心まで折れそうなので、ゆっくり登ることにして石割神社に向かう。

 駐車場には4~5台の車が止まっていた。既に下山してくる人たちが数人おり、皆軽アイゼンかチェーンアイゼンを装着している。神社の階段を見てスリップしそうなので私も軽アイゼンを装着して登ることにする。ダイヤになるのは午後4時15分ごろなのでまだ4時間もある。普通に登ると早く着きすぎるのでここは雪中行軍(?)トレーニング。階段の左側に踏み跡が着いているがこちらを使わずに故意に踏まれていない右側を登る。雪はくるぶしか、その少し上くらいまでしか無いが少しは雪歩きのトレーニングになるだろう。時間つぶしにもちょうど良い。階段の先も雪を踏みながら右に左にうろうろと歩き、2時間かけて石割山山頂に到着した。


    石割神社の鳥居。積雪は15~20㎝ほど。


    神社の長い階段。これを見て軽アイゼン装着することにした。


    時間つぶしと雪中行軍トレーニング。右側が踏み跡のある道、左が私のトレーニング跡。(物好きか、暇人か、ただのバカ!)


    雪の石割神社


    2時間かけて山頂に到着。

 午後2時半に石割山山頂に到着。ここのダイヤモンド富士はもう終わっており、今日は平尾山あたりが適地だ。しかしまだ時間はたっぷりある。風を避けて笹原の陰で昼食をとりながら富士山を眺めていると、富士山の上を流れて行く雲が虹色に輝いているように見える。ファインダー越しに覗いてみるとまぎれもなく彩雲だ。次々に流れて行く雲がちょうど富士山の真上あたりで綺麗な虹色に輝いている。


    石割山山頂の富士山。まだ踏まれていない雪が残っていた。


    石割山なのに石割山らしからぬ雪景色と富士山。


    富士山の上を流れている雲が色付いているような??


    彩雲ときめく富士山


    次々に彩雲が流れてくるが富士山山頂に霞がかかってきてしまう。


    美しい彩雲。しかし富士山が霞んだのが残念。


    同上

 3時20分ごろまで30分ほど彩雲を撮りまくり、太陽が富士山山頂に近付き彩雲が現われにくくなったところで撤収、今度はダイヤモンド富士の撮影地に向かう。平尾山あたりだとほぼ富士山の真ん中あたりに沈むのだが、この日狙ったのは白山岳で割れる夕陽だ。しかしカシミール3Dで計算したその場所はおそらく林の中で眺望は得られないはずだ。少し内側にずれると思われるが、平尾山側の登山道沿いならば眺望が得られるはずだ。


    ダイヤモンド富士は平尾山に下る登山道沿いから白山岳に沈む夕陽を狙う。


    霞が富士山頂をおおったために夕陽が丸く写った。


    さて、どうなるか、割れるか??


    もう少し・・・


    しかしわずかに左で割れず。残念。しかし・・・


    ここでもまた今まで撮影に成功したことが無い影富士が現われた。

 最後に平尾山に立ち寄り、夕暮れの富士山を眺めてから下山。5時半に駐車場に到着し、ヘッドライトを使わずに下山することができた。


    夕暮れの平尾山山頂。向こうに見える鉄砲木の頭に残照が射す。


    平尾山から見る夕暮れの富士山。


    夕映えの丹沢山系。


 ミッションは失敗に終わったがなかなか見られない彩雲や影富士の景色を見ることが出来た満足な石割山山行となった。へこんだ気持ちもだいぶ戻った。


 GPSで記録した撮影地の座標からこの日の太陽軌道をカシミール3Dで計算し直してみると、場所的にはかなり良かったように見える。白山岳山頂に夕陽の頂部がかかる計算になるのだが、朝霧高原で撮影した時と同様にこの軌道では夕陽は割れない。やはりカシミールの太陽よりも実際の太陽のほうが小さいと考えるのが妥当だと思う。


    本日のダイヤモンド撮影地から見る太陽軌道。白山岳の真上で夕陽が割れる計算だったが、実際は左寄り、ちょうど太陽軌道線の真上あたりになった。

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Tiara撮影失敗 朝霧高原県境付近  平成28年1月24日

2016年01月26日 | 番外編
 天気図と雲画像から見てまだ朝には天候が回復していないだろうと見ていたのだが、朝6時に目が覚めて空を見上げれば雲はほとんど無い。本栖湖ライブカメラをチェックすると富士山も姿を現している。これは行くしか無いだろう。チェックしておいた朝霧高原のティアラ富士撮影が出来そうな場所に向かう。20分前に撮影予定地に到着したがGPS片手に場所を探すのに手間取り、セットできたのは富士山頂の剣ヶ峰に日が昇る時間のわずか5分前になってしまう。カシミールの座標とは若干ずれているがここで良いはず、きっと剣ヶ峰で割れるダイヤモンドが撮れる!と確信して撮影に臨んだのだが・・・!?


    カメラ2台セット完了し試射。雲があるが剣ヶ峰は見えているので撮れるはず。


    山頂から棚引く雪煙が輝いている。


    あとで見直してみれば、雲にわずかだが影富士が写っていた。


    200㎜望遠レンズ画像。富士山の右側に不明瞭ながら影富士。


 山頂に雲が広がり雪煙が棚引いてはいたが剣ヶ峰は見えている。これならば朝日は十分に撮影できるとファインダーを覗きながら待っていると、予定通りの7時55分に太陽が現れた。しかし現われた場所を見て愕然とした。完全に剣ヶ峰の右に外れている。座標を間違えたのだろうか??


    日の出。しかし朝日が現われた場所は剣ヶ峰の右側。


    ティアラ失敗。完全に右に外れている。20mくらいずれているように見える。


    全く割れてくれない。


    残念、失敗。


    もう完全に太陽が出てしまっている。




 この日に撮影した場所をGPSで記録しておいて後にその場所からこの日の太陽の軌道と剣ヶ峰に現われるはずの太陽をカシミール3Dで計算し直してみると、ほぼ予定していた通りの軌道を太陽が通過している。狙った場所は間違っていなかったことになるが、撮影しながら思ったことはカシミールの太陽よりも実際の太陽はもう少し小さいように見える。だとすれば、太陽の頂部はカシミールの計算よりももう少し低い位置を通過することとなり、今回の場所では剣ヶ峰の山頂には姿を現さないということになる。この結果を踏まえて、次は軌道修正して再チャレンジしたいと思う。

 休憩で立ち寄った朝霧高原道の駅から見上げる毛無山の山塊は凄い樹氷になっていた。こんな日はティアラにこだわらず、山の上で朝を迎えるべきであっただろうと深く反省した。


    朝霧高原道の駅から見上げる毛無山とタカデッキ。凄い樹氷になっている。

 暖冬の今年、このような樹氷の景色を見られる日はそれほど訪れないだろう。前日少しだけ頭を横切った三つ峠山荘泊りでの朝の三つ峠が良かったのだろう。完全に作戦ミス。少しばかり気分がへこんだ。

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剣ヶ峰に昇るパール 朝霧高原まかいの牧場付近  平成28年1月22日

2016年01月25日 | 番外編
 本命は翌日23日の南部町佐野峠だったが天気予報思わしくなくほぼ絶望的。1日早いパールを朝霧高原から狙うことにした。しかし、この日のパール富士は日没の15分から20分前に山頂に現れてしまうため、よほど夕陽の条件が良く無ければ富士山は赤く染まってくれない。それと撮影し易いまかいの牧場駐車場だと若干右に出てしまうかもしれない。

 日中は富士山に雲が巻く決して条件の良い日では無かったが、午後2時ごろに本栖湖のライブカメラを見ると雲が巻いているものの富士山が姿を現していた。夕方6時半から会合が入っているがパールになるのは夕方4時45分ごろ、なんとか間に合う時間だ。行ってみることにする。パールの2時間ほど前にまかいの牧場に到着し、まずは周辺を散策して良さそうな場所を探すと、新しく建設中の道路の脇から富士山を見るのに良い場所が見つかった。30分前に三脚とカメラを担いでその場所に行き、2台設置してスタンバイする。


    駐車場からでは無くて歩いて探した別の場所。電線が気になるが暗めに撮ればさほど気にならなくなるはず。


    日没が近付く。手前の林に夕陽が射す。


    雲が巻いたり消えたりを繰り返すやや不安定な富士山だったが・・・


    運良くこの時間は富士山頂が見えてくれた。


    山頂に現れた月


    剣ヶ峰のちょうど真上


    やはり電線はちょっと邪魔。


    剣ヶ峰に昇るパール


    同上。


    トリーミング画像。200mm f2.8 レンズは十分に解像度は良いと思うのだが、彗星の尾を描出するほどの解像度は無い。


    やはりあまり焼けないうちに月は離れて行く。


    同上。55mmズーム。


    残照で富士山が色付き始めた頃には雲が湧く。これにて終了。

 条件が整えばさほど難無く撮れる朝霧高原のパール富士。今回の撮影には間に合わなかったが、300mm天体用レンズを新しく揃えたので、次の機会にはもうすこしくっきりした月の画像が提供出来るかもしれない。

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割れるダイヤモンド富士を求めて三たび竜ヶ岳に登るが・・・敗退  平成28年1月11日

2016年01月14日 | 山梨百名山
 9日の朝の竜ヶ岳ダイヤは場所を10~20mほど誤って白山岳で割れるダイヤモンド富士の撮影は失敗に終わってしまった。下山後パソコンでこの日の太陽軌道をカシミール3Dで計算し、軌道修正した位置で再度割れるダイヤに挑戦するため竜ヶ岳に登った。自分の車が故障してしまったため本日は代車で行くのだが、途中でガソリンが足りないのに気付き、さらに大部分の荷物を故障した車に積んだままにしてきたために山に持ってゆく水が足りない。コンビニにも立ち寄るとその2カ所で30分近く時間を費やしてしまい、本栖湖キャンプ場出発は5時40分になってしまった。撮影予定地は竜ヶ岳山頂に立つ山梨百名山標柱から2~5m右寄りのところだ。山頂までいつものゆったりピッチで歩くと2時間半ほどかかる。ここはただひたすらに歩かないと、ダイヤモンドになる7時43分に間に合わない。

 途中で明るい金星が輝いているのが見えたが三脚を出して撮影している余裕は無く、休憩無しに東屋のベンチまで歩いてここで休憩。ここまで1時間5分かかっており、時間は6時45分。なんとか間に合いそうだがギリギリだろう。ここから見る富士山は薄雲がかかり、朝焼けに染まった美しい富士山だった。ゆっくり撮りたかったがそんな余裕は無く手持ちで数カットとってまた黙々と登る。急いでいるつもりなのだが、後からやって来た若者たちにはことごとく追い抜かれ、7時30分、山頂に到着。しかしその頃には・・・


    薄雲が朝焼けに赤く染まった。東屋の休憩所から。


    ゆっくり撮りたかったが時間的に余裕無く、手持ちで撮って山頂に急ぐ。


    雲が富士山裾野に流れてきた。これまた願ってもいない絶景富士になってきた。


    ところが・・・7時10分ごろから今度は竜ヶ岳も雲に巻かれ始めた。


    山頂到着。富士山はどこ・・・??


    ダイヤモンド富士が終わった頃。もう皆撤収して下山し始めている。

 残念ながら富士山は現れず、割れるダイヤモンド富士はおあずけとなってしまった。まあ、こんなもんでしょう。山の天気は気まぐれだから。さっさと下山する。


    休憩ベンチのところから裏側の南アルプスは見えていた。その後も富士山は姿を現さず。



    今回の撮影場所からの太陽軌道。前回よりやや左側に寄ったところで白山岳の突起を利用して割れるはずだったのだが残念。

 またの機会に再挑戦。
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冬の大三角形、接近した金星と土星、ダイヤモンド富士など、盛り沢山の竜ヶ岳(後編) 平成28年1月8日ー9日

2016年01月13日 | 山梨百名山
 1月8日から入山し、竜ヶ岳山頂にテント設営して星空の撮影に没頭した。深夜1時ごろにシュラフに潜り込んで寝るが、翌朝は朝5時に富士山左隅から金星と土星が接近して昇ってくるためあまりぐっすりとも寝ていられない。目覚まし時計を4時半にセットするが、なかなか寝付けずようやく寝た頃に目覚まし時計が鳴った。

 眠い、だるい、寒い、もっと寝たい、しかし起きねば・・・。葛藤の中でシュラフから出てバーナーを焚いて暖をとりお湯を沸かす。あっという間に時間は5時となり、急いでテントの外に出るともう金星と土星が昇り始めていた。


    富士山頂に昇った金星(-4等級)と土星(1等級)。土星も決して暗くは無いのだが、金星の輝きが凄過ぎる。


    同上。55㎜


    薄明の青い空に輝く金星と土星、そしてさそり座アンタレス(右下の赤い星)。

 うまくすれば天の川も・・・と思ったのだが、薄明の空の明るさに消されて天の川は写らなかった。夜明け前の薄暗い山頂をうろついているとヘッドライトを点けてもう2人の登山者がやって来た。星見隊の仲間?と思ったが別人。さらに間もなく2人の登山者がやって来た。今度はみちほさんご夫妻だった。ずいぶんと早い到着だが、次の天体ショー、月齢28.7の細月が昇るまでにはもう20分ほどしか無い。場所を展望の良い笹原の切れ間のところに移動して月の出を待っていると、sanaeさん、るたんさんと次々に到着して星見隊集合となった。メンバーが揃って10分も経たないうちに月が昇り始めた。肉眼でも見えるには見えるがかなり細い。日の出の30分前なので地球照の月になるだろうと予想していたのだが、10分ほど月の出が遅かったようで、地球照の部分には月の模様が現われてくれない。


    富士山中腹に現われた月齢28.7の細月。髪の毛のように細い。


    夜明けの光に追いかけられるように光度を上げて行く。


    200㎜望遠レンズで捉えた月。かろうじて地球照の月にはなっているが、模様が写らず。これは失敗。


    白山岳と同じ高さまで昇った頃にはもう地球照は消えている。


    もはや朝の光に消える寸前。


    夜明けの金星と細月。夜明けの明かりに消える寸前。

 残念ながら地球照の細月の撮影には失敗してしまった。翌日に新月を迎える前日の月齢28か29の細月、それと新月翌日の月齢1の細月は撮影するのが難しく、地球照の月で撮影に成功したのはまだ1度しか無い。

 夜明けの明かりに月が消えた6時50分、月の撮影は終わりとなり、機材を片付けて再び山頂に戻る。その頃には裏側にずらりと見える南アルプスの上にアースシャドウが出ていた。日の出時間を過ぎた頃には南アルプスに影富士も姿を現した。山頂を過ぎて雨ヶ岳側の笹地に展望の良い場所があり、そちらに移動してこの朝の景色を眺める。


    南アルプスの上に出たアースシャドウ。下の暗い部分が夜明け前、上の明るいところは夜が明けている部分。


    日の出を過ぎた頃に現われた影富士。

 さて、次のショーを見るために再び山頂を超えて撮影地に向かう。新年の竜ヶ岳の名物ダイヤモンド富士であるが、今回狙うのはいつもとは違って白山岳でダイヤが割れるティアラと名付けられた特殊なダイヤモンド富士だ。カシミール3Dで再三シュミレーションし、下見も行って場所はほぼ予測していたのだが撮ってみないとどうなるかわからない。10m位置がずれれば失敗に終わる難しい撮影への挑戦である。登山道脇の笹原の中を左右に分かれて時を待つ。これだけの人数で撮影すれば一人くらいは写るだろう・・・と思っていたのだがその目論見は見事に・・・失敗。


    テスト撮影。光の撮影なので暗めにして絞り込んで撮影するのだが、F14以上に絞ると回析現象が出て富士山の輪郭がぼやけてしまう。本日はIso100、F11、1/640でマニュアル撮影を試みる。


    山頂の雲が輝き始めた。もうすぐ。


    始まった。しかしこれは・・・白山岳の突起より10~20mほど右に寄ってしまい、突起と突起のちょうど中間から日が出てしまった。


    これは失敗。とこの時は思ったのだが・・・


    竜ヶ岳のダイヤモンド富士。いつもの画像。


    広角レンズで太陽を中心に入れてフレアを抑制。

 場所が10~20mずれていた。予想していた白山岳右側の突起のすぐ右手から朝日が昇って来てしまった。もう少し左側で構えるべきであった。しかし、後にモニターの画像を拡大して見てみると、予定していた場所とは違うのだが窪んだところにあるわずかな突起のところで一瞬ではあるが光が2つに割れていた。


    拡大・トリーミングしてみると2つに割れている。


    秒速3~4コマで撮影した次のカット。一応割れている。3カット目まで、約1秒間割れたことになる。


    拡大して場所を確認してみると、窪んだ場所の真ん中にわずかな突起がある。この程度の突起でも割れるのだ。


    反対側の剣ヶ峰は左側にゴツゴツした突起が多数出ている。この突起が5つ以上の光を放つティアラを生み出す源になっている。

 ということで、ティアラ撮影には失敗したが以外にも小さな突起で瞬間的に光が割れることがわかり、それなりの収穫は得ることができた。初回にしてはまずまずの出来である。GPSで座標を記録しておいて、その日の軌道をカシミール3Dで計算してみたのが下の図である。太陽の大きさから計算して白山岳の谷間あたりに太陽軌道の中心を持って来れば割れるだろうと計算していたが、場所がもう少し左寄りだったようだ。


    本日撮影した場所から見た太陽の軌道。予定していた白山岳の谷間より少し右に軌道が寄ってしまっていた。


 朝食をとってテント撤収して下山。今回は思った通りに撮れなかった画像も多かったのだが、それなりの収穫が得られた良い山行だったと思う。


    オリオン座と冬の大三角形を撮影した東屋は昼になるとこんな景色。


    こちらは展望ベンチのある休憩所。

 下山後は写ば写ばに星見隊集結して談義と明日からの計画を相談。しかしその夜に私の車にトラブル発生し、戦線離脱することになってしまった。申し訳ない。

 しかし懲りずに2日後再び竜ヶ岳へ。しかしまたまた敗退・・・。次こそは執念のティアラを・・・!




    


    
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冬の大三角形、接近した金星と土星、ダイヤモンド富士など、盛り沢山の竜ヶ岳(前編) 平成28年1月8日ー9日

2016年01月12日 | 星空
 先日下見しておいた竜ヶ岳の白山岳で割れるダイヤモンド富士の撮影もあるのだが、そのほかに1月9日の早朝は竜ヶ岳から見ると大接近した金星(-4等級)と土星(1等級)にさそり座のアンタレスが接近して富士山頂付近に昇って来るという賑やかな天体ショーが見られる日である。さらに金星が高く昇った後、富士山裾野の中央部あたりから月齢28.7という翌日には新月を迎えるきわめて細い月が昇って来る。日の出の30分ほど前に月が現われるので、おそらくは地球照の月になるであろうと予想される。天候も良さそうなことだし、この日の竜ヶ岳は絶対に逃せない。

 寝過ごさないようにという意味合いもあるのだが、数年前に同じく新年に竜ヶ岳でテント泊した時に撮り逃した景色がある。そのひとつがオリオン座と冬の大三角形で、明るい月がいたためにうまく写ってくれなかった。初日の夜はこのオリオン座と冬の大三角形を撮り歩きながら夜道を登る計画である。星の撮影が目的なので夕方5時少し前から本栖湖キャンプ場を出発する。今回は年越しで泊まった王岳の装備に加えて三脚をもう1本追加し、カメラはEos7DとEosM2の2台が使えるように装備する。もちろん、スカイメモSも持ち上げるので、重さは20㎏を超えたと思われる。


    森の上に輝き出した星たち。最初の富士山展望ベンチからの風景。


    昇るオリオン座と富士山。

 全くピッチが上がらないがむしろそれが幸いして、次の撮影予定地である東屋の立つ展望地には7時半に到着した。ちょうどオリオン座と冬の大三角形が良い角度で富士山の左側に昇って来ている。今回撮りたかったのはこの展望地にある木を前景にして富士山に昇って来たオリオン座と冬の大三角形の景色である。しかしここでまた難題が・・・それは夜半の撮影で毎回苦労する飛行機のカットである。次々にやって来る飛行機の合間を縫ってシャッターを切るのだがきわめて困難で、特に10㎜超広角レンズの視野では深夜にならなければほとんど不可能なのではないかと思われる。富士山の上に冬の大三角形が昇り着く夜9時まで約1時間半ここで粘って撮影を続けた。なんとか木の枝に飛行機を隠して何カットか撮ることが出来た。


    富士山左側に昇って来たオリオン座と冬の大三角形。しかしこの次々にやって来る飛行機をカットするのに大苦戦。


    ハーフ拡散フィルター装着画像。本日出かける前にこの撮影のために新調してきたものを使用。


    富士山に昇ったオリオン座と冬の大三角形


    竜ヶ岳側に輝いたカシオペア座と天の川


    富士山頂に昇ったオリオン座と冬の大三角形。今回撮っておきたかった1枚。

 9時過ぎに東屋の展望地を出発し10時を過ぎた頃に山頂に到着した。テント設営の前に撮っておきたいものがある。ひとつは北側に立ち上がるカシオペア座を貫く天の川、そしてもう一つはアンドロメダ大星雲だ。スカイメモを取り出してセットするがセットに手間取って時間を費やしてしまう。


    北側に立ち昇った天の川。60秒追尾。


    アンドロメダ大星雲。55㎜ズームで撮影。


    さらに200㎜望遠レンズで捉えたアンドロメダ大星雲。90秒追尾。ややピントが甘そうだ。


    北東側に昇って来たカタリナ彗星。1月2日に地球に最接近した後は暗くなってきており、そろそろ撮り納め。

 タイマーリモートコントローラーで自動撮影しながらテント設営して夕食・・・のはずだったのだが、夕食をとってカメラのところに戻ってみればコントローラーの設定を間違えて全く撮れておらず。アンドロメダ大星雲の画像を加算処理するつもりだったのだが失敗。その頃にはオリオン座と冬の大三角形が南中しており、そろそろカノープスが見えてくる時間になった。駿河湾の明かりの上あたりに居るはずなのだが、肉眼では見えない。もう1台のEosM2をセットして撮影してみると、カメラではしっかりと捉えることができた。


    駿河湾の明かりの上に輝くおおいぬ座シリウスとカノープス。駿河湾を覆った霞の上に輝いているのがカノープス。


    毛無山山塊に傾く冬の大三角形と天の川。スカイメモ使用し、25秒固定20秒追尾した画像。

 時間は深夜12時を過ぎてもうすぐ1時だ。明日は早朝5時に金星と土星が富士山に昇って来るので4時半には起きないといけない。ほとんど寝ている時間は無い。前回の王岳で寒くて眠れなかったので今回はホッカイロを持って行ったが、これが貼り付けるタイプでは無いものを買ってきてしまったため、肩に入れたはずのホッカイロが寝返りを打てばどこかに行ってしまう。あまり役に立たなかったがあまり寒さは感じず、氷点下10℃を下回った寒さの中でも短時間ではあるが寝ることができた。(後編に続く。)


    
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撮影地調査とGPSログ記録のために竜ヶ岳へ  平成28年1月3日

2016年01月07日 | 山梨百名山
 何度も登っている竜ヶ岳なので今更撮影地調査など必要なのかと思われる方もいるかもしれない。しかし、これから撮ろうとしている画像は数メートルのずれで不成功に終わってしまうと言われているちょっと難しい撮影なので、調査が必要なのだ。一番必要なのがGPSログ(軌道)だ。地図に登山道が記されてはいるものの、実際の道とは若干ずれていることが多い。正確な登山道を把握するには実際に歩いて軌道を記録しておく必要がある。早朝一度は駐車場まで行ったがあまりの混雑に意欲消失して一旦退却、写ば写ばで時間調整してそろそろ登山者が下山する時間の10時過ぎを狙って登り始める。


    ベンチのある最初の展望地からの富士山。


    東屋の休憩所


    いつもダイヤモンド富士を撮影している展望笹原


    竜ヶ岳山頂

 何ヶ所も撮影してそのたびにGPSに撮影場所のマークを入れる。途中の笹薮の中も歩きながら(荒らしながら?)3時間少々かかって山頂到着したが、そのまま山頂はスルーして反対側の雨ヶ岳方向の撮影地をチェックする。あちら側は登山を始めたばかりの8年くらい前に一度行っただけで、笹薮が深くて撮影には不向きだったという印象しか持っていなかったが、以外にも富士山が見えることを知った。樹林帯に入る直前のところまで行ってそこで昼食をとる。


    山頂の雨ヶ岳側。笹が生い茂るが富士山の眺望は十分に得られる。


    樹林帯手前から見る富士山。


    南アルプスがずらりと見える好展望地もあった。

 昼食をとって折り返し、下山。今度は撮影をイメージしながら戻る。


    竜ヶ岳山頂。草と笹を入れてみた。


    展望笹原あたりから。裾野まで見えるので次回の月の撮影には好適地。


    星と富士山を撮るなら木を入れてこんなイメージで。


    この場所も良さそうだ。

 霜が解けてドロドロになった登山道を三脚を担ぎながら下山したが、かなり気を付けてはいたものの見事にスリップしてすってんころりん。幸いにして笹原側に倒れたためズボンを少し汚しただけで済んだが、土の上に転んだら泥だらけになっていただろう。下山後またまた写ば写ばに立ち寄って休憩する。みちほさんご夫妻は30分ほど前に帰った後だった。


 さて、狙っているのは富士山の剣ヶ峰と白山岳で太陽が割れて写るティアラという特殊なダイヤモンド富士だ。途中で撮影した富士山と太陽の画像をフォトショップで加工して重ね合わせてみると、場所さえ特定できれば竜ヶ岳でも撮影は可能であることが推察される。


    55㎜レンズで捉えた竜ヶ岳の富士山


    同じ場所で撮影した太陽。


    太陽の部分をくり抜いて画像を重ね合わせてみると、剣ヶ峰で二つに割るのはあまり難しく無さそうに見える。


    一方の白山岳はピークが尖っておらずかなり微妙。瞬間的には3つに割ることが可能かも知れない。

 ということで、これから撮影するダイヤモンド富士はこのティアラの撮影に挑戦してみたいと思っている。1度や2度では困難であろうが、数を打てばそのうち当たるかも知れない。
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新年のダブルダイヤモンド富士 本栖ハイランド  平成27年1月3日

2016年01月06日 | 番外編
 今年撮ってみたい画像のひとつに「ティアラ」という現象がある。どうやら富士山を熱心に撮影している地元の人がつけた名前らしいが、富士山の剣ヶ峰と白山岳の角から日が昇る時に太陽が割れて複数の光を発することをティアラと呼んでいるらしい。写ば写ばの栗林先生はこの撮影に何度も成功しておられ、雷岩という白山岳寄りの岩のところでも割れるらしい。

 では試しに、ということで、カシミール3Dで場所を計算したうえで竜ヶ岳に行ってみることにした。中腹の東屋のある休憩所よりももっと下のほうでちょうど白山岳のところを太陽が通過するはずだ。山頂ではないので遅めの出発で本栖湖キャンプ場に到着すると、想定外の駐車場はほぼ満車状態だ。外れのほうに車は止められたものの、あまりの混雑にやる気を失い場所を変更、本栖ハイランドに行くことにする。ここは年末・年始に竜神池という池に富士山を映してダブルダイヤモンド富士が撮影できる場所で、入場料が1,000円かかる。12月31日か1月1日頃は本栖ハイランドからだと剣ヶ峰あたりに居たはずの朝日だが、3日になると中央近くまで移動しているはずだが、池のいちばん南の外れあたりならばひょっとしたら剣ヶ峰にかかるかも知れない。こちらも正月の人気スポットだけに混雑が予想されるがまあなんとかなるだろう。


    本栖ハイランドの竜神池。既に大勢の人がやって来てスタンバイしている。


    水面が揺れるのは凍結防止のために散水しているため。

 7時に開場と聞いて7時数分前に駐車場ゲートに到着したが、国道の渋滞を避けるために7時前から入場させていたらしい。池に行くと既にたくさんのカメラマンが三脚をセットして時を待っている。水面は凍結しているが、肝心の場所は凍結防止のために散水していた。撮影のためにいろいろと配慮しているようだ。池のいちばん南寄り(富士山に向かって右側)はスペースが空いており、そこに三脚とカメラを設置する。


    スタンバイOK


    8時過ぎ、始まりました。残念ながら剣ヶ峰より内側。


    竜神池のダブルダイヤモンド富士


    あっという間に日は昇り・・・


    わずか数分でショーは終わり。


    もう1台のカメラに200㎜望遠レンズをセットして連続撮影した画像。より尖っている剣ヶ峰のほうが白山岳より割れ易そうだ。


    ダイヤになった瞬間の画像。やはり剣ヶ峰より中央寄り。


    上記から3秒後の画像。


    5秒後。このくらいの輝きになるとおそらくティアラは終わってしまっているだろう。


    30数秒後。

 なんとなくティアラ撮影の感触はつかめたが、実際には軌道を正確に計算し場所を特定しないと撮影は難しいだろう。おそらく時間にして1~3秒くらいと予想される。1度や2度で撮れるものではなさそうだ。

 この撮影の後に写ば写ばの栗林先生のところに情報をいただきに行くと、精進湖の湖畔でなにやら見慣れた人の姿が・・・なんとみちほさんご夫妻ではないか。え~っ、また山梨??と思わず目を疑ってしまった。これからパノラマ台と三方分山を歩くとのこと、私は写ば写ばで情報収集と時間調整後、人が少なくなった頃を見計らって竜ヶ岳の撮影適地偵察とGPS軌道を記録するため歩くことにする。





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年末年始は王岳で年越し(後編)  平成27年12月31日ー平成28年1月1日

2016年01月05日 | 山梨百名山
 年越しをひとり王岳山頂でテント泊で過ごし、新年の花火が打ちあがる音を聞きながら眠りについた。シュラフに潜り込んだ時はさほど寒いとは思わなかったのだが、午前3時ごろ肩から背中にかけて異様に寒くて目が覚めてしまう。バーナーを焚いて暖をとり、オーバージャケットを着こんで再びシュラフに潜るが、やはり寒くて寝付けそうもない。どうせ寝られないのなら・・・と起き出して再び星空の撮影を開始する。東の空から下弦の月が昇って来ていた。そのすぐ左に輝いているのが木星だ。さらに牛飼い座アルクトゥールスと接近したカタリナ彗星がいるはずだ。スカイメモセットしてアルクトゥールスに照準を合わせると、そのすぐ横にカタリナ彗星を捉えることができた。


    東の空から昇って来た下弦の月。


    接近した月と木星。


    簡易赤道儀スカイメモを担ぎ上げて撮ったアルクトゥールスとカタリナ彗星。追尾60秒。月明りでやや空が明るい。


    深夜11時過ぎごろからナイターの照明は暗くなっていた。


    未明の空に昇って来た金星。

 -10℃を下回っている気温だろうが、撮影している時はあまり寒さを感じない。カタリナ彗星を撮り終えたと思ったら今度は山中湖の上あたりからひときわ明るい金星が昇って来た。時折テントに戻って暖をとりながら、そのまま夜明けまで撮影し続けることとなってしまった。


    夜明けの空に輝く金星


    新年の朝日が昇り始める。


    初日の出


    富士の裾野から昇る新春の日の出


    綺麗な新春の日の出を拝むことができた。

 テントに戻って朝食をとる。荷物を軽くするために食料は質素なものしか持って来れず、インスタントラーメンとキャベツとレトルト豚汁くらいしか持って来ていない。1泊だからこれで辛抱できるが、2日間ラーメンではさすがに飽きてしまう。しかし今までにやって来た撮影目的のテント泊登山も、ほとんど質素な食事ばかりで、目的が目的だけにこれで良いと思っている。王岳は今回で2度目のテント泊となる。1度目は一晩中霧の中で星空の撮影は出来なかったが、その代わりに朝は出来たての霧氷の景色をみることができ、富士山も一瞬だけ姿を現してくれた。御坂山塊の外れにあってどちらかというとマイナーな山になるであろう王岳だが、なかなかの眺望が得られる良い山だと思う。

 テント撤収して9時から下山。その頃にはもう足の速い登山者がやって来ていた。


    林道から見る富士山と朝日


    根場の駐車場到着。1時間半くらいで下山できた。


 下山後は写ば写ばに立ち寄る。さすがに眠いのだが、武田神社初詣の交通規制があり武田通りは大混雑、脇道を通るには地元住民に配布される通行許可証が必要となるのだが、うっかり持って来るのを忘れてしまった。写ば写ば、上九の湯、職場でデータ整理と時間を調整し、自宅に帰ったのは夜9時過ぎになった。即座に爆睡、翌日の昼まで寝ることとなった。

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年末年始は王岳で年越し  平成27年12月31日ー平成28年1月1日

2016年01月01日 | 山梨百名山
 予定はここでは無かったのですが、富士山に雲が巻いていて遠距離から撮っても狙った星が写る可能性が低いため、富士山に近い山に急遽変更。新年1日だけにワン(王)岳です。

 久しぶりのテント装備。試しに年末に22㎏の重さを詰め込んで職場の階段を1階から6階の屋上まで3往復ほど担いでみたが、なんとかなりそうな感じがする。と思ったのだが、翌日は軽い筋肉痛になった。できれば荷物を軽くしたいのだが、十分な防寒対策と撮影機材を優先させるとあまり軽くはならない。暖冬の今年は雪が無さそうなので軽アイゼンは置いて行くことにしたが、代わりに詰め込んだのが簡易赤道儀スカイメモSだ。牛飼い座の1等星アルクトゥールスとカタリナ彗星が接近している正月の3日間は撮影の好機で、山上の空気が澄んだ場所から撮ってみたい。さらになかなか写ってくれない冬の天の川を撮影するには、最近試している半固定半追尾の撮影法のほうが圧倒的に写りやすい(はずだ)。推定重量20㎏になったザックを担いで、根場から西の入沢の王岳最短ルートを登る。出発は午後2時20分、順調に登れば日没過ぎの午後5時ごろに山頂に到着できるはずだ。


    根場の駐車場から見る王岳方面。真ん中の奥に小さく見えるのが王岳だと思う。


    平成27年最後の夕陽が沈む。


    午後5時5分、山頂到着。

 林道歩きが結構長くてややまいったが、なんとか登れそうな感じだ。何度も歩いているルートだし、日が沈んでもまず道に迷う心配は無い。登山道に入ってからやや急なところもあるのだが順調に登ることができ、午後5時5分山頂に到着した。

 ところが、歩き始めた時には見えていた富士山は中腹の樹林帯の中から見るとすっかり雲に巻かれているように見えた。そして眺望の得られる山頂に到着すると完全に雲の中、しかも自分のいる山側にも雲が巻いてしまって何も見えない状態になっていた。夜中に回復してくれることを期待してひとまずはテントを設置する。すると、突然ふじてんスノーリゾートのナイター照明が見え始めた。撮影してみると雲の上に富士山が浮かんでいるなかなかの景色だ。しかしそれもほんの一時でまた富士山は雲に隠れてしまった。


    霧が巻いて何も見えない。


    雲の上に姿を現した富士山。

 夕食を済ませて6時ごろに外に出てみると、少しずつ空が晴れて星が見えるようになってきた。東の空からオリオン座と冬の大三角形も昇って来た。そして徐々に富士山山頂ををおおっていた雲が消え始め、全容を現すようになってきた。しかし、スキー場のナイターの灯りは予想以上に明るい。


    星が見えるようになってきたが、富士山頂には大きな雲がかかる。


    次第に雲は小さくなり・・・


    富士山が姿を現した。


    富士山と冬の大三角形


    冬の大三角形の中を流星が流れたが飛行機もブンブン。ハーフ拡散フィルター装着。


    雲間に輝くオリオン座と冬の大三角形


    富士山頂に立ち上がる冬の天の川撮影のため、スカイメモ装着して25秒固定25秒追尾した画像。ナイターの明かりが眩しすぎる。


    富士山に立ち上がる冬の天の川。かろうじて見える。


    冬の大三角形が空高く南中する頃に南の低空にこの星が輝く。富士山の右裾野、霞の中に輝くカノープス。


    おおいぬ座シリウスとカノープス。久しぶりに肉眼で確認できた。


    冬の大三角形とカノープス

 深夜11時過ぎ、カノープスを確認したところで今年最後の撮影を終えてテントに戻る。気温は-10℃を想定した装備を持って来たので撮影中はあまり寒さを感じなかった。テントの中で気温を見ると-9.8℃だった。シュラフに潜り込んで寝ようとすると、甲府盆地のほうから新年を祝う花火の打ち上がる音が聞こえてきた。見に行こうかとも思ったのだが、明日も早起きしなければならないので寝ることにする。(後編に続く)

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おまけの精進山  平成27年12月27日

2016年01月01日 | 番外編
 東富士ダム、矢筈山展望台と回った後に星見隊メンバーは精進湖ほとりにある写ば写ばに移動して早目の昼食をとっていた。そこにやって来た老人が明朝日の出前に精進山の展望台に登って夜明けの写真を撮りたいと言っている。行ったことがあるのならば問題無いのだが、初めて行って夜中に登るとなると落ち葉が積もった沢沿いのルートや精進山の分岐のところは間違える可能性があり登り付けないかも知れない。ということで、本日は食べてばかりでほとんど歩いていないことだし、精進山まで案内することになっった。

 話を伺えば御年82歳だそうだが、70歳を過ぎてから山に登るようになり日本百名山を含めた有名な山はかなり制覇されていた。普通に歩く私のピッチに全く普通に付いてこられ、とてもそのようなご高齢の方とは思えない健脚ぶりだ。1時間20分ほどで精進山の展望台到着。ちょっとだけ富士山を撮影してすぐに下山となった。


    精進山展望台からの富士山


    綺麗な雲が流れた。PLフィルターで青さを強調


    10枚ほど撮ってさっさと下山

 翌日も天候に恵まれたので、きっと良い写真が撮れたことと思う。

 おまけの精進山でした。(少しは食べた分のカロリーを消費できただろうか??)
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