平成21年7月18‐19日 天候ほとんど雨時々大雨
蓮華温泉ロッジに宿泊した翌朝は3時半に起床。外に出てみると、ひとまず雨は止んでいる。空を見上げると西の空に傾いた木星が薄い雲を通して透けて見えている。これならなんとか行けそうだ・・・とこの時は思った。4時半、カッパを着てヘッドライト点灯のうえ出発。道は明瞭な1本道で暗くても迷いそうなところはなかった。時折小雨がぱらつくがすぐに止んでいた。夜が明けて空が見えるようになってくると、青空が見えるときもあるのだが白馬岳から雪倉・朝日岳の稜線には真黒な雲がかかっている。
雲間から一瞬陽が射す.虹も出現した.
天狗の庭到着.ここでは強風と豪雨に見舞われ,一時は下山を考えた.
天狗の庭から見上げる小蓮華・雪倉岳方面.黒い雲がかかる.
6時40分、天狗の庭という眺望の良い場所に到着したが、そこでは凄い強風と雨に見舞われた。大池から白馬の稜線上はおそらくは同様の強風・豪雨に見舞われることだろう。ここで引き返すかどうか、かなり迷い、一旦は蓮華温泉に引き返し始めた。しかし、時間はまだ早い。悪天候ながら白馬大池まではなんとか行けるだろう。そこで天候を見ながら山頂まで行くかどうかを決める・・・というプランで、再び登り始める。その先で白馬岳山頂から下山してきた人と出会い、上の様子を聞くとやはり雨と風が強いという。しかも、山頂小屋で聞いた天気予報では午後から大雨・雷警報が発令されているという。この情報を聞いて、本日は大池までで引き返すことに決めた。大池直下の登山道は水があふれて小川のようになっていた。8時15分、白馬大池山荘到着、予想通りの風と小雨が降り、青いイメージだった大池は真黒になっていた。
白馬大池到着.大きな雪渓があり,お花畑にはチングルマやハクサンイチゲ,ハクサンコザクラ,コイワカガミなどが咲いていた.
ハクサンコザクラ群落と雪渓
ハクサンコザクラ
小屋の休憩室に逃げ込み、ここで朝食。荷物を軽くしたかったので、いちばん重そうなレトルトカレーを温める。暖め始めて気付いたのだが、そういえば昨日の昼食もカレーだった。山に来ると食事はカレーとラーメンが圧倒的に多くなるのは私だけだろうか。私の席の向かいにのんびりと休まれている男性がいた。昨日は大池にテント泊し、風と雨でかなり大変だったそうだ。しばらくすると(超美人の)奥様が登場。明日は天候回復するかもしれないが、本日の天候悪く、下山するかもう1泊するか迷っていたようだ。私は本日蓮華温泉に下山し、車なのでそのまま甲府まで帰るので一緒に行くかどうかお誘いしたところ、同行することになる。悪天候の中を1人で歩くより3人のほうが心強い。車の運転も同様だ。
あっという間に大雨が降り出す.以後カメラはずっとザックの中.
大池周辺にはチングルマやハクサンコザクラ、コイワカガミなどのお花畑が広がる。ハクサンイチゲも少しだけ残っていた。折角来たので三脚を担いであたりの写真を撮り始めると、あっという間に豪雨が降り始める。強風が吹き始め、一張テントが池のほとりまで飛ばされて行くのが見えた。まさか・・・と思っていたがそのまさかで、その飛ばされたテントは同行するご夫妻のテントだった。幸いにして池の周囲に張られたロープにひっかかって事なきを得たが、一歩間違えたらテントは池の中だった。無事テント撤収し、10時に下山開始。雨は降ったり止んだりだが、時々強い雨と風にさらされる。特に天狗の庭あたりは風の通り道になっているらしく、凄い強風と横殴りの雨が降っていた。そんな天気でも時として青空が見えることもあるので、山の天気には騙されてしまう。3時間ほどで蓮華温泉ロッジ到着。その頃雨足は弱まっていたのだが、昼食(ご夫妻におごっていただきました)をとってお風呂に入っている頃から土砂降りの大雨になってきた。バケツでぶっかけるような本降りの雨が延々と降り続く。この時間に歩いていなくて良かったとつくづく思った。気温が低ければ大雪山トムラウシの遭難事故の二の舞になりかねない。
温泉につかってゆっくり休んだ後、3時少し前に甲府に向けて出発する。相変わらずの大雨が続いていたが、大町を過ぎたあたりから雨が止み、青空が広がってきた。しかし、振り返って見ると白馬方面は真黒な雲におおわれていた。ご夫妻は千葉県(私の生まれ故郷)から来られた方で、登山歴は私と同じ4年くらい。2人で北海道の羅臼岳に登った(しかも普通の運動靴で)のがきっかけで山にはまり、週末のたびにどこかの山に登っているらしい。山梨県内が中心の私と違って、全国の山のことにかなり詳しかった。驚くべきは旦那さんの体力だ。鳳凰山をテント担いで夜叉神峠から早川尾根小屋まで1日で歩いたという。私はせいぜい薬師小屋まででギブアップだ。さらに自転車ロードレースもやっていて、千葉から新潟の糸魚川まで400km以上も1日で走る。山に登ると体重が増えて帰ってくる、というのもうなずける。そんな山の談義をしながら楽しくドライブし、睡魔に襲われることもなく無事に甲府に到着した。
雨と風にたたられた白馬岳、山頂を踏むことも、雪倉から朝日岳稜線のウルップソウやタカネヒカゲ(蛾のような真黒な蝶)を見ることも来年におあずけになってしまった。しかし、それでも楽しい山行ができたのは、山のすばらしさと同行いただいたご夫妻のおかげだと感謝している。
蓮華温泉ロッジに宿泊した翌朝は3時半に起床。外に出てみると、ひとまず雨は止んでいる。空を見上げると西の空に傾いた木星が薄い雲を通して透けて見えている。これならなんとか行けそうだ・・・とこの時は思った。4時半、カッパを着てヘッドライト点灯のうえ出発。道は明瞭な1本道で暗くても迷いそうなところはなかった。時折小雨がぱらつくがすぐに止んでいた。夜が明けて空が見えるようになってくると、青空が見えるときもあるのだが白馬岳から雪倉・朝日岳の稜線には真黒な雲がかかっている。
雲間から一瞬陽が射す.虹も出現した.
天狗の庭到着.ここでは強風と豪雨に見舞われ,一時は下山を考えた.
天狗の庭から見上げる小蓮華・雪倉岳方面.黒い雲がかかる.
6時40分、天狗の庭という眺望の良い場所に到着したが、そこでは凄い強風と雨に見舞われた。大池から白馬の稜線上はおそらくは同様の強風・豪雨に見舞われることだろう。ここで引き返すかどうか、かなり迷い、一旦は蓮華温泉に引き返し始めた。しかし、時間はまだ早い。悪天候ながら白馬大池まではなんとか行けるだろう。そこで天候を見ながら山頂まで行くかどうかを決める・・・というプランで、再び登り始める。その先で白馬岳山頂から下山してきた人と出会い、上の様子を聞くとやはり雨と風が強いという。しかも、山頂小屋で聞いた天気予報では午後から大雨・雷警報が発令されているという。この情報を聞いて、本日は大池までで引き返すことに決めた。大池直下の登山道は水があふれて小川のようになっていた。8時15分、白馬大池山荘到着、予想通りの風と小雨が降り、青いイメージだった大池は真黒になっていた。
白馬大池到着.大きな雪渓があり,お花畑にはチングルマやハクサンイチゲ,ハクサンコザクラ,コイワカガミなどが咲いていた.
ハクサンコザクラ群落と雪渓
ハクサンコザクラ
小屋の休憩室に逃げ込み、ここで朝食。荷物を軽くしたかったので、いちばん重そうなレトルトカレーを温める。暖め始めて気付いたのだが、そういえば昨日の昼食もカレーだった。山に来ると食事はカレーとラーメンが圧倒的に多くなるのは私だけだろうか。私の席の向かいにのんびりと休まれている男性がいた。昨日は大池にテント泊し、風と雨でかなり大変だったそうだ。しばらくすると(超美人の)奥様が登場。明日は天候回復するかもしれないが、本日の天候悪く、下山するかもう1泊するか迷っていたようだ。私は本日蓮華温泉に下山し、車なのでそのまま甲府まで帰るので一緒に行くかどうかお誘いしたところ、同行することになる。悪天候の中を1人で歩くより3人のほうが心強い。車の運転も同様だ。
あっという間に大雨が降り出す.以後カメラはずっとザックの中.
大池周辺にはチングルマやハクサンコザクラ、コイワカガミなどのお花畑が広がる。ハクサンイチゲも少しだけ残っていた。折角来たので三脚を担いであたりの写真を撮り始めると、あっという間に豪雨が降り始める。強風が吹き始め、一張テントが池のほとりまで飛ばされて行くのが見えた。まさか・・・と思っていたがそのまさかで、その飛ばされたテントは同行するご夫妻のテントだった。幸いにして池の周囲に張られたロープにひっかかって事なきを得たが、一歩間違えたらテントは池の中だった。無事テント撤収し、10時に下山開始。雨は降ったり止んだりだが、時々強い雨と風にさらされる。特に天狗の庭あたりは風の通り道になっているらしく、凄い強風と横殴りの雨が降っていた。そんな天気でも時として青空が見えることもあるので、山の天気には騙されてしまう。3時間ほどで蓮華温泉ロッジ到着。その頃雨足は弱まっていたのだが、昼食(ご夫妻におごっていただきました)をとってお風呂に入っている頃から土砂降りの大雨になってきた。バケツでぶっかけるような本降りの雨が延々と降り続く。この時間に歩いていなくて良かったとつくづく思った。気温が低ければ大雪山トムラウシの遭難事故の二の舞になりかねない。
温泉につかってゆっくり休んだ後、3時少し前に甲府に向けて出発する。相変わらずの大雨が続いていたが、大町を過ぎたあたりから雨が止み、青空が広がってきた。しかし、振り返って見ると白馬方面は真黒な雲におおわれていた。ご夫妻は千葉県(私の生まれ故郷)から来られた方で、登山歴は私と同じ4年くらい。2人で北海道の羅臼岳に登った(しかも普通の運動靴で)のがきっかけで山にはまり、週末のたびにどこかの山に登っているらしい。山梨県内が中心の私と違って、全国の山のことにかなり詳しかった。驚くべきは旦那さんの体力だ。鳳凰山をテント担いで夜叉神峠から早川尾根小屋まで1日で歩いたという。私はせいぜい薬師小屋まででギブアップだ。さらに自転車ロードレースもやっていて、千葉から新潟の糸魚川まで400km以上も1日で走る。山に登ると体重が増えて帰ってくる、というのもうなずける。そんな山の談義をしながら楽しくドライブし、睡魔に襲われることもなく無事に甲府に到着した。
雨と風にたたられた白馬岳、山頂を踏むことも、雪倉から朝日岳稜線のウルップソウやタカネヒカゲ(蛾のような真黒な蝶)を見ることも来年におあずけになってしまった。しかし、それでも楽しい山行ができたのは、山のすばらしさと同行いただいたご夫妻のおかげだと感謝している。