山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

オオガンクビソウ (キク科) Carpesium macrocephalum Franch. et Sav.

2024年01月12日 | キク科
  山地帯のやや湿ったところを好んで生育する多年草である。高さは 1m ほどになる。茎はよく枝分かれし、縮れた毛が生える。根生葉は花時にはない。下部の葉は狭倒卵形~広卵形で、長さ30~40cmと大きく、上に行くほど小さくなる。葉の基部はくさび形に葉柄に流れ、縁には不揃いな重鋸歯がある。上部の枝先に径 2.5 ~ 3.5㎝の大きな頭花をつける。頭花の基部の苞葉は多くてよく目立つ。花期は 8 ~ 10 月。個体数は非常に少ない。

  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2017年環境省カテゴリー:なし

    オオガンクビソウ  2023年8月 山梨市で撮影

    茎は枝分かれして先端部に多数の花を付ける。

    オオガンクビソウの花。托葉が多くて目立つ。

    まだ黄色くなっておらず、開花には少し早かったようである。

    下部の葉は大きく、根元は楔形で、翼を付けたように茎に流れる。葉の辺縁には不揃いな鋸歯がある。

    小型であるがこれもオオガンクビソウと思われる。

    栄養状態が悪いのかあまり元気が無く、サジガンクビソウのようにも見える。





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タカアザミ (キク科)

2021年10月17日 | キク科
 本州以北から北海道に分布し、やや湿った原野を好んで生育する2 年草である。茎は直立し、上部で分枝する。草丈は1~2m。根生葉は花時には枯死する。茎葉は互生し、葉身は長さ15 ~ 25㎝の長楕円形、羽状に深裂する。花は淡紅紫色、茎の上部に長い柄をつけて垂れ下がってつく。結実して綿毛を飛ばす頃には上を向くようになる。総苞外片は短く反曲する。花期は 7 ~ 9 月。山梨県では主に東部富士五湖地方に生育しており、個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    タカアザミ 令和3年8月 忍野村で撮影


    やや湿った草地を好んで生育している。


    背丈が高い。


    花は下向きに垂れ下がって咲く。


    下向きに咲くタカアザミの花


    結実して綿毛になった頃には花は上を向くようになる。

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オナモミ (キク科)

2021年10月17日 | キク科
 平地の道端や休耕地に生育する1 年草である。アジア大陸原産で、日本にはかなり古くに侵入した史前帰化植物と考えられている。茎は高さ20 ~ 100㎝で短毛がある。葉は卵状三角形で 3 ~ 5 に浅裂し、両面に剛毛あってざらつく。花期は 8 ~ 10 月。雌雄異花で、雄花は球状で枝の先の方につき、白みをおびたふさふさを束ねたような感じである。雌花は下部にあって、2本の突起がある緑色の壺状の総苞に囲まれて、先端にわずかに顔を出す。花が終わると、かたまってハリセンボン様の楕円形の実(果苞)をつけるが、先端部には特に太い棘が2本ある。この2本の棘の間に雌花があったものである。果苞の中には、種子が2個入っている。新しく入ってきた外来種のオオオナモミと混同されていることが多く、オナモミは個体数が少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017:環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    オナモミ 令和3年8月 山中湖で撮影


    オナモミの花


    上部にあるのが雄花、下部が雌花だが、突起のあるイガグリ状の部分は総苞である。雌花本体は見えていない。


    結実した花。


    先端部の太い棘のところに雌花があったはずである。

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コウリンカ(キク科)

2020年10月23日 | キク科
 山地の草原に咲く多年草である。花期は7~9月。山梨県では広範囲に生育し個体数も多い。特に保護柵が設置された大蔵高丸からハマイバ丸の稜線にはたくさん咲く。空から星が降ってきたような美しい花である。


    コウリンカ 平成30年8月 ハマイバ丸で撮影


    同上


    草原に咲くコウリンカ 平成30年9月 ハマイバ丸で撮影


    富士山とコウリンカ 平成30年9月 大蔵高丸で撮影


    空から舞い降りた星のような花 平成29年9月 大蔵高丸で撮影

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タカネコウリンカ(キク科)

2020年10月23日 | キク科
 高山帯の草地に生育する多年草である。花期は7~8月。山梨県では南アルプスと八ヶ岳に生育しており、シカが食べない植物のため増殖傾向にあり、群生している場所が現れている。


    タカネコウリンカ 令和1年8月 北岳で撮影


    令和1年8月 八ヶ岳で撮影。北岳でも八ヶ岳でも普通に目にする。


    平成28年7月 大仙丈沢で撮影


    同上 鹿が食べない植物のため大仙丈沢では大増殖している。他にハンゴンソウ、マルバタケブキ、ヤマガラシなども増殖している。

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タカネヤハズハハコ(キク科)

2020年10月23日 | キク科
 高山帯の草地に生育する多年草である。雌雄異株、花期は7~8月。全体的に白い綿毛があり、少し白っぽく見える。山梨県では北岳や鳳凰山などの南アルプスに生育しており、北岳では個体数はそこそこにあるが鳳凰山ではあまり見かけなくなった。


    タカネヤハズハハコ 平成29年7月 北岳で撮影


    同上


    同上


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クサノオウバノギク(キク科)

2020年10月22日 | キク科
 山地帯の落葉広葉樹林の林床に生育する多年草である。苔生した岩の上を好んで生育している。花期は9~10月。クサノオウというやや大型のケシ科植物の葉に似た不規則な切れ込みのある葉をしていることからこの名がある。米粒のような小さな黄色い花を咲かせる。山梨県では極限られた場所に生育しており個体数もあまり多く無い。


    クサノオウバノギク 平成30年9月撮影


    同上 不規則に全裂する葉の形に特徴がある。


    同上


    米粒のように小さなクサノオウバノギクの花。5個の小花から成っている。


    平成29年10月撮影


    同上 小雨が降っていたうえに花期を過ぎていて大部分が白い綿毛になっている。


    クサノオウバノギクの種。吹けば飛びそうである。

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ハハコヨモギ(キク科)

2020年10月22日 | キク科
 高山帯の岩場に生育する多年草である。花期は7~8月。山梨県では北岳周辺にのみ生育しており、北岳山頂周辺では比較的良く目にする。


    ハハコヨモギ 平成23年7月 北岳で撮影。後ろに見える山は仙丈ケ岳。


    平成29年7月 北岳で撮影


    同上


    ハハコヨモギとムカゴユキノシタ。いずれも北岳周辺に生育している絶滅危惧の花。

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タカサゴソウ(キク科)

2020年10月10日 | キク科
 低地帯~山地帯の乾いた草地や荒れ地に生育する多年草である。普通の草地に生育することは稀で、アスファルトの切れ目や側溝の脇の隙間など難しい環境の場所を好んで生育している。花期は4~7月。


    タカサゴソウ 平成29年5月 甲府市で撮影


    同上 アスファルトの隙間や側溝の脇などを好んで生育し、通常の草地にはあまり生えない。


    同上 タカサゴソウの花


    平成2年5月 同じ場所で撮影


    同上 訪問時期がやや遅かった。それなりに咲いてはいるが全体的な個体数は減少傾向にある。


    同上 タカサゴソウの花

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山梨県の絶滅危惧のキク科植物一覧

2020年10月10日 | キク科
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のキク科植物は以下の通りである。

山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)

 トダイハハコ(2005山梨県CR 2017環境省VU)
    

 ハハコヨモギ(2005山梨県CR 2017環境省VU)
    

 オオガンクビソウ(2005山梨県CR 2017環境省-)
    

 クサノオウバノギク(2005山梨県CR 2017環境省VU)
    

 アズマギク(2005山梨県DD 2017環境省-)
    

 タカサゴソウ(2005山梨県CR 2017環境省VU)
    

 アキノハハコグサ(2005山梨県DD 2017環境省EN)
    

 コウシュウヒゴタイ(2005山梨県CR 2017環境省-)
    

山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)

 タカネヤハズハハコ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    

 キタダケヨモギ(2005山梨県CR 2017環境省EN)
    

 タウコギ(2005山梨県DD 2017環境省-)

 エゾムカシヨモギ(2005山梨県CR 2017環境省-)
    

 オオモミジガサ(2005山梨県VU 2017環境省-)

 ヒメヒゴタイ(2005山梨県VU 2017環境省VU)
    
    
 キクアザミ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    



山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 タカアザミ(2005山梨県VU 2017環境省-)
    
 カワラニガナ(2005山梨県VU 2017環境省NT)
 オカオグルマ(2005山梨県VU 2017環境省-)

 タカネコウリンカ(2005山梨県EN 2017環境省NT)
    
 オナモミ(2005山梨県NT 2017環境省VU)
    


山梨県準絶滅危惧種(NT)

 コウリンカ(2005山梨県NT 2017環境省VU)
    


山梨県情報不足(DD)

 イズハハコ(2005山梨県DD 2017環境省VU)

 キク科の植物はあまり注目していなかったことがあるのか、まだ見ていないか、見ても撮影していなかったものが多数ある。今後は気を付けながら観察に当たりたいと思う。


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コウシュウヒゴタイ(キク科)

2020年10月10日 | キク科
 山地帯の岩場に生育する多年草である。花期は8~10月。図鑑には葉に長い柄があり根生葉はほこ型と記されている。この花に良く似たタカオヒゴタイという花があるが、これは葉がバイオリン型と言われている。どこまでがほこ型でどこからがバイオリン型なのか?またタカオヒゴタイには総苞に蜘蛛毛があるという記述をネットで見たことがあるが、コウシュウヒゴタイと思わしきものにも蜘蛛毛が生えているものと生えていないものが混在している。どこからがコウシュウでどこからがタカオか、まだ判別が出来ない状態である。観察してきたもの全てがコウシュウヒゴタイだとすれば、個体数はそれなりにあることになる。


    コウシュウヒゴタイ 平成29年9月 三ツ峠で撮影


    同上 総苞片は反転し先端が尖る。総苞に蜘蛛毛は生えていない。


    平成29年9月 三ツ峠で撮影。根生葉は鋸歯のあるハート形に近い。


    同上 蜘蛛毛が少し生えている。上のものと近い場所に生えており、同じものと思われる。


    平成29年9月 新道峠で撮影


    同上 根生葉はハート形に近い。


    総苞に蜘蛛毛は無く総苞片は反転して先が尖る。


    平成30年9月 達沢山で撮影。根生葉は鋸歯のあるハート形に近い。


    同上 総苞片にはわずかに蜘蛛毛が生えている。


    令和1年9月 黒富士八丁峠で撮影。


    同上 根生葉は千切れているがバイオリン型では無さそうである。


    同上 総苞片には蜘蛛毛がある。


    令和1年9月 金ヶ岳で撮影。これはほこ型かバイオリン型か?


    同上 これはバイオリン型と呼ぶべきだろう。


    総苞片に蜘蛛毛あり。ではタカオヒゴタイなのか?場所的に八丁峠のすぐ近くなので同じくコウシュウヒゴタイだと思う。

 さらに検討が必要であるが、個人的には同じものの地域的な変異を見ているのではないかと思っている。

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キタダケヨモギ(キク科)

2020年10月10日 | キク科
 北岳の高山帯の岩場に生育する小低木である。花期は7~8月。全体的に銀白色の絹毛が生えており白銀色を呈している。個体数は比較的多い。


    キタダケヨモギ 平成29年7月 北岳で撮影


    同上 銀白色の毛が生えており銀白色をしている。


    平成30年9月 北岳で撮影


    同上 既に花は終わりドライフラワーのようになっている。

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キクアザミ(キク科)

2020年10月10日 | キク科
 山地の日当たりの良い草原に生育する多年草である。花期は9~10月。キクの葉に似た切れ込みのある葉が特徴である。梨ヶ原に生育しているが鹿の食害を受けているようで個体数は減少しつつある。


    キクアザミ 平成30年9月 梨ヶ原で撮影


    同上 キクアザミの花。総苞片は反り返らない。


    同上 なかなか固まっては咲かず、草原の中にパラパラと咲く感じ。


    キクの葉に似た辺縁に切れ込みのある葉が特徴である。


    開きかけのキクアザミの花

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ヒメヒゴタイ(キク科)

2020年10月10日 | キク科
 山地帯のやや乾燥した草原に咲く2年草である。花期は8~10月。保護柵を設置したハマイバ丸周辺では大きな個体が見られるようになったが、富士山梨ヶ原では鹿の食害を受けており個体数は減少している。かつては横尾山にもあったようだが今では見当たらない。


    ヒメヒゴタイ 平成29年9月 ハマイバ丸で撮影


    平成30年8月 ハマイバ丸で撮影


    同上 保護柵で囲ったおかげでアザミ類が増殖し、安定してヒメヒゴタイが咲くようになった。


    令和2年9月 ハマイバ丸で撮影


    同上


    令和2年9月 ハマイバ丸で撮影 焦点距離17㎜


    同上 70㎜


    同上 100㎜マクロレンズ撮影


    同上 18㎜


    同上 100㎜マクロ撮影


    平成28年9月 梨ヶ原で撮影


    同上 この頃はそこそこに個体数があり大きな個体もあった。


    平成30年9月 梨ヶ原で撮影。鹿の食害が目立っており、個体数が減少し大きな個体はあまり見かけなくなった。

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エゾムカシヨモギ(キク科)

2020年09月24日 | キク科
 高山帯の砂礫地や岩壁に生育する多年草である。花期は8月。山梨県では北岳周辺と八ケ岳に生育している。


    エゾムカシヨモギ 令和1年8月 北岳で撮影


    同上

 2018年版山梨県レッドデータブックには個体数はわりと多いと記載されているが私が見たのはこの個体のみである。引き続き探索したい。

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