山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山高神代桜  平成20年4月4日

2008年04月27日 | 番外編
 平成20年4月4日 天候晴れ

 春の日が降り注ぐ暖かい日となり、武田神社の桜は見頃を迎えている。昼休みに桜に詳しい先生から情報を聞き、神代桜を見に行ってみることにした。ちょうど数日前に車を新車に変えたばかり、現在慣らし運転中。
 国道20号線を白州に向かって走ってゆくと看板が出ているのですぐに場所はわかる。駐車場はまだ空きがあったが、金曜日の午後なのにかなりの人だ。ニュースで聞きつけて千葉からかけつけてきたという人もいた。全体が入りそうな場所を選んで三脚を構えるがなかなか人が切れず、1カット撮るのに20分ほど費やす。一時は枯れそうになったらしいが、手入れしたおかげで元気を取り戻し、幹は朽ちている部分が多いものの立派な花をつけていた。おそらく、日本最古の江戸彼岸桜、木では日本初の天然記念物に指定されたものだという。

    山高神代桜(江戸彼岸桜)

 
    幹は半分朽ちているが、たくさんの花をつける。

 
    幹を見上げる。まさに妖木。


    お寺の庭の花壇。水仙がたくさん咲く。

 
    甲斐駒ケ岳と神代桜。逆光になるので甲斐駒ケ岳を入れるなら午前中が良い。電信柱がちょっと邪魔になる。
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田貫湖のダイヤモンド富士 平成20年4月22日

2008年04月24日 | 番外編
 平成20年4月22日 天候晴れ

 病院長がとんでもないカメラを購入した。Eos1Ds markⅢ、おそらく現在発売されているデジタルカメラの中では他社の製品も含めて性能、画素数、値段とも最高だろう。まだ20枚くらいしか撮影していないそのカメラ、一緒に田貫湖のダイヤモンド富士を撮影に行きましょうとお誘いしたところ、カメラ貸すから撮影してこいとの指令が下る。1週間前にカメラを借りたものの、天候が不順で朝の富士山が顔を出さない。
 この前夜はいつもの如くコタツで10時ごろからうたた寝していたところ、深夜1時過ぎ、わが家の飼い猫ミ-ニャが家の外に出たがって猫用ドアをガンガンとたたき出した。半野良猫となっている愛猫をできるだけ家の中に置いておこうと、夜は猫ドアが開かないようにしてある。いつもならあきらめて部屋で寝るミーニャだが、この日はやたらとしつこく何度もドアのところに来て叩いている。さらに寝ている私のところに来て頭をたたき、ドアを開けるように催促する。あまりにうるさいので、頭を一発ひっぱたいて外に出してやった。時間は午後1時半、外を見ると月が明るい。インターネットで富士山ライブカメラを見ると若干雲がかかってはいるが、月光に照らされた富士山が写っている。今日はきっとダイヤモンド富士が見られそうだ。愛猫が知らせに来てくれたのか?ちょっと感謝して出発。崖崩れで通行不能になっていた精進湖線も片側交互通行で通行可能になっている。
 田貫湖到着は午前3時、道に少し迷ったが1時間少々で到着できた。日の出までまだ3時間もあるというのに既に道は車でいっぱい。駐車場にはとうてい入れず、車を回して道沿いに駐車する。借りたカメラと念のためEos kissを持って湖のほとりに向かう。既に三脚がずらりと並んでいるが、良さそうな場所を確保できた。

    田貫湖月光富士  (WBオートRAW)
  

    田貫湖黎明富士  (WB太陽光RAW)

 月光で富士山の陰が見えており、さっそく三脚セットして撮影してみる。5分開放、まだ暗い。次に20分、今度はまずまずだ。山頂はすっきりと見えており、ダイヤモンド富士への期待が高まる。右隣りの人は埼玉から来てもう3日も車の中に泊り込んでいるが、今まで全くダメだったという。左隣の人は前日泊で東京から来た方で、三脚3本、カメラ3台を持ち込んでの撮影だ。熱心な人たちがたくさん集っている。

    朝焼け雲  (WBくもりRAW)


    湖上の4カラットダイヤモンド  (WBくもりRAW)


    田貫湖のダイヤモンド富士  (WB日陰RAW)
 待つこと3時間、6時を少し過ぎた頃にダイヤモンド富士が始まる。湖面が若干揺れるものの、きわめて良い条件で撮影できた。撮影時間はわずか1分で終わってしまう。初めてシャッターを切るカメラだけに、条件を変えながらシャッター切りまくる。20枚ほど撮影した中で、数枚は人に見せられる写真となった。測光条件の違いなのか、kissや40Dに比べてずいぶん明るく撮影できることがわかる。速攻で荷物片付け、三脚を担いだまま車に戻って先頭から3番目くらいで田貫湖の混雑から脱出、急いで甲府に戻る。7時30分、自宅到着、これから子供を学校に送り届けて今日の仕事だ。
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富士見山、平須登山口から山頂を越え、笹走集落へ縦走

2008年04月24日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年4月20日 天候曇時々晴れ

 道なき道を歩くのが大好きな我々嶺朋クラブのメンバーは、先月の五老峰に続いて今月は富士見山山頂の稜線を南に下り、さらに進路を南東に変えて笹走の集落に下山する計画を立てた。富士見山の平須口登山道は入山者も多く、しっかりとした道だが、矢細工からの道はほとんど歩かれておらず、荒れ果てているという。さらに、その南側は地図に書かれた道は無く、ヤブコギになるかもしれない。同じ季節に同じルートを歩いた文献を見ると、カタクリなどの花が楽しめるという。
 5時半、増穂町役場集合、だったのだが、不覚にも私は出発時間が遅くなってしまい、5分遅れて役場の駐車場に到着、既に誰もいない。待ち合わせ場所間違ったか?それとも既に出発したのか?駐車してある車の中を覗き込むとオーバージャケットとザイルが積まれている車を発見、既に出発したらしい。急いで平須に向うが、52号からの曲り口を間違え、さらに平須集落あたりの細い道に入り込み、カーナビに表示されない道を走ることになる。なんとか平須登山口に到着、クラブのメンバーたちが休憩朝食をとっているところだった。なんとか間に合った。
 
    ブナの巨木が立ち並ぶ平須から富士見山への登山道

 
    エゾアオイスミレ  濃い紫色が鮮やか。

 
    ヒトリシズカ  名前の通り、清楚な花。

6時55分、いざ出陣。本日は私を含めて総勢9人。通常の登山ルートを富士見山山頂目指して登る。この山に登ったのは2年前の2月、ダイヤモンド富士を撮影するため未明3時ごろから登った記憶がある。激寒だったが、空気の澄んだきれいなダイヤモンド富士を見ることができた。その時の記憶をたどりながら歩く。スギ・ヒノキ植林帯を過ぎて広葉樹林帯に入ると、道沿いには山の主のような大きなブナの木が何本も立ち並ぶ。足元にはタチツボスミレやエイザンスミレ、ヒトリシズカなどの春の花が咲く。順調なペースで歩き、9時30分、富士見山展望台到着。残念ながら富士山は雲隠れし、裾がわずかに見えるのみだった。裏側に見える笊ヶ岳はまだ雪を被って白く、山頂あたりは雲の中だった。記念撮影を済ませて山梨百名山標柱の立つ三角点に向う。久しぶりに歩くと、こんな急下りだったか?と思わせるような下りとなり、登り返して三角点に到着。小休憩し、矢細工からのルートがあるコルに向うが、ここからはかなりの急下りが続く。平坦になったあたりで矢細工からのルートを探すが、見つからないまま通り過ぎてしまい、眼前に次のピークが見えるあたりで休憩、昼食をとる。上野先生が持ってきてくれた自家性のコーヒーブランデーをご馳走になったが、これが激美味い。コーヒーの香り漂うブランデーの甘味と香りが良くマッチし、ぐいぐいといってしまう。3杯ほどいただいたところ、酒に弱い私は雲の上を歩いているようなほろ酔い気分となった。
 
    富士見山展望台で記念撮影

 さて、休憩して歩き始めるが今度はアルコールのせいでやたらに心拍数と息が上がる。30分ほどでようやく元に戻った。富士見山南端の1516mピークから振り返ると、甲府盆地側から見る形とは全く違う、きれいな三角錐を描く山頂が見えていた。文献ではこのあたりにカタクリの花がたくさんあったようだが、時期が早かったこともあるのか、あるいはイノシシに掘り起こされてしまったのか、わずかに葉があったのみで花は咲いていなかった。予想していたヤブコギにはならず、稜線上は草が刈られ、林業作業道らしき踏み跡が随所についていた。
 
    振り返ってみる富士見山。均整のとれた三角錐を描く。

 
    稜線西側のカラマツ林。手入れがされているきれいな林。

 
    稜線東側の眺望。山裾の集落と早川・富士川合流部が見える。

 
    アンテナ立つピーク

 南端ピークからの下りは途中からはっきりとした道となる。途中のスギ林の横を通過する急斜面は下るのにやや苦労したが、そこを過ぎると至って良い道となる。やがて目指す笹走の青い屋根の建物がある集落が見え始め、十数本のアンテナが立つピークを通過する。そして南東と南に尾根が分かれるピークに到着。道はそのまま南に進んでいるが、その道を行くと笹走ではなくて塩之上集落のほうに行ってしまうため、ここで進路を南東にとり、道なき尾根を下降する。かなりの急斜面で歩きにくく、木につかまりながら下りる。右側にスギの植林地がありそちら側のほうが歩きやすいのでスギ林の中を南東に向って下りてゆくと、30分ほど下りたところでしっかりした道に出た。スギ林の中を何本か道が走っており、道に沿って下りてゆくと、山の水を汲む貯水槽やホースが見え始め、広い林道に抜けた。送電線の下をくぐると、わずかで笹走集落の神社が見え始め、その下に笹走の集落がある。
 
    道無きスギ林を降りる。

 
    笹走の神社横に出る

 笹走集落は動物から作物を守るため、集落全体が金網で囲われていて、中に入るには柵を開けて入るという特殊な造りになっており、車で通過する際も柵を開けなければ通過できない。現在人家は8件、住人は13人だという。驚いたのはその集落のきれいなこと、畑が耕されていてきれいになっているのはわかるが、集落内の道路も清掃が行き届いていて、ゴミどころか枯葉一枚落ちていない。春の花がたくさん咲き、山間の楽園といった雰囲気だった。
 
    笹走集落。集落全体が金網の柵に囲まれている。ゴミ一つ落ちていないきれいな集落。

 さて、朝手配しておいた車に乗って白須の登山口に戻る。車は関さんの8人乗りクルーザー1台、人数は9人。どうやって戻ったかは想像にお任せする。

参考タイム
白須登山口6:55-富士見山展望台9:30-富士見山三角点10:05-矢細工側のコル10:35(昼食)-南端ピーク11:55-アンテナピーク12:25-尾根分岐(南西側下降点)13:20-林道に出る14:00-笹走集落14:10

    今回の行程地図。
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湯村山から小松山園地へ。春の花咲く武田の杜遊歩道西側を歩く

2008年04月23日 | 番外編
平成20年4月19日 天候晴れ

 春の陽射しが降り注ぐ暖かい陽気となり、甲府盆地の桜ももうほとんど終わってしまった。春霞のために富士山や星空はいまひとつ。先週の武田の杜遊歩道東側に続いて、今回は緑ヶ丘運動公園から湯村山、千代田湖を越えて積翠寺まで行く西側の遊歩道を歩いてみることにした。
 
     緑ヶ丘運動公園体育館横の駐車場に車を止める。愛車マークⅡからラッシュに変えました。今度は林道も走れそう。

 
     湯村山の烽火台。武田氏が敵に攻められた時の連絡手段として使用した。

 緑ヶ丘運動公園の体育館裏側に車を止めて午前11時出発。十数年甲府に住んでいて初めて歩く道なので、入口が良くわからないが、とにかくすぐ上に見える湯村山に向かって行けば着くはず。公園奥のゲートボール場横から入ると、すぐ上のアスファルトの道に出た。その道は尚古園という老人ホームに行く道で、途中に山の中に入って行く道があったのでそれを登って行くと、その上にもう1本アスファルトの道があった。これが武田の杜遊歩道の本線らしい。途中には花壇やトイレが整備されており、散歩していた老人に尋ねると道なりに進んで左に行くと湯村山、右に行くと鳥獣センターから千代田湖方面に行けるという。道なりに行くと、話に聞いたことがある、武田氏の烽火台跡があった。敵が迫って来た時にこの台から烽火を炊いて知らせたというものだ。その先に道標あり、まず湯村山へ行ってみる。かつての城跡で、山頂にはあずまやが建てられており、甲府盆地を一望できる。戻って今度は千代田湖側へ行く。こちらも良く整備された道、木の階段あり、石畳の道ありと、散策には打ってつけのコースだ。途中には咲き始めたヤマツツジや、スミレ、イカリソウなどが咲いていた。そして、コブをひとつ越えて登りになった途中に立派な休憩所が立ち、そこから少しで以前に夜景と富士山を撮影した八王子山(白山とも呼ぶらしい)に到着した。あちらこちら見回りながらゆっくり歩いたので、ここまで2時間かかった。
 
    整備の行き届いた遊歩道。道脇にはヤマツツジがほころびはじめる。
 
 
    道端に咲いていたアケボノスミレ

 
    八王子山(白山とも言うらしい)、春の芽吹き。 直下に立派な休憩所が建つ。

 
    八王子山からの眺望。歩いてきた湯村山からの尾根を振り返る。新緑と桜が春の雰囲気をかもし出す。

 八王子神社の裏側にまわりこみ、やや急な斜面を下りると、初めて見る白い花、イワカガミの白花だと思っていたら、後に虫林師匠に見せたところ、ヒメイワカガミの変種、カイイワカガミだった。八王子山の千代田湖側斜面にたくさん咲いていて、ちょうど満開、見頃を迎えていた。先週のカタクリに続いてこんな近場でこんな花に出会えるとは、やはり歩いてみるものだ。そのまま千代田湖へは下りずに山の上の道を太良峠側に進み、県道に下りる。その先の武田の杜遊歩道の入口がわからず、「横断注意」の道標がある道へ入ってみると、一見遊歩道らしく良く整備されているのだが、行き着いた先は青年の家キャンプ場のフェンス。これに沿って行くと途中で曲がって青年の家には行けるのだが、道なりに行くとそのまま登ってきた道に戻ってしまった。単なる回遊道、ちょっとむかつきながら県道を下りて行くと、途中の太良峠の展望台より下、鳥獣センターに近い位置に武田の杜の大きな看板(地図)があった。これが入口、千代田湖から来るよりは鳥獣センター経由で来るほうがはるかにわかりやすい。
 
    カイイワカガミ  八王子山の千代田湖側にたくさん咲いていた.

 
    千代田湖側の眺望。中央の大きな山塊が茅ヶ岳、左が雪を被った八ヶ岳、右が曲岳と太刀岡山。

 道に入って5分ほど歩くと、両側に花壇のような真っ白なお花畑が目にとまる。近付いてみると、イチリンソウの群落。お目にかかるのは2年前に深草観音で3輪咲いているのを見て以来だ。可憐で上品なこの花に出会えてまた感激。さらに進むと道沿いにたくさんのジュウニヒトエの花が満開、アカネスミレやホタルカズラにも会えた。小松山園地に到着したのは午後3時、ずいぶん寄り道した。ここで遅い昼食をとる。積翠寺の自宅まではここから約2時間、明るいうちに十分到着できるのだが、緑ヶ丘に置いてある車を回収に行くのが面倒だ。どうするか考えながら歩いていると、ふと鳥獣センターの方角に延びている地図に載っていない道を発見。これを行けば太良峠に登る県道に出るに違いない。その道をいってみることにした。しっかりとした道で、林の中には植物の名前を書いた立て札や、木には説明が書かれた看板がつけられている。普通の遊歩道ではなさそうだ。20分ほど歩くと広場のようところに出て、大きな看板が立てられており、見ると「北中学校学校林」と書かれていた。川を渡る橋の出口には鎖が施されてあり、そこを乗り越えて看板を見ると、「私有地につき立入禁止」と書かれていた。出た場所は太良峠ふもと、花園病院の向かい側あたりだった。近場の山でも、山の中には知らない道や林がたくさんあるものだ。歩くたびに新たな発見がある。
 
    イチリンソウ群落。この花に出会えるとは思ってもいなかった。

 
    清楚で可憐なイチリンソウの花

 
    ジュウニヒトエの花。花を何枚も重ねたように見えることからこの名がある。

 
    小松山園地から湯村山・南アルプス方面の眺望。本日はここまで、残りわずかで武田の杜遊歩道全周がつながる。

 そこからは道を聞きながら緑ヶ丘運動公園への最短の道を歩く。途中に小さな池があり、そこで釣りをしている人がいたのには驚いた。4時半、車に到着、予定のコースは歩ききれなかったが、新たな発見のある実り多き散策だった。
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自宅の表山(東側にある山)、大岩園地と武田の杜遊歩道

2008年04月17日 | 番外編
平成20年4月13日 天候くもり

 積翠寺をぐるりと取り巻くようにつけられている武田の杜遊歩道。地元だというのに、この良く整備された遊歩道の半分もまだ歩いていない。今回は自宅の東側に見える山、大岩園地の尾根を上積翠寺から愛宕山まで歩いてみることにした。
 
    積翠寺から見る要害山。山梨百名山のひとつで、山頂に武田氏の城があった天然の要塞。

 自宅を9時ごろに出発、上積翠寺の深草観音に行く道の途中を右に曲がれば大岩園地に行けるのだが、東側農業用道路を歩いていると、上積翠寺の神社の建物が目に付く。行ったことがなかったので、細い橋を渡って立ち寄ってみると、建物の裏には大嶽山と掘られた岩が奉られていた。その横を登る道があり行ってみると結構立派な作業用道路らしき道に出た。たぶんこれは武田の杜遊歩道の途中に抜けられるはず、と勝手に決めて登って行くと、かつては畑だったと思われる段々畑のようなヒノキ林に出た。その中を突っ切るように道がついてはいるものの、細い竹がたくさん生える薮状態。竹をかき分けて進むと、やや崩れかけた山の斜面に突き当たり、そこから左斜めに登るような道がついていた。ここを登ると、その先は至って歩きやすい道となり、予想通り、武田の杜遊歩道に出た。出口には看板がつけられていたが、こちらの道を指す指標は無く、裏ルートらしい。
    
      神社の上の段々畑になったヒノキ林。道はあるが竹薮になっている。

 
     武田の杜遊歩道に抜ける。歩いてきたのはベンチの裏側にある道無き道。

 遊歩道を右に曲がって愛宕山方面に向かって進むと、わずかに登った後、道は水平になり、そのあたりにはカタクリの花がたくさん咲いていた。こんな近くの山でカタクリにお目にかかれるとは思いもよらず、ちょっと感激する。さらに進むと大岩園地への分岐の道標があった。真っ直ぐ進めば竜華池、躑躅ヶ崎園地方面、斜め手前に戻るような道を行けば大岩園地へ行けるらしい。ここは大岩園地の方向へ進む。すぐ上に山のピークらしいものが見えるので、そちらに向かって道がつけられているものと思っていたのだが、この道は山のピークを巻くようにどんどん北側(要害山の方向)に向かって道が続いている。やがて要害山を左手に見送り、道は東側に向かい、大蔵経寺山の尾根から来る道に合流した。ここからやや急な斜面を15分ほど登ると屋根付きのベンチが設置された頂上に着いた。大岩園地だ。時間は10時半、結構時間がかかった。東側の展望が開け、愛宕山から甲府盆地、南アルプスが見渡せる。たぶん富士山も見えるのだろうが、この日は雲隠れしていた。
 
     遊歩道沿いにカタクリがたくさん咲いていた。こんな近場の山で出会えるとは…。

 
     このスミレの名前は?高山植物はだいぶ覚えたが、中・低山の花はまるでダメ。虫林師匠に鑑定を依頼し、ヒナスミレでした。

 
     大岩園地の休憩所。15年住んでいて初めて訪れる。甲府盆地の眺望が良いが、富士山は左端に見えるかどうか。(本日は曇で見えず。)

 休憩して尾根道を進む。わずかに進んだところで愛宕山への尾根は左方向に曲がっており、たくさんの道しるべのテープが巻かれていた。良く見ると右方向へ進むテープもつけられている。そちら側には積翠寺の町並みが見えており、これもおそらくは武田の杜遊歩道からの裏ルートなのだろう。踏み跡は少ない。ここは愛宕山方面に進む。赤松の林を通過するが、松食い虫にやられて枯れた松がたくさんあり、かわいそうな気がした。尾根の上部は道が細いが踏み跡はしっかりしている。下に行くほど道は明瞭となり、やがてきれいに手入れが行き届いた広場に出る。ここで道は左右に分かれていて、どちらも広い尾根道。愛宕山は左手に見えるのでそちら側に進むと、道沿いにはフデリンドウやイカリソウ、タチツボスミレなど、春の花々がたくさん咲いていた。やがて富士見台という場所に到着。名前は富士見台だが、周辺の木が高く、すっきりした富士山の眺望は望めなそうだった。さらに20分ほど歩くと、人家の横を通過し、舗装された林道に出た。たぶんこの道は円光院から愛宕山へ行く道路の途中を鋭角に左手に曲がる林道なのだろう。
 
     稜線上の赤松林。下に積翠寺の町並が見える。

 
     明るい広場に出る。ここで道は左右に分かれる。どちらも広くて良い道、左に進む。右に行くとおそらく樹木見本園の上に出ると思われる。

    
      尾根の道は春の花がたくさん咲く。フデリンドウの可愛らしい花。

    
      たくさん咲いていたイカリソウ。

  
      春を告げる蝶、ミヤマセセリ。蛾ではありません。

  
      スミレサイシン?タチツボスミレよりも大型で葉が違うように見えるが??やっぱりタチツボスミレでした。

この道を右手(円光院側)に進むと、右手にゲートが閉鎖されている林道があった。これはどこに行く道なのか?たぶん武田の杜遊歩道につながっているだろうと勝手に判断してその林道を進むと、林道の左下に遊歩道らしき道が見えてきた。道なき斜面を下ってそちらの道に下りてみると、そのあたりは一面のやまぶきの林、ちょうど満開で見頃を迎えていた。休憩所が備え付けられていて明らかに遊歩道だ。これを下ればたぶん愛宕山中腹の駐車場、これを下りずに登って行くと、樹木見本園という立派な散歩コースに出た。ここにはきちんとした地図や道標がつけられており、整備が行き届いた散歩コースなのだが、歩いている人は数人のみ。せっかく整備したのにもったいない、たぶんこのコースを知っている人自体が少ないのだろう。
    
      遊歩道沿いにあったヤマブキの大群落。

     
      樹木見本園のイワツツジと展望台。たいへん良く整備された散歩道。

 
     躑躅ヶ崎園地の休憩所。

 
     躑躅ヶ崎園地からの眺望。右端に見えるのが湯村山で、武田の杜遊歩道は湯村山のふもとまで、積翠寺を巻くようにつけられている。

 地図に竜華池・積翠寺方面と書かれているのを無視して山のほうに延びている道を進んで行くと、途中から道が不明瞭となりやがて消失してしまった。これは林業作業用につけられた道らしい。戻って今度は道標通りに進むと、そのまま武田の杜遊歩道になっていた。躑躅ヶ崎園地という展望の良い広場を通過して竜華池・要害山方面に進む。そのまま進めば朝歩いた道につながるが、途中に竜華池に下りる道標が何本かあった。これを無視してわざと道標のついていない道を下りてみると、どんぴしゃり、竜華池北側の神社横に出た。この道はわかりやすい。あとは東側農道に沿ってアスファルトの道をテクテクと自宅に戻るのみ。昼食にラーメンを食べるつもりで水とラーメンを持っていったのだが、樹木見本園で道を間違ったおかげで食べられずに帰宅。
 
     竜華池の北側に出る。

 
     積翠寺の里。向こうの山は興因寺山。桜はもうほとんど散っている。我が家も写ってます。

 時間は午後2時40分、結構歩いた。風呂に入って午後4時から所属する山岳会の総会だ。
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 白峰三山に沈むオリオン、鳳凰山  平成20年4月5‐6日(2日目)

2008年04月12日 | 南アルプス
 鳳凰山 平成20年4月6日(2日目)

 未明1時半に起床し、星空を眺め、朝食(夜食?)をとった後、3時半にテントを出発して観音岳を目指す。新月で暗いはずなのだが、白い雪のせいか、なんとなく明るく見える。雪のこぶをひとつ超えると、すぐに砂払山頂上の岩のところに出た。ここを過ぎると薬師小屋への下りとなる。小屋の倉庫らしき建物は見えるのだが、薬師小屋はどこに行ったのか?よくあたりを照らしてみると煙突の先だけが雪の上に顔を出していた。かなり雪は深い。
 薬師岳への登りであたりが薄明るくなりはじめる。輝いていたいたさそり座や白鳥座が少しずつ薄らいで行く。この時間帯は写真を撮ると空が濃い青色に写る良い時間帯。薬師岳の岩峰群や白根三山を入れ、かつ星を写しつつ何枚もシャッターを切ったのだが、失敗。すべてピンボケ。テント出発前に星にピントを合わせておいたので、そのままシャッター切れば良いと思っていたのが間違いで、移動の間にピントのダイヤルがずれていたらしい。

    朝焼けに染まる北岳

 薬師岳の稜線上は割合と雪が締っていて歩きやすかったが、油断すると膝上まではまる。一昨年の12月は観音岳山頂からの朝富士を撮ったので、今回はもう少し下のところで、薬師岳と富士山が並ぶ位置、かつ白根三山が見渡せる位置に三脚を構えて日の出を待つ。風はわずか、寒さもそれほどではない。12月は富士山のすぐ左手から日が昇ったが、4月になるとかなり左手、甲武信ヶ岳あたりから昇ってくる。雪の斜面が赤く染まるのを見るならば、この季節のほうが適している。待つこと30分、真赤な日が昇り始める。白根三山や鳳凰三山が薄ピンク色の染まる。朝のひと時、何度見ても素晴らしい光景、だから辛くても何度でも登りたくなる。至福の朝のひととき。

    朝焼けの薬師岳に並ぶ富士

 すっかり日が昇ってから、三脚を担いだまま目前の観音岳に登る。まだ踏まれていない大きなシュカブラが朝の光に眩しい。7時過ぎごろだろうか、昨日一緒だった社長がもう登ってきた。衰えたと言いつつも高校の頃から山岳部に所属し、鍛えた足は健在だ。地蔵岳側に少し下り、お気に入りの赤抜沢の頭岩峰群を写真に収め、折り返す。雲も風も無く、穏やかな晴天、降りるのがもったいない気がする。

    シュカブラ眩しく


    観音岳から見る仙丈岳


    鳳凰山の岩峰群と甲斐駒ケ岳

 9時半、テントに戻り、朝食後、テント撤収し11時、下山開始。アイゼンは裏側に雪のダンゴがついて歩きにくいので、帰りはアイゼンをはずして歩く。急斜面で何回かスリップしたが、転倒はせずに無事歩けた。途中、南御室小屋で小屋主の小林さんとお手伝いのあやさんに会う。昨日は青木鉱泉から南御室小屋に直登するルート(といっても道はない)を歩いてきたという。小屋主さんだけあって、この山域のことは知り尽くしている。今後も鳳凰山には何度も登るだろうから、小林さんには大いにお世話になることだろう。小林さんとY-chanとは、奥様も含めて付き合いが深いらしい。

    早春の薬師岳  山はまだ雪深いが、降り注ぐ陽は春の暖かさ。


    白き峰々、白峰三山

    
      薬師岳よ、また会いましょう。

 長い帰り道をひたすら歩き、午後4時20分、夜叉神峠登山口に到着した。社長を含めて皆下山した後で、峠に止まっていた車は私のとあやさんの車の2台だけだった。
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白峰三山に沈むオリオン、鳳凰山  平成20年4月5‐6日

2008年04月09日 | 南アルプス
  平成20年4月5日 天候晴れ

 昨年の冬は4度も足を運んだ鳳凰山、何度登っても新たな感動がある。今年は山の雪が多く、3月31日にも雪が降ったばかりだ。天気予報では土日は穏やかな晴れ、星空も期待できそうだ。さて、どんな景色と感動が待っているのか?

    夜叉神峠に車で行く途中で日が昇る。鮮やかな日の出、良い山行が期待できそう。

 朝5時前に甲府出発、夜叉神峠登山口への途中で赤い朝日が昇り始める。風も無く良い天気、良い景色が見られそうな期待が湧く。夜叉神峠登山口で準備をしていると2台の車がやって来て私の車の横に止まった。そして1台の運転手はもう1台の車に乗り換え、1台を峠に置いて峠を下りていった。運転手の横顔を見ると、見覚えのある顔、南御室小屋の、小屋主、小林さんなのでは?先日牛山俊夫さんのオーロラスライド上映会でお会いしたばかりで、向うも不思議そうな顔をしていたが、この場では挨拶もかわさずに別れる。私は6時ちょうどに夜叉神峠登山口から歩き始め、7時に夜叉神峠到着。10分ほどしてから単独登山の中年男性が大きなザックを背負って登ってきた。茨城県から来られた土建会社社長さんで、南御室小屋まではほぼこの方と同行することになる。(最終的には足の遅い私が遅れて小屋に到着。)さらにトイレ等を済ませて休憩していると、もう1人単独男性が登ってきて、私の顔を見るなり「吉野さんじゃないですか?」と声をかけてきた。私には全く見覚えの無い人、それもそのはず、私のホームページ愛読者、南アルプス在住のY-chanで、ホームページで見ていたので一目でわかったという。Y-chanはスーパー快速登山者、あの黒戸尾根や笠ヶ岳までも日帰りで登った強者。足の遅い私にはうらやましい限りである。自らのブログサイトも持っており、また、南御室小屋の小林さんたちと仲良いらしく、車で峠に来る途中会ったというので、やはり私が朝会ったのは小林さんだった。
 Y-chanは私たちより先に出発、いろいろと話がはずみ、結局40分も夜叉神峠で休憩することとなる。今年は雪が多く、例年ならば林の中にある杖立峠ケルンのところでアイゼン装着するのだが、夜叉神峠で早々に装着した。9時半、林の中の杖立峠通過、11時20分火事跡の杖立峠に到着した。ここから見る白根三山は雄大、特に2本の尾根を斜めに構える農鳥岳はまさに白鷲が翼を広げたような良い形で見える。先週のsanaeさんたちのテント跡も確認。(パクリ写真も撮りました。)私が写真を撮っている間に社長は先に出発していった。

    北岳を肴に  どこぞやのページで見た風景、先週訪れたsanaeさんの写真のビールをレンズに換えたパクリです。

 この先、南御室小屋までの道はまさにズポズポ状態、一歩踏み外すと簡単に膝上から腿まではまってしまう。しかも雪が重く、アイゼンの裏に高下駄でも履いたように山盛りに雪が張り付いてしまう。それでも、Y-chanと社長が先を歩いていてくれたので私はまだ楽に歩くことができた。かなりヘトヘトになりながら午後2時、南御室小屋に到着。先に到着した社長はテントを張る準備をしていた。
 私が行きたいのはこの先、できれば薬師岳まで登って富士山と白根三山の両方が見渡せる場所にテントを張りたい。しかし、行けるのか?先日降った雪のおかげでここから先はトレースがない。しかもいつも苦労させられる急登りが目の前にある。風も無く良い天気、きっと良い景色と星空が待っているに違いない。行くしかない。ストレッチして身体をほぐし、南御室小屋から砂払山への急登を登り始める。登りきった後も緩い登りがだらだらと続く。ほとんどノートレースだが、ところどころスノーシューのような足跡のある場所もあり、テープがしっかりとつけられている。雪は膝前後だが、踏み抜くと腿まではまる。1度は両足ズボッと腰まではまる。苦節3時間あまり、5時を過ぎた頃に砂払山の岩のすぐ下までたどり着く。薬師小屋まであと30分くらいだろうが、そこから薬師岳の稜線まで登る元気はとてもない。ちょうど白根三山と富士山の両方を見渡すことができる絶好の場所があったのでそこにテントを張ることにした。

    仙丈岳の裾に沈む夕陽

 西の空に日が沈む頃、空は見事なオレンジ色に染まった。食事をとり、再びテントから出ると、白根三山の上にオリオン座が昇っていた。甲府盆地から見る星空とは別世界のようなたくさんの星が輝いている。しかもこの日は新月、月明かりの邪魔が入らない。10時まで星空を眺め、テントに戻って眠る。

    白峰三山の上に輝くオリオン座


    北岳の上に輝く冬の大三角形

 ふと目が覚めると時間は午前1時半、外を見ると、さらにたくさんの星が輝く、驚くような星空が広がる。もう既に夏の星座、さそり座が昇ってきている。なんとなく雲がかかったような白い帯、天の川だ。一気に眠気が吹っ飛ぶ。富士山の左裾に甲府盆地の明かりが眩しいが、夜空を撮るにはちょっと邪魔になる。存分に星空を楽しみ、午後3時半、夜明けの観音岳を目指して出発する。(後半に続く。)

    甲府盆地の明かりと天の川  左の明るい星は木星


    天空に輝く天の川とさそり座

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春を待つ三ツ峠  平成20年4月2日

2008年04月09日 | 御坂・毛無・天子山系
  平成20年4月2日 天候晴れ

 2日前の3月31日に甲府盆地では冷たい雨が降った。三ツ峠ライブカメラの映像を見ると、山の上は雪、河口湖でも5cmほどの積雪があったという。おそらく今シーズン最後の雪、2日遅れて三つ峠に登る。
 御坂天下茶屋下の登山口に車を止め、朝5時から歩き始める。その時間にはなんとなくあたりが薄明るくなり始めていて、薄雲がかかっているのか星はほとんど見えない。登りはじめから登山道は凍っているがアイゼンを必要とするほどではない。30分も歩くと明るくなり、ヘッドライトは不要となる。ちょうど1時間で山荘に到着したが、その頃には既に陽が昇り、朝焼けのいちばん良い時間は過ぎてしまっていた。相変わらず足遅い!しかし、最近の富士山はおかしい。冷えた朝なのに何やら1枚ベールがかかったように霞んだ富士。帰り際に山荘の女将さんと逢ったが、今朝の富士山はあまり焼けず、良くなかったと言っていた。甲府では桜の花満開だが、三つ峠はまだ積雪20~30cmほどある。しかし、降り注ぐ柔らかな陽射しが春の訪れを感じさせてくれる。

    定番、三つ峠からの富士


    雪の残る裸山


    御巣鷹山から見る富士山

 大きな電波塔の立つ御巣鷹山に移動、某雑誌で樹氷の三つ峠からの写真を見たが、おそらくこのあたりから撮影したものだろう。良い条件で写真を撮るのは難しい。これで4度目の三つ峠なのだが、気に入った写真は1枚も撮れていない。帰りは裏側から山頂に登り、眺望を楽しむ。天気が良く、雪化粧した御坂山塊の上に南アルプスがずらりと並ぶ。裏側には八ヶ岳と金峰山、眺めは良好だ。8時半、持って行ったハンバーガーをかじりながら早々に下山した。今度はさそり座と天の川を入れて富士山を撮りたいが、富士吉田の明りが邪魔になるかもしれない。

    御坂山塊と南アルプス  中央の大きな山が御坂最高峰、黒岳。


    三つ峠山頂


    春を待つ三つ峠尾根

(この1週間後に再び三つ峠は雪が降り、ライブカメラで見ると尾根は真っ白に雪化粧していました。)
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