山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

信玄公祭 富永愛がやって来たが・・・  令和5年10月28日

2023年10月31日 | 番外編
 人込みは苦手なので信玄公祭りを見に行く気はあまり無かったのだが、この日の出張先が都合良く会場の近くで駐車場を心配することなく確保出来た。午前中で仕事を終えて会場近くを歩いていると甲冑を着た軍団が何隊か気勢を上げて目の前を通って行った。出店で昼食を買って車の中で食べ終えると時刻はもう2時過ぎである。知り合いに出会ってこれから祭りに参加するとのことで、私もカメラを持って行ってみることにした。富永愛率いる信玄の本陣が何時に通過するのかは全く知らなかったが、3時に大通りに行くとまだあまり人だかりにはなっておらず、最前列を確保出来た。近くの人に何時に通るのかを尋ねたところ、午後6時ごろだそうである。3時間もあるのだが場所を確保しておかないと見られなくなりそうなのでそのままその場所で待つことにする。やがて太鼓隊を皮切りに子どもハロウィン仮装隊や騎馬隊のパレードが始まった。

    3時に通り沿いの観覧場所に行き、最前列を確保。

    太鼓隊を先頭にパレードが始まった。

    太鼓隊。子供もいる。

    綺麗な西国のお嬢様たち・・・と思ったら

    髭が生えている。これはオカマ軍団。

    子供ハロウィン仮装隊

    ティラノザウルス

    ニモ

    くノ一(くのわん)軍団

    MCをやっていた佐藤ドミンゴ(FMフジのラジオパーソナリティー)。マグロの格好と言っていたがこれはサメかホッケか??

    韮崎市の踊り子隊

    騎馬軍団

    暗くなってライトが灯る。

    暗くてブレるので、Iso感度を2000まで上げて撮影。

    それでもブレる。少しカメラをスィングしながら撮ってみる。

    濃姫・・・だろう。

    カメラの電池が少なくなり、スマホを使う。

    これが山本勘助であろう。

    本陣が来た~、と思ったら。

    もう目の前に冨永愛扮する信玄公が居た。こっち向いて~。

    だが良いチャンス無く・・・

    あっけなく通り過ぎてしまった。

    帰り際にスクランブル交差点で再チャンスがあった。

    5列目くらいに居たので姿は見えず。カメラを高く持ち上げてモニターを見ながらなんとか撮ったショット。やはりブレたがまあ上出来。

 ということで、3時間以上も待った割にはあまり良いショットは撮れなかった。祭を撮ったり人を撮ったりということは今までにほとんど無かったので、まあこんなものでしょう。少しばかり足が痛くなったがなかなか楽しめた信玄公祭りだった。


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これがリンボク 円蔵院を再訪する  令和5年10月27日

2023年10月30日 | 樹木類
 何度訪れても花が咲いていないリンボクと思わしき木、おそらく誤認しているであろうと思い始めていた。そんな折に花仲間がリンボクを見に行ってくれて情報を提供してくれた。もう花は終わって結実しているようである。送っていただいた写真を見て、ずっとリンボクだと思って追いかけてきた木は誤認であって、おそらくは良く似たイチイガシであろうと思えてきた。今度こそリンボクを見ようと、円蔵院を訪れてみる。

    懲りずに円蔵院を訪れる。

    リンボクだと思って追いかけてきたこの木、おそらくイチイガシだと思う。

    その下にあるこの木、実の付き方からおそらくシラカシであろう。

    これがリンボク??

    しかし、枝先をいくら探しても実が見当たらない。

 今回もリンボクは見つからないのかと半ば諦めかけていたところ、救世主が現れた。カギガタアオイを見に来たと言う花仲間がやって来て、リンボクの在り処を知っているとのことで案内してもらった。探していた場所からは少し離れたところに数本のリンボクが生えていた。

    これがリンボクだと教えていただいた。林の中に生えていた。

    鱗片状の樹皮は追いかけてきたイチイガシに似ているが色が黒っぽい。

    背丈が高いうえに逆光で観察しにくく、結実した実が見えない。

    リンボクの葉。やや細身で緑色が鮮やかで光沢がある。

    別の木を見てみると実が付いているようである。

    リンボクの実。

    枝の途中から分かれて数個付くこの実の付き方はリンボクで間違いないであろう。

 偶然に花仲間がやって来てくれたおかげで探していたリンボクにやっと出会うことが出来た。今日は超ラッキーである。

    コヒロハハナヤスリはまだ青々としている。

    胞子はまだ放出していないようである。

    もうひとつ、調べておきたかったのが前回発見したこのササクサ。

    小穂の先端部の突起を撮影したかったのだが風で揺れてうまく撮れず。

    止む無し。花穂を1本採取する。

    ササクサの小穂。先端部に何本かの突起がある。

    この突起は側面がノコギリ状になっていて、この突起で強烈に服に突き刺さってなかなか取れない。

 やっとリンボクの木が確認出来た。花は終わってしまっているので来年こそはこの木の花を見てみたいと思う。


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北杜市散策 キンモウワラビとタヌキマメ  令和5年10月24日

2023年10月30日 | 里に咲く花
 韮崎市方面で午前・午後と出張があったのだが、午後の仕事は想定外に早く終わった。久しぶりに北杜市のキンモウワラビを見に行ってみることにする。山盛りのソーラスを付けている頃ではないだろうか?

    キンモウワラビ。少し色付き始めている。今年は小ぶりのものばかりである。

    秋になると少し紅葉するようである。

    思った通り山盛りのソーラスを付けている。

    別株もソーラスがいっぱい。

    風に揺れてなかなか撮らせてくれない。

    キンモウワラビのソーラス。胞膜があり、その下にたくさんの胞子を付けている。

    キンモウワラビの由来となっている根元に付く山盛りの鱗片。

 次の場所を訪れたが何も収穫無し。さらにもう1ヶ所、草刈りが行われた後のタヌキマメがどうなっているか見に行ってみる。

    草刈りが行われた場所はアメリカセンダングサがはびこっていた。

    タヌキマメはまだ少しだけ咲き残っていた。

    こちらは既に一部が実を飛ばした後のようである。

    群生が見られた場所は壊滅的。かろうじて2株だけ発見できた。

    池を覗き込んでみる。

    アオミドロの中に浮いているこの葉はヒシではないかと思う。

    葉が三角形のように見えるのだが、花の時期に確認しないと分からなそうである。

    これはフトイではないかと思う。

    茎の先端部に小穂が付いており、たぶんフトイで間違いないと思う。

    すっかり陽が暮れてしまった。撤退する。

 短時間の散策ではあったがキンモウワラビとタヌキマメを観察することが出来た。もうひとつ探しているのがアリノトウグサで、湿地のようなところに生育しているのではないかとそれらしき場所を探したが見つかる気配が全く無い。もうとっくに花は終わってしまっているので、来年に持ち越しである。


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オオバボダイジュ探索失敗 嵯峨塩の森  令和5年10月26日

2023年10月28日 | 樹木類
 山梨の森100選の中のひとつ、嵯峨塩の広葉樹林は同時に山梨県の自然記念物に指定されている。この場所には探しているオオバボダイジュが確実に生育しているはずである。笛吹市方面に出張があったので午後から嵯峨塩の森を訪れてみる。

    嵯峨塩の広葉樹林の看板

    自然記念物の看板。オオバボダイジュ、モイワボダイジュ、ハルニレが生育している、はずである。

    ハルニレは看板が立っていて大きな木なのですぐに見つかる。

    ハルニレの幹。主に縦方向にひび割れる。

    下から見上げるハルニレの大木。葉はだいぶ散っている。

    ハルニレの葉

    地面にハート形の葉がたくさん落ちていたので木に近付いてみる。これがオオバボダイジュ??

    木を見上げる。もうだいぶ葉が散ってしまっている。

    楕円形、ないしはハート形をした葉のようである。

    地面に落ちた葉はハート形。だが大きさが小さい。

    裏側を見てみる。葉脈にも葉裏にも毛が生えておらず、これはおそらくカツラであろう。

    これはブナの木と思われる。

    紅葉目前のブナの木の葉だが、色付かずに散ってしまいそうである。

    黄色く黄葉している木があった。葉の形はハート形に見える。

    幹は先ほどのカツラの木に似ている。

    葉はハート形に近いが・・・

    葉裏にはやはり毛が無く、これもカツラであろう。

 木を見上げて思うことは、まだ全く力不足でオオバボダイジュを探すだけの能力が付いていないということである。幹を見ても葉を見てもほとんど分からない木ばかりである。もう少し森の中に入り込んで探せばオオバボダイジュが見つかったかも知れないのだが、あまりに力不足を感じたのでもう少し勉強してから再訪してみようと思っている。


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これはササクサであろう 南部町  令和5年10月20日

2023年10月21日 | 里に咲く花
 円蔵院のリンボクは残念な結果に終わってしまった。まだ時間は早いので近くの林道周辺を散策してみることにする。

    ウラジロ。このあたりには普通に生育している。

    光沢のある大型のシダ。ベニシダかと思ったのだがちょっと違う。

    下向きの第一小羽片が小さくならない。これはトウゴクシダか?

    おそらくヒメワラビ

    茎に毛が生えていない。小羽片には翼がある。

    ホシダか?と思ったのだが・・・

    これはアマクサシダだった。それなりに生えていた。

    こちらがホシダ

    おそらくシケチシダであろう。

    裂片の中央あたりに長楕円形のソーラスが付いている。

    見慣れない草が生えていた。

    葉が笹にそっくりである。

    近くにはチヂミザサが生えているがこちらは花穂が枝分かれしない。

    一方、こちらの草は枝分かれしてその枝から小穂を出している。

    これは探していたササクサであろう。

    森の中にあった祠

    その脇にあった大木はリンボクではないかと思うのだが・・・

    木が高くて葉や花は確認出来ず。

 思わぬ草に遭遇した。ササクサは南方系のイネ科植物であるが山梨県では県南部に生育する稀な植物である。南部町の林道を歩くたびにどこかにあるのではないかと気をつけてはいたのだが、まさかのこの場所で遭遇できるとは大収穫であった。リンボクがダメだった分はこのササクサでおつりが来るくらいに十分に補填出来た。


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リンボクの花は確認出来ず 南部町円蔵院  令和5年10月20日

2023年10月21日 | 樹木類
 2週間ほど前にもリンボクの花が見たくて訪問している南部町の円蔵院であるが、10月も下旬に入ったのでもう咲いている頃ではないかと思う。

    円蔵院の奥に生えている木。下から見上げても花が見えないのでお寺の門のところから望遠レンズで狙う。

    どうやら花は咲いていないようである。

    超望遠で観察してみるがやはり花らしきものは見当たらない。

    別の木

    こちらにも花は見当たらず。

    トリーミング画像。丸く膨れているのは花芽ではないのだろうか?

    この木は幹の様子から見て探しているスダジイではないかと思うのだが・・・

    背丈の高い木で葉や種子の様子までは観察できない。

    見つからなかったコヒロハハナヤスリが今ごろになって胞子穂を伸ばしていた。

    昨年に比べるとだいぶ少ないが、無くなってしまったわけでは無かったようである。

    カギガタアオイはいよいよ花が咲き出した。

    カギガタアオイの花

    中にタコ足状の雌しべが見える。
 10月下旬になってもこの場所は藪蚊が多く、虫よけスプレーを散々肌にかけていったが数ヶ所刺された。リンボクは今年こそ花を見て確定しようと思っていたのだが、今年は花が咲かないのか、それとも誤認しているのか。ひょっとしたらこの木はリンボクでは無くてイチイガシのほうではないのかとも思えてきた。もう少ししつこく様子を見に来てみたいと思う。そろそろキチジョウソウの花が咲き始める頃ではないかと思っていたのだが花芽も確認出来なかった。キチジョウソウが咲く頃に再訪してみたいと思う。


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雲に阻まれたオベリスクの細月  令和5年10月17日

2023年10月19日 | 甲斐百山
 空は晴れていたが鳳凰山には少し雲がかかってしまっている。本日の夕暮れは西の空に月齢2の細月が沈んで行く。鳳凰山オベリスクにこの細月が沈んで行くところを捉えるため、北杜市明野に出かけてみる。GPSに登録してある場所に着いてみると、高架線の電線が邪魔で撮影には不向きである。農道の中の良さそうな場所を探してカメラを構えるが、2台のカメラをセットし終えた頃にはもう細月が鳳凰山の上に輝き出していた。

    鳳凰山の上に輝き出した月齢2の細月

    鳳凰山に月が迫る。だが、肝心の鳳凰山オベリスクの裏に雲がかかってしまっている。

    肝心のオベリスクと月が接触するシーンは雲がかかって捉えられず。

 もう1台の超望遠レンズをセットしたカメラはシャッターのブレを防ぐため三脚2台で固定し、シャッターはブレの少ない電子シャッターを使って撮影する。



 雲に阻まらなければ超望遠レンズで捉えた大きな月と接触するオベリスクが撮影出来たであろうが残念ながら肝心な時に月は雲隠れして見えなかった。しかし、雲の上に半分だけ姿を見せている細月もそれなりに良い作品になっているのではないかと思っている。また挑戦してみたい。


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ホソバツルリンドウは少し遅かった 大菩薩連邦  令和5年10月16日

2023年10月18日 | 山に咲く花
 先日御坂山系で見た白花のホソバツルリンドウは咲き始めでちょうど良い時期に訪問が出来た。では、普通の薄紫色をしているホソバツルリンドウはどうであろうか?大菩薩山系に生育しているものを訪問してみる。

    ススキにからみ付いていたホソバツルリンドウ

    鈴生りにたくさん花を付けているが・・・

    少し遅かったようで、花がもう痛んでしまっている。

    こちらはまだ比較的新鮮なもの。

    別株。これはもう痛んでいる。




    別株。こちらも少し痛んでいる。

 少し訪問時期が遅かったようで、それなりの個体数は確認出来たものの花はもう痛んでいた。

 さて、もう1ヶ所、気になっている木を見に行ってみる。夏に見つけたオオバボダイジュと思わしき木であるが、勉強不足でシナノキとの区別の仕方が分からなかった。図鑑で調べてみると葉の裏に星状毛が生えているかどうかで区別が出来るらしい。

    山上はもう紅葉の見ごろを迎えているようである。

    林道脇のハウチワカエデの紅葉とダケカンバの黄葉

    オオバボダイジュと思わしき木も少し黄葉が始まっていた。

    この葉の裏を調べればオオバボダイジュか、それともシナノキか分かるはずである。

    葉の裏側

    星状毛が生えているかどうかはこれだと良く分からない。

    葉を数枚採取して調べてみる。

    葉の裏側。あまり白くは見えず、星状毛は生えていないようである。

    さらに近付いて観察してみる。葉脈に毛が生えているが葉裏には星状毛は生えていない。

    冬芽にも毛が生えていないようである。オオバボダイジュは毛が密生するようである。

    オオバボダイジュを期待していたが、この木はシナノキのようである。

 木が大きくて葉も大型に見えたのでオオバボダイジュではないかと期待していたのだが、葉裏に星状毛は生えておらずこの木はシナノキであろう。この山系にオオバボダイジュが生育しているはずなので、また探してみたいと思う。


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ヒメマツカサススキとアブラガヤ  令和5年10月13日

2023年10月17日 | 水辺に咲く花
 そろそろ枯れ始めているのではないかと思うのだが、ヒメマツカサススキが生育している池に立ち寄ってみる。

    池の水はだいぶ少なく、かなり先のほうまで行ける。

    やはり枯れかけている。この状態になると遠目ではヒメマツカサススキなのかアブラガヤなのか判別が難しい。

    たぶんこれはヒメマツカサススキであろう。

    望遠レンズで撮影。花序が球形をしているように見える。これはヒメマツカサススキであろう。

    たぶんこれもヒメマツカサススキであろう。

    望遠で撮影。やはりヒメマツカサススキのようである。

    これがアブラガヤであろう。花序は球形にはならない。

    至近距離で撮影したアブラガヤ。穂の途中から小穂が付く。

    こちらが至近距離のヒメマツカサススキ。小穂は穂の先端に固まって付く。

    しかし、分かり難いものもある。

    花序が開くとどちらか分かり難くなるが、小穂は主に穂の先端に付いておりこれもヒメマツカサススキであろう。

    群生していたアケボノソウであるが花はもう終わっていた。

    咲き残りのアケボノソウ

    森の中に咲いていた花

    センブリ。もう陽が陰っていて花はほとんど閉じていた。

    池の中を覗いていると何か藻が生えていた。

    一部を採取して調べてみる。これはイトモであろう。

 当初はいちばん小さな池にしか生育していないだろうと思っていたイトモであるが、他の2つの池にも生育していることが分かってきた。今年は花と種を確認出来たが、来年はもう少し至近距離で観察が出来るのではないかと期待している。


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これはイヌタヌキモで良いのか?  令和5年10月13日

2023年10月16日 | 水辺に咲く花
 昨年も10月に訪問している高層池であるが、その際に浮かんでいたタヌキモと思わしき水草の殖芽を調べてみたところ、おそらくはイヌタヌキモであろうと推測された。調べた殖芽は1個だけだったので今年はもう少し調べてみたいと思っている。そろそろ捕虫嚢が脱落して殖芽を付けている頃であろう。

    水量がだいぶ少ない高層池

    10月に入ってもまだヒツジグサが咲いていた。

    2輪並んで咲いていたヒツジグサ

    光の当たり方が悪く葉や花が白飛びしてしまった。

    このあたりでそれなりに個体数を確認していたタヌキモであるが、ほとんど見当たらない。

    ほとんどが沈水したようである。残っていたタヌキモをすくい上げて調べてみる。

    捕虫嚢はほとんど脱落していて沈水する直前であろう。先端に楕円形の殖芽が付いている。

    マクロ撮影。毛が生えているのが見えるが中軸がどうなっているかは不明。

    別株。こちらはまだ捕虫嚢が少し残っている。

    殖芽は楕円形をしている。色は茶色がかかった緑色であるが、これからこげ茶色になってくるのではないかと思う。

 タヌキモはイヌタヌキモとオオタヌキモの雑種と言われており、実は個体数が少なくあまりお目にかかれるものでは無い。イヌタヌキモがタヌキモの仲間の中では最も多く目にするのではないかと思う。タヌキモの殖芽は球形で大きく緑色をしているのに対してイヌタヌキモは楕円形で茶色い色をしていると言われている。この池に生育しているタヌキモの殖芽は楕円形をしており、おそらくはイヌタヌキモで間違いないと思っている。分解して中軸の形態を調べればもっとはっきりと分かるのであろうが、個体数が少ないのに分解するのはあまりにも可哀そうである。自信をもって確定は出来ないが、この高層池に生育しているタヌキモの仲間はイヌタヌキモとしておきたいと思う。


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御坂山系あちらこちら  令和5年10月10日

2023年10月11日 | 山に咲く花
 暑さが納まってきたかと思ったら朝晩は急に冷え込みが強くなってきた。秋に咲く花がそろそろ咲いている頃ではないかと思う。午前中の仕事を終えてコンビニで昼食を買い込み、車の中で食事しながら御坂山系に咲く秋の花を訪れてみる。

 まずは先日も訪問しているさくらの咲く公園を訪れる。

    見たかったのはこのセンブリだったのだが・・・

    残念ながら全て蕾だった。あと1週間もすれば咲きそうである。

    コヒロハハナヤスリはもう胞子穂が脱落していた。数株しか見つからず、危機的な状況である。

    増殖力が強いメリケンカルカヤがどんどん増えている。

    コヒロハハナヤスリが生育している場所のメリケンカルカヤを一部抜去しておいた。

    フユノハナワラビは胞子葉を展開してもうすぐ胞子を飛ばしそうである。

    フユノハナワラビの葉。基本的には葉は地面を這うように出て、葉はやや円みを帯びていて辺縁の鋸歯は尖らない。

 次に訪れたのは林道の途中にある法面に咲く花である。

    RV車ならば行ける道だが、全面通行止めと書かれているのでここから歩くことにする。

    以前はフタリシズカやシモバシラガそれなりに生えていたが何も無くなっていて殺風景である。

    目的地に到着。いつものように裾刈りがされているが斜面の草が少ない。

    予想はしていたのだが、土砂が崩れて流出してしまったようである。ここにあった花は無くなっている。

    斜面を探してみるとわずかながら花が生き残っていた。

    これが目的の花、アキノヤマハハコ

    まだ蕾だが、千切れてしまっている株が散見される。これは鹿の食害か?

    かつては大株が生えていた場所にも小さな株しか見当たらない。食害と斜面の崩落が激減した原因ではないかと思う。

 もう1ヶ所、今度は林道脇の藪にからみ付いているツル性の植物を見に行ってみる。

    まだ早いかと思ったのだが咲いている。

    目的の花、ホソバノツルリンドウ

    この場所では白花しか見当たらない。

    咲き始めの新鮮な花を見ることが出来た。

    少しだけ薄紫色がかっている。

 アキノハハコグサは私の知る範囲では生育場所は今回訪れた1ヶ所のみである。大株が無くなり元気の無い小さな個体しか無く、絶滅寸前の状態にあるといっても良いのではないだろうか。雨が降らないかと思ったら今度は大雨になったりと気象の変化が著しく、脆い斜面や川沿いに生育する植物には厳しい環境になったと言えるだろう。


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ドクゼリ(セリ科)Cicuta virosa L

2023年10月10日 | 絶滅危惧種
  湿原や湿地に生育する多年草である。地下茎が太く、節間部が中空で竹の根に似る。茎は枝を分け高さ1m になる。葉は 2 ~ 3 回羽状複葉で、小葉は長楕円状披針形。花は白色で複散形花序(ふくさんけいかじょ)、3mm程度の小さい花が同じ長さの花茎の先に放射線状にたくさん咲く 。花期は 6 ~ 7 月。地下茎・ 根にシクトクシンという毒成分を含む。山梨県では北杜市に稀に生育しており、個体数は非常に少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)   2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅰ A 類(CR)  2017年環境省カテゴリー:なし

    ドクゼリ 2023年9月 北杜市で撮影

    別株。花は終わり既に結実している。

    花は複散形花序で、小さな花が花茎の先に放射状にたくさん付く。

    葉は 2 ~ 3 回羽状複葉で、小葉は長楕円状披針形、辺縁に鋸歯がある。

    根元近くの葉。セリに比べて葉の幅が細い。

 発見した時には既に花期を過ぎて結実していたため、花の咲く季節に再訪してみたいと思っている。




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ホソバノキソチドリPlatanthera tipuloides

2023年10月09日 | ラン科
 亜高山帯の草地に生える多年草。高さは20~40㎝になる。根元近くの葉は普通1個で狭長楕円形、長さ3~7センチで先端は尖らない。鱗片葉は2~3個つき、先端はやや尖る。穂状の花序に黄緑色の花を多数つける。側花弁は開かずに背萼片とともにずい柱を囲み、兜型を呈する。長い距は先端部が緩く下向きに曲がる。花期は7~8月。山梨県では良く似たヤマサギソウが多く見かけられるが、大菩薩・小金沢山系でホソバノキソチドリ生育しているのが発見された。隣県の長野県では普通に見られるであろうが、山梨県ではあまりお目にかかれない。

    ホソバノキソチドリ 2023年7月 大菩薩・小金沢山系で撮影

    長い距がある。

    別株。根元の葉は見えないが鱗片葉は小さくて先端部が少し尖る。

    穂状花序にやや黄色味を帯びた花を多数付ける。

    黄色い部分は側花弁で、開かずに後ろ側の背萼片とともに兜型を呈する。

    距は長く先端部が緩く下に曲がる。

 環境省の絶滅危惧種には入っていないが、9府県で絶滅危惧種に登録されている。山梨県ではまだ調査が不十分であるが、ヤマサギソウ(山梨県絶滅危惧Ⅱ類)よりも個体数は少ない印象を持っている。




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マイサギソウ(舞鷺草)

2023年10月09日 | ラン科
学名:Platanthera mandarinorum Reichb.f. subsp. mandarinorum var. neglecta 

 日当たりのよい明るく湿った草地を好んで生育する多年草である。草丈は20 - 50 cmになる。最下部の葉は広線形、茎葉は線状長楕円形。花は白緑色で8 - 15個つける。 背萼片は広卵形 - 円形で、側花弁と背萼片が同じ高さになる。唇弁は舌状で下垂する。距は上方に捻れて伸び、その姿が鷺に似ることからこの名がある。 花期は6 - 7月。山梨県では富士北麓の草原で発見されたがきわめて個体数が少なく、まだ十分な調査が行われていない。

    草むらに隠れるように生えていたマイサギソウ  2023年7月 富士北麓で撮影

    既に花が傷んでいた。周辺を探したがこの1株しか見当たらず、個体数はきわめて少ない。

    マイサギソウの花。距が上向きに曲がって伸びるのが特徴で、その姿はまさに鷺である。

 環境省の絶滅危惧種には入っていないが、18道県で絶滅危惧種に指定されている。山梨県ではきわめて発見が困難な種である。





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クゲヌマランCephalanthera longifolia (L.) Fritsch

2023年10月09日 | ラン科
 落葉広葉樹林下や林縁を好んで生育する多年草である高さ20~60cmになる。短い根茎をもち、数本の茎を束生させる。葉は互生し、長さ8~18cm、幅2~4cmの狭長楕円形で先がとがり、縁は全縁である。総状花序に白い花を5~20個らせん状につけ、長さ1cmほどで、ほぼ半開程度までしか開かない。唇弁には黄色の模様があり、唇弁基部の距は無いか非常に短い。ギンランに良く似るが葉はギンランよりも幅が広くやや硬く、辺縁が波打つことが多い。距が無いかきわめて短いことも異なるのだが、距の無いギンランもしばしば見かける。山梨県では北杜市の公園で発見されたが、他に河口湖近傍での目撃情報と写真がある。花期は4~5月。

    クゲヌマラン 2023年5月 北杜市で撮影

    個体数は少ない。

    まだ蕾のクゲヌマラン

    花弁が痛み始めているが、なかなか花が開いてくれない。距は見当たらない。

    ギンランに比べて葉の幅が広くやや硬く、辺縁が少し脈打つ。

 環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、他に17県の絶滅危惧種になっている。山梨県でも生育が確認されたが、他の場所にも生育している可能性が高い。




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