山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

移植片その後  令和3年7月25日

2021年07月31日 | 番外編
 着生した稀少なランが苔ごと木の幹から脱落してしまい、別の木に移植してから今年で3年目を迎える。昨年も1昨年も弱々しい葉を何枚か出してはくれたが、花が咲くには程遠い印象があった。ところが、今年様子を見に行ってくれた花仲間から移植片に花が咲いたという連絡が入って来た。これは何としても見に行かねば。


    ツルアジサイが満開。


    こっちも見ごろだが、これはヤマアジサイなのかノリウツギなのか?


    葉先があまり尖っておらず、ノリウツギであろう。


    ミヤママタタビの大木


    たぶんナガオノキシノブ


    木に着生しているのは圧倒的にミヤマノキシノブ。これと稀少なランの葉が似ているために探すのが難しい。


    昨年は花が咲いていた場所だが、今年は葉のみで花は咲いていない。苔がまた少し脱落したように見える。


    この場所も葉のみで花は咲いていない。いちばん手前にある葉はミヤマノキシノブ。


    そしてこれが移植片である。もう結び付けていたシュロの縄は見えなくなっている。


    上下にミヤマノキシノブの葉、真ん中にランの葉が3枚。


    そのうちの1株が小さな花を咲かせてくれた。


    まだ元気に咲いたとは言い難いが、それでも何とか咲くまで回復してくれた。

 大成功とまでは行かないが、1株だけでもなんとか咲いてくれて良かった。これからも毎年元気に花を咲かせて欲しい。他の場所は苔が脱落しそうなので、こちらも手を打つ必要がありそうである。

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富士川町の高層池を訪れる  令和3年7月24日

2021年07月31日 | 山に咲く花
 ヒルムシロ属の花が咲いているのは椹池やその近傍の池だけでは無い。もう1ヶ所、圧倒的な個体数があるのが富士川町にある高層池である。この池に生育しているものもオヒルムシロなのかフトヒルムシロなのか、あるいはヒルムシロなのかは分かっていない。標高1,000mくらいの位置にある池なので、前2者のいずれかであろうと思っている。


    マイナーな池であまり訪れる人は居ない。


    圧倒的な個体数がある。


    地味な花ではあるがこれだけ生えていると圧巻である。


    さて、これはオヒルムシロなのかフトヒルムシロなのか?


    池はそれなりに深く、見えそうで見えない沈水葉。


    花だけで見分けるのは難しそうであるが、見る限りでは椹池近傍の池にあるものと同じに見える。


    池のほとりにはメハジキが生えている。


    メハジキとヒルムシロ属

 ネットの記事を見る限りではフトヒルムシロの葉はやや湾曲して波打っているらしく、ここに生えているものの葉を見るとあまり波打っているようには見えない。オヒルムシロの可能性が高いのではないかと思っている。水中にある沈水葉を調べなければ結論は出ず、この池は近い場所にあるので水中カメラを沈めてみるか、あるいは個体数が多いので1本抜いてみて検討することも考えている。いずれは答えが分かると思う。

 この場所に来たのはもうひとつ訳があったのだが、雲に阻まれて富士山は姿を見せなかった。


    林道から見る景色。富士山が見えればこの場所からパール富士が見えるはずだった。


    雲が多くて富士山も月も見えそうにない。あと10分ほどで月が現れる時間だったが、待たずに撤退。

 以前ならば絶対に月の出まで待ったであろうが、最近は根気が無くなりすぐに諦めてしまうようになってしまった。この日は本栖湖からパール富士が見えたようで、辛抱して待っていれば雲を透かして見えるシルエットパール富士がひょっとしたら見えたかもしれない。年を取った気がする。

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椹池およびその近傍を探索  令和3年7月24日

2021年07月30日 | 山に咲く花
 椹池の水草がどうなっているか気になるが、その界隈に生育している植物も気になる。そろそろ咲いている花もあるだろう。


    椹池のカンガレイ。ここにはそれなりに個体数があることが分かってきた。


    花が咲いているようである。


    こちらはナガエミクリ。まだ花穂が水上に顔を出していない。


    浮島に群生するサワギキョウ。まだ蕾で一株も咲いていなかった。


    ヌマハリイ(オオハリイ)。茎を触ってみると中空状で柔らかく、河口湖のスジヌマハリイとは全く違う感触がある。


    池の中に生えたヌマハリイ


    カンガレイとヌマハリイが並んで生えている。


    湖畔のヒメシダの群落

 別の池を訪れてみる。この池は近くに来た時は必ず立ち寄って湖面を眺めている。沼の底にイトモと思わしき水草が沈んでいて、この季節に水面に浮かぶ花を咲かせるはずであるが何度見ても花の姿が見えない。この日も水面に花は浮かんでおらず、水が濁っていて沼底の藻の姿も確認出来なかった。もうひとつ、オヒルムシロかフトヒルムシロか何だか分からない水草が花を咲かせている。


    水面に水草の葉がたくさん浮かんでいる。


    花が咲いている。


    さて、これは何なのか?ヒルムシロの仲間ということは分かるが、花や葉を見ただけで区別が出来るのか?


    花にトンボがとまっている。


    それなりに数はあるが位置が遠い。確定するには水中葉の柄がどうなっているか見てみないと分からないであろう。


    こちらはヒツジグサの葉。


    まだ花は咲いていなかった。この池は咲くのが遅いようである。


    何度か見に来ているシダを訪問してみる。少し痛み始めていた。


    タチヒメワラビ。その名の如く真直ぐに立って生える。


    ソーラスは裂片の真ん中やや上寄りに付着する。


    花が咲いているのは初めて確認したシロバナイナモリソウ。


    清楚な白花。

 サワギキョウをはじめとする椹池の花や水草が見ごろを迎えるのは8月中旬ごろになりそうである。その頃にはヒツジグサも花を咲かせているかも知れない。

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富士山麓を散策  令和3年7月23日

2021年07月30日 | 山に咲く花
 フガクスズムシソウを見に出かけたが雷と雨に見舞われて予定よりも早めに下山となった。高度を下げれば雨は降っていないのではないかと別の場所に行ってみるが、やはり雨が降っていて雷が鳴っている。少し待っていれば雷は通り過ぎるのではないかと、車の中で昼寝しながら1時間ほど待っていると雷は止み雨も小降りになってきた。樹海の森の中に入ってみる。


    クモキリソウはもう終わっていた。


    コイチヨウランはまだ蕾。


    咲き残りのツルアリドオシ。あまり咲かなかったようである。


    ツルアリドオシの花。2つが対になって咲く。


    アリドオシランはもう終わっていた。


    葉はあるが花があまり見つからない。これもあまり咲かなかったようである。


    いちばん見たかったのがこの花。


    キバナノショウキラン。もう痛んでいる。今年は大株が生えておらず、見つかったのはこの株だけだった。


    本栖第2風穴。少し離れた場所にある。


    ここに生えていたのはシノブカグマ。


    ウサギシダの生える場所にも立ち寄ってみる。今年は食害に遭っていない。


    ソーラスを確認。


    驚いたのがこのツリシュスランである。


    周辺の苔が剥げ落ちていてもう咲かないのではないかと思っていたが、今年は6本花茎が伸びている。無事咲いてくれるのを期待したい。

 アリドオシランもキバナノショウキランも今年は外れ年だったようである。ツリシュスランだけは今年は今までに無くたくさんの花茎を伸ばしている。花が咲いた頃に見に来てみたいと思う。

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今年は数が少ないフガクスズムシソウ 富士山麓  令和3年7月23日

2021年07月30日 | 山に咲く花
 少し訪問時期が遅れてしまったが、今年もフガクスズムシソウを見に行ってみた。朝は晴れていたが現地に到着した頃には雲が広がり始めて夕立でも来そうな空模様になってきた。急がねば・・・と思いつつもなかなかピッチが上がらず。現地で苔の生えた木の幹を見上げるがなかなかお目当てのフガクスズムシソウが見つからない。


    オニノヤガラを発見。まだ蕾だった。もう1本見つけたが途中で折れていた。


    ハエドクソウ


    そんなに珍しいものでは無い。


    ヤマトウバナ。富士山麓では良く見かける。


    イワオモダカ。葉が大き目で良く目立つ。


    双眼鏡で木を見上げてやっと見つかった1株目。


    別株。固まった大株が見つからない。


    少し固まって生えていたもの。花はだいぶ痛んでいる。左側にはマツノハマンネングサが生えている。


    これも固まって生えていたもの。葉に隠れた場所には大株が隠れているようである。


    こちらも確認しておきたかったマツノハマンネングサ。


    まだ固い蕾である。咲くのは2~3週間先になりそうだ。


    倒木に着生している株は今年は花芽が付いておらず、咲かなそうである。もう少しあったはずだが苔と一緒に脱落してしまったようだ。

 他のラン科植物と同様にフガクスズムシソウも今年は外れ年のようである。来年はたくさん咲いてくれることを期待したい。もうひとつ、今年こそは見つけてやろうと意気込んで探したスギランであるがとうとう発見出来なかった。もう少し探したいところだったが、遠雷が轟き出し、早急に下山を開始する。途中から本降りの雨に見舞われ、カッパを着て下山となった。

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富士山麓探索するが花は見つからず  令和3年7月18日

2021年07月23日 | 山に咲く花
 富士山中腹の探索を終えてスバルラインを下ってきたが、まだ日没には時間があるし、夕立は無さそうな晴れた空が広がっている。富士山麓に広がる草原およびその近傍を散策してみる。


    ニッコウキスゲが咲いている。


    普通にありそうだが山梨県では個体数が少ない。


    樹林の中に入ってみる。ガンクビソウの蕾


    サワギク


    結実したヤマシャクヤク


    昨年はこのあたりで数株咲いているのを見つけたが、今年はテンニンソウだらけで花は見当たらない。


    辛うじて見つけたのはこの葉っぱ1枚だけだった。今年はオオバナオオヤマサギソウは咲いていないようである。

 期待していたオオバナオオヤマサギソウは昨年見かけた周辺も散策してみたがとうとう発見出来なかった。鹿の食害とテンニンソウの増殖で危機的な状況に陥っているかも知れない。

 もう花が終わってしまっている可能性が高いが、別の場所のランを見に行ってみる。


    何か保護対策をしてあるかと期待していたのだが昨年同様に無法地帯になっていた。


    花はもう終わっていた。昨年は2本咲いていたはずだが今年は1本だけ。奥の木の根元にあった株が見当たらない。


    花は咲いていない個体があるのを確認した。

 踏み跡が明瞭になってしまい地面が固くなりつつある。踏み荒らされた個体がありそうだが盗掘もあったのではないだろうか?保護対策を行うと聞いていたのだが何もされていないのは残念だった。

 さて、もう1ヶ所、そろそろ満開になっているであろう花を見に行ってみる。


    ユキノシタがまだ咲き残っていた。


    用水路に生えるバイカモ


    水路一面に咲いているのを期待していたのだが咲いているのは水路の両脇だけだった。


    バイカモの花。ほぼ満開である。


    小さくて撮影が難しい。

 朝から1日中花を追いかけた1日となった。昨年見た花が今年は無くなっていたり、保護すべき花が放置されていたりと残念な現状を垣間見た1日だった。行政に働きかけてもなかなか動いてくれないのが現状である。個人的に保護に乗り出すかどうか、また検討しなければならなそうである。

(追記 後の情報でキンセイランの場所は保護柵とロープが設置されることが決まったらしく、近日中に工事が始まるようです。)

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富士山中腹を散策  令和3年7月18日

2021年07月23日 | 山に咲く花
 富士山中腹に生育している稀少なシダを見に行ってみたいと思っていたのだが、個体数が少ないうえに小型のために自力で探し出すのは困難な代物である。詳しい花仲間に問い合わせてみると、生育場所をご存知で情報をいただいたうえに下見にまで行ってくれた。7月21日以降は富士スバルラインがマイカー規制となるので、自分の車で行けるのは実質的にこの日が最後となる。


    溶岩の岩壁


    そこにはハタザオの仲間が生えていて、既に結実していた。


    根元の葉を見てみると星状毛がたくさん生えている。これはフジハタザオであろう。まだ花を見たことが無い。


    ベニバナイチヤクソウ。葉は多く見かけるが花はあまり咲いていなかった。


    結実したコバノイチヤクソウ


    コケモモ群生


    樹林の中に咲いていたゴゼンタチバナ


    キソチドリ。あまり数は多く無い。


    ミヤマフタバラン。比較的良く見かける。


    まだ蕾だった。


    イタドリの雌花。この赤い花は別名メイゲツソウとも呼ぶらしい。


    ハクサンシャクナゲが満開


    ヤナギは苦手だが、調べてみるとミヤマヤナギという種のようである。


    種になった綿毛が風に舞っていた。


    樹氷のような真っ白なコケ、ミヤマハナゴケ。

 さて、肝心の探し物は座標を教えてもらったものの発見出来ず通り過ぎてしまった。また引き返して登山道脇の左右を念入りに探してみるがまたしても見つからず通り過ぎてしまう。いただいた周辺景色の写真を片手に再度探してみると、針葉樹林の葉に隠れるように小さなシダが生えていた。


    高さ5㎝ほどの極小のシダ。


    ミヤマハナワラビ。よくぞこんな小さなシダを見つけ出したものである。


    まだ出始めたばかりだった。

 他の場所にもあるのではないかと地面を覆う木の枝をめくりながら探してみたが、見つかったのは教えていただいたこの2株のみであった。生育場所が分かっていても自力で探すのはとてもではないが困難な代物であることが良く分かった。ひとまずは見ることが出来て良かった。花仲間に感謝である。

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「山梨のシダ」写真展を開催します

2021年07月22日 | 番外編
 シダを追いかけるようになった当初からこの写真展を行うことを目指してきました。ラン科やキンポウゲ科など、美しい花を咲かせる植物は確かに魅力的で見つけると感動と安らぎを感じます。それに比べて花を咲かせないシダ植物は地味に見えますが、生物の中でも長い間生き続けてきたシダ植物は様々に分化して環境に適合して生きて行けるように進化しています。シダだけでなくそれが生育している環境を一緒に見て行くとシダの素晴らしさと環境に適合した美しさが見えるように思います。今回の写真展が開催できるのはご指導いただいた櫻井八洲彦先生があってこそのものです。連名での写真展を開催することとなりました。会場はあのテレビドラマ「ゆるキャン」で有名になったアウトドアショップELKです。ご都合よろしければ是非お越しください。過去の写真展よりもいっそう力の入った写真展となっています。



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再び八ケ岳花散策  令和3年7月17日

2021年07月22日 | 山に咲く花
 先週に続いて八ヶ岳の花散策であるが別の場所である。この場所もここ数年のこの季節の恒例となっている。


    登山道脇に1本だけオニノヤガラが生えていた。もうすぐ咲きそうである。


    鹿の食害で激減してしまっているエゾスズラン。群生した株は今年は見当たらなかった。


    なんとか生き残ってくれているケブカツルカコソウ


    この花もまた鹿の食害でだいぶ小さくなってしまった。


    ヤマトキソウは食害に遭っているわけでは無さそうだが、今年はあまり見かけない。


    葉のみで花を咲かせていない個体が多数見られた。


    ヤマサギソウは笹に飲まれて減少傾向にある。


    ヤマサギソウの花。上萼片はバンザイするように上向きに開き、距は長く緩く下向きに曲がるものが多い。


    クチバシシオガマ。ヨツバシオガマから名前が変わったらしい。


    タカネグンナイフウロもだいぶ数が少ない。


    ムシトリスミレはもう花が散って結実しかけていた。


    ニョホウチドリはほぼ満開。しかし、登山道脇では今年は発見出来なかった。


    カモメランはもう終盤である。花が確認できたのは2株のみ、葉の数は年々減少しているように見受けられる。


    タカネアオチドリ。これも笹に飲まれつつあり、個体数は少ない。


    もう終盤で唇弁はしおれ始めている。


    新たな場所で発見したタカネサギソウ。この花は意外と数が多いことが分かってきた。


    先週は発見出来なかったコハクランであるが、今回は同行した花仲間が探し出してくれた。


    この株は根元が傷んでいて倒れかけていた。


    6月に設置した保護ロープ。たるんでしまっているのではないかと心配していたが丈夫なロープでほとんどたるんでいなかった。

 保護ロープの修復が必要になるのではないかと思っていたのだが、杭は抜けておらずロープもしっかりと張られていた。ロープ設置の効果はあったようで、今年は草地内の踏み跡はほとんど無かった。しかし、草地内の貴重な花が増えているわけでは無く、今後どうなって行くのか、厳重に経過を見る必要がありそうである。

 地味な植物も見て回って来た。


    ヒメハナワラビ。ほぼ例年通りであるが、もともと個体数が少ない。


    イワスゲ。山上ではあまり珍しく無い。


    小穂は茶色でスリムである。雌小穂の鱗片は細くて長い。


    ミヤマウシノケグサではないかと思われる。


    これはカニツリグサの仲間と思われる。


    芒は長く、真直ぐなものと折れ曲がったものがある。


    茎には軟毛が密生している。これはリシリカニツリではないかと思われる。

 まだ勉強不足のイネ科植物は同定に全く自信が無い。これからの課題であるが、8月に北岳再訪する際には時間の許す限りじっくりと観察してきたいと思っている。おそらく、八ヶ岳も再訪することがあるだろう。


    心配していたこの花はもう終わっていた。ロープを張ったが撮影のため周辺の草がむしり取られているのは非常に残念である。

   
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あの花は今年も咲いただろうか?  令和3年7月15日

2021年07月22日 | 花・花・花
 何ヶ所かで生育を確認している花であるが、なかなか時間がとれないうえに雨が続いていて訪問する機会が訪れなかった。もうそろそろ満開を過ぎている頃であろう。少し早く仕事が終わったので高速道路を使って移動し、花を見に行ってみる。夕立が来そうな空模様で薄暗い森の中にそっと入ってみる。


    もう終わりかけている花が多かった。


    今年も無事に咲いてくれたキンセイラン。


    ちょうど見頃の個体も残っていた。


    昨年に比べると少し花数が少ないように見えなくもない。


    小さな個体も確認。全体的な数は昨年とあまり変わらなそうである。


    大急ぎで場所を移動してもう1ヶ所。


    ほころび始めていたオオヤマサギソウ


    3分から5分咲きといったところだろうか。蕾のものも多い。


    ラン菌の活性が低いのか、花を咲かせずに立ち枯れしている個体が多いのは残念である。

 今回訪問した場所のキンセイランは踏み跡が少なく無事に咲いてくれているが、有名になって昨年多くの訪問者が訪れていた別の場所はどうなっているのだろうか?花はもう終わっている可能性が高いが、機会があれば状況を見に行ってみたいと思う。

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石灰岩地に生える植物  令和3年7月11日

2021年07月21日 | 山に咲く花
 雷に追われるように下山してきた八ヶ岳だが、駐車場まで下りると雲が巻いているのは山の上だけで裾野のほうはまだ青空が見えていた。これならば日没までにもう1ヶ所回れそうである。場所は離れているが、石灰岩地の岩壁に探している植物が生育しているらしいという情報を耳にした。まだ花が咲いているかどうか分からないが、急いで移動して見に行ってみることにする。


    普通に見かけるが特に石灰岩地を好んで生育するオウレンシダ。群生している。


    ヤマイヌワラビに似ているがちょっと違う。


    小羽片の中央寄りに胞膜のある三日月型ソーラスが付着している。


    カラクサイヌワラビかと思ったが鱗片の中央に茶褐色の帯が無く、これはヒロハイヌワラビではないかと思われる。


    石灰岩地を好むこのシダが生えている。


    イチョウシダ


    赤い種になったマツバニンジン


    まだ花は咲いていないが、毛が多くて花が少なく、これは石灰岩地に特産するトダイハハコとみて間違い無さそうだ。


    トダイハハコ


    カワラサイコは石灰岩地を好むわけでは無いがこの場所に咲いている。


    見たかった植物はこれである。


    花はもう散ってしまっていたが、葉の形から見てイワシモツケであろう。

 石灰岩地を好むイワシモツケは山梨県では生育場所が極限られている。三ツ峠にもあるらしいのだが、おそらく岩壁の間に生育しておりロッククライミングが出来ないと見るのは難しいであろうと思われる。今年は訪問時期が遅くて花を見ることが出来なかったが、来年は確認してみたい。

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八ケ岳花散策 令和3年7月11日

2021年07月21日 | 山に咲く花
 見ておきたい花や新しく情報をいただいた花など種々あって、この季節の八ケ岳訪問は恒例となっている。探しているが見つからない花もある。今年も訪問してみることにする。


    笹の中に隠れるように生えていたエゾスズラン。鹿の食害でだいぶ減ってしまっている。


    イネ科の植物も見て回るが分からないものばかり。良い図鑑も持ち合わせていない。これはイワノガリヤスか?


    同じもの?それとも別物?そのうち見分けられるようになるのを期待したい。


    これはヒメカンスゲか?


    雌鱗片が茶色いものがあったはずだが見つからない。


    草原の中には初めて見るスゲが群生していた。おそらくこれはクロカワズスゲだろう。


    図鑑で調べてみても良く分からないスゲ。


    ヤガミスゲの仲間と思われるがクシロヤガミスゲという外来種に良く似ている。


    ヒカゲノカズラ


    マンネンスギ いずれもまだ胞子穂を出していない。


    結実したウスギオウレン


    イチヨウランの葉


    咲いていたのは1株だけだった。


    見たかったのはこの小さな緑色のラン。


    風に揺られたか、それとも踏まれたか?倒れてしまっているものがあった。


    小枝を立てて支えてやる。なんとか結実してくれれば良いのだが?


    米粒ほどの小さな花だがランの形をしている。昨年に比べて花を咲かせている個体は少ない。


    やっと見つかったこの花、ヒロハトンボソウ。


    若干時期が遅く、少し痛み始めていた。

 コハクランも探していたのだが、昨年も今年も一株も見つけられなかった。かつて3株見ているので、どこかできっと生育していることを期待したい。

 午後から雨の予報だったが、思っていたよりも天気は持ってくれた。ところが隣の山の尾根に雲がかかり始めたかと思ったらすぐに雷鳴が轟き出した。これはまずいと急ぎ足で下山を始める。あと15分ほどで下山できるところまで来たが、そこで遂に雨が降り出してしまう。尾根の上のほうでは雷が鳴っている。カッパを着て雷雲にはつかまらずに無事に下山してきた。山の上の雷は怖い。

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乙女高原のスゲ探索 令和3年7月10日

2021年07月14日 | スゲの仲間
 もう少し早い時期に訪問したかったのだが天候が悪かったりなかなか時間がとれなかったりと、この時期になってしまった。雄しべと雌しべを出していたスゲの正体がずっと気になっていたのだが、もう少し遅くて果胞が落花してしまっているかも知れない。午後からは雨が降る予報なので少し早めに訪問するはずだったのだが、別件の資料を作成したりしていたら時刻はあっという間に10時になってしまった。到着したのはお昼近くである。


    青々としたヤチボウズになっているタニガワスゲ。穂はほとんど落ちてしまっている。


    残っていたタニガワスゲの小穂。雌鱗片は細長く両側が赤紫色。果胞も嘴が細長い。


    気になっていたのがこのスゲ。やはり少し訪問時期が遅く、大部分の穂が倒れて落ちてしまっている。


    残っていた小穂


    雌小穂の鱗片はタニガワスゲに比べて短く両脇の赤紫色の部分が狭い。果胞の嘴は短い。


    別の湿地に生えたいたもの。


    これもおそらく同じもの。オタルスゲで間違い無いように思う。


    エナシヒゴクサと思われる。


    アカンスゲは長い柄を伸ばしたようだが、もう倒れて小穂は落下していた。


    別のスゲの仲間が生えていた。


    やや大型の初めて見るスゲである。


    図鑑で調べてみると、オオカワズスゲというスゲのようである。


    オシダのジャングル


    イボタノキだろう。


    青々と草の茂った草原


    アヤメはもうそろそろ終盤である。今年は櫛形山のアヤメを訪問出来ずに終わってしまいそうである。


    まだ蕾のキンバイソウ


    少しだけ咲き始めていた。


    ミツモトソウとヒメキマダラセセリ

 確認しておきたかったスゲはやはり少し時期が遅くなってしまったが、残っていた小穂を観察する限りではオタルスゲで間違いないと思う。新たにオオカワズスゲというスゲにも出会うことが出来た。

 もうひとつ探し物があったのだが、個体数が少ないうえに持っている情報も少なく、怪しき場所を何ヶ所か散策してみたが発見出来なかった。


    クモキリソウの群生


    これとは違うクモキリソウがあるらしいという噂を聞いたのだが、発見出来ず。

 またの機会に探してみたいと思う。

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小雨の中の植物観察 南部町 令和3年6月30日

2021年07月05日 | 里に咲く花
 午前中はあまり降らないだろうと思って南部町まで足を運んだが、山の中に入ると霧に巻かれさらには小雨が降り出してしまった。この天気ではレンズに水滴が付いたり結露したりしてあまり良い写真は撮れないであろう。予定していた渓谷道は途中までで諦めることにする。こんな天気でもどうしても確認しておきたい植物があった。


    林道脇に生えていた大きなシダ


    裂片には鋸歯がある。


    長楕円形ないし三日月型のソーラス


    太い葉柄と真っ黒な鱗片。これはオニヒカゲワラビであろう。


    同じ場所に生えていたこのシダは同じものか、それとも別物?


    ソーラスを見ると楕円形、鱗片は茶色だった。どうやらシケチシダのようである。


    林道の下に大きなシダが生えていた。一見オオバノハチジョウシダかと思ったが画像下側にあるのは明らかにオオバノアマクサシダだ。


    良く見てみると第一羽片の下向き第一小羽片が異様に長い。かつ、羽片先端部の小羽片が長い。これはオオバノアマクサシダであろう。


    別の場所を訪問。最初はノキシノブと思ったが葉の幅が広い。


    ソーラスは付いていないが葉脈の形から見てこれはヒメサジランと思われる。


    ベニシュスランを見に行ってみる。昨年よりも苔が脱落していて数が減っている。


    咲き始めた花に出会えた。


    少しほころんだベニシュスラン


    さらに別の場所のベニシュスランを見に行ってみる。


    こちらはまだ蕾。あと1週間もすれば見ごろになりそうである。


    コクランを見に行ってみる。


    ほころび始めたばかりだった。


    どうしても見ておきたかったのがこのエビネの仲間である。


    まだ葉が展開したばかりである。4月に訪問した時に花芽だと思ったのは出始めたばかりの葉だったようだ。


    年を越した葉がまだ青々としている。


    まだ花芽が見えていない。今年は咲かないのか、それとも8月ごろに花を咲かせてくれるのか?

 確認しておきたかったエビネの仲間は普通に見るエビネとは別のものであることが分かってきた。花芽が無いことが気になるが咲くとすれば8月ごろであろう。山梨県ではほとんど知られていない夏のエビネの期待が高まって来た。

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初夏の北岳を訪れる(2日目後編) 令和3年6月26日

2021年07月03日 | 高山に咲く花
 北岳山荘を折り返してトラバース道に向かう。キタダケソウが楽しみであるが石灰岩が混じるこの登山道沿いには花だけでなく変わったシダも多く生育している。ペースが遅れてしまい他のメンバーには申し訳ないのだがじっくりと観察しながら歩いてみる。


    ミネズオウ


    山梨にはベニバナは無いと思っていたのだが、うっすらピンク色の個体があった。


    岩間に生えるミヤマムラサキ


    まだ葉を展開したばかりのヤツガタケシノブ。葉が細くて別物のように見える。


    別の場所でも発見。


    石灰岩地を好むイワウサギシダはまだ葉を展開していなかった。


    キタダケソウ。盛期は過ぎているがまだ十分に見られる。


    間ノ岳が後ろに見える場所だが、この時間にはもう雲に巻かれてしまった。キタダケソウの中に3~4割くらいハクサンイチゲが混じっている。


    ミヤマクロユリはまだ咲き始めたばかり。


    ミヤマアワガエリ。群生しているかと思ったがぽつぽつと生育している程度だった。


    分からないのがこのナズナの仲間。茎や葉にほとんど毛が無いが茎の根元の部分だけ毛が生えている。根生葉が見えないがミヤマハタザオだろうか?


    葉はやや広めで浅い鋸歯がある。茎には毛が多い。根生葉が見えないがこれはウメハタザオと思われる。


    入山するたびに探していたこの花だが自力で発見出来ず、案内していただきようやく見ることが出来た。


    運良く花が咲いていた。これはクロミノウグイスカグラ。

 ゆったりペースで歩かせていただきお昼頃に八本歯のコルに到着した。ここから何本もあるハシゴ下りとさらに雪渓を下りることになる。準備していたチェーンスパイクを車の中に置き忘れてきてしまい一抹の不安があったが、ベテランの仲間がアイゼンを貸してくれて無事雪渓を下ることが出来た。


    雪は少ないと言われつつも結構長い雪渓を下る。メンバーにちょっとしたトラブルもあった。


    青々としているカラフトメンマ


    カラフトメンマと雲に巻かれた鳳凰山


    こちらにもシロウマオウギが生育していた。


    咲き始めたばかりのミヤマハナシノブ


    ミヤママンネングサはまだ蕾


    橋を渡る。崩落していてガラガラである。


    オオメシダ。下にあるのはイッポンワラビ。


    ミヤマシダの群生。形も大きい。


    もう終わりかけているテンナンショウ属。葉は2軸、仏炎苞の高さは葉と同じくらいだが、これはユモトマムシグサとするべきだろうか?

 仏炎苞が赤紫色のテンナンショウ属を以前に大樺沢で見ているので探しながら歩いたが、咲いていた場所に葉はあったものの花には出会えなかった。時期が早いのか、あるいは今年は咲かないのかも知れない。バスに乗り遅れるのではないかと途中は少しピッチを上げたが、最終の4時40分には十分に間に合うところまで下りてあとはゆっくりと歩いて広河原に到着した。着いて一休みした途端に雨が降り出してきた。分からない植物が多々あったが、初めて出会う植物もたくさん見ることが出来た。天候もなんとか持ってくれて実りある北岳山行だったと思う。

コメント
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