山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

流れなかったオリオン座流星群 精進湖  平成30年10月22日

2018年10月24日 | 星空
 10月20日の深夜から空が晴れて甲府盆地の町灯りに負けないくらいの星が輝いた。翌日の21日は少し雲が広がったものの夕方にはまた空が晴れて美しい12夜の月が昇って来た。オリオン座流星群が極大を迎えるのは22日の未明から早朝にかけてで、特に明るい12夜の月が沈んだ未明2時ごろが見ごろになるはずである。前日も朝まで北天の空の撮影を行っていたが昼近くまで寝ていたのでさほどの寝不足では無い。しかし22日の朝からの勤務を考えるとある程度寝ておかないと支障が出てしまう。そこで、夕方に撮影予定地の精進湖湖畔に行ってカメラをセットしておき、深夜まで寝て未明から撮影開始する作戦に出る。夕方6時に精進湖湖畔に到着すると既にずらりと車が止まっている。半分は月と富士山を狙っている人、半分はその後のオリオン座流星群を狙っている人たちだった。今後も車で乗り付けてくる人が居るであろうから、車のライトを避けるために湖の左端にカメラと三脚をセットして予定通り7時に車の中で寝る。


    精進湖に昇る月

 目が覚めたのは深夜の11時半だった。未明1時まで寝るはずだったのだが少し早く目が覚めてしまった。オリオン座と冬の大三角形が昇って来ていたのでセットしていたカメラのインターバル撮影を開始する。さらに簡易赤道儀をセットしてオリオン座から冬の大六角形を含めた構図で放散するオリオン座流星群を狙って追尾撮影を開始する。さらにもう1台をセットして3台のカメラを使ってオリオン座流星群を迎撃することにした。セットが終わればあとはカメラ任せなのでもう一寝入り・・・となるはずだったのだが、そうは問屋が卸さなかった。空に雲が出始めたかと思ったら今度は湖畔に霧が出始めた。そして恐れていたレンズの結露が始まってしまった。


    おおいぬ座が昇り始め、17㎜レンズの画角ではもうオリオン座は入り切らない。


    次第に雲が出始め、さらには湖畔に霧が出始めてしまう。


    11㎜レンズで捉えた富士山と冬の大三角形。


    富士山の上におおいぬ座が昇り、月の残照で雪を被った富士山が白く輝く。この時間に上から降って来るオリオン座流星群を狙っていたのだが・・・


    雲が増えてきた。


    遂に富士山の空は雲に隠れてしまう。1時間15分ほど撮影を行ったが流星はひとつも写らず、肉眼でも全く確認できなかった。


    こちらは赤道儀で追尾した画像。


    雲が多くしかもレンズの結露が酷く全く撮影にならなかった。

 未明2時半で撮影をあきらめて撤退、自宅に戻る。ところが、甲府まで戻るとそこは雲ひとつない星空が広がっていた。自宅近くの高台に行って追尾装置をセットしてから寝ることにする。しかし肉眼では全く流星群は流れてくれない。前日の未明には大きな流星1個と小さな流星1個を目撃していたので極大日のこの日を期待していたのだがどうやらダメなようだ。


    朝まで追尾した画像の中に1個だけ写っていた流星。あまり大きいものでは無い。


    トリーミング。横向きに処理してあるが実際の空では下から上に向かって流れた。

 オリオン座流星群はもともとそれほどたくさん流れるわけでは無く、1時間に10個程度と予想されている。しかし放射点がオリオン座とふたご座の間あたりと位置が良く、冬の大三角形の中を横切るように流れる流星が期待できる。かつ、大きな流星が流れ易いとも言われており、期待していたのだが残念な結果に終わってしまった。スライド上映会では主にふたご座流星群であるが『流星の空』という映像を準備しており、うまく撮れれば今回のオリオン座流星群の画像も入れようと思っていたのだがなかなか思ったようには行かない。

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剣ヶ峰に昇るパール富士 朝霧高原  平成30年10月22日

2018年10月23日 | 月富士
 昨日の夕方は快晴の空だったがこの日は雲が広がってきた。朝霧高原からパール富士が狙える日だったが夕方には富士山に雲が巻くだろうと予想していたのだが午後3時になってもライブカメラで富士山が見えていた。混雑するだろうから行くかどうか迷っていたのだが、この日のパール富士は時間帯が良く、日没約5分前に月が現われるのでうまくすれば山頂付近の赤く染まった残照のパール富士になるかも知れない。迷いに迷ったがこういう日は行かないとあとで後悔するので行くことにする。予想通り駐車場はいっぱいだったが都合良く1台移動した車がありそこに止めて目的地に移動する。


    少し雲が出たがこのくらいなら月は撮れる。しかし、西の空に雲が出てしまい紅富士にはならなかった。


    構えた位置は富士山の剣ヶ峰に月が昇って来る場所。真ん中の位置も空いていたのだが残照にならないので剣ヶ峰を狙った。


    剣ヶ峰の建物に慎重にピント合わせしたつもりだったが若干ピントが甘かった。


    剣ヶ峰に昇る月。十三夜の月なので少し歪んでいる。


    とりあえずは剣ヶ峰に昇るパール富士、撮影成功。


    あっという間にショーは終わり。

 何度も撮っている朝霧高原のパール富士であるが、やはり山上から見るパール富士を経験してしまうと朝霧高原のパール富士は物足りなさを感じてしまう。そんなことを言ってしまうと、撮影に行きたくても行けない人たちや月に失礼になってしまうかも知れない。

 さて、今回の『山と花と星の奏でる上映会』ではこのパール富士を含めた『山上の月』を上映する予定である。今年の元日に見た思親山のパール富士はこのうえなく素晴らしかったが、そのような印象に深かった月の画像を綴って送る。


    新春のパール富士 思親山から見た今年のベストパール富士だろう。


    スーパームーンのパール富士 今年の1月2日のスーパームーンパール富士である。十枚山は登りも下りも辛かった。


    厳冬の権現岳に昇る月 八ヶ岳西岳は風も無く穏やかな月光夜だった。


    残月輝く白根三山 5月連休の鳳凰山から見た景色である。


    七面山敬慎院に昇る黄金の月 出張先の大宮市からの移動で渋滞に巻き込まれ、時間ギリギリで必死に登って撮影した夕暮れの月である。

 上映会にご期待ください。
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北天の空 甲府駅界隈を散策  平成30年10月20日

2018年10月23日 | 番外編
 着々と進んでいる上映会に向けてのビデオ編集であるが、廻る北天の空の画像がまだ何カットか足りない。天気予報では夜から空が晴れてくるようで久しぶりに星空撮影のチャンスである。山の上に行きたいところだが仕事があり編集作業もやらなければならないので登っている余裕は無さそうである。ちょうど午後から電気系統のチェック作業で職場が停電になるとのことで、甲府駅の界隈で撮影に良さそうな場所の下見に出かけた。


    甲府駅南口の信玄公銅像。以前から狙っている場所であるがまず夜間のライトアップが邪魔なこと、さらに後ろのNHK塔と駐車場のライトも邪魔。ここで星が撮れるのか??


    舞鶴城公園の天守閣。ここもライトアップされているので撮れるかどうか?


    この建物が気に入っていたのだが北天の空を見上げる撮影ポジションが無く、ここは無理。


    北口のこの建物も候補だったがイベント中で邪魔なものがあり不可。

 昼食とお茶を飲んで時間をつぶし、再び職場に戻って編集作業を再開する。そして深夜12時を過ぎて月が西の空に沈みかけた頃から活動開始である。


    舞鶴城公園主郭跡。月光に照らされた城壁の上にオリオン座と冬の大三角形が昇って来た。


    下見しておいた天守閣に行くが、ライトアップに加えて明るい電柱がきわめて邪魔で、フレアが出過ぎる。


    位置を変えて電柱のライトが直接入らない場所、かつ後ろのタワーマンションが木に隠される位置でカメラをセット。なんとか星は写りそうである。

 1台のカメラは舞鶴城公園にセットしてインターバル撮影開始し、そのまま放置して信玄公の銅像前に移動する。


    NHK塔が隠れ駐車場ライトが1基隠れる位置でカメラをセット。普通に撮れば銅像は撮れるが空は真っ暗。


    露出オーバーにして星を狙うと駐車場とライトアップの明かりでフレアが出てしまうが止む無し。少しは星が写る。


    さらに幽霊が・・・では無くて無視できないほどのムシが飛んで来る。

 2台のカメラをセットしてあとは1時間半ほど時間をつぶすが、駅前は酔っ払いが多いので触られると困るのでカメラの周辺をウロウロ・・・していたのは最初の30分だけであとは吉野家の牛丼を食べに行ったりコンビニに行って立ち読みしたりと時間をつぶして、未明2時半にカメラを撤収。まずは舞鶴城公園のカメラを回収して次に車を回収して最後に信玄公銅像のカメラを回収する。撮影した画像は全てRAW画像なのでパソコンで調整してJPEG画像に変換してさらに比較明合成と作業を行うのだが、1,000枚を超える画像の変換には翌日の丸1日を費やしても終わらなかった。そして出来上がったのが以下の画像である。


    舞鶴城公園の空。ちょっと雲が多かった。


    武田信玄公の空。星の数は少ないがなんとか廻っている。

 凄い星空とは言い難いがライトアップされている建物や銅像を前景に星空がこのくらい写ってくれればかなり良いほうだろう。これらの画像を使って編集を行う予定である。

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『山と花と星の奏でる上映会』予告 

2018年10月17日 | 番外編
 平成30年11月4日に開催を予定している『山と花と星の奏でる上映会』に向けて現在映像の編集作業が進行中です。まだ足りない画像もあるのですが、なんとか開催の目途が立ちました。




 上映予定の作品のいくつかを紹介します。


 『日本の名峰 秋』

 日本百名山は現在60座ほど登っており、その中から撮影のうまく出来た山を映像で綴ろうと思いましたが、あまりに画像が多過ぎたので今回は秋らしく秋に訪れた山に限って編集してみました。


 ナナカマドの紅葉が素晴らしかった涸沢から見る奥穂高岳です。


 月光が照らした涸沢の夜です。テント場いっぱいに張られたカラフルなテントが綺麗でした。


 紅葉真っただ中の朝日岳連邦です。大朝日岳小屋は大混雑でテントを持って行って正解でした。


 若干紅葉には遅かった九重山ですが天候に恵まれて素晴らしい山行が出来ました。


 今年訪れた大雪山旭岳です。秋の夕陽に照らされて山肌が赤く焼けました。


 『Silent Star Night』

 昨年6月に開催された上映会の際に上映したものをリメイクしたものです。今回は山上から見る静かな星の輝く夜の景色をふんだんに取り入れてみました。


 竜ヶ岳から撮影した富士山の上に輝くオリオン座と冬の大三角形です。木の枝が空に延びる景色が気に入っていましたが、この木は伐採されてしまいました。


 石割山から撮影した富士山と天の川です。雲海が出てくれたおかげで町灯りが遮られ、天の川が見えてくれました。


 先日訪問した北岳から撮影したおおいぬ座と冬の天の川です。北岳山頂の右側にはカノープスが昇って来ています。


 鳳凰山観音岳から見る雲海の富士山です。薄明の空には金星と冬の大三角形、オリオン座が昇ってきました。忘れられない夜明けの景色です。


 『月食の赤い月』

 今年は2度の月食があり、1月の月食は想定外に空が晴れて素晴らしい月食が見られました。2度目の7月の月食は甲斐駒ケ岳山頂に沈む月没帯食の赤い月を撮る予定でしたが台風に阻まれて撮影成りませんでした。過去に見た3度の月食の月を編集して上映します。


 平成26年10月、空は雲に覆われてほとんど月が見えませんでしたが、一瞬の雲の切れ間から皆既直前の赤い月が姿を現しました。この後は再び雲の中でした。


 平成23年12月、滝子山から撮影した富士山と月食の月です。皆既した位置が高く、超広角レンズでようやく画角に入りました。


 この当時は月食の赤い月の撮影法が良く分からず、この程度の画像しか撮影出来ませんでした。


 平成30年1月、精進湖から見る月食の赤い月です。11㎜広角レンズでようやく画角に入る高さだったので、映像はほとんどが縦位置で撮影しています。


 赤道儀を使って月を追尾して撮影することにより、これだけの画像が得られるようになりました。


 月食の赤い月の行程を合成したものです。

 全部で12本くらいの上映を予定しています。新しい画像を取り込みつつ現在編集が進んでいます。持てる画像の全てを出し切った上映会にしたいと思っています。皆さまのご来場を心からお待ちしております。
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夜明けの北岳と探しものの植物 北岳2日目 平成30年10月8日

2018年10月10日 | 山梨百名山
 未明3時半に北岳北峰に登り、いちばんのお目当てだったカノープスが南峰の右側に現れるのを写真だけでなく肉眼でも確認した。南の低空に現れるカノープスは霞が出たり雲が湧いたりするとすぐに見えなくなってしまうのでなかなか肉眼で見るのは難しい。昨年10月の連休には甲斐駒ケ岳黒戸尾根から北岳の左脇に輝くカノープスを撮影したがその時は肉眼で確認することは出来なかった。北岳南峰からならば農鳥岳あたりに昇って来るカノープスを見るのはさほど難しく無いであろうが、今回は角度的に見えるかどうか微妙な北峰からの観察だったので、この星が見えた時の感動はひとしおだった。日の出まで北峰で撮影に熱中し、南峰(北岳山頂)を越えて八本歯のコルを経由して下山することにする。


    薄明の北岳に輝くシリウスとカノープス


    北岳北峰から見る日の出


    雲海を照らす朝日


    富士山と朝日


    雲海の甲斐駒ケ岳


    朝日射す間ノ岳


    北岳と雲海に浮かぶ富士山


    雲海広がる鳳凰山


    混雑する北岳山頂と甲斐駒ケ岳。ここは休まずにスルーしてその先の岩陰で朝食と休憩をとる。


    雲海迫る間ノ岳


    別の場所から間ノ岳


    雲海の彼方に浮かぶ富士山


    別の場所から雲海と富士山


    雲湧き上る間ノ岳

 トラバース道に下りる途中から寝不足の疲れが出てきた。気温が上がってきたこともあるが異様に汗をかく。あまりゆっくりしているとますます疲れが出てきそうなので早く下山したいところだが、なかなかピッチが上がらない。さらに買い換えてまだあまり経っておらず履き慣れていない靴のつま先が痛くなってきた。八本歯のコルから下のハシゴを慎重に下り、さらにその先の二又までの石ゴロゴロの道は果てしなく長く感じた。なんとか午後2時のバスに間に合ったが、バスは混んでいて立ち乗りになりそうな気配だったので乗り合いタクシーに乗って芦安まで帰ってきた。

 寝不足、かつ体力不足でヘロヘロ状態での下山となったが、それでもミッションである高山性のシダの探索は行ってきた。岩の間を覗き込んだり変なところを歩いたりしている私は登山者から見るとかなり変なおっさんに見えたことだろう。


    9月に訪れた際に見つけたタカネシダ。あたりを探してみたら大株が何株も見つかった。


    胞子嚢群は葉の真ん中近くどころか、葉の裏に山盛りになっていた。


    探していたのはこんな感じのシダではないか?


    数は少なかったが岩の間から姿を現した大株を発見。


    枯れかけていて確定は出来ないが胞子嚢群は葉の周辺に寄っている。おそらく間違いないはず・・・。

 探していた高山性のシダと思われるものを発見したが枯れかかっていて確定には至らなかった。しかし、標高2,800mから3,100mの高地に生えるシダはそれなりに限られてくるのでおそらくはこれで間違いないのではないかと思う。また来年会いに来よう。

 これにて、今回の北岳のミッションはコンプリート。

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満天の星が輝く北岳の空 北岳2日目  平成30年10月8日

2018年10月10日 | 星空
 目覚まし時計は未明2時半にセットしたが1時半に目が覚め、2時から準備して小屋の外に出る。前日の夕方から眼下に雲海が広がった北岳は未明になっても雲海がそのまま広がっており、町灯りを隠してくれたおかげで満天の星空となった。前日セットしてそのままインターバル撮影を繰り返していた1台のカメラは約420枚の連写でメモリーカードがいっぱいになって停止していた。想定していた通りにオリオン座と冬の大三角形が富士山の上に昇って来ており、あと1時間もすれば今朝のいちばんの目的の星も見えてくるはずだ。道は間違えないとは思うが念のためGPSの電源を入れて山頂目指して出発する。


    甲斐駒ケ岳を廻る北天の空。前日仕掛けておいたインターバル撮影363コマ、約1時間半を比較明合成したもの。テント場のライトの光害があり約60コマはカットした。


    富士山の上に昇った冬の大三角形。北岳肩の小屋前から撮影。


    仙丈ケ岳に立ち昇る天の川。天の川の中にカシオペア座が隠れている。


    両又小屋分岐から見上げる北岳と冬の大三角形


    北岳北峰に到着。ここから見る北岳南峰(山頂)と富士山のバランスが素晴らしい。南峰の上に冬の天の川が立ち昇る。

 予定していた通りの未明3時半に北岳北峰に登り着いた。まだ誰も登って来ておらず南峰(山頂)の上にヘッドライトの明かりは見えない。見えるかどうか疑問だった南の低空に現れるはずの星は現れるのだろうか?冬の大三角形の昇っている角度から見ると南峰の右側に現れそうである。と思っていたら到着してから10分後くらいにそれらしき星がカメラに写って来た。肉眼で見ても明らかに輝いているのが見える。これこそ、今回いちばん見たかった星、南極老人性カノープスである。


    北岳に昇る冬の大三角形とオリオン座。冬の大三角形が指し示す先、北岳南峰の右側低空に輝いているのが南極老人性カノープス。


    北岳に輝くおおいぬ座シリウスとカノープス


    北岳とカノープス


    薄明の空に輝く冬の大三角形とカノープス。この時間にはもう登山者がやって来た。


    横位置にすると冬の大三角形が入り切らない。


    薄明の甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳。空にはカシオペア座が輝く。


    東の空には細い月が昇って来た。


    薄明の空に昇る月


    雲海広がる彼方に昇る地球照の月


    夜明けの空に地球照の月が昇る


    なんとも美しき夜明けの景色であることか。登って来て良かった。


    夜明けのグラデーション


    仙丈ケ岳の上にはくっきりとアースシャドウが出た。


    もうすぐ日の出。山頂にはたくさんの登山者がやって来た。


    神々しき日の出を迎える

 標高3,100mを越える山上の朝は冷え込んだがダウンジャケットとカッパを着込んで十分に凌げる寒さだった。それ以上に、雲海が広がる景色の上に輝く星たちは下界から見上げる空とは全く別物のような素晴らしき輝きを放ってくれた。久しぶりに肉眼で見たカノープスも満足であるが、1本のレンズの光軸がややずれたようで収差が大きく、周辺の星が三角形に写ってしまうのが残念であった。しかし、これだけの星空が見られれば上出来の上出来で、課題であった廻る北天の空も撮影出来た。

 あとは寝不足の体をうまく操りながら下山すること、さらに余裕があれば、もうひとつの課題である高山性のシダを探すことである。(続く)
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台風去りし好天の北岳へ(1日目)  平成30年10月7日ー8日

2018年10月09日 | 山梨百名山
 8月の八ヶ岳も9月の北岳も星を狙って登ったものの空模様が悪く星空は現れなかった。台風24号が去った1週間前も一時的に晴天の日が続いたが、今度は台風25号が日本海側を通り過ぎて行った。3連休初日の10月6日は強風と悪天候が予想され入山する気にはなれなかったが、翌日の10月7日、天気図から予想して午前中は強風が吹くであろうが次第に収まって天候が回復してくると予想される。その日の夕方から朝にかけては星空を見る絶好の機会になるだろう。こんな日を逃すわけには行かない。早起きして朝一番の芦安5時出発のタクシーに乗り広河原に入る。星撮りのためのいつもの装備であるがカメラ2台に三脚2本、レンズは軽いもの3本を含めて全部で5本持って行く。愛用していたEosM2 は前回の北岳で故障した後、電源が全く入らなくなってしまい修理も考えたのだが星撮りのためには水平照準が内蔵されているカメラのほうが好ましく、EosM5 に新調して出かける。


    広河原から見上げる朝の北岳は雲の中。風が強い。


    紅葉の大樺沢だが、あまり色付きは良く無い。


    大樺沢の紅葉。だいぶ葉が落ちてしまっている。


    振り返って見る鳳凰山高嶺。向こうはまずまずの紅葉のように見える。


    色付いたナナカマド

 3時間かかって二又に到着する。朝一番のタクシーだったが後発のバス乗客にもほとんど追い抜かれたようで、後ろにはあまり人が居なくなった。時刻は午前10時、4時半までに到着すれば良いと思っているので撮影しながらゆっくり登っても十分に時間は足りるはずである。随所で三脚を立てながら右又を登って北岳肩の小屋を目指す。


    右又から見る鳳凰山


    紅葉の右又を見上げる


    次第に風が止み、青空が広がった。北岳が見えるようになってきた。


    空には虹色の彩雲が広がった。


    小太郎山分岐の稜線に出る。小太郎山とアサヨ峰が見えているが甲斐駒ケ岳はまだ雲の中。


    ウラシマツツジの紅葉と仙丈ケ岳。ウラシマツツジの紅葉はほとんど終わっていた。

 小太郎尾根分岐で時刻は午後1時半だった。あと1時間もあれば肩の小屋に到着できるが、ここからは岩の間を覗き込みながら別の課題に取りかかる。9月に訪れた際に見つけられなかった高山性のシダがどこかに隠れているはずだ。大きな岩があるとルートを外れて登って岩の間を覗き込む。変なところを歩いている私を見てルートを間違っていると思った登山者も居たことだろう。しかしながら、なかなか成果は上げられず、午後3時、予定よりだいぶ早く肩の小屋に到着した。飲み物を1本注文すると何度かお会いしている小屋主の森本さんがサービスだと言って1本おごってくれた。

 小屋に入って寝床を準備し外に出ると甲斐駒ケ岳が雲の間から顔を出していた。眼下に雲海が広がり予想を遥かに超える素晴らしい景色が見え出した。


    雲間から姿を現した甲斐駒ケ岳


    雲に巻かれた白い甲斐駒ケ岳。雪を被ったような白い斜面、形の良い三角錐、格好良い。ミラーレスカメラ用の55‐200㎜望遠レンズは軽いながら解像度は十分。


    雲海の仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳


    もうすぐ雲海の中に夕陽が沈む。


    雲海に浮かぶ仙丈ケ岳

 もうすぐ夕陽が沈むというところで夕食の順番の5時10分となりコールがかかる。この日の肩の小屋は混雑しており夕食が3回に分かれて振舞われるために遅れて夕食の席に着くと次の順番の人たちに迷惑がかかってしまう。もう少し・・・と思ったがここは三脚をたたんで夕食の席に着く。食べ終わって外に出た頃にはもう太陽は沈んでいたが、赤く染まった水平線が美しかった。


    日没の甲斐駒ケ岳


    夕暮れの仙丈ケ岳


    もうすぐ星が輝き出す。

 さて、日没を過ぎて暗くなった頃、これからが本番である。まず狙うは夕方の6時ごろから甲斐駒ケ岳の山頂を越えて飛ぶはずの国際宇宙ステーションISSである。手帳を確認するとほぼ6時ジャストから8分間見えるはずなので、6時2分前から連写モードに設定してシャッターを切りっぱなしにする。


    ISSが飛んだ138コマを比較明合成。緩い弧を描いている白い筋がISS。上の直線は飛行機。


    7時40分にもう一度チャンスがあった。左下から真ん中に向かう白い線がISS、真ん中の赤い点線は飛行機。他にも縦の白い線とISSと交差している線も別の人工衛星。

 7時40分のISSは途中で先細りに光跡が消えているが、そもそも人工衛星は自分で光を発しているわけでは無く太陽の光を反射して光って見えている。途中で消えているのはその先はもう太陽の光が届かない夕闇の中ということなのだろう。それなりに貴重な画像が撮れたと思う。


    夕空に見え始めた天の川。他にも良い星がたくさん写っている。北岳の左上に輝くオレンジ色の星は火星、右上、天の川の中に輝くのが土星、さらにアンタレス、木星と続く。


    北岳に立ち昇った天の川。


    甲斐駒ケ岳に輝くカシオペア座(右上)と北斗七星(左下)。北極星はちょうど甲斐駒ケ岳の真上になる。

 想定していた以上の素晴らしい星空となった。しかも雲海のおまけまで付き、そのおかげで町灯りの光害にあまり邪魔されない凄い星空となった。明朝は午前4時までには北岳の北峰に登りたいので登る時間を考えると未明の3時前には出発したいところである。狙っていたISSと天の川は予定通りに撮った。そしてもうひとつ、どうしても撮影しておきたいのが甲斐駒ケ岳の上で廻る北天の空である。7時にカメラをセットしてインターバル撮影を開始したが消灯の8時までだと撮影時間が短すぎる。待っていると睡眠時間が無くなってしまう。迷いに迷った挙句、睡眠薬を8時に飲んでカメラはそのまま撮影しっぱなしで置いておくことにした。深夜のうちにはメモリーカードがいっぱいになって撮影が止まっているはずなのでそれまで放置することにして、8時半にに寝床に入って寝ることにする。(続く)

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秋の草原を訪れる  平成30年10月6日

2018年10月09日 | 花・花・花
 暑かった夏に続いて台風が通り過ぎ、まだ紅葉には早い山梨の山はだいぶ葉が落ちてしまったようである。北海道の紅葉がいまひとつだったことからも今年の紅葉はあまり期待できないように思える。そろそろアザミ類も終わりに近づいている頃であるが山梨県北部の草原を訪れてみた。


    色の濃いヤマラッキョウが花盛り。


    ヤマラッキョウ


    マツムシソウの残り花


    リンドウは天候がいまいちでほとんど開いていない。


    リンドウ


    終盤のノアザミ。


    最後の花を惜しむかのように虫がたくさん吸蜜していた。


    草原はススキが生い茂りすっかり秋の景色である。紅葉にはまだ早いが葉がだいぶ散ってしまっているように見える。


    見たかったのがこの華奢な花。


    台風の影響か、ほとんどが倒れてしまっている。


    花も痛んできているうえに株数も今年は少ないのが心配。

 華奢なツル性のリンドウは昨年に比べるとだいぶ数が少なくなっており、9月に来た時に見かけた数本は台風で飛ばされてしまったのか今回は見当たらなくなってしまっていた。先行きが心配である。
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八ヶ岳の空を廻る星空  平成30年10月1日

2018年10月04日 | 星空
 台風24号の影響で中央線が運休となってしまい甲府に到着したのは午後1時になってしまった。この日は午後3時に内科受診の予約がありなんとか間に合った。台風一過で朝から青空が広がったこの日、午後になっても富士山や南アルプスがスッキリと見えている。ずっと撮れないでいる北天を廻る星空はこんな日でなければ撮影は難しい。北海道から帰ったばかりで疲れはあるものの、山に登らなければ撮影は出来そうである。こんな条件の良い日を逃すわけには行かない。行く先は清里にある丘の公園、あるいは八ヶ岳大橋あたりが良さそうなので内科受診後に中央高速を使って移動する。ちょうど日没の頃に八ヶ岳大橋に到着する。橋の上から八ヶ岳を狙おうと一旦は三脚を構えたが・・・強風が吹き荒れるうえに車の振動で橋が揺れてカメラがブレてしまう。止む無し、橋の上は止めて駐車場の裏側でカメラを構えるが駐車場の街灯がやや邪魔でライトに照らされた木が画角に入ってしまう。これも止む無し。


    八ヶ岳大橋


    橋の上から見る八ヶ岳。ポジションはまずまずだったが強風と車の振動でカメラがブレてしまう。


    八ヶ岳大橋と夕暮れの南アルプス。甲斐駒ケ岳の右上に金星が輝く。


    八ヶ岳の上に輝く北斗七星


    南アルプスの上に天の川が立ち昇ったが橋の明かりが明る過ぎて負けてしまう。


    場所を移動して駐車場の後ろ側で三脚を構える。街頭で照らされた木がやや不自然に見えてしまうが止む無し。


    夕暮れとともに八ヶ岳には雲がかかってしまった。


    八ヶ岳の空を廻る星空。約1時間撮影した185コマを比較明合成。

 1時間半から2時間くらい撮影を行う予定だったのだが風がさらに強くなり、気が付けば三脚が倒れていた。八ヶ岳にかかる雲も多くなり赤岳は完全に隠れてしまっている。本日はここまで、撤退する。満足な撮影とはならなかったが、なんとかスライド上映会には使えそうなくらいの画像が撮影出来た。
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夕映えの大雪山旭岳  平成30年9月29日

2018年10月03日 | 日本百名山
 朝一番の大雪山旭岳ロープウェイに乗り約10時間かけて旭岳山頂、間宮岳、中岳温泉、裾合平と周回し、午後4時20分ごろに鏡池に到着した。一日中天候に恵まれて大雪山の素晴らしい景色を楽しんできたが、期待していた紅葉がいまひとつだったことが残念である。さて、ロープウェイの最終便は5時半なのでまだ1時間ほど時間がある。下りて山麓駅で休むことも考えたが折角の好天気、かつ西側の空にはほとんど雲が出ていない。この天候ならばきっと・・・。日没は5時15分ごろのはずだが標高が高い分だけ少し遅くなるだろう。移動時間を考えてギリギリの5時15分まで鏡池のあたりで夕暮れを待つことにする。その前に、ロープウェイ駅までの移動時間をあらかじめ歩いて計っておき、さらに移動し易いようにザックはロープウェイ駅に置いて来た。10分あれば十分に到着できる。


    大雪山旭岳を映す鏡池


    午後5時、太陽が沈み始めて期待通りに旭岳が染まり始めた。


    次第に赤みを増して行く旭岳


    これくらい染まってくれれば上出来。


    時刻は5時15分になった。もう少し待ちたいところだがもはやここまで。三脚を担いでロープウェイ駅に急ぐ。


    夕陽が沈んで行く。


    最後に摺鉢池で撮ったカット。

 あと5分あれば残照の旭岳が見られたであろうが初めて訪れた旭岳でこれだけの景色が見られれば上出来である。これから日が短くなって日没時間が早くなり残照の旭岳が見られるようになるだろうと思っていたのだがそうでは無いようで、ロープウェイの最終時間が5時に変更になるようだ。きわめて幸運な日に訪れたことになる。

 予定通りに5時25分にロープウェイ駅に到着した。鏡池で途中まで並んで写真を撮っていた若者も駅の近くでカメラを構えていたそうだ。さらに一緒にロープウェイに乗られた札幌から来られた方と仲良くなり、帰りのバスも隣に座らせていただき写真談義や撮影地や旭川のおすすめラーメン店などいろいろと情報を提供していただいた。旭川は山頭火ラーメンが有名だが教えていただいた一蔵ラーメンにその日の夜に寄らせていただき、たいへんおいしかった。

 さて、明日は甲府に戻るのだが台風24号が上陸して簡単には戻れなそうである。午後4時半の羽田行き飛行機を予約してあるが着陸できない可能性が高い。午前の便に変更しようとしたがJALは全ていっぱい、ANAがわずかに空席があったので予約しようとしたがスマホに手こずっている間に満席になってしまった。かくなるうえは・・・函館まで移動して新幹線が確実である。翌朝は6時半の札幌行きの電車に乗り12時半の新函館北斗発北海道新幹線に乗り、無事に5時半に東京に到着した。まだ雨も風も穏やかで予約していた4時半の飛行機も無事に飛んだらしい。ところが・・・中央線が午後5時で高尾から先が全面運休になっており高速バスの予約を試みたがそちらも満席である。止む無し、新宿に宿をとって泊まることにする。今度はスマホから無事に予約が取れて一安心・・・とは行かなかった。台風が通り過ぎた翌朝は青空が広がったが中央線は相変わらず全線運休で高尾から先は全く復旧の目途が立っていなかった。止む無し、高速バスを使うことにするがもはや午前の仕事時間には間に合わず休むことになってしまった。新宿バスターミナルには7時半ごろ到着したが10時45分のバスしか取れず、1時ごろにやっと甲府に到着した。免許証を忘れたことから始まり、宿の予約失敗、さらには台風とトラブル続きの北海道だったが大雪山の良い景色も見られたし、講演会の必要ポイント数も取得出来たし、それなりに楽しい旅が出来た。何よりも救いだったのはガラケーからスマホに電話機を換えてあったことだった。これが無ければ天候の変化や電車の乗り換え時間など調べるのに多大な時間を費やしていたことは間違い無く、下手をしたら甲府に戻るのが1日か2日遅れた可能性もある。まだ使いこなせないところが多いがそれでもスマホは今回大いに役に立った。
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大雪山旭岳山頂から裾合平を経て姿見池ロープウェイ駅へ周回 平成30年9月29日 

2018年10月03日 | 日本百名山
 朝一番の旭岳ロープウェイに乗り姿見池駅周辺を散策しながら約4時間かけて旭岳山頂まで登って来た。かなりのゆっくりペース(というよりも写真ばかり撮っていて先に進まず)で登って来たのでほとんど疲れも無い。山頂はそれなりに混雑していたがそれ以上に私を追い抜いて行ったたくさんの登山者たちはどこに行ったのだろう?周回ルートか、あるいは黒岳への縦走ルートを進んでいるのだろう。私はあまり来ることが無い北海道の山を存分に楽しんで行きたいので、下山のロープウェイも最終の5時半と決めていた。どうせ旭川まで戻るバスも夕方6時なのでそれに間に合えば良い。この先も三脚を担ぎっぱなしで間宮岳から中岳分岐方面に向かって進む。


    大雪山旭岳山頂。間宮岳・黒岳方面に下るが、そちら側はザラついたスリップしそうな急斜面だった。


    雪渓と旭岳山頂を振り返る。緩そうに見えるが結構急斜面である。


    ゴツゴツした山は熊ヶ岳。間宮岳はその裏側になる。裾野の平坦地がキャンプ指定地になるようだ。


    旭岳を振り返る。北海道最高峰だが裏側から見ると穏やかな山容である。


    熊ヶ岳(右)と旭岳(左)


    左が忠別岳、右がトムラウシ山。真ん中のピークは化雲岳の北東側にあるピーク。少し霞が強くなってしまった。


    稜線の間宮岳・中岳方面(左方向)と松田岳・北海岳方面(右方向)の分岐。黒岳はどちらからでも行ける。


    平坦なピークの間宮岳。ここで休憩(といっても写真を撮りながら休憩してばかりいる)。


    間宮岳から見る御鉢平。


    角度を変えて中岳分岐付近から見る御鉢平。


    中岳分岐に到着。

 中岳分岐に12時到着。ほぼ予定通りの時間である。このあたりの稜線は歩く人が少ないのか、それとももう皆さん通過した後なのか、あまり人に会わなかった。中岳分岐を左折して中岳温泉を経由して裾合平に向かう。


    沼の平に続く稜線、比布岳(右)と安足間岳(左)


    裾合平を見下ろす。雄大で美しい景色が広がる。


    硫黄の臭いがしてきたと思ったら下に人だかり。これが訪れてみたいと思っていた中岳温泉。


    岩の間から熱い温泉が湧き出しており、川の水と混ざってちょうど良くなる。


    足湯を楽しんでいるお嬢様たちを後ろから無許可隠し撮り(失礼しました)。手だけ洗って先に進む。


    黄緑色の苔が生えた岩


    間もなくチングルマの海が広がる裾合平に到着。広大なお花畑が広がる。


    青空を映す青い池塘と比布岳山塊。


    綿毛のチングルマと旭岳


    チングルマの海は至るところで広がっていた。花の咲く季節に訪れてみたい。


    綿毛になったチングルマ。向こうのナナカマドはほとんど赤く染まらずに葉が散ったらしい。


    少しだけ残っていたチングルマの紅葉。しかし期待していたナナカマドはほとんど散っておりしかも葉が茶色い。今年は外れだったようだ。


    咲いていた花はこれだけだった。


    遅咲きのミヤマリンドウだと思う。この季節に見られただけでもラッキーである。


    もう終わってしまっているがエゾオヤマリンドウだと思う。咲いていれば素晴らしい景色だっただろう。


    大雪山旭岳を映す鏡池。美しい風景である。


    さらに隣の摺鉢池。

 摺鉢池まで来るともう姿見池ロープウェイ駅は目の前である。時刻は午後4時20分、下車して山麓駅でゆっくり休むことも出来るのだがいずれにしてもバス時間は午後6時である。青空が広がる好天気、かつ日が沈む西側の空にもほとんど雲が出ていない。待っていればきっと見られるはず・・・。1日中天候に恵まれて素晴らしい景色を見て回ってきたがきっと最後にもっとドラマチックな景色が見られるだろうと期待して、ロープウェイ最終時間に間に合うギリギリの5時15分まで鏡池で待つことにする(続く)。
    


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旭岳ロープウェイを使って大雪山旭岳へ 北海道  平成30年9月29日

2018年10月03日 | 日本百名山
 前日に美瑛町の青い池を訪問してから旭川空港乗り換えで旭岳温泉行の最終バスに乗り夕方の5時30分に旭岳温泉に到着した。本日の宿はまだ使い慣れていないスマホを使って初めて予約してみたのだが、確定までしたはずだったのに・・・確認メールを職場のパソコン宛にしてあったのが失敗だった。宿まで行ってネット予約した者だと伝えたが予約が取れていなかったのである。宿のパソコンを借りて自分のメールを開いてみると、予約に失敗したようで確認メールが届いていなかった。もはや旭川に戻る最終バスの時間には間に合わない時間である。宿が取れなければタクシーで旭川空港か美瑛駅まで戻って旭川に帰るか、はたまたビバークシートを被ってロープウェイ駅軒下でビバークするか?なんとか頼み込んで部屋を用意していただき、一家6人で泊まれそうな大きな和室に一人で泊めさせていただくことになった。ここに泊まれなければ明日の登山は難しくなり山頂無しの観光巡りになってしまったであろうが、泊めてくれたホテルに大感謝である。これで朝1番の6時半の旭岳ロープウェイに乗ることが出来る。

 バイキングの夕食をこれでもかというくらいに腹に詰め込み、10時には眠りにつく。明日の天気予報は晴れ、早朝には星が輝いていることを期待して目覚まし時計は4時半にかける。目が覚めたのは4時を少し過ぎた頃だった。薄明の空に星がちらほらと見えてはいるが薄雲がかかっているようで美しい星空にはなっていなかった。星空の撮影はあきらめて部屋に戻って休み、5時にホテルを出て周辺を散策しながらロープウェイ駅に向かう。


    夜明けの空に輝く月


    お世話になったホテルベアモンテ。泊めていただいて本当に助かりました。


    朝もやのかかる旭岳温泉


    旭岳ロープウェイ駅と旭岳

 ロープウェイは6時半に始発の予定だったが6時前には既に20人ほどの乗客が並んでおり、始発時間より30分ほど早い6時に動き出した。朝一番のロープウェイに乗って旭岳に出発である。


    ロープウェイの窓越しに見る旭岳と紅葉の森


    ロープウェイ姿見池から見る旭岳。偶然にも帰りのロープウェイとバスでご一緒した方が写り込んでいた。


    凍り付く池。山麓はもう氷点下になる。


    チングルマの紅葉と噴煙を上げる旭岳


    姿見の池と朝日

 朝日の昇る姿見の池を見たところで本日のコースを考える。時間は十分にあるので黒岳までの縦走も可能であるのだが・・・今回の最大の目的は紅葉の旭岳である。裾合平側のナナカマドの紅葉を期待しているのだが、この日の出の角度だとこれから裾合平に向かっても逆光になってしまうだろう。むしろPLフィルターの効果が期待できる午後3時ごろのほうが撮影には適している。天気はきわめて良好だし、夕方まで持つはずだ。先に旭岳に登り、間宮岳を経由して中岳分岐から裾合平に下りる周回コースを選択する。まず目指すのは旭岳山頂である。


    眼下に雲海が広がった。


    見下ろす姿見の池


    トムラウシから十勝岳の稜線。いつかは歩いてみたいコース。


    十勝岳連邦。紅葉はいまひとつのようだ。


    旭岳を見上げる。薄雪を被った右側が山頂。姿見の池あたりから見える尖ったピークは左側の山。


    噴煙のあがる谷を見下ろす


    同上


    見上げる旭岳山頂。


    黄色い苔の生えた岩


    トムラウシ山から十勝岳の稜線と眼下に広がる美しい谷


    トムラウシ山を遠望。紅葉しているがいまいちに見える。


    ここを登れば旭岳山頂。


    山頂到着。

 さほど急な傾斜も無くちょっと心配していた雪もほんのわずかでアイゼン装着無しで全く問題無かった。三脚をずっと担ぎっぱなしで写真を撮りまくって登って来たため、到着は10時になった。


    これから向かう間宮岳から中岳方面。


    向こうの黒いゴツゴツした山は白雲岳。

 前日までの曇り空が嘘のように晴れ渡ったこの日は山を楽しむにはこれ以上無いというほどの絶好の天候となってくれた。急いで歩くのはもったいない。旭岳山頂まで4時間かけてゆっくり登って来たこともあるのだが、さほど厳しいルートも無くほとんど疲れも無し。賑わっている山頂は苦手なので記念撮影して休憩せずに間宮岳側のルートに進む(続く)。
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青い池と虹のかかる美瑛町 北海道  平成30年9月28日

2018年10月01日 | 圏外編
 出張で旭川に行く機会があった。折角だから十勝岳か旭岳あたりに登って行こうと登山装備を持って出かけたのは良かったが・・・? レンタカーを借りる予定で到着したホテルで荷物を確認してビックリ仰天!!免許証を忘れた。もはやバス移動かタクシーしか移動手段が無い。さてどうしましょうか?タクシー運賃を調べてみると十勝岳登山口の望岳台も旭岳ロープウェイもいずれも片道15,000円くらいかかる。ならばバス移動でということで、午前中の講演を聴講した後に青い池まで行ってみることにした。お昼過ぎのバスに乗って青い池の前で下車する。そして池に行く前に帰りのバス時刻を確認に向かい側の停留所に行くと・・・1本逃すと次は午後4時過ぎのバスしか無い。次の目的地までに移動する時間が足りなくなってしまう。止む無し、いちばん早いバスは乗って来たバスが折り返して戻って来るまでの30分しか無い。急いで池に行ってささっと写真を撮ってバス停に戻るという忙しい訪問になってしまった。


    赤抜けた旭川駅。ここから青い池までバス移動約1時間半。


    青い池を訪れる。静かに見えるが観光客がいっぱいで三脚を立てるにもちょっと待たなければならないほど。しかも滞在時間はわずかに30分。


    紅葉にはまだ早かった。


    雨の後だと青く無い日もあるらしい。さらに青空の日のほうが青くなるらしい。


    この日は曇だったがこれくらいの青さならば十分。


    ちょっと物足りなさを感じつつも急いでバス停に戻る。

 バスで美瑛の駅まで移動する。美瑛駅から旭川空港まで移動してそこで別のバスに乗り換えるのだが時間が2時間ほどあり、旭川空港まで移動するバスも1時間後である。近くに東屋が立つ小さな丘があるのでそこに移動して遅い昼食をとっていると、ポツポツと雨が降り出した。かと思ったらさらに雷鳴が轟き出す。周辺の空は青空が見えるのにこの場所だけ夕立のようだ。30分ほどで雨は止み太陽が現れ出したかと思ったら、ラッキーなことに虹が出てくれた。


    美瑛駅北側。


    空港行きのバス停は南側にある。


    夕立と雷の後に美瑛の町に虹がかかった。


    虹のかかる美瑛駅

 15分ほどで虹は消えてしまった。バス移動のおかげで良い景色に出会うことが出来た。その後10分ほどで旭川空港に行くバスが来たので移動する。空港で乗り換えて次なる目的地は旭岳温泉である。予定ではレンタカーで移動して朝1番のロープウェイに乗るはずだったのだが、免許証を忘れてレンタカーが借りられなくなってしまったので旭岳温泉に前日から泊まる作戦に出た。しかし、これまた宿泊予定のホテルまで行って大トラブルが・・・!!(続く)
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